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GWお休み [その他]

 ゴールデンウィーク中はネット環境のない田舎に引っ込むので、ブログ更新・コメント対応などいっさいできません。

 ネットなんかなくてもどうにかなるなる。

 よろしければ、またGW明けにおいで下さい。
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デヴィ夫人のブログが面白い件 [その他]

 ねえ。
 腹立つことばっかりで、心安らかにアニメ見ることもできねーな。

 なんでもかんでも「不謹慎」っていう奴も嫌いだけど、真面目に「経済を回す」って奴も嫌い、理由つけんな!

 でも一番嫌いなのは、ちょっと飛んじゃうけど「ガーリィ」って言葉を使う奴だよね。

 「ガールズトーク」だの「女子会」だの、フツーの女性の行動に特別な価値があるかのように使われる言葉が嫌で仕方なかったんだが、ただの雑談と飲み会じゃねーか! みたいな。

 今度はガーリィと来やがった。


 ガーリィの翼の顕現か!

 違うよ。
 自分の程度は棚に上げて、よいしょ、ガーリィって言葉を使う人は色眼鏡で見ます。


 ふう。一段落。

 ええと。あ、今回アニメの話は多分なし。
 それでも、もしよろしければお付き合い下さい。

 いや、最初に一言だけ、バカバカしいアニメ話をしておこう。

 「お兄ちゃん、私が金魚すくいのふりをしている間に」って、なかなか頭から離れない名セリフ。
 「ふりかよ!」って、何人もの視聴者が突っ込んだことでしょう。あのアニメ、声優さんで遊びすぎ。もっとやれ。

 あ、もう1つアニメ話。

 富野がドラッカーを語るやつ、やっぱり放送されなかったね。
 なんだったんだ?


 さて。

 まず、ツイッターね。

 分かっていたことだけど、ツイッターってコミュニケーションツールとしては優れているけど、情報収集ツールとしてはやっぱり問題あるね。

 専門家の価値あるツイートも、あっという間にTL上を流れてしまう。

 あの、はっきり書いてしまうと、少なくとも地震当日と翌日、バンバン色んな情報をRTしまくったり・テレビやラジオからの情報をツイートしたり・関係各所を罵倒したりする奴とは、仲良くできないわ。

 ま、先方もぼくなんかと仲良くしたくないだろうけれど。

 本当に必要なツイート・例えば救援要請だったり・知人の安否確認だったりが流れないために、ツイートを控えていた人とお友達になりたいです、ぼくは。

 今回は、つくづくツイッターが嫌になった。


 あとさー。うーんと。

 もちろん感情を害するのはよく分かるし、公的な立場の人間が発言したら批判されるのは当然だけど。

 大津波や大地震から、カタストロフィや天罰を連想するのはありがちで・陳腐で・使い古されていて・手垢のついた発想であって、ぼくがビックリしたのは、都知事以前に作家であり、現在も芥川賞の選考委員で現役の作家であるオジイチャンが、このありがちで・陳腐で・使い古されていて・手垢のついた発想を、さも自分の固有の考えのように語ったところにあるんだよね。

 ええええ恥ずかしくないの今更、みたいな。

 アレと同じレベルだよ、アレ。
 あの、パンくわえた女の子と角でぶつかって、その子が転校生だった、ってやつ。

 それをパロディでもなく、自分の発想のように開陳されても困るじゃない?

 津波が天罰なんて、全く同じレベル。
 自然災害に意味を持たせているだけで、非論理的なのにね。

 なんで作家ともあろう人間が、ありがちで・陳腐で・使い古されていて・手垢のついた発想を、自信満々に発表できたんだろう? エライ人の考えることは良く分からないっス。


 あと腹がたったことね。

 いやオマエちょっと待てよ。腹がたったって書くとなんかオカシイことになるだろ。

 違うよ、面白い。面白いブログ見つけた。

 デヴィ夫人のブログ

 とにかく震災以来、政府を口汚なくって言ったらアレか、ぼくの間違いか。
 舌鋒鋭くって言えばカッコいいね、舌鋒鋭く政府を批判していてね。

 ぼくなんか何故か、民主党支持者でもないのに読んでてなーんかイヤな気分になるほど舌鋒鋭いんだけど。

 で、そんな中、18日には「国会議事堂内にある衆院の民主党控室に、インスタント食品が大量に運び込まれた」というニュースにデヴィ夫人はキレまくっている。

「蓮舫と枝野があれほど 国民に買い占めをするなと 言っておいて、まさか 自分達だけ買い占めしているのではないでしょうか。」(この文、引用)

 と怒り心頭だ。

 ところで頭が悪くて低学歴だと自認しているぼくですら、このニュースは「いくら政治家がアホだと言っても、ここまでアホだろうか?」と信憑性に大いに疑問を持つのだが、夫人がブログ内でニュースソースとして紹介しているのは、個人ブログである。

 しかしこの個人ブログの記事自体、ZAKZAKのニュースを元に書かれている(ZAKZAKへのリンクが明記されている)。

 それなら夫人は、情報発信元であり・当然ながらより確度が高いZAKZAKの記事をソースとして紹介すればいいんじゃね? というか、あるべき姿じゃね? と思うんだけど。

 でも、ここで問題なんだよねー。

 ZAKZAKの記事には、最後に思いっきり「民主党国対職員は「買い占めじゃないですよ。国対幹部の支持者が『使ってほしい』ということで持ってきてくれた。なんとかして被災地に送ろうと思っている」と事情を説明。公約違反続出で信用を失っている民主党だけに、あらぬ嫌疑をかけられてしまったようだ。」って書いちゃってるの。

 情報の発信元であるZAKZAKの記事自体が否定しているんだよ、インスタント食品の買い溜めなんて。

 オマエこれじゃまるでアレだろ、夫人がなんでもいいから政府の悪口言いたくて、自分に都合のいい部分だけを引用している個人ブログを見つけて、大元の記事を確認することもせずに・もしくは見ない振りをして、罵詈雑言を書いたみたいに思われちゃうだろコノヤロー!

 誰が悪いんだ? マッチポンプみたいな記事を書いたZAKZAKが悪いってことでいいのか?

 ったくよー。

 あと例のACのCMを話題にしている、22日の記事も面白い。

 ACにクレームを入れた、推察力のないバカがたくさんいた(なぜACのCMだけたくさん流れるのか? と考えれば、自ずと想像はつく)という話題も一段落し、ネットでは「ACのCMをたくさん流すくらいなら、番組の放送時間を短縮しては」という建設的な意見や、金子みすずの詩をパロディ化する心の余裕が生まれているが、もちろん夫人の怒りは収まらない。

 「もう 飽きました。 いい加減にしてください。」(この文、引用)

 と、一刀両断である。フツーだ…こらオマエ、フツーってなんだ!
 デヴィ夫人が書かれているんだぞ!

 しかしこの記事で面白いのは、「不謹慎な発言になるかもしれないが」から続く一文。

「今度の震災で 宣伝に得したのは 菅内閣だけではない。

仁科亜季子親子、 母娘。 子宮頸がんの広告。

オシム監督の 脳梗塞。」(ここまで引用)

 え、宣伝に得? 意味が分からん。
 ACは筋違いのクレームを大量に受けてバージョン違いのCMを作ったし、仁科さん親子だってこんなコメントを出すハメになっている。

 そもそも自業自得かもしれないが、デヴィ夫人自身が菅内閣をいいだけ批判しており、菅内閣は全く「宣伝に得」などしていないではないか。
 何が得なんだ?

 それともう1つ、23日の記事は許せない、じゃない、夫人の誠意が伝わる、素晴らしい内容である。

 デヴィ夫人の知人である、杏林予防医学研究所の山田豊文さんからの長文を紹介している。

 興味のある人は読んで下さい。放射線の危険性を訴える文章です。

 山田さんは芸能人や有名スポーツ選手も利用していることをウリに、様々な健康関連商品を販売している人らしい。著作も多い。

 無学のぼくには、この人がどんな方かは判断できない。
 ただこの方が所長を務めている「杏林予防医学研究所」が杏林大学とも杏林製薬とも関係ないのは、間違いないようだ。
 例えばこのインタビューに、明記されている。

 さて、デヴィ夫人のブログで紹介している山田さんの文章を読むと、含硫アミノ酸やタウリンには放射線防御効果があり、最後には、これらの商品は株式会社ニュー・サイエンスで取り扱っている、とある。

 うん? あれ、これって。

 イヤイヤ違う違う、ぼくはどれだけ下衆で薄汚れた人間なんだ、夫人は本当に心配だから、自分が信頼している人の文章を掲載しているだけなのに。
 薄汚れた最低人間のぼくときたら。

 「これって、人の不安な心に付け込んで商品売り付けているだけじゃねーの?」などと一瞬とは言え考えてしまいっ。
 ぼくのバカバカバカっ。

 この商品を扱っている楽天ショップでは、まさに山田氏の警告文を載せた上で商品を売るという、構図としては夫人のブログと全く一緒だったことも、ぼくの誤解を助長させることに、イヤ言い訳ですねスイマセン!

 人の高潔な意思を、「いくら貰ってんだコレ?」みたいに勘繰ってしまったこと、いたく反省しております。

 こうなったら微力ながら、ぼくもお手伝いします!

 このブログを読んでくれているみんな、放射能がなんかヤベーらしいから、大丈夫になるらしいネオタウ100、ネオタウ100でいいんだよな? ネオタウ100を買ってくれ!

 下にアフィリエイトリンクをガンガン貼っておいた!
 貧乏人のぼくには買えない金額だがな。

 でも放射能怖いから。もちろん夫人の善意の一助になろうとしているんだ、本当にクリックしちゃった奴が現れた場合、ぼくに入るアフィリエイト分は寄付するぞ!

 それじゃみんな、またね!


 そういえば先週、ユニコーンの3話目を映画館で見たんだった。

 次回はその感想にします。オールドファンとしては、「プルシリーズなら、声は本多智恵子さんにしてくれよ」と思ってしまった。


  

富野を知るにはこれを買え


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オマエラ、何でマシュウ・カスバートが亡くなったか知らねーんだろ! [その他]

 被災地からも福島原発からも離れた北海道ですら、買い占めする連中が現れている。米とかペットボトルの水とかインスタントラーメンとか。

 個人で被災地に送ることはまだ出来ないはずだから、ほとんどが自分用、「万一なくなった時用」だろ?
 被災地じゃないよ? 北海道札幌だよ、ここ。みっともねえったらありゃしねえ。

 そんなにラーメン食いたきゃ、そこらへんぷらぷら歩けよ。いくらでもあんだろ、ラーメン屋くらい。
 水飲みたいんなら蛇口ひねろ。出るから。

 アベイ銀行は大丈夫だっていうのに、取り付け騒ぎが起きて本当に倒産しちゃったから、マシュウはショックで死んじゃったんだぞ。本当に品薄になったらどうすんだよ、ボンクラ。
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お知らせ [その他]

 左サイドの「これまでの主な記事」を更新しました。

 もし、最近このブログを知っていただいた方で、まだ読んでいない記事がありましたら、ぜひどうぞ。

 そこそこ面白い。と思うので。

 眠い。もう寝ます。

 またお会いしましょう。
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シャアロック・アズナブルの事件簿『茶髪連盟』 解決編 [その他]

※読まれる前に。
 シャーロック・ホームズの有名な『赤毛連盟』のパロディです。
 元文は青空文庫のものを使用しています。
 犯人の物語上の位置などは、『赤毛連盟』と同じにしているので、未読でこれから読むつもりの人は、当記事は読まない方がよろしいかと思います。
 では、お楽しみ下さい。



 前回までの大雑把なあらすじ。

 貧乏パイロットのアムロ・レイは、セイラ・マスのすすめで「茶髪同盟」の欠員募集に応募し、合格した。
 ビルの一室で「モビルスーツ百科事典」をただただ書き写す純真なアムロ。

 しかし数週間後、部屋の入口には次のように書かれたボール紙が貼られていた。

茶髪連盟は解散する。
0079年*月*日


(続き)

 シャアロック・アズナブルと私はその素っ気ない声明文と、その向こうにいる残念そうな顔の少年を比べ見た。
 我々の思考回路は緊急停止した。

 事件があまりにも滑稽だったからだ。我々2人はこらえきれず、大きく笑い崩れてしまった。

「どこが、何が面白いんですか!」と依頼者は叫んだ。本来白い顔が紅潮していた。

「ぼくを笑うしか能がないなら、どこかよそへ行きますよ」

「いや、いや」アズナブルは半ば腰を浮かした依頼者を制し、椅子に押し戻した。
「こんな事件を、みすみす世間の人間に放っておけますか。すがすがしいくらいに特異な事件です。しかし失礼しますが、幾分、愉快な点があるのも確かです。
 扉にあったカードを発見して、あなたはどう行動されたのかお聞かせ願えないでしょうか」

「そりゃあアズナブルさん、仰天しましたよ。何をしていいかわかりませんでした。
 とりあえず同じ建物の事務所という事務所を尋ね回ったんですが、どうも誰も知らないようなんです。
 最後に一階にすんでいる管理人の所へ行きました。その人は会計士なんですけどね、茶髪連盟はどうなったんだ、て聞いてもそんな団体、聞いたこともないって言うんです。じゃあ、フラウ・ボウって女は知っているか、と聞いたら、そんな名前、初耳だ、って答えたんです。

 ですから、『そんなことないだろう、ほら、4号室の女性だよ』って言ったんです。

『え、茶髪の方ですか?』

『そうそう』

 すると、管理人はうーん、とうなるんですよ。『その女性の名前はマチルダ・アジャンといいまして、運搬業者なんですよ。あの部屋は、新しい部屋を借りるまでの仮事務所なんです。つい先日引っ越しましたね』

『どこに行けば、彼女に会えるんですかね?』

『なら、新しい事務所に行くといい。住所は聞いていますから』

 ぼくはそこで聞いた場所へ向かいましたよ、アズナブルさん。でも、その住所には膝当ての製造工場があるだけで、フラウ・ボウもマチルダ・アジャンも、誰一人として知りませんでした」

「それからどうなさいましたか?」とアズナブルは先を促した。

「ベルファストに停泊しているホワイトベースへ帰りました。セイラさんに相談してみたんですけどね、手の打ちようがないって。ただ、待っていれば手紙でも届きますよ、アムロさん、ってそれだけ言うんです。
 でもね、ぼくは…心の収まりがつかないんですよ、アズナブルさん。こんな…仕事がふいになろうっていうときに、手をこまねいてなんかいられないんです。だから…だからですよ、あなたが困った人の相談にちゃんと乗ってくれる、ちゃんと手助けしてくれる、っていう人だと聞いていたから、ぼくは一目散にやってきたわけなんですよ」

「たいへん賢明です」アズナブルはアムロ氏にそう答えた。
「あなたの事件は、常識の域を超えた事件です。喜んで調査しましょう。話から察するに、見かけによらず、たいへんゆゆしき問題となりそうです」

 アムロ・レイ氏は熱くなり、「ゆゆしき…もちろん! ぼくの、ぼくの大事な4ポンドが!」

 アズナブルはアムロ氏の態度にたいして、こう意見した。
「あなた個人として、その異常な連盟に不満を抱く、それは筋違いというものです。わたしなら逆に、ざっと30ポンドは得をした。モビルスーツ百科事典の詳細な知識を手に入れただけでも充分なのに、と、そう理解しますね。連盟からは、失ったものより得たものの方が多いはずです」

「そうかもしれませんが、アズナブルさん。ぼくは彼女を見つけだしたいんですよ。何者で、どうしてぼくにあんないたずらを…もし、もしいたずらとしたらですよ、その目的が知りたいんです。まぁ、いたずらにしちゃあ金を使いすぎですが。ぼくに32ポンドも使っているんですから」

「そういう点は、明らかにして差し上げます。しかしその前にアムロさん、二、三お尋ねしたいことがあります。最初に広告を見せに来た、その店員、いつ頃から働いていますか?」

「その1ヵ月くらい前です」

「どのように?」

「求人広告を出したら、やって来たんです。」

「来たのは彼女一人?」

「いいや、12人くらいおりました」

「ではなぜ彼女を?」

「使えそうで、それに給料は安くても構わないって言ったものですから」

「つまり、半額と」

「ええ」

「セイラ・マスの風采は?」

「小柄ですが、どこか品の良さを感じます。地球生まれか、そうでなくても名門の出だと、ぼくは思っているのです。金髪で、美人ですよ」

 アズナブルは椅子から身を乗り出した。どうやら心が高揚しているようだ。「彼女はまだホワイトベースにいますね」

「ええ、いるでしょうね」

「あなたの留守中も、訓練に精を出しているのですか?」

「はい、文句の付けようもないほどに。それに、一日中訓練をするわけじゃありませんし」

「よくわかりました。アムロさん、一両日中には意見をお知らせしましょう。今日は土曜日、ですから月曜までには解決できることと思います」

 こうして、我々は訪問客を部屋から送り出した。

「さて、ドレン」アズナブルは私に話しかけてきた。「今の、君はどう思う?」

「さっぱりだ」私は率直に答えた。「たいへん…謎めいた仕事だな」

「概して、」とアズナブルは切り出す。
「奇想な事件ほど、解ける謎は多いものさ。ありふれて特徴のない犯罪が、真に我々を悩ませる。それはまさしく、ありふれた顔が見分けにくいのと同じだ。しかし、この事件に関しては迅速に動かねばなるまい」

「これから、どうする?」
 と私が尋ねると、アズナブルはこう答えた。

「考えよう。これから、30分間は話しかけないでくれ」

 アズナブルは椅子に座ったまま身体を丸めた。足を抱え込み、やせたひざを仮面の近くに持ってくる。
 仮面に覆われた顔で、そこだけは見える目と口は閉じられている。アズナブルは眠りこけたのだ、と思った。自らも、うとうとしだした時であった。アズナブルは突然、椅子から飛び起きた。どうやら結論が出たようだった。

「今日の午後、ギレン・ザビの演説がある」とアズナブルは言い出した。「どうだろう、ドレン。2、3時間もらえるか?」

「今日は一日あいているよ」

「帽子をかぶって、来たまえ。アムロくんを追い抜きたい。きっとギレン閣下は愉快な演説をするだろう。一杯飲みながら聞くのにはぴったりさ。―さあ、行こうか」

 我々はキュイで港まで行き、さらにマッド・アングラーに乗り換えてベルファストまで向かった。

 ベルファストの港からしばらく歩くと、停泊中のホワイトベースに着いた。白い軍艦で、あちらこちらが傷ついていた。よほどの激戦をくぐり抜けて来たのだろう。あの茶髪の依頼人が働いている軍艦だ。アズナブルは検問場所で、セイラ・マスを呼ぶように言づけた。あまり待たないうちに、頭の良さそうな女が出てきた。

「どうも」アズナブルは多少の謝罪を入れてから、「アムロ・レイさんに会いにきたのだが、いますか」

「今は不在よ。後ほど来ていただける?」女は手短に答えると、艦の方へ戻っていった。

「頭の切れる女だ、あいつ」アズナブルは呟いた。我々は立ち去ろうとしていた。

 アズナブルは話を続ける。「私見だが、彼女は抜け目のなさで、ぼくの知っている中では4番目だ。大胆さにおいては3番目と言ってもいい。彼女とは、多少のかかわりがあってね」

 私は口を挟むことにした。
「うむ。アムロ氏が雇った部下か。茶髪連盟の謎に、一枚かんでいるにちがいない。君があんな事を尋ねたのは、彼女の顔が見たかっただけなんだろう?」

「顔もだが、それだけではない」

「では何だい」

「手のひらさ」

「で、どうだった」

「予想通り。擦りむけていた。随分と操縦捍を握っていたんだろう。
さて、ドレン。私たちの仕事は終わった。今度は気晴らしの時間だ。サンドウィッチとコーヒー一杯で一息つこう。それからバーでジオンの国へ行くのだ。ギレンの威勢のいい演説を笑って聞いていれば、茶髪の依頼者に難題をふっかけられて煩うこともなかろう」

 我が友人はジオン信奉者(ジオニスト)だった。また自身も有能な指揮官であり、類い希なパイロットでもあった。

 夕方はずっとバーのテレビに近い席に座っていた。大きな幸せに浸り、ギレン閣下の演説に合わせ、その長く細い指を静かに揺り動かしていた。

 この時の静かな微笑は、獲物を追うときのアズナブルや、怜悧で容赦なく敵を追いつめるモビルスーツパイロットとしてのアズナブルとは、似つかぬものに思われた。

 時に私は考える。

 彼という特異な人間のうちには、この二種の気質が交互に現れるのではないか。百発百中の推理というのは、時折アズナブルの心を支配する詩的で瞑想的な気分に対する反動ではなかろうか。
 この気持ちの切り替わりが、アズナブルをけだるさの極地から飽くなき活力へと導くのだ。

 私は演説に心酔しているアズナブルを見て、冒険の果てに捕らえられるべき犯人達にはやがて、凶事が舞い込むであろうと感じた。

「君は家へ帰りたいと思っている。そうだろう、ドレン」バーを出ると、アズナブルは私の心境を当ててみせた。

「ああ、その方がいい」

「僕は少々時間を食う用事がある。ホワイトベースの事件は深刻だ」

「どういうことだ?」

「大それた犯罪を企んでいるやつがいる。だが食い止めるだけの時間はある。確信できるだけの根拠もある。今晩、君の手を借りるかもしれない」

「何時だ?」

「10時くらいで充分だろう」

「では、10時に落ちあおう」

「頼む。あとドレン、少々危険かもしれないから、君の軍用リヴォルヴァをポケットに忍ばせておいてくれたまえ」

 アズナブルは手を振り、きびすを返すと、たちまち群衆の中へ消えていった。

 私は、自分が周囲の人より頭が悪いとは思っていない。
 だがシャアロック・アズナブルと接していると、いつも自らの愚鈍さを感じ、憂鬱になるのだ。

 今回の件でも、アズナブルが見聞きしたことは、私も同じように見聞きしている。
 それでもやはり、アズナブルの言葉から察するに、アズナブルは事件の経過全体だけではなく、これから何が起ころうとしているかも見抜いているようだった。

 それに引き替え、私と来たら事件の全容がいまだ混沌として奇怪なままだ。
 自宅へ帰る途中、私はずっと考えていた。

 モビルスーツ百科事典を筆写した茶髪の男の異常な話。
 ホワイトベースへの調査。
 アズナブルが別れ際に言った不吉な言葉に至るまで。
 今夜の探検は何を意味しているのか。
 なぜ拳銃を持っていかなければならないのか。
 どこへ行って、何をするのか。

 アズナブルの口振りでは、ホワイトベースの金髪の部下は手強い女らしい。深い企みがあって動いているらしい。

 私は謎のパズルを解きほぐそうとしたが、絶望し、あきらめ、夜になって全貌が明らかになるまでこの事は放っておくことにした。

 私がその夜、家を発ったのは9時15分過ぎであった。アズナブルの部屋に入っていくと、アズナブルは2人の男と熱心に話をしていた。

 一人はかねてからの知り合い、警視庁のランバ・ラルだった。もう一人は細身で、三白眼の男だった。嫌みたらしく連邦軍の制服を着ていた。

「さあ! これで全員揃った」アズナブルは皆に呼びかけ、棚から丈夫な狩猟鞭を持ち出した。

「ドレン、スコットランド・ヤードのラルくんは知っているね。こちらにいらっしゃるのはブライトさんといって、今夜の冒険に同伴してくれるそうだ」

「ドレンさん、また一緒に捜査することになりましたな」とランバ・ラルはもったいぶった調子で言う。「ここにおられる友人は狩猟がとてもうまいから、追いつめた後に、引っ捕らえるだけの老犬がいればいいんですと」

「終わってみれば雁一羽、なんてことにはなってほしくないですな」とブライト氏はむっつりと言う。

「なに、アズナブルさんのことだから大船に乗ったつもりで」ラルは自分のことのように、横柄に言ったものだ。
「この人にはちょっと独特の方法があるんですよ。言って気を悪くなさらないといいのですが、あえて言わせてもらいます。少々理屈っぽくて本心を隠すことが多い、けれども、彼は立派な探偵であります。これまでも一、二度ばかりでなく、本職の警察よりも真に迫った推理をなさったんですよ」

「ほう、ランバ・ラルさん、あなたがそう言われるのなら、大丈夫ですね」新参者のブライト氏が敬意をこめて言った。
「艦長のわたしがホワイトベースを離れるのは不安ですが」

「今にご覧あれ、」とシャアロック・アズナブルは言う。「今夜は大きな賭けです。心が昂ぶる勝負です。ブライトさん、あなたの賭け金はガンダムです。とすると、ラル、君の賭けは犯人逮捕ということになる」

「セイラ・マスは殺人犯で窃盗、その上、虚偽の情報を流布しては株価を操作して、利鞘を荒稼ぎしているやつだ。
 若造だが、ブライトさん、やつはその道では右に出るものがいないほどの悪党で、…私はどんな悪党よりも、こいつにこの手錠を掛けてやりたいんです。
 この若造、セイラ・マスは抜きん出た女ですよ。名前は出せませんが、父は大変高名、こやつ自身も名門大学の出です。やつは手先も器用、さらに利発とあって……密告があって捕まえようとしても、いつだって立ちまわった跡だけが残っていて、やつそのものの所在はどこへやらだ! ジャブローで押し込み強盗をしたと思えば、次の週はオデッサで金を騙し集めていたりしやがる。長年、やつを追っているんだが、まだこの目で見た事がない」

「今宵はなんと光栄なことか。セイラ・マス先生を君たちにご紹介できるのだから。彼女とはちょっとした関わり合いがあるが、君の意見に賛成だ。確かにこの道にかけては第一人者である。さて、10時過ぎになりました。出発の時間です。人は先に。ドレンと私は後ろからついていきます」

 マッド・アングラーに乗ると、シャアロック・アズナブルは堅く口を閉ざしてしまった。シートに深く座り、押し黙っていた。
 そうして、我々はついにベルファストへ入った。

「もうすぐだ」アズナブルはようやく口を開き、説明をする。
「あのブライトという男はホワイトベースの艦長だ。この事件に直接利害関係がある。また、ランバ・ラルがいてくれた方がいいと判断した。悪い男ではない…本職では全くの無能だが。まあ、取り柄も一つくらいはあるな。殊に勇敢さはブルドッグのようである。粘り強さもロブスターのようだ。捕まえたものを離さないという点でね。さて、着いたか。前の2人も待っている」

 我々が今朝、出向いた場所だ。我々はブライト氏の案内でホワイトベースの艦内に入った。

 夜の艦内は暗かった。
 導かれながらモビルスーツデッキにたどり着く。3体のモビルスーツがハンガーに立っていた。

「セイラが行動しやすいように、ブライトさんにはクルーに休息を出してもらった。罠という訳さ」とアズナブルは述べた。

ライトを掲げ、周りを注意深く見回した。私達はガンダムのコクピットの前に待機した。

「まだ余裕があるようだ」アズナブルはみんなに語りかけた。
「まだ全員が眠りこむ時間ではないからね。だが寝てしまえば、一分一秒を争ってやってくる。仕事を手早く済ませてしまえば、逃亡する時間も長くなるからだ。ブライトさん、なぜガンダムが狙われるか説明してもらえますね」

「連邦の最新鋭機で、戦果もあげているからでしょう」艦長が小声で答えた。
「狙われるかもしれない、という予感は今まで何度もしておりました。私のような若造が艦長の艦で運営するには、すぎた機体です」

「謙遜でしょう」アズナブルは述べた。「目覚ましい戦果ですから。さて、ことが起こるまでの間は、ブライトさん、ライトの明かりを消さなければなりません」

「暗い中で座れと?」

「あいにくですが。明かりを付けておくのは危険です。
 ではまず第一に、僕らの配置を決めておきましょう。不敵なやつらです。袋小路に追いつめても、油断すると痛い目に遭います。私とドレンはこのコクピットの中に隠れますので、あなたとラルくんはそちらへ身を隠してください。それから、僕がやつらに明かりを当てます。みなさんは直ちに飛び出してください。万が一、やつらが発砲でもしたら、ドレン、ためらわずやつらを撃ってくれたまえ」

 全員で配置につき、私はリヴォルヴァの撃鉄を起こした。

 辺りは漆黒の闇に包まれた。経験したことのない完全なる闇。私は神経が徐々に張りつめていった。強い期待と不安。不意に暗く静まったコクピット内。うすら寒くじめじめした空気。
 胸が締め付けられるような感覚……

 ……なんと長かったことか! 後でアズナブルと私のメモを比べると、どうやら1時間と15分しかなかったらしい。
 私は夜も明け、暁ばかりになっていたと思いこんでいたのに。

 私の四肢は疲れのため、棒のようになっていた。わずかな身動きも差し控えていたのだ。
 神経は過度に張りつめられていた。聴力はとぎすまされていた。皆の穏やかな息遣い。大柄なラルの深々と吸い込む息。ブライト氏のため息めいた細い息遣い。

 すると突然、モビルスーツに取り付けられたエレベーターの動く音が響いた。

 音が近付いてきて、止まる。開け放たれているコクピットの前に、2つの人影が立った。

「……誰もいない」先に上がった女がささやく。

「ハッチはあけといたろうね……ん、何! 逃げろ、ミハル、絞り首だ!」

 シャアロック・アズナブルが飛び出した。侵入者の襟首をすばやくつかむ。

 もう一人はエレベーターに戻ろうとしたが、服の引き裂かれる音がした。

 ランバ・ラルが服の裾をつかんだようだ。リヴォルヴァの銃身がきらめいた。アズナブルの狩猟鞭が男の手首に振り下ろされた。拳銃が床の敷石に落ちた。がちゃりと音がする。

「無駄だ、セイラ・マス」アズナブルの穏やかな声。「君に反撃の余地はない」

「どうやらそのようね」相手は極めて冷静に答えた。「でも、私の仲間はうまく逃げおおせたようね。服の端だけをあなたの手みやげにして」

「表には3人の警官が待ちかまえている」アズナブルは告げた。

「へえ、そう。あなた達にしてはよくやったものね。お褒めの言葉を送るわ」

「それをそっくり君に返そう」アズナブルは答える。「君の茶髪連盟、斬新で効果的だった」

「お前もすぐ仲間に会わせてやるよ」ランバ・ラルが横から口を挟む。「手を差し出せ、手錠をはめてやる」

「あなたの不潔な手で、私に触れないでくれる?」我々に包囲された犯人は言葉を吐き捨てたが、すぐに手錠をはめられた。

「あなたは知らないでしょうけど、私の身体には王家の血が流れているのよ。口を利く時には、そう、『どうぞ』とか『恐縮ですが』と言ってくれないかしら」

「わかった、わかった」ラルは目をひんむき、くすくす笑う。「それではまことに恐縮ですが、上へおあがりください。警察署までご案内いたしましょう」

「よろしいわ」セイラ・マスは落ち着き払って言った。我々3人に尊大な会釈をしたのち、警官に身柄を確保され、静かに立ち去った。

 我々は警官の後について地下室を出た。その時、ブライト氏はこう言った。「アズナブルさん、本当に、どうお礼を申し上げていいかわかりません」




「いいかい、ドレン」
 アズナブルは朝早い頃、部屋でブランデーを飲みながら説明するのだった。

「初めから明々白々だった。茶髪連盟の風変わりな広告。モビルスーツ百科事典を筆写させる。この2つの目的は、あのひどく頭の悪いモビルスーツのパイロットを、毎日何時間か留守にさせる、これしかない。おかしな手だ。

 しかしこれ以上の案は思いつかないだろう。考えたのは頭の切れるセイラのやつだ。共犯者―ミハル・ラトキエ―の髪の色を見て思いついたに相違ない。アムロをおびき出すのに、1週間4ポンド必要であったわけだが、ガンダムを奪おうというんだ、そのくらい造作もない。

 そうやって広告を出し、一人は仮事務所を借りて、もう一人はアムロにけしかけて応募させる。2人して、毎朝確実にモビルスーツデッキを留守にさせた。
 僕は部下が相場の半額で来ているという話をきいて、すぐにわかった。女にその立場を得なければならない強い動機があるのだ、と」

「しかし、どうしてその動機がわかる?」

「軍艦で価値あるものと言えば、情報かモビルスーツしかないだろう。しかもアムロ氏は、女がシミュレーターで熱心にガンダムの操縦を覚えていると言っていた。いくらシミュレーターで練習しても、実機に慣れる時間が欲しかったのだろう。ホワイトベースを出て、追っ手を迎撃しなければならないだろうし、敵のザクやグフに遭遇しないとも限らないからね。

 実際に会いに行き、彼女の顔を見た。悪党の1人として、ぼくの方では顔は知っていたからね。それに見たかったのはやつの手のひらだ。君も覚えているだろう? やつの手のひらはすり切れていたことを。何度も何度も操縦桿を握って訓練していた証拠だ。

 これで事件は解決したというもの。演説を聞いた後、君は家へ帰った。
 しかし僕はスコットランド・ヤードに寄り、次に艦長を訪ねた。その結果は君の見たとおりだ」

「だが、どうして今日決行されると?」

「それはやつらが連盟の事務所を閉めたからだ。つまりそれがアムロ・レイ氏が艦内にいても邪魔にならなくなったということだろう? 言い換えれば、ガンダムの操縦を完全に習得したということだ。習得した以上、すぐ計画を実行する必要があった。企みが露見するやもしれない。アムロ氏が警察に行くかもしれない。実際、ぼくのところに来たわけだが。今夜強奪があると見当をつけた」

「快刀乱麻を断つ見事な推理だ」私は心の底から感嘆した。「長い長い鎖が、最初から最後まで正しくつながったよ。」

「おかげで、いい退屈しのぎができた」アズナブルはあくびをしながら答えた。「ああ、もうそいつがやって来たようだ。平々凡々とした生活から逃れようと、四六時中もがいている。これが僕の人生だ。こうしたささやかな事件、それに戦争があると、いくらか救われた気持ちになる」

「そうやって、君は多くの人を救っている」

 私の発言に、アズナブルは肩をすくめた。

「結果として、少しは役に立っているのかもしれんな。『本人などどうでもいい――やったことがすべてなのだ』と、ギュスターヴ・フロウベールがジョルジュ・サンドに書き送っているように、ね」


 

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シャアロック・アズナブルの事件簿『茶髪連盟』 1 [その他]

※読まれる前に。
 シャーロック・ホームズの有名な『赤毛連盟』のパロディです。
 元文は青空文庫のものを使用しています。
 犯人の物語上の位置などは、『赤毛連盟』と同じにしているので、未読でこれから読むつもりの人は、当記事は読まない方がよろしいかと思います。
 では、お楽しみ下さい。




 友人シャアロック・アズナブルを、昨秋のある日に訪ねたことがあった。

 すると、アズナブルは見たところ14~16歳の少年と話し込んでいた。
 私がドアを開けた時、少年は何に怯えているのか、素早く腰を浮かせてこちらを向いた。どこか神経質な表情で、頭髪が茶色だったのを覚えている。

 私は仕事の邪魔をしたと思い、詫びを入れて去ろうとした。
 だがアズナブルは私を部屋に引きずり込み、扉を閉めたのである。

「実にいい頃合いだ、ドレン」

 アズナブルの声は親しみに満ちていた。

「仕事中だったかな」

「その通り。真っ最中だ」

「では、私は奥で待つとしよう」

「まあ待ちたまえ。アムロさん、この紳士はドレンさん。僕のパートナーです。あなたの場合にも、彼が大いに役に立つことは間違いありません」

 少年は申し訳程度の会釈をして椅子に座りつつも、疑い深い眼差しで私を見るのだった。

「さあ、かけたまえ」とアズナブルは私にソファをすすめた。

 自らも肘掛椅子に戻ると、両手の指先をつきあわせた。

「そうだ、ドレン。君は僕の好みに同じく、突拍子もないこと、退屈で決まり切った日々の生活の埒外にあるものが好きだ。逐一、記録をつけるほどだからね。
 ところで、ここにいらっしゃるアムロ・レイ氏が今朝、訳ありで僕を訪ねていらした。そのお話によると、この事件は近頃の中でも頭ひとつ抜きんでたものになりそうだ。
 現時点では、目下の事件が犯罪として扱える、とは明言できない。しかし今回の成り行きは、多くの事件と比べても、異端だと言える。

 恐縮ですがアムロさん、もう一度お話を聞かせてくださいませんか。友人であるドレンがはじめの辺りを聞いてませんし、事細かな部分まであなたの口からうかがいたいのです」

 若い依頼人は汚れてしわくちゃになった新聞を、ジーンズのポケットから取りだした。左手だけでひざの上で広げ、しわを伸ばしている。
 首をさしのべ、広告欄に目を落とした。

 私は少年の挙動を観察し、わがパートナーのやり方にならって、服装や態度から依頼人が何者であるかを読みとろうとした。

 しかしながら、観察しても何も見えてこなかった。
 どこをどうしても、やや内気そうな少年である。中背で、機敏な動作。砂漠の民が使用するようなボロ布を身にまとい、前で閉じている。青いジーンズはくたびれた感じだ。
 観察しても、結局わかるのは、男の栗色の髪と、くやしげで不満そうな顔つきだけだった。

 シャアロック・アズナブルの鋭い眼に、私のしようとしたことは見抜かれたようだ。
 私の疑問に満ちた一瞥に気づくと、笑いながらかぶりを振るのであった。

「いや何、わからない。この方が過去、あるいは現在も軍人であること。近頃、相当な量の書きものをなさったこと。これだけははっきりとわかるのだが、後はまったくわからない」

 アムロ・レイ氏は椅子からすっくと立ち上がり、新聞を片方の人差し指で押さえたまま、目をわがパートナーの方へ向けた。

「ど、どうやって、そのことをご存じなんですか、アズナブルさん」
 アムロ氏は驚きのあまり、言葉を口に出す。

「私が軍人だということを? ずばり間違いありませんよ」

「今し方、ドレンがドアを開けた時の、素早い反応ですよ。あれは、いつも緊張状態にいる人間の反応だ。それに」

 アズナブルは不意に立ち上がると、依頼人がまとっている衣の前をめくった。

 私は息を飲んだ。ズボンに拳銃を挟み混んでいたのだ。「用心深い。いい度胸をしている」

「しかし、書きものに関しては…」

「右の小指にインクの染みがあります。毎日の手洗いでも拭い切れないほどの染みです。これは書きもの以外に何で説明づけましょう?」

 アムロ・レイ氏は大笑いし、「いやはや、こんなの初めてです!」と言った。
「ぼくは初め、あなたが何かうまい方法でも使ったのかと思った。だが、結局は何でもないことなんですね」

「覚えておこう、ドレン」アズナブルは私の方を向いた。「説明するのは損だ、とね。『未知なるものはすべて偉大なりと思われる。』…僕の評判もあまり大したものでもないが、あまり正直にしゃべっていると、やがては地に落ちてしまう。ところでアムロさん、広告は見つかりましたか?」

「ええ、見つけました」
 アムロ氏は指を中ほどの欄に下ろした。「これです。これが事の始まりだったのです。自分自身でご覧になって下さい、アズナブルさん」

 私は新聞を受け取り、次のように読み上げた。

茶髪連盟に告ぐ―ソロモンの故ドズル・ザビ氏の遺志に基づき、今、ただ名目上の尽力をするだけで週4ポンド支給される権利を持つ連盟員に、欠員が生じたことを通知する。
 茶髪にして心身ともに健全な10歳以上の人間は誰でも資格あり。
 月曜日、11時、フリート街、ポープス・コート7番地、当連盟事務所内のフラウ・ボウに直接申し込まれたし。

 私は、この奇怪極まる広告を二度読み返した。
「…意味がさっぱりわからん!」口をついて出たのは、こんな叫びだった。

 アズナブルはくすくすと低い声で笑い、椅子に座ったまま身体を揺すった。これはアズナブルが上機嫌のときの癖である。

「これはこれは、少々常軌を逸した話だ。ほう」とアズナブルは呟く。

「ではアムロさん、早速取りかかりましょうか。あなたと家族のこと、そして広告に従った結果、生活にどんな影響があったのかを教えてください。ドレン、君は新聞の名前や日付を書き留めてくれないか」

「0079年*月*日、モーニング・クロニクル紙。ちょうど2か月前だ」

「うむ、結構。ではアムロさん、どうぞ」

「ええと、それは先ほどシャアロック・アズナブルさんに申し上げたとおりで…」アムロ・レイは額の汗を拭い、話を続けた。
「わたしはホワイト・ベースという軍艦でモビルスーツ『ガンダム』のパイロットをやっています。と言っても、パイロットの稼ぎだけではどうもさっぱりで、一人でようやく暮らしていけるという有様です。
 昔は私兵の部下を2人雇うことが出来たんですが、今は一人しかいません。女性です。本来なら払うのも難しいところなんですが、本人が見習いでいいからと他の半分の給料で来てくれているんです」

「その見上げた女性の名前は?」シャアロック・アズナブルは尋ねた。

「名を、セイラ・マスと言うんですが、三十路というほどじゃありません。彼女は年の見当がつかないのです。
 だが、パイロットとしてはなかなか腕利きです、アズナブルさん。血筋がいいのかも知れません。正規の軍人としても働ける腕があると、ぼくは踏んでいるんです。まぁ、彼女が満足しているんだから、入れ知恵する必要もないでしょうが」

「確かに、その通りです。あなたも運のいい方です。相場以下で部下を雇えるとは。今のご時世、なかなかそううまくはいかないものです。変わりものという点では、その従業員と広告、甲乙付けがたいと言えます」

「いや、実は、彼女にも欠点はありまして…」アムロ少年は苦い顔をした。
「彼女ほどガンダムが好きな女はそこいらにいないでしょう。今は支援機に乗っているのですが、ことあるごとにガンダムに乗りたがるのです。夜中にこっそり、シミュレーターで練習もしているようです。それが彼女の粗なのですが、大まかに見れば、いい仕事をしています。金髪の美人さんですし」

「察するに、彼女はまだホワイトベースにいると?」

「ええ。もちろん他のクルーもたくさんいますが、モビルスーツデッキにはあまり人は入ってきません」

 アズナブルはちょっと首をすくめて見せて、話を促した。

「そこへ、この広告ですよ。この広告が面倒の始まりだったんです。セイラさん、彼女がちょうど1週間前、まさにこの新聞を手に持ってきて言うんですよ、『アムロさん、わたしの髪が金髪でなくて茶色だったら良かったのに』って、そこでぼくは聞き返しましたよ。

『そいつはどうして?』って。

 すると彼女は言うんです。『なぜって、ここに茶髪連盟の欠員があるんですよ。ここに入ればどんな人でもちょっとした金持ちになれるんですよ。何でも、連盟の欠員を埋める人間が足りないらしくて、遺産管財人が宙に浮いた金をどうしていいか途方に暮れているらしいそうよ。わたしの髪の色が変えられたら、連盟に入ってお金を稼いだのに』

 だからぼくは、『何、そいつは一体何の話です?』と聞いてやりました。

 するとセイラさんは、『茶髪連盟のことをご存じないんですか?』と、眼を丸くするんです。

『ないなぁ』とぼくが答えると、

『ふぅん、それは不思議ね。あなたは空席にぴったりの資格を持っているというのに』

『それは、どんないいことなんです?』とぼくは詳細を聞こうとしたんです。

『まぁ、たった1年に200ポンドってところですが、仕事はわずかなもんですから、パイロットの仕事の妨げにはなりません』

 って訳です。ぼくが耳寄りな話だと思ったのも無理ないことでしょう。最近はパイロット稼業がうまくいってなかったもので、臨時収入があればとてもありがたいですから。

『詳しく聞かせてくれませんか?』とぼくは、とうとう本腰になってきました。

『ええ』と、彼女はそう言って、あの広告をぼくに見せるんです。
『アムロさん、ほらここに空席があるでしょう、問い合わせ先だって載ってますわ。なんでも、その連盟ってのは大金持ちのジオン軍人、ドズル・ザビっていう方が設立したらしくて、彼の愛娘が茶髪だったもんだから、同じ茶髪の人間に大きく共感するらしいんです。
 それで、死んだときに莫大な遺産を管財人に預けて、その利子を使って、娘と同じ色の髪を持つ人が楽に暮らせるように金を分配してくれ、と死に遺したらしいんです。話によると、給料の気前はいいのに、することはほとんどないそうです』

 ぼくはそこで少し不安になりました。『だが…志願してくる茶髪の男など、世間には五万といるだろう? ぼくは少し赤みがかっているし』

 だが彼女はこう言うんです。『大丈夫、あなたなら出来るわ』って。彼女は人をのせるのが上手で、『おだてのセイラさん』と呼ばれているくらいで…セイラさんは連盟のことに詳しくて、役に立つかもしれないので、その日は模擬戦をやめて、ついてくるように言いましたよ。
 彼女も今日一日が休みになるのを喜びましてね、ぼくたちは仕事を切り上げて、広告に示してある住所へと向かったんです。

 あんな光景は願っても二度と見られませんよ、アズナブルさん。地球から宇宙から木星から、髪の毛の茶色い人間がだれも彼も、広告を見て集まって来たんです。窒息しそうなほどの人並みでした。
 ただ一つの広告がこんなにも大勢かき集めるとは、想像もつかないことです。
 茶髪と言っても脱色して金色に近い者、ぼくのように赤みがかった者、明らかに染めている者、様々な色合いの茶髪がおりました。

 こんなに多くの人が順番を待って並んでいるのを見ると、もう選ばれるわけがないとあきらめていたのですが、セイラさんが聞き入れないので同じように並んでいました。
 その時どうしたか覚えていないのですが、彼女はぼくを押したり引っ張ったりして、人混みを抜けるまでいろんなものに当たりながら、事務所に続く階段の前まで連れていったんです。

 そこには、希望を持って階段を上る人の列と、意気消沈して降りてくる人の列、その二つの人の流れがあって、ぼく達は何とかして列に無理矢理割り込み、ついに事務所の中に入ったんです…」

「それは何とも面白い経験をなされました」アズナブルは言った。ちょうど依頼人が話を中断したところだった。

「惹かれる話です。どうぞ、そのまま続けてください」

「その事務所は二脚の木の椅子と松材の机の他には何もなく、その後ろには茶色い髪の少女が腰を下ろしていました。少女―フラウ・ボウというのですが―は人が入ってくると、志願者それぞれに二言、三言かつぶやいて、何とか粗を見つけては、不適の烙印を押しつけているんです。これでは資格を得るのはやはり、簡単とは言えそうにありませんでした。
 ところが、ぼくらの番が回ってきたとき、少女は他の人よりひどく好意的な目をぼくに向けたんです。ぼくらが入ると、秘密の話をしようと扉を閉めたのです。

『アムロ・レイさんと申されます』と、まごついていたぼくを、セイラさんは横から口添えをしてくれました。
『連盟の欠員を補いたいと希望されています』

 相手はセイラさんの言葉を聞くと、こう答えたんです。

『まさに適任です。この方なら全ての条件を満たしています。ちょっと天パがかったこんなにも見事な茶髪は…見たことがありません』って、それから、フラウ・ボウは一歩後ずさり、首を傾げて、こっちが恥ずかしくなるほど髪をじっくり見るのです。

 すると突然、つかつかと歩いてきて、両手を硬く握りしめて、合格おめでとうございますと熱烈に言うんですよ。

 それからその相手はですね、『ここで躊躇しては、申し訳が立ちません』と何やら言い出しましてね、『見え透いたことでも、確かめるまで念には念を入れて…失礼します』と! フラウ・ボウはぼくの髪を両手でつかんで、ギュウギュウと引っ張ったんです。

 ぼくは思わず、「引っ張ったな! 親父にも引っ張られたことないのに!」と叫んでしまいましたよ。

 するとフラウはですね、『涙が出ましたね』とか言って手を離したんです。
『これで問題ありません。でも、我々は気を付けなければならないのです。今まで、かつらで二度、染色で一度騙されたことがあるんです。靴の縫糸用のロウ、そういったものを使った話もあるくらいで、人間の浅ましさにはあきれるばかりです』と弁解めいた言葉を言いながらフラウは窓の所へ行って、大きな声で、合格者は決まりました、と怒鳴ったんです。

 そうしたら、がっかりした人達のため息とかざわめきとかが下から聞こえてきて、人並みはぞろぞろっと散らばっていきました。

 そこで少女は改めて、『私の名は、フラウ・ボウと申します』と名乗ったわけです。それから、こう言ったんです。

『我々の気高い慈善者はわたしたちに基金を遺してくれましたが、私もその恩給を受けている者の一人です。アムロさん、あなた、配偶者はおありですか? 家族はおありですか?』

 そんなふうに聞かれました。ぼくは未婚ですし、両親とは絶縁状態ですから、どちらもいない、と答えたんですよ。

 するとフラウの顔がみるみる変わっていくんです。

『ああ、困った』と深刻そうな顔をしてですね、『実に深刻な問題です。とても残念です。その、この基金というのは茶髪の一族を繁栄させ、種の保存をしていくことが目的なんです。残念なことに…あなたが独身とは…』

 この言葉を聞いて、ぼくもがっかりしてしまいましたよ、アズナブルさん。
 やっぱり、そうやすやすと連盟員になれるわけないとね。でも、でもですよ、フラウはしばらく考えてから、まぁいいでしょう、と言ったんですよ。

 フラウはそれからこう言うんです。『他の人なら、この点は致命的になりかねないのですが、このような素晴らしい髪を持った方のこと。ここは妥協して規則を曲げなければなりませんね。では、いつ頃からこちらの仕事につけるのでしょうか?』

 そこで、ぼくはこう言ったんです。
『…ちょっと都合が悪いのです。戦争も…ありますので』

 するとですね、セイラ・マスが出てきてこう言ったんです。
『え、アムロ、そんなこと気にすることはないわ。戦争なんてわたしにだって出来るから』

 ですから、ぼくは次にこう聞きました。『勤務時間というのは、どのくらいですか?』

『10時から2時までです』

『4時間くらいなら、もしジオンが攻めてきても、ホワイトベースのみんなでなんとか持たせられるでしょう』って言いまして、次にこう聞いたんです。『で、給料の方は?』

『週給で、4ポンドです』

『それなら、仕事の方は?』

『ほんの名ばかりのことですよ』

『いやだから、その名ばかりの仕事というのは?』

『ああそうでしたね、時間内は事務所…いやせめてこの建物の中にいてもらわなければなりません。もし持ち場を離れましたら、あなたは永久にその資格を剥奪されることになります。遺言状にもその点ははっきりと明文化されています。勤務時間中に一歩でも外にお出でになられたのなら、そこで即、資格剥奪ということになります』

『一日4時間なんでしょう? 外に出ようなんて滅相もない。』

 と言ったらですね、フラウ・ボウさんはびしっと言ってのけるんです。
『いかなる理由も許しません。病気でも、用事があっても、また他のどんな理由であってもいけません。ここに必ずいてください、さもないとクビです』

『それで、仕事は?』

『モビルスーツ百科事典を書き写すのです。そこの本棚にあります。インクとペン、それに吸い取り紙は自前でお願いしたいのですが、机と椅子は用意してあります。明日から、よろしいですか?』

 と言いますから、ぼくは『承知しました』と答えたんです。そうすると、

『では、今日の所はさようなら、アムロ・レイさん。あなたが幸運にもこの得難き地位につかれましたことを、謹んでもう一度お祝い申し上げます』と、少女はぼくを部屋の外へ送り出しましてね、ぼくもセイラさんを連れて店へ引き返したんです。
 ですけどね、帰ってからも、何を言って、何をしてよいのやらさっぱりわからなくなって…それほどぼくは自分の幸運に酔いしれていたんです。

 で、一日中そのことばかりを考えていたんですが、日が暮れるとその酔いもさめてしまいました。というのも、ぼくは…これはみんな詐欺か悪ふざけにちがいない、目的はよくわからないけど、きっとそうに違いない、と考えるようになったんです。
 だいたい、どこの誰がそんな遺言を書いて、モビルスーツ百科事典を書き写す、そんなつまらない仕事にこんな金を払うんでしょうか。信じられないんです。
 セイラさんはね、ぼくを乗り気にしようとはやし立てるんですが、もう寝る時分になると考えるのをやめにしました。

 でも……朝になると、まぁとにかく一度行ってみるくらいはしてみようと、そう決心しましてね、インクの小瓶とペン、フールスキャップ判の紙を7枚買って出向いたんです。

 そうしたら驚きましたし、喜びもしました。まったく話の通りだったんですから。
 机が私専用に置いてあって、フラウ・ボウがぼくがちゃんと仕事に取りかかるか、見届けに来ていたんです。

 フラウはぼくに『あ』のところから書かせ始めると、部屋を出ていったんですが、時々ちゃんとやってるかを見に来ていました。
 2時になると、もう帰っていいってことになってですね、ぼくの仕事ぶりをえらく褒めてくれましてね、そうしてぼくが部屋から出ると、事務所のドアに鍵をかけてしまいました。

 来る日も来る日も仕事をしたんです。で、アズナブルさん、土曜日になるとフラウがやって来て、一週間分の給料としてソヴリン金貨を4枚くれたんです。
 次の週も同じでした。毎日10時にそこへ行って、午後2時にそこを出ます。

 次第にフラウ・ボウは朝に一度しか来ないようになって、そのうちさっぱり顔を見せないようになってしまいました。
 でも、もちろんぼくはその部屋を一歩も出ませんでしたよ。いつ来るかもしれませんから。

 それにこんなによくてですね、ぼくにぴったりな仕事をそうやすやすと手放す気にはなれません。パイロットより楽です。

 ですがね、…急に、仕事がフイに……なってしまったんです」

「フイに?」

「そうです。それもつい今朝のことです。いつものようにね、10時に仕事へ向かったんです。でも、扉が閉まって開かないんです。
 すると、扉のパネルの真ん中あたりに、小さな四角いボール紙がびょうで止めてあったんです。それがこれですよ。ご自分でご覧になってください」

 アムロ・レイは一片の白いボール紙を差し出した。メモ帳くらいの大きさだった。

 そこにはこう書かれていた。


茶髪連盟は解散する。
0079年*月*日

(続く)




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シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

緋色の研究 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

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シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズの回想 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

  • 作者: アーサー・コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: 光文社
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四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

四つの署名 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

  • 作者: アーサー・コナン・ドイル
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バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

バスカヴィル家の犬―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

  • 作者: アーサー・コナン ドイル
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シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

シャーロック・ホームズの生還 新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)

  • 作者: アーサー・コナン・ドイル
  • 出版社/メーカー: 光文社
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完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

完訳版 シャーロック・ホームズ全集 全14巻

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昨年の映画鑑賞歴 2011 [その他]

 毎度ご訪問ありがとうございます。

 さて、今回は。
 昨年はお休みしたが、毎年恒例の記事にしたいと思っている「昨年の映画観賞歴」です。

 映画館に行く際、自分に課している条件は2つ。

 1、仕事が休みの日は、家族との時間を最優先にしたいので、映画を見に行ったりはしない。

 2、見た本数を稼ぐために、興味のない映画を見るようなことはしない。


 最低、50本は見たいと思っていたのだが、全然届かなかった。
 条件1を守ると、必然的に仕事後か・あるいは仕事をさぼって映画館に行くことになり、どうしても鑑賞数は減ってしまった。

 では、視聴したタイトルを全て書く。昨年以前に封切りした映画・あるいは往年の名作が多いのは、ぼくが主に名画座に通っているからです。

 では、スタート。



『カティンの森』
 この映画については、富野とからめてすでに書きました。よろしければこちらを。

『終電車』
『柔らかい肌』(2作品ともトリュフォー)

『アサルトガールズ』

『劔岳 点の記』

『小三治』

『オーシャンズ』
 視聴者に向けた後半のナレーションがうざったい。

『アバター』
 頭のサイズも眼鏡を掛けている人にも考慮せず、立体用メガネのサイズが1種類しかないことが、数年後には笑い話になっているよう望みます。

『Theダイエット!』
 ピザ怖い。

『クヒオ大佐』
 たけしとさんまの特番で、クヒオ大佐のことを知り大笑いしたのは10数年前。キワモノ映画かと思ったが良作。色気のない口紅をつけた満島ひかりさんも、ふてぶてしい演技の新井浩文さんも、そしてチャラいアンジャッシュ児島さんも良かった。

『マン・オン・ワイヤー』

『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』
 泣けた。傑作。

『機動戦士ガンダムUC』
 映画じゃないが、映画館で見たので一応。感想はこちら

『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』

『しあわせのかおり』
 現代を舞台にしているのにケータイやマイカーすら出てこない。ほんわかした作風の中に、作り手の厳しいこだわりを感じる作品。

『お茶漬けの味』(小津)

『のんちゃんのり弁』
 小西真奈美!

『パサジェルカ』

『霜花店<サンファジョム>―運命、その愛』

『東のエデンParadise Lost』

『アリス・イン・ワンダーランド』

『雁の寺』
『越前竹人形』(川島雄三)

『清作の妻』
 反戦映画として傑作。
『赤い天使』(増村保造)

『ウィンター・ソルジャー』

『マイレージ・マイライフ』
 ヘタクソな「タイム・アフター・タイム」が良かった。あと、花婿が花嫁の所に行くシーンから、急にカメラのタッチが変わる演出にビックリ感心した。

『ハート・ロッカー』

『黒い十人の女』(市川崑)

『二匹の牝犬』
 愛を知った女性の方が負ける展開も良いし、『イヴの総て』を彷彿とさせるラストも良い。パッケージ化されておらず、名画座で引っ張りだこというのも頷ける。

『毒婦高橋お伝』

『果しなき欲望』(今村昌平)

『ラブホテル・コレクション』

『喜劇・冠婚葬祭入門』

『喜劇・駅前番頭』

『借りぐらしのアリエッティ』

『我が闘争』

『続・我が闘争/勝者と敗者』

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』

『飢餓海峡』

『告白』

『日本列島』


 計42本。やっぱり、少なかったですね。



 一応、テレビ・DVDで見た映画も以下に書きます。 


『EXMACHINA』

『刑事』(ピエトロ・ジェルミ)

『幕末太陽傳』(川島雄三)
 落語を聞いていて良かった。

『秋日和』
『浮草』
『麦秋』
『東京暮色』(小津)
 劇中、ずっと「人の入る様子」が映されていた家への入口が、最後のシーンでは笠智衆が「外出する」場面で終る、その対比が胸に染みる。呑気で淡々とした演出に騙されそうになるが、話は悲劇。人間の孤独が冷酷に描かれている。小津作品の中でも秀作。

『荒野の決闘』

『パコと魔法の絵本』
 ストーリーのプロットは、陳腐。それを隠すぶっ飛んだ演出を、どうとるか。

『映画の巨人 ジョン・フォード』
 キャサリン・ヘップバーンと恋仲だったとは、初めて知った。

『時をかける少女』(今さらアニメ版)

『日本のいちばん長い日』

『茄子 アンダルシアの夏』

『噂の娘』
『妻よ薔薇のやうに』(成瀬)

『夏の嵐』(ヴィスコンティ)

『ブリット』

『AK』(外国人監督が撮った黒澤『乱』のドキュメント)

『座頭市と用心棒』

『ヨコハマメリー』

『妻の貌』

『パリ警視J』

『一番美しく』
『姿三四郎』
『虎の尾を踏む男達』
『續姿三四郎』(黒澤)

『愛と哀しみの果て』

『しあわせのかおり』
 劇場で見たばかりだったが、CSで入ったのでもう1度見た。やはり良い。

『ノン子36歳(家事手伝い)』

『夕凪の街 桜の国』

『ゲッタウェイ』

『ニュー・シネマ・パラダイス』(完全オリジナル版)

『秋のソナタ』(ベルイマン)

『我が道を往く』(マッケリー)

『スター・ウォーズ エピソードⅠ ファントム・メナス』

『独立愚連隊』

『洲崎パラダイス赤信号』(川島雄三)
 そば屋の娘役の芦川いづみが良い。

『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(山中貞雄)

『ニュールンベルグ裁判』
 3時間という長さが難点だが、様々な要素が複雑に絡み合い、観客に「考えること」を迫る傑作。

『真昼の死闘』
 初めてシャーリー・マクレーンをかわいいと思った。『アパートの鍵貸します』も含めて。
 
『拳銃〔コルト〕は俺のパスポート』

『ベルモンドの怪盗二十面相』

『クリスタル殺人事件』

『ナイル殺人事件』

『座頭市物語』

『ラルジャン』(ブレッソン)

『ロシュフォールの恋人たち』(デジタルリマスター版)
 カラフルな画面、とことんハッピー、しかしちょっとだけ潜む棘。完璧。ミュージカル映画の中では、一番好き。映画館で見た『雨に唄えば』『トップ・ハット』よりも。

『山のあなた 徳市の恋』

『東海道四谷怪談』

『ブレイクブレイド』1
『ブレイクブレイド』2

『女は女である』
 劇中、ベルモンドが話す「2人の男と付き合っている女が間違って手紙を投函する」エピソードは、そのまま『パリところどころ』のストーリーになっている。

『勝負(かた)をつけろ』

『バーン・アフター・リーディング』(コーエン兄弟)

『タワーリング・インフェルノ』

『パピヨン』

『華麗なる賭け』

『レッドクリフⅠ』

『マンハッタン無宿』

『セント・エルモス・ファイヤー』
 この映画の存在自体を含めて、全てが甘酸っぱい気持ちにさせる。オッサンになると、「大学時代が懐かしい」という気持ちすら懐かしくなるのだ。



 TVで見た映画は60本。

 映画館で見た本数と合わせると100本を越えるが、やはり映画は映画館で見るものである。これは実感。


 さて、昨年映画館で見た中でのベストワンは。

 1月の初旬に『カティンの森』を見た時に、「今年最初に見た映画が、このまま今年のベストワンだな」と思った。

 しかしその後、『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』を見た。

 ぼくの中では、昨年はこの2作の一騎打ち。

 軍配は、老齢でありながら自分の一生のテーマともいえる問題を描ききった巨匠アンジェイ・ワイダ『カティンの森』に。
 この作品には昨年末、アンジェイ・ワイダがロシアから賞を贈られる、という滑稽な・しかし笑えないニュースも蛇足として付いた。


 今年は映画館だけで60本くらい見たいなあ。

 繰り返し書くが、映画はやっぱり映画館で見るものである。
 
 例えば日本映画史上に残る傑作『浮雲』も、DVDで見ていたらツマラナカッタと思う。映画館でリバイバル上映見れて良かった。

 なぜ『浮雲』を例に出したかと言えば、高峰秀子さんが亡くなったからである。



 いや、これ以上書くのはやめておこう。成瀬とか言ったって、もうアラフォーのぼくの周りでさえ、話に乗ってくる人はいないのだ。

 このブログを訪ねてくれる人は、ぼくより若い人か、せいぜい同年代だろうし。アニメのブログだしね。なるべくアニメの話をしよう。今回は散々映画の話をしているけれど。


 今回思い出したんだけど、書こう書こうと思ってまだ『借りぐらしのアリエッティ』の感想を書いていなかった。

 次回は今更だけど『借りぐらしのアリエッティ』。
 
 
 ほいでは、また。 





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水嶋ヒロのことを悪く言うな。 [その他]

 ネットのニュースで、水嶋ヒロさんの処女作の書店予約数が40万部を超えたと報道されていた。

 過去のベストセラーを例に出し、どれだけスゴいことかを報じていたが、ぼくが読んだ数本の記事は、どれも肝心な部分が欠けていた。

 ぼくはローカルラジオで知ったけれども、肝心な点は、この本は返品可能ではなく、責任販売制で取り扱われている、ということだ(その代わり掛け分は少し考慮されているらしいけど)。

 つまり売れなければそのままデッドストックになるのに、40万部も予約が入っているから「なおさら」スゴいのである。

 
 さて水嶋ヒロさんが賞を取った際、ネット上では多くの批判的な意見が出た。
 だがそれらの多くは妬みか(まあ妬む気持ちは良く分かる)、そうでなければ「小説の賞は小説の質のみで評価されるべきだ」という幻想に基づく言い掛かりだ、とぼくは思っているんだよね。

 ここから先は、例えば直木賞など既存の作家向けの賞ではなく、今回水嶋さんが受賞したような・新人発掘を目的とした賞の話ね。

 このような賞に応募する場合、大抵作品以外に、名前や住所、年齢、連絡先、学歴・職歴、あらすじを明記した紙を添付する。
 名前や住所はともかく、本当に作品のみで審査するなら、他の情報はいらないでしょう?

 屁理屈を、と思ったオマエ・コノヤロー。例をだそう。
 
 例えば同じレベルの作品があったとして、10代と50代の作品、どちらを大賞に選ぶ?

 いや、作品は抜きにした方がいいな。ええと。

 有名作家を多く輩出している大学及び文芸サークルと、高卒(いっそ中卒なら興味をひいて良い)の作品、下読み担当者は同じ気持ちで読むかな?

 商社・土木作業員・放浪期間など様々な職歴? を書いてくる人と、学校卒業後ずっと専業主婦の人は、そもそも同じスタートラインに立って評価されるかな?

 他にも例えば職歴の横に、「○○文学賞最終候補に残りました」なんて投稿歴を書いておけば、下読みさんもオっ・コイツは、てなもんでしょう。

 もちろん、作品そのものが重要であるのは言うまでもないけれど。

 でも、応募者全員が同じスタートラインに立っている、というのは幻想だと思うよ。

 水嶋さんは本名で応募したらしいけれど、それで出版社が水嶋ヒロだと気付かずに大賞に選んだのなら言うことなし、もし「水嶋ヒロだから」大賞になったのだとしても、それは前記した例と同じ線上にあるもので、何ら問題ではない。

 水嶋ヒロさんが「水嶋ヒロである」ことは、彼自身の才能・努力の賜物であるからだ。

 まあぼくは性格がねじまがっているから、そんなぼくの下衆の勘繰りですよ、下衆の勘繰りでもし最初から水嶋さんの作家デビューが決まっていて、箔を付けるために大賞を取らせたとしても、それでもぼくは水嶋さんが悪いとは思えない。
 「他の応募者が可哀想」といった憐れむべき意見もあるだろうが、審査前から他の応募者に圧倒的アドバンテージをつけられたのも、やはり水嶋さん本人の力だからだ。

 では、スターではない、一般の応募者はどうすれば良いか。

 シロウトの愚考だが、1つは愚直に作品を書き続け、スタートラインのハンディをモノともしないような名作を書き上げるしかないでしょうね。

 それともう1つ、多分方法があって、それは二枚目俳優として人気を博してから突如引退・小説家宣言すればよい。

 ただしここで気を付けたいのは、元々の仕事でも何者なのかよく分からないのにウッカリ小説家宣言してしまうと、海老名グリーン、あ、シュリンプネーム・グリーンのように、嘲笑のタネになってしまうことだ。


 無論、二枚目でない人にも、方法は色々とある。

 筒井康隆は確か(流行作家になるには)虎を飼えばよい、と書いていたはずだが、書店を見ればカリスマホステス経由で作家、IT社長経由で小説デビュー、名作ロボットアニメの原作・監督を務めたからノベライズなど、実は水嶋さんと同じパターンで作家になった人はたくさんいる。
 ただ賞をとっているか・いないかだけの違いなのだ。

 
 そうだ。
 長くなったが、最後にもう1つ書いておこう。

 ツイッターでの水嶋さんの言葉遣いがオカシイことを槍玉に上げて、「やっぱり作家デビューなんて変だろ」という意見があるようだが、これも認識不足だと思う。

 もちろん、例えば三島由紀夫のように「辞書を丸暗記した」という逸話があるほど語彙が豊富だったり、丸谷才一のように文章作法の著書を残すほどこだわる作家だっているが、全員が全員そうな訳ではない。

 例えばカタカナ語がやたらと多い作家がいる。
 しかし作家自身がその事実に悩んでいれば、その姿勢は充分に文学者足りえると思う。この文章、その・そのうるせえな。まあいいか。

 当ブログらしく富野を引き合いに出せば、我が御大将は「アニメ監督・また作家、作詞家としても活躍している」などと紹介されることが多い。

 実際に著作が何十冊もあるから作家と読べるのだろうが、富野の文章ときたら主語と述語の関係は目茶苦茶だし、「視点」についてはおそらく理解していないし、お世辞にも上手な小説・文章とは言えない。
 勝手な想像だけど、たぶん小説のコンテストに応募しても入賞できないだろう。

 でも富野はアニメの世界で成功をおさめて、それで小説を何十冊も出しているから、やっぱり作家なのだ。

 

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放送まであと1時間だけど『サボテンの花』いいよ(感想・レビュー) [その他]

 オマエのモテ期は…ないっ……ただ待っている者などに…永遠にこないっ……
 ざわ…ざわざわ……

 モテ期診断福本風。

 さて前回書くと予定していたNHK BS「萌える! 泣ける! 燃える! ゼロ年代珠玉のアニメソングスペシャル」の感想は、今晩日付が変わってからアップします。泥酔していなければ、ですが。


 今回は急を要する? 内容を。

 アニメではなく映画の話ですが、まあこのブログのテーマの1つは・クラシック映画からアニメまで、なのでよろしければお付き合い下さい。つっ付き合って下さいっ。

 ああ、そっか。これで頭が良い人だと、「アニメから政治まで」とか「アニメから哲学まで」とかになるんだろうね。
 うああああああああああああああアカデミズムアカデミズム。

 
 さて体のブツブツが治まったところで本題へ。


 今日午後2時から、BSのTwellVで映画『サボテンの花』が放映されます。
 1969年のアメリカ映画。

 レンタル店でもDVDはあまり置いていないと思うので、貴重な機会かもしれません。未見でヒマな方は見てはいかがでしょうか。

 内容は軽快なラブコメディで、気軽に見られる映画です。

 オススメしておいてナンですが、別に感動的な話でも、バツグンに面白い話でもありません。

 しかしこの映画には魅力というか、ドラマがあります。それはキャスティングです。
 女優のキャスティングそれ自体が、ドラマなのです。

 ヒロインはイングリッド・バーグマン。ぼくなどが説明する必要の無い大女優です。

 しかし、夫と娘を捨ててロッセリーニの元へ走ったのも今は昔、『サボテンの花』の時は54歳。年相応の(キレイな)おばさんです。

 これが後年の『オリエント急行殺人事件』や、ベルイマンの『秋のソナタ』のように年齢に合った役なら問題ないのですが、『サボテンの花』ではラブコメのヒロインです。

 主人公(ウォルター・マッソー)を巡って、恋の鞘当を演じるのです。いくら往年の名女優・伝説の女優とはいえ、おばさんの恋のドタバタは、これは厳しいものがあります。

 十数年前・中学か高校生の時にこの映画を見たぼくは、「うーん、やっぱり老けているなあ。年の割にはきれいだけど」というものでした。

 映画の内容以外にも、バーグマンの老いを強く感じさせる理由があります。

 それは、競演女優の存在です。
 恋のライバル役の女優、ゴールディ・ホーンです。

 ゴールディ・ホーンはこの時24歳、まだ映画出演2作目でした。

 この映画でのゴールディ・ホーンといったら若さと生命力に満ち溢れていて、典型的なエネルギッシュな若いアメリカ女性、のように日本の片田舎の少年には感じられました。
 本当に魅力的です。

 ゴールディ・ホーンの若さ・眩さが、そのままバーグマンの老いを照らしているようにぼくには感じられたのです。

 ゴールディ・ホーンは結局、『サボテンの花』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞の助演女優賞を手にします。

 キャリアの終盤を迎えている伝説の女優と、今まさに大女優への階段を上り始めた若い娘。

 その、あまりに対比的なキャスティングに、学生自体のぼくは大いに心動かされました。


 映画自体の出来は凡百でも、キャスティングそれ自体がドラマになることもあるのだ、と思い知ったのです。







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夏期休業のお知らせ [その他]

 どうも。『サマーウォーズ』テレビ放送のおかげで、放送日から3日間、アクセスが普段の3倍ありました。

 検索エンジン上位表示の威力を思い知りました。

 さて、本日から5日間ほど、ネット環境とは無縁な田舎に行ってまいりまする。ネット世界とは一切断絶されます。

 ま、そうでなくても更新はのろまで亀なブログですが。

 よろしければ盆休み明けに、またおいで下さい。

 皆さん、よい夏休みを。
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目標になり得る格好いいジイサン [その他]

 現在(4月30日)書店に並んでいる週刊文春では、連載『本音を申せば』の連載600回を記念して、作者の小林信彦さんと映画評論家の品田雄吉さんが対談をしております。

 小林さん78歳、品田さん70歳。

 しかし話題に出てくる映画は『ゼブラーマン』に『ヤッターマン』、女優は綾瀬はるか、長澤まさみ、深田恭子、蒼井 優エトセトラエトセトラ。

 それら若い作品・女優を小津や成瀬、木暮実千代や原節子といった往年の名作・女優と絡めながら話していくのだから、本当に格好いい。
 時の壁を楽々と往復する、その自由に満ちた批評。

 ぼくも将来、こういう風にアニメを語れたらなア、とつくづく羨望の思いを持って読みました。

 最新の人気アニメを語りながら、昔のアニメについても話題に織り込んでいく。
 しかも「昔は良かった」ではなく、今の作品を褒めつつ。

 本当に良いなあ。
 
 30年後や40年後に、その時の最新萌えアニメと、富野アニメを切り結んで話せたら、とっても素晴らしいと思いませんか。


 うん、うん。もうちょい頑張ろう。
 
 ま、それまでに死んでるかもしれねーけどな、ぼく。

 ところでこの対談は、個人的に「絶対大物になる!」と思っている満島ひかりさんについて触れられているのも良かったです。
 満島さんはなかなかビッグマウスらしく、今はそこら辺も良い感じです。
 もっともっと知名度が出るまでは、どんどんビッグマウスでいけばよいと思います。

 さて、ぼくは明日、あ・もう日付変わっているから今日だ、今日からゴールデンウィークです。

 GW中はブログ休みます。みんなもパソコンやめたら? 風俗行こう風俗。


 いや嘘。できればGW中にブログ書き溜めます。

 また連休明けに会いましょう。


 

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B型の品格―本音を申せば

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鬱々の日々 [その他]

 うーん。お久し振りです。

 なんかねー。その。

 まあぼくは小学生の頃、「将来は文章を書いてご飯を食べたい!」と願っていて、そして20数年後の現在、「無名の貧乏ライター」というなんとも中途半端な形で夢が実現してしまったわけなんだよね。

 まあ仕事に関しては高給と安定を諦める代わりに、そんなにストレスなく生きているわけですよ。

 そんなぼくでも、たまには仕事関係で落ち込むっていうか、ああ、ってなっちゃうことがある訳なんです。

 それが昨日・今日。

 でも前述したように、精神的には楽な仕事なんですよ。
 好きな仕事だから。

 世の中には、好きでもない仕事でも頑張っている人はいるよね。
 ってか、そんな人の方が多いよね。

 中には「タダで単行本の表紙描けって言われたので精神的にキツくて連載落としちゃいましたあ。出版社が悪いプンプン」みたいなことを抜かしちゃう甘ちゃんの漫画家がいるとかいないとか。
 いないよそんな奴!
新ブラックジャックによろしく 8 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)


 で、まあちゃんと働いている世の中の大多数の人は偉いな、と思う一方、なんでぼくはこんなに打たれ弱いんだろうとウツウツ、ちょっとカッコ良く書くとUTU鬱UTU鬱してたんだよね。

 それで、まあ今日の夜さー、excite「くりっく劇場」の基本パックってやつを見つけたんで、会員になって、ちょっといじってみた。

 UTU鬱UTU鬱が治った!

 やっぱどんな下らないものでも、何かを作るって精神的にいいわー。

 脳内に浮かんだ珍奇なことをそのまま周囲にぶちまけるのって快感だわー。

 そんな訳で、そこそこ面白いかもしれないんで、よろしければ下のやつをご覧下さい。本当に何も考えずに作り始めたので、締めようがなくて最後、このブログの宣伝にしちゃった。




 

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スーパーロボット大戦シリーズを振り返る 接触篇  [その他]

 うおおおおおマヂかああああああ。

 と、コンビニで絶叫した(心の中で)のが先週のこと。

 我ながら情報遅っ。ふと目に入ったファミ通の表紙を見て。

 『魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL』移植発売。

 ええええええ。やったあああああ。でもロボット大戦以外にゲームにあんま興味ないから、DSなんか持ってねえええ。
 買うか。

 このブログで、スーパーロボット大戦のことはいつか書かなきゃ、と思っていた。

 大手サイトの「アニメ!アニメ!」さんが、一度トラックバックしたら、当サイトにリンクを貼って下さったのだ。もう数年前の話。

 で、そのリンクの当サイト説明に、「アニメ界の大御所監督富野由悠季について論評や感想などが中心。スーパーロボット大戦情報も豊富」って書いていただいているんだけど。

 実はこのブログ、現在で226の記事があるけど、スーパーロボット大戦についてマトモに触れた記事って、1つしかないんだよね。しかも適当なプレー途中経過。

 だから、「アニメ!アニメ!」さんの説明を正しくするためにも、いつか書こう、と思っていたのだ。

 情報なんかないけどね。
 俯瞰的に振り返る、みたいな感じになります。

 
 そもそも、ぼくにとってロボット大戦シリーズは、文字通りキラーソフトだった。
 このソフトを遊ぶために、持っていないハードを買う、ほどの存在だった。

 ただ、ぼくがロボット大戦を楽しめる一番のプレイ方法は、安ウィスキーを大量に摂取した酩酊状態で、懐かしのロボットアニメソングを聞きながらユニットを動かす、というものである。

 つまり「音楽」が重要なのだ。
 
 だから、音源が貧弱な(ま、今から振り返ればSFCの音も貧弱なんだけど)携帯ゲーム版には興味がわかなかった。
 実際、『D』と『A』はプレイしたが、音が弱くて全く楽しめなかった。

 それと。以前は、販売解禁の発売日午前7時と同時にコンビニに駆け込んだものだが、今ではその情熱は全く無くなっている。

 もちろん、これはソフトが悪いのではない。
 いくらマイナーチェンジを繰り返しているとはいえ、同じシリーズのゲームを15年も遊んでいるぼくがバカなのだ。底なしバカなのだ。

 では、そんな前提のもと、ゲームのロボット大戦シリーズを振り返っていきます。


 最初に遊んだロボット大戦は、1994年発売の「スーパーロボット大戦EX」。ハードはスーパーファミコン。

 今では信じられないことだが、反撃時に個別選択ができなかった。意味分かるかな。

 反撃時の行動は「防御・回避・攻撃」の中から一括選択だったのだ。

 精神コマンド「幸運」は今で言う「努力+幸運」の効果があった。
 ラスト近くで出てくるリムル・ルフトが幸運持ちだったので、グングン成長した記憶がある(補正もあったと思う)。

 このシリーズではオーラバトラーが強かった。近年の仕様と違い、装甲も硬かった。
 ラ・ギアスというゲーム内の異世界の設定が、『ダンバイン』との馴染みも良かったと思う。

 ぼくは当時から当然、富野作品が好きだったので、マジンガーやゲッターなどの永井作品は一切使わずにクリアーした。
 だから、ハサウェイやケーラもバリバリ1軍だった。

 あと細かいことだが、グランヴェールのカロリックスマッシュの描写は、このころの方が好き。
 小さい光球が発射されて敵に当たると大爆発する、という描写なのだが、いかにも高エネルギーを小さく圧縮した、感が好みだった。
 後の『外伝』などの明らかに大出力、って感じより格好良いと思うんだがなあ。

 ともかく男の子は「全員集合!」が好きなんだ、と我ながら思い、夢中になった1本。




 次は1995年「第4次スーパーロボット大戦」。スーファミ。標準価格は13440円!
 ロボット大戦との長い付き合いが始まる、決定的な1本。

 ダンクーガとコンバトラーが初登場、しかし、ルート分岐でどちらかしか選択できなかった。
 しかも何ゆえそこをリアルにしてしまったのか、ダンクーガは空を飛ぶことが出来なかった。

 以下に説明する面は、確かこのソフトだったと思うが。なにぶん15年前の記憶なので、違ったら御免ね。

 ロボットが畳み掛けて登場する格好良い面があって。

 光子力研究所の周囲エリアに敵を入れないようにしつつ、全滅させる面。
 最初、ダイアナンAとボスボロットでスタート。

 当然のようにマジンガーZが増援で現れるが、敵の侵攻を防ぐのは難しい。

 「キビしい面だなあ」と思っていると、ドリルスペイザーに乗ったマリアが登場。
 しかし敵の進撃を防ぐ壁役にはなるが、戦力差は以前厳しい。

 と思っていると今度はゴーショーグンが出現! 戦力が整った!

 さらにとどめ、ギリアムが颯爽と登場。「過去の亡霊は消えろ!」

 カッコイイ。

 思えばこの「カッコイイロボットの登場」が、アルファシリーズでは無くなってしまった。後日書くけど。

 また、ドレイク・ルフト軍と戦う面、「栄光の落日」だっけ?
 この面の、重厚な「やりごたえ感あり」も良かった。

 富野ファンとしては、隠れキャラ・ユニットとしてシルキー・マウとサーバインが登場したのも嬉しかった。
 シルキーとサーバインの組み合わせは、後のソフトにも登場した。

 1面だけジュドーの妹リィナを使うことが出来たのは、本作だっけ?(自信なし)

 以後、次回に続きます。

 

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スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION ラミア・ラヴレス (1/8 PVC塗装済み完成品)

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  • 出版社/メーカー: トイズワークス
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スーパーロボット大戦OG スパロボの湯 第1弾 クスハ・ミズハ (1/8スケール塗装済み完成品)

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  • 出版社/メーカー: トイズワークス
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超合金魂 GX-53 無敵鋼人 ダイターン3

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  • 出版社/メーカー: バンダイ
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デフォルムーバー サイバスター

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「スーパーロボット大戦OG」エクセレン・ブロウニング スムース抱き枕カバー

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スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION リューネ・ゾルダーク (1/8 PVC塗装済み完成品)

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スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION ラトゥーニ・スゥボータ (1/8 PVC塗装済み完成品)

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  • 出版社/メーカー: トイズワークス
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UFOロボ グレンダイザー グレース・マリア・フリード (PVC塗装済み完成品)

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  • 出版社/メーカー: ウエストケンジ
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オマエラいいから『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』を見ろ! [その他]

 えー今日は。当初書く予定だった話をすっ飛ばして。
 本日見てきた映画の話を。

 『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』

 泣いた。例えや大げさに書くのではなく、本当に泣いちゃった。

 内容は、公式サイトから、以下のようなものである。

 「メタリカ、スレイヤー、アンスラックスといった現在活躍する人気バンドに大きな影響を与えたバンド、アンヴィル。
 しかし、当の彼らだけはスターダムにのし上がることなく、その存在を忘れられていたが・・・。地元でしがない仕事をしながらバンドを続け、いまだ名声と富を獲得する夢をやめないリップスとロブのうだつの上がらない生活、しかし、どんな苦境に立たされても楽観的に現実を乗り越えようとするバンドの姿と、少年の頃より育んできた友情と絆、そして半ば愛想を尽かしながらも長年彼らを見守りサポートしてきた家族やファンたちの姿・・・」

 ぼくはメタルどころか、音楽にもそんなに興味はない。

 しかし、伝わってくる。たまらん。
 陳腐な言葉で言うと、夢を諦めずに継続する。不恰好に、不細工に。

 安定した仕事に就き、毎日過不足ない・平穏な日々を送っている恵まれた人達が、この映画をどう評するか、ぼくには分からない。

 でも、不安定なライターなんて根無し草商売をしているぼくには。

 見る前から、胸に迫ってくるだろうことは分かっていた。

 そして実際に見て。やっぱり胸に迫った。

 繰り返し書くけど、泣いた。

 言葉にすると、格好悪くなっちまう。
 とにもかくにも、見て欲しい。
 
 そしてこの映画に涙腺が緩まないやつとは、お近づきになりたくない。

 ラスト、救いが日本にあることも良かった。エライぞ、日本のロックファン!

 見終わった後、頭に浮かんだのはなぜか、傑作漫画『自虐の詩』のラストフレーズだった。

 

 幸や不幸はもういい
 どちらにも等しく価値がある
 人生には明らかに 意味がある


 
 感動した映画を自分の言葉で語れないのはナントモだが、いいんだもんね。
 もうなんでもいい。興奮冷めやらぬ。

 4月中旬にはセルDVDが出ますが、一度も見ていない映画のDVDを買いはしないと思います。なかなかね。
 
 だから、3月5日にはレンタルが始まるので、ぜひ見てください。

 映画館で見たぼくは勝ち。勝ち。劇場で見逃した人は残念ながらDVDで見てください。
 それでも見ないまま人生を終える人よりは、勝ちです。


 男達は格好良いわけでもない、憧れの的になるわけでもない、歌詞は聴いている限り恥ずかしい、でもそれでもいいんだってば! 間違いなく傑作の映画。 

 多くの人に、見て欲しいです。

 予告編はこちら。
 
 


 最後にもう1度。見てください。

 

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アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~(初回生産限定盤) [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • メディア: DVD
アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • メディア: DVD
This Is Thirteen~夢を諦め切れない男たち~

This Is Thirteen~夢を諦め切れない男たち~

  • アーティスト: アンヴィル
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2009/10/21
  • メディア: CD
自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (上) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫
自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

自虐の詩 (下) (竹書房文庫ギャグ・ザ・ベスト)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 1996/06
  • メディア: 文庫
自虐の詩 上巻

自虐の詩 上巻

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/08/24
  • メディア: 単行本
自虐の詩 下巻

自虐の詩 下巻

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/08/24
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新・自虐の詩 ロボット小雪

新・自虐の詩 ロボット小雪

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2008/07/30
  • メディア: 単行本
ゴーダ哲学堂 (竹書房文庫 GY 8)

ゴーダ哲学堂 (竹書房文庫 GY 8)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2007/08/24
  • メディア: 文庫
男の操 (上) (BIG COMICS SPECIAL)

男の操 (上) (BIG COMICS SPECIAL)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/11/30
  • メディア: コミック
ゴーダ哲学堂 空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

ゴーダ哲学堂 空気人形 (ビッグコミックススペシャル)

  • 作者: 業田 良家
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2000/02/01
  • メディア: コミック

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夢見る頃を過ぎても [その他]

 まー、そのー。あ、コレ田中角栄の真似ね。

 そのー。今日はアニメとはチョイと関係のない、雑記みたいなもんですが、そこそこ面白く書くように努めるんで、よろしければお付き合い下さい。付き合ってください。突いてもイイよ。

 
 あの、味覚。

 子どもの頃は食べていたのに、大人になったら口に入れたくないものって、あるでしょう。

 小学生低学年の頃。友達、まあ阪上くんって名前にしておこうか、阪上くんと外で遊んでいたのよ。

 阪上くんとはそんなに親しいわけでもなく、たぶん、2人きりで遊んだのはその時が最初で最後だったと思う。

 しばらく遊んでいたらさ、阪上くんが「オレ、おやつ持ってきたんだ」っていうの。
 あー、ぼくも持ってきたら良かったな、とちょっと思ったけどね。

 でも、ぼくはお坊ちゃんであるから、外でお菓子を立ち食いするなんて、考えてなかったからね。

 で、阪上くんはごそごそとポケットから何かを取り出したのよ。

 なんのお菓子かな、と思ってね。

 お坊ちゃんのぼくが食べているお菓子といえば、庶民のみんなは食べたことないだろうねー、なんか自慢になっちゃうようで申し訳ないけど、高級菓子であるブルボンのルマンドやルーベラばっかり食ってたから。あとベビースターラーメンね。このブログの読者の方々は、見たこともないだろうね。


 ところが阪上くんが手に持っていたのは、永谷園のお茶漬けのもとだったのよ。

 あの、お茶漬けのもと。


 えっ。お湯も冷ごはんもないけど、とぼくが驚いているのもそのまま、阪上くんはお茶漬けのもとの袋をサッとちぎって開け、ラッパ飲みするような感じでそのまま口に一気に入れたんだよね。

 「お、おいしいの?」

 「うん」


 ってなわけで、帰宅してからぼくもどうしても食べたくてね、ババア、じゃないママンに、「ぼくも食べてみたい」と言って、実際に食ってみたのよ。
 お茶漬けのもとを、そのまんま。

 あのー、しょっぱくてね。
 でもノリの香りがアクセントになって、あとホラ、細いアラレが入っているじゃない。あれがパリパリと香ばしくて美味しくて。パリパリで香ばしいのが好きなら大人しく煎餅食べてろって話なんだけど。

 それから3、4回食ったかな。

  
 もうそれでいっぱいだったけど。

 で、おっさんになった今、もう1回食えって言われても、イヤちょっとっていう。お断り。
 普通にごはんにかけてお湯を注いで食べるなら、全然OKだけど。


 これこのように、味覚も変わるのに、同じ小学校低学年から親しんでいるガンダムに関しては、なんで今でも見たりそれに関する作文を書いたりしているんだろうね。

 原作者である富野は、「大人になってもアニメ見て」みたいに言っているのにね。その富野に関するブログを書いているとはね。ウフフ。


 ま、もうちょっと続けます。ブログ。


 今食ったら、凄くしょっぱく感じるだろうな、お茶漬けのもとストレート。

 

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夢見る頃を過ぎても―中島梓の文芸時評 (ちくま文庫)

夢見る頃を過ぎても―中島梓の文芸時評 (ちくま文庫)

  • 作者: 中島 梓
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 文庫
コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)

コミュニケーション不全症候群 (ちくま文庫)

  • 作者: 中島 梓
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/12
  • メディア: 文庫
永遠のガンダムシリーズVol.5 染みるブライト・ノア

永遠のガンダムシリーズVol.5 染みるブライト・ノア

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: カンゼン
  • 発売日: 2008/07/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
オタク成金 (アフタヌーン新書)

オタク成金 (アフタヌーン新書)

  • 作者: あかほり さとる
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05
  • メディア: 新書
アフタヌーン新書 010 これが「演出」なのだっ 天才アニメ監督のノウハウ

アフタヌーン新書 010 これが「演出」なのだっ 天才アニメ監督のノウハウ

  • 作者: 大地 丙太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/11
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漫画描き方入門じゃありません (アフタヌーン新書)

漫画描き方入門じゃありません (アフタヌーン新書)

  • 作者: 藤島 康介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 新書
ジオン軍の失敗 (アフタヌーン新書)

ジオン軍の失敗 (アフタヌーン新書)

  • 作者: 岡嶋 裕史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05
  • メディア: 新書
なぜ、腐女子は男尊女卑なのか? ―オタクの恋愛とセックス事情 (アフタヌーン新書 003)

なぜ、腐女子は男尊女卑なのか? ―オタクの恋愛とセックス事情 (アフタヌーン新書 003)

  • 作者: fujyoshi syndicate(腐女子シンジケート)
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/09
  • メディア: 新書
アフタヌーン新書 016 アニメ最前線の声 ――メカビ・クリエイターインタビューズ1

アフタヌーン新書 016 アニメ最前線の声 ――メカビ・クリエイターインタビューズ1

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/10/08
  • メディア: 新書

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アニミズムと3DCG [その他]

 まーねー。

 夜中に書いたラブレターが恥ずかしいってのはよく言われることですが、前回の記事はねー、まさにそれですよね。

 図々しい話、書きながら「ある程度は読んでいただく方の胸に迫るものになるかもなー」と思いつつ、また感情のまま書くのは気持ちいいとも思いつつ、もうちょっと落ち着いてもいいんじゃないの、と。頭の中で反芻して書こうよ、と。
 大人なんだからクールにね。


 マティーニを頂戴。


 え、オマエの「クール」のイメージってそれ?


 今日は脈絡も無くつらつらと。


 えーとねー。
 雑誌のテレビブロス、今書店に並んでいるやつね。萌えの特集しているでしょ。

 で、特集は「マスに登場した最初の『萌え』は裕木奈江である」って主張を元に展開していて、それに同意するかは別にして、面白い視点だな、とは思いました。

 裕木奈江といえば、ぼくはオールナイトニッポンの印象ですね。

 ラジオと言えばこのブログ、という『ラジオ批評ブログ――僕のラジオに手を出すな!』さんは、「好きで聞いていた」と書いていらっしゃいますが、ぼくは駄目でしたね。

 喋り方が嫌いだったのかな。
 裕木さんに続いて深夜3時からやっていた2部の松永並子さん・北原ゆきさんのオールナイトニッポンは大好きだったのですが(このラジオ番組に関しては、いずれ詳しくブログに書くぞ!)。

 ま、このブログらしくアニメと関連して書くと、裕木さんはラジオで「学生時代はリン・ミンメイと呼ばれていた」みたいなことを言っていた。
 可愛かった、ってことなんでしょうね。ぼくは早瀬美沙派ですが。断然、美沙。

 いや、違う。この文章の流れは違うぞ。裕木奈江はどうでもいいの。
 この特集でぼくが「うわっ」て思ったのは、モモーイのインタビューが1P掲載されていて、そこでモモーイが一言のみだけど、伊集院の名前を出しているのよ。
 
 なんか、うまく言えないけど、「あっ」っていう感じ。
 伊集院がモモーイのことを「偽広末」とラジオで言ったら、モモーイが以前は伊集院のリスナーで、偽広末呼ばわりされたことも本人の耳に入ってしまった、という。そんないわくを思い出したの。

 オマエ本当に文章ヘタクソだなー。短い一文の間に、「伊集院」「偽広末」「モモーイ」と3つの単語が、重複しているぞ。それでよく文章書いて飯食ってるね。どうせ稗か粟でも食ってるんでしょ。あほか。恥ずかしい。死ね。

 くきゅう。 

 ええと、詳しくはこちらの【桃井はるこ】の項を参照してください。

 まあ伊集院は、リスナーからの投稿をそのまま読んだだけなんだけど。


 えー、今回は本当にまとまりのない文章で。


 前回、『リング・オブ・ガンダム』の感想で書き漏らしたこと。

 感心するシーンもありました。

 エイジィが登っている山? に飛んできて、顔がアップになるモビルスーツのデザイン。

 久し振りにおっ、と思わせるデザインです。系統的には木星帝国のモビルスーツのような。
 ちょっとガンダムの世界観からは逸脱しているような、でもそれ故にインパクトがある、っていう。

 もちろん顔がアップになる演出は、そのデザインを強調するためのもの、なんでしょうね。製作側もデザインに自信ありってことなんだと思います。


 逆に残念だったのは、宇宙でガンダムが、隕石を両手で持つシーン。なんか文章拙いな。いいや。

 全然、「隕石を持っている」感じがしない。軽い。

 最近、講演で富野は3DCGについて色々言っているけど、自分の作品でもこんなものか、と。正直ちょっと残念でした。


 これは別に『リング・オブ・ガンダム』に限ったことではないけど、3DCGって、重量感を出すの苦手だよね。
 イグルーとかでも、戦艦がすごい軽そうだもんね。

 あのー、これはぼくの、何の根拠も無い意見ね。

 アニメと3DCGって、何か根本的に、相容れない部分があるんじゃないでしょうか。
 どうしてもミスマッチになってしまう、何かがあるんじゃないでしょうか。

 これ、専門家だったら、技術的な側面からアプローチできるんでしょうけど。ぼくにはそんな知識無いので。

 うーん、ここから先、書いたら気持ち悪いよなー。
 オカルトだと思われるとイヤっていうか、まあ基地外(マルC 筒井康隆)だと思われるっていうか、せっかく読んで下さっている方々が逃げていくっていうか。


 あのー。ね。

 「アニミズム」が語源と言われているアニメーションと、デジタルすぎる3DCGって、あまりにも立ち位置が違いすぎて、融合しないものなんじゃないかな、なんてオッサンは感じているんですよ。
 
 まあ自分で書いていて、全く論理的じゃないな、と思うんですが。我ながら。

 でも、そう思うんだもの。思っちゃったんだからしょうがない。



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ルビッチがスクリーンで見られるぞ! [その他]

 えー。
 まあお久し振りって感じですけれども。

 今日、本屋に行ったらさあ、「トイレで読む小説」ってのが売ってたの。

 トイレットペーパーに鈴木光司さんの小説が印字されてんのよ。
 まあ読んで、拭いて、流すんだろうね。

 あっ何かスゴいって思った。

 イヤぼくも、読書を高尚な行為に位置付けるのはイヤなのよ。
 やたらと読書を勧める聖教新聞のCMはうぜーし。
 ぼく自身、小中学校時分は人並以上に読書したけれども、勉強にも生かされないし大成もしてないしね。

 でも何か、あっトイレットペーパーにしちゃうんだっていうね、うん。

 さて。
 前回ルビッチのことにチョイと触れたら、翌日、札幌で「生きるべきか死ぬべきか」がリバイバル上映される新聞記事を読みました。

 ちょっとした予知能力ですな。

「ハッ危ない!」
「あ、あなたどうして今、車が突っ込んでくることが分かったの?」
「お姉ちゃん、もしかしてボク達と同じ…」
「フフ…もうちょっと内緒にしているつもりだったけどバレちゃったか。…そうよ。わたしもあなた達と同じサイキックソルジャー!!」

 何コレ?
 大丈夫、まだ正気。

 まあルビッチのことを初めて書いた翌日に、その作品をスクリーンで見られることを知り嬉しい、と。
 件の記事にコメントをくれた都市色さんが触れているスタージェス作品も、『レディ・イヴ』がかかります。

 うーん蠍座さんならではですなー。蠍座は作品選択は勿論、料金が安いのもいい(2本なら1200円)。

 先月、「もう仕事いいや!」と途中で投げ出して、昼間っから蠍座でビールを飲みながら『トップ・ハット』を見たのは至福の時間だったもんなあ。
 贅沢な時間よもう1度。

 うーん。でもなあ。こんなことを書いてても、どうなんだろ。

 俺と同年代のクラシック映画好きって、どのくらいいるのかしら。
 いや、勿論ブログって日本全国の方に読んでいただけるものだから、つーかkaito2198さんみたいに台湾から読んで下さっている人もいるんだから、そんな広い規模で考えれば同好の士がいることは分かってるよ。

 でも札幌に限定するとなあ。
 そのー、生意気だとは思うんだけど、ライターって仕事柄か、この記事を読んで「じゃあ蠍座に行くか」って人が一人でも欲しいわけ。
 蠍座を応援したい気持ちもあるし。

 あーん? アニメのブログに映画のことを延々書くっていう見当違いなことしてて?
 反応を? 期待する。ハア? バカなの、ねえバカなの?
 そもそもオマエのブログってそんなにアクセス数あるんですか。週に一回も更新しないようなブログに、どれほどのアクセスがあるんですか。

 す、スイマセン。ごめんなさい。調子にのってました。

 ただアノなんですか、このブログの程は置いておいて、そのー。
 ぼくと同年代から年下、つまり30~10代の札幌在住で、クラシック映画好きがどのくらいいるのかって話なんです。

 というのも古い映画を見に行って、あまり同年代の人を見掛けたことがないんです。
 特に洋画。

 チャップリンを見に行った時は5~6人しかいなかったし、『哀愁』なんてぼくと若い女の子の2人だけだったんですから。あれ、俺この子とデートに来てたんだっけ、みたいな。

 そもそも蠍座の館主自身が、近くに北大があるのに若い人は来ない、年配の人で支えられているって書いているくらいですからね。
 まあぼくも若い方でしょう。

 うーんうーん。

 やめた。アニメの話しよう。最後にちょこっと。

 あのー、ぼくも30半ばだし子どももいるし、いつまでこんなアニメのブログ書いているのかな、と思ったんですよ。この前フッと。

 しかし先日、本屋で『語ろうZガンダム!』って本を見つけたんです。文庫版ね。

 最近はガンダム関連書籍にめっきり興味を失くしていたんですが、富野のロングインタビューが載っていたので、そこだけ読んだんです。
 
 そしたら富野が、

 (ファーストガンダム3部作と、Z映画3部作を足して)今後は6部作として、あちこちで上映されるでしょう。で、それを50歳代の人が見るでしょう

 みたいなことを言っていたわけ。

 てことはさー。まあこの富野の言葉が当たるとして。

 50のオッサンがアニメ映画見ているなら、それについて語っている30代40代のバカがいてもいんじゃね、と考えたんです。
 そう考えたんですよ。

 そんな訳で、まだ続きます、このブログ。
 

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語ろうZガンダム!

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生きるべきか死ぬべきか〔ユニバーサル・セレクション2009年 第3弾〕 [DVD]

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トップ・ハット [DVD]

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アニメブログなのに必殺の話。ピアス・ネックレスを援護します [その他]

 『必殺仕事人2009』に新たに加入する田中聖って人が、ヤフーニュース(記事元はスポーツ報知)によると


「仕事人なので、表と裏の顔がだぶらないように心がけています」と意気込んでいる


 らしいけど、こりゃヤバイですな。全く思い違いです。
 若いから仕方ないかもしれないけれど。

 必殺シリーズの前期、まあ第10作の『新必殺仕置人』までを前期と見做す向きが多いようですが、前期が非常に魅力的で面白く、その後のシリーズが全般的に低調なのは、理由があります。

 1つは勿論、脚本。前期はフォーマットがない、と言えるほど毎回違う、しかも重厚なドラマが展開されてマンネリズムとは無縁でした。

 2つ目の魅力は、殺し屋達に「表と裏の顔」なんて2面性がなかったことです。
 「表と裏の顔がだぶらない」ではなく、全く逆で、表と裏が渾然一体としているから、初期シリーズは面白かったのです。

 中村主水は初登場の回で、
「俺たちゃ悪よ、悪で無頼よ」

 と言い放ちました。

 この言葉が、必殺シリーズの魅力を示しています。「正義が悪を裁く」のではなく、「悪が悪を殺す」ところに最大の魅力があったのです。
 もちろん悪ですから、正義感などでは人を殺しません。「金を貰ったから」殺すところも、ミソです。正義が人それぞれ違うことも、そして「正義」が時として独善的で唾棄すべきものであることも、ぼくたちは現実世界の中でイヤというほど知っています。

 初期シリーズの殺し屋達は、辻斬りであったり、殺人快楽者であったり、お尋ね者であったり、本当に悪人ばかりでした。
 助けを求める人が現れても、金がなければ動かないような連中です。今じゃ好々爺になった中村主水だって、手篭めにされそうな女を見殺しにしたことがあります。

 英作家グレアム・グリーンいわく、「人間の本質は黒と白ではない。黒と灰色なのだ」。

 この言葉を劇としてエンターテインメント性豊かに見せたのが、初期必殺シリーズです。
 だから、「表と裏の顔」はだぶっていいのよ、どんどん。

 悪の中に、正義感が少しだけ垣間見えるような見えないような、そんな絶妙なさじ加減を期待します。
 今回のシリーズでいうと序盤の回で、ヒガシが卑怯な手で殺す演出は抜群です。好きでした。

 物語全体の評価は、エラそうに言うと下の上ってところですが。

 ところでこのニュースでは、田中さん演じる新キャラが、時代劇なのにピアス・ネックレスを付けていることを報じています。これに関して、バカの見本市とぼくが思っているヤフーニュースのコメント欄では、相変わらず面白い意見が多く笑えます。


時代劇にピアス? 馬鹿丸出しだ、あり得ん! 黒沢監督(原文ママ)が生きていたら何と言うかね?


 なんてコメントが「私もそう思う」を千点以上も集めていて、本当に世の中はバカで満ち溢れているのであります。なんで黒澤。
 そしてバカなコメントをバカにしているぼくも当然程度が知れるわけで、みんなバカなのです。平和ですな。

 上位コメントには「伝統の仕事人も」「壊していい領域を間違っている」など、まあ必殺ファンじゃないならコメントしなければいいのに、と思うような悲惨な意見? ばかりです。

 必殺シリーズの後期は、それこそ「あー、そこまでやっちゃの?」という失敗の連続で、伝統も壊してはいけない領域も、もともとありません。めちゃくちゃなんです、最初から。
 ファンのぼくでさえ目を背けてしまう、見るに耐えないシリーズだってあります。

 ピアスやネックレス、水戸黄門や遠山の金さんならおかしいですが、必殺シリーズなら全然平気です。

 山崎努はハンモックで寝ていたし、中条きよしは背中に「南無阿弥陀仏」と縫われた目立つ衣装で殺しに赴くし、黒船来航と忠臣蔵のどちらの時代にも中村主水はいるし、おかしいんです、何もかも。

 必殺ファンは今更ピアス・ネックレスくらいでは、「またか」ってなもんで、驚きも非難もないでしょうな。

 スイマセン前書き長くなりすぎて疲れちゃった。

 次回、『週間手塚治虫』に富野出演、の話しましょう。
 今日、再放送あったね。

 

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必殺仕事人2009公式ガイドブック

必殺仕事人2009公式ガイドブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/03/19
  • メディア: 単行本
必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全殺し屋名鑑 荒野の果てに編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/02
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必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全闇知識 やがて愛の日が編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/08
  • メディア: 文庫
必殺シリーズ完全闇知識 瞬間の愛編 (ザ・テレビジョン文庫)

必殺シリーズ完全闇知識 瞬間の愛編 (ザ・テレビジョン文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2001/08
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昨年中に見た映画の話 [その他]

 ちょっとちょっと。CR爆裂天使で、2回続けて当たり2連続で終ったんだけど、なんか呪われてんの俺は。
 パチンコはやらないに限ります。バカのやるもんです、あれは。

 さて前回に続けて、昨年中に見た映画の話。

 今回は非アニメ、次回がアニメ映画にします。   
 昨年見た映画のリストはこちら。http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2009-01-24

 『アース』『おいしいコーヒーの真実』ほかドキュメンタリー映画。
 昨年見たドキュメンタリー映画はどれも低調。
 『アース』に目新しさを感じなかったのは、ぼくが類似作品の『ブルー・プラネット』や『プラネットアース』を見ているせいで、作品に責任は無い。
 『おいしいコーヒーの真実』はコーヒー豆農家と、末端の消費者・販売側を比較するのは、つまらぬ。この両者の間にいる人にこそ、問題の本質があるのでしょう。

 『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』
 ぼくが勝手に「バカの見本市」だと思っているヤフーニュースのコメント欄でも、同じことを書いている人がいたのであまり書きたくないのだが、それでも指摘したい!
 インディ・ジョーンズシリーズは頭を空っぽにして見る映画だと分かっていても、物事には限度がある。冒頭の核爆発のシーンで、見る気を失くすのである。
 爆発の中心にいながらあんな方法で助かり、そして全身をブラシで洗って終り、というのを見ると、「アメ公の認識はこの程度なんだ」とゲンナリしてしまう。その後はまったく楽しめぬ。

 『ゲットスマート』
 ぼくは予告編から面白かったが、その時の館内の反応はまちまち。静かだったり、笑い声が起こったり。
 小林信彦さんは確か、
50歳代の人なら『それ行けスマート』の映画版だと分かるだろう
 という趣旨のことを書いていたが、30代のぼくでも分かる。小学生か中学生の頃、深夜テレビで再放送していたのであります。
 果たして本編は、大いに笑えた。
 真の敵が、最初の登場シーンで分かってしまうのも、勿論意図的なんだろうなあ。


 最後に昨年、一番「見て良かった」と思った映画は。

 リバイバル上映を抜かして新作に限定すると、『実録連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』も『アガサ・クリスティー ゼロ時間の謎』も良かったが、やはり『リトル・チルドレン』です。

 どれも良い映画なら、主演のケイト・ウィンスレットが乳を披露しながらセックスシーンを熱演してくれた『リトル・チルドレン』を推します。
 
 理論で映画を見るのは好きではないし、ぼくにはそんな知性もないし、冗談ではなく「下半身で映画を見たい」という主義を確認するための選択でもあります。
 ケイト・ウィンスレットは『タイタニック』のヒロイン役でデビューしながらも、主演作品の選択が巧みなのか、確実なキャリアを歩んでいるように見えます。
 いい女優さんだなあ。そしてあえて下種な言い方をすれば、いいオンナだなあ。欲情してしまいそうなのであります。




夕凪の街桜の国

夕凪の街桜の国

  • 作者: こうの 史代
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 単行本



黒い雨 (新潮文庫)

黒い雨 (新潮文庫)

  • 作者: 井伏 鱒二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1970/06
  • メディア: 文庫



原爆の秘密 (国外編)殺人兵器と狂気の錬金術

原爆の秘密 (国外編)殺人兵器と狂気の錬金術

  • 作者: 鬼塚 英昭
  • 出版社/メーカー: 成甲書房
  • 発売日: 2008/07/19
  • メディア: ハードカバー



原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀

原爆を投下するまで日本を降伏させるな――トルーマンとバーンズの陰謀

  • 作者: 鳥居 民
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/06/01
  • メディア: 単行本



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共通テーマ:アニメ

昨年の映画観賞歴 [その他]

 昨年の1月下旬に、「今年の目標は映画をたくさん見ること」と、決めた。
 やはり基本は、映画館で見ること。また、以下のような制限を設けた。

 1、仕事が休みの日は、家族との時間を最優先にしたいので、映画を見に行ったりはしない。

 2、見た本数を稼ぐために、興味のない映画を見るようなことはしない。

 私は札幌在住で、制限2を守った結果、蠍座で見た本数が一番多くなった。
 これは、映画の趣向の問題。蠍座は、働く身にとっては上映時間スケジュールが厳しいのだが、スタッフがほぼ1人のようだから、仕方がない。

 結局、今年映画館で見た映画は47本。
 案外少ないが、制限1を遵守すれば、働く身にとっては、このくらいが上限ではあるまいか。

 「芸術の秋」というのは本当のようで、10月に一番多く見た。
 その代わり11月下旬から12月は仕事が忙しく、映画を1本も見れなかった。なにしろ、有馬記念の馬券さえ買えないほど、忙しかったのだ。

 そのせいで、年末に上映された映画は、見たかったものも足を運べなかった。
 『赤い風船/白い馬』『櫻の園』、蠍座で絶対見ようと思っていた『イースタン・プロミス』などである。

 では、47本のタイトルを全て書く。古い作品が多いのも、趣味ですな。


 『リトル・チルドレン』

 『レイジング・ブル』

 『アニー・ホール』
 中学生の頃、つまり20年ほど前にビデオで見た時は、まったく面白いと思わなかった。
 今回、スクリーンで改めて見ると、素直に笑えた。
 冒頭、ウディ・アレンとダイアン・キートンが「5分遅れても見る、見ない」で揉めている映画は、ベルイマンの映画だと思うんだが、タイトルは何だったのかなあ。

 『アース』

 『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

 『パンズ・ラビリンス』

 『めし』
 『晩菊』
 『浮雲』(以上、成瀬)
 『張込み』(野村芳太郎)
 この4本は、札幌シネマフロンティアの5周年記念「甦る名匠と日本の駅」でリバイバル上映されたもの。
 この記念上映では、他にも小津の『東京物語』『麦秋』『早春』『東京暮色』『彼岸花』、成瀬の『乱れる』、野村の『ゼロの焦点』『事件』が上映される豪華ラインナップだった。
 ただ1作品1日のみの上映だったので、全部見るのは社会人では不可能だったのでは。
 蛇足だが、『晩菊』は小林信彦さんが著書『ぼくが選んだ洋画・邦画ベスト200』の中で、「佳作ぞろいの成瀬作品群の中で、上映される機会のすくないこの作を推したい」と評している作品。テーマが「駅」という縛りがあったとはいえ、『晩菊』をチョイスしたシネマフロンティアには感謝。
 『浮雲』は、見終わった直後は拍子抜けだったが、後からじわじわと「効いてくる」。わずかな期間の良い思い出だけを糧に、その後の悲惨な人生を生きていく展開が胸に残る。

 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』
 凝った画作りやカメラワークが鼻についたが、いい映画。

 『犬の生活』『キッド』『担へ銃』『ライムライト』
 全てチャップリン。『キッド』は、決してハッピーエンドではない。

 『アガサ・クリスティー ゼロ時間の謎』
 なかなか事件は起きずに話が進む、贅沢な展開。視聴者の興味を引くため、開始後15分までには殺人事件を起こすテレビの2時間ドラマでは考えられない。

 『いのちの食べかた』

 『実録連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)』
 この映画については、すでに書いた。http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2008-05-29

 『ノーカントリー』
 上記の『いのちの食べかた』で、どうやって牛を殺しているのか分からなかったのだが、この映画で判明する。

 『暗殺リトビネンコ事件(ケース)』
 この映画で描かれていたことを、後日「報道ステーション」がやっていた。

 『最高の人生の見つけ方』
 ロブ・ライナーは、良くも悪くも優等生。

 『泥の河』

 『愛の予感』
 邦画。同じシーンが、少しずつ変化しつつも、延々と繰り返される。

 『フローズン・タイム』

 『愛と希望の街』
 大島渚。もしリアルタイムで見ていたら、新しい才能の出現に興奮しただろう。

 『ナルニア国物語第2章:カスピアン王子の角笛』

 『GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊2.0』

 『おいしいコーヒーの真実』

 『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』

 『スカイ・クロラ』

 『TOKYO!』

 『ミスト』

 『青春の殺人者』
 母親役の市原悦子が、息子の水谷豊に迫るシーンが強烈。

 『イントゥザワイルド』

 『哀愁』

 『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』

 『ゲットスマート』

 『崖の上のポニョ』

 『雨月物語』
 『近松物語』
 『山椒大夫』
 『西鶴一代女』(以上、溝口)

 『ホット・ファズ 俺たちスパーポリスメン!』

 『4ヶ月、3週と2日』

 『パリ、恋人たちの2日間』

 『霧の中の風景』
 『ミツバチのささやき』
 リバイバル上映で見たが、ぼくの趣味には合わず。
 

 
 
 ついでに、テレビ放映・DVDで、家庭で見た映画も列記する。
 上記の映画館で見たタイトルにも言えることだが、むろん、全てが初見というわけではない。

 『ホテルルワンダ』

 『赤毛』(岡本喜八監督)
 乙羽信子の演技、鬼気迫るものがあった。

 『ワイルド・バンチ』

 『ガス塔』

 『スコルピオンの恋まじない』(ウディ・アレン)

 『ある結婚の風景』
 ベルイマン。結婚間近のカップルは見るべからず。

 『スティング』

 短編『チャップリンのスケート』『チャップリンの番頭』『チャップリンの伯爵』『チャップリンの船のり生活』

 『勇気ある追跡』

 『眺めのいい部屋』

 『目かくし』
 クラウディア・カルディナーレ主演というだけで見る。前半・後半でタッチがまるで違う。

 『叫びとささやき』(ベルイマン)

 『斬る』(岡本喜八監督)

 『ルートヴィヒ』
 ビスコンティ。美しいセットに圧倒。

 『鉄人28号 白昼の残月』

 『大菩薩峠』(岡本喜八監督)

 『鰯雲』(成瀬)

 『ワン・ツー・スリー ラブ・ハント作戦』(ワイルダー)

 『フェリーニのローマ』

 『東京オリンピック』

 『あらくれ』(成瀬)
 伏線の張り方、人物造形、感心するばかり。脱帽。

 『サーカスの世界』

 『水の中のナイフ』

 『パン・タデウシュ物語』

 『あにいもうと』(成瀬)

 『オリバー!』

 『大理石の男』

 『崖』(フェリーニ)

 『ドキュメント太陽の牙ダクラム』
 テレビは全部見ているが、映画版は初見だった。

 『櫻の園』(90年版)
 良い映画。冒頭に出てくるタバコが、ヒッチコックいうところのマクガフィンとして抜群に機能している。

 『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(ビスコンティ版)

 『パンダコパンダ』
 『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』

 『情婦』
 あまりに面白くて、2回たて続けに見た。

 『捜索者』


 以上です。
 映画の話をあと2回続けて、アニメの話に戻ります。
 アニメの話は、ナイトセイバーズの話をするつもりです。勝手に、使命感すら覚えております。

 ではまた、お付き合い下さい。 


 

富野を知るにはこれを買え


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