WOWOWプラス『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 【アニメ術】』の富野監督インタビュー内容要旨 [富野監督関係]
スカパーのWOWOWプラスで、2月に放送された『伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇 』。合わせて、富野監督がインタビューに答える『アニメ術』も併映されました。
その富野インタビューの要旨です。
有料チャンネルだし、5月にも再放送予定なので、そのままの内容は載せません。
全部見たいファンは、契約してください、ってことで。
では以下要旨です。どうぞ。
「公開されてから少なくともこの40年の間にイデオンのファンっていうのもいるわけです。そういう人たちに向かって今更何かを言う、言う必要がないくらいにファンの方は理解してくれている」
「(『イデオン』の仕事が来た時は)次の仕事が来て良かった、それだけです。企画書っていうのは既にあったわけですけれども、そういうものが気に入る気に入らない一切関係ないんですもん。
そうなったらこういう嫌な言い方をします、巨大ロボットものを2本ぐらい重ねてできなかったらプロじゃないだろう、それだけです」
「1クール目は本当に苦労もしたけれども、やはり新しい方向性のものができるかもしれないとは思った」
「メカを作画するというスタッフが、ガンダム以上に定着した時期。メカだから嫌だよっていうのは、ガンダム時代はまだアニメーターにあったんです。というのがほとんどなくなってしまって、億劫がらずに作画してくれた。
と同時にもう1つイデオンの時に褒められるのは、メカデザインっていうのがガンダムほど複雑じゃなかったので作画がしやすかったというのもあります」
「(タイミングの良い動きなどを)ワンカットの中でポンってやってくれちゃうっていうアニメーターが何人か出てきたわけです。で本当に何人かがやっぱり出始めたということが、それ以後のこの種の作品を作る上で圧倒的戦力になっていったんじゃないのかなという風に思ってます。
対抗意識を持っていた、宮崎アニメが動き始めたということもやっぱり大きな要因としてはあったということは言い添えておかなければいけないことです」
「(劇場版は)本当は作りたくはなかったという気分はあります。
劇というのは起承転結がある、あってお客さんに納得してもらうものなのが劇作として考えたら0点と言うしかないんだよね。という風に思ったから」
「20年目ぐらいの時に接触篇を見た時に正直ちょっとびっくりしたことがあるのは、そうは言うけれどもカスカス(?)、話は分かるかもしれないっていう見方になっているっていう風に、それは現在でも自惚れています」
「自分の一生だけを考えれば、アニメの世界にいて良かったなという風に思ってます。というのはアニメの世界にいるおかげで実を言うと自分のエリアっていう部分での本音を吐き出しているのがあるので、言ってしまえば僕が人殺しとかテロをやらないですんでたっていうのはものすごく自覚しています」
「本当にめんどくさいんだけれども僕の世代なんです、僕の世代と僕のような気質だったんで、だからガンダムでありイデオンを作れたんであって、やっぱり今にして思うんだけど他の人には作れませんね」
「スポンサーから叩かれるし、局のプロデューサーからてめえ死んじゃえって言われるし…だから時代がかかせたんじゃないの。僕みたいなやつが好きにやらせるとああなるし、好きになってやったにしてもアニメでもイデオン止まりなのよねって」
「例えばイデオンっていう作品を作った富野さんっていう監督がねって、『未知との遭遇』のスピルバーグと同じぐらいにね、力のある監督なんだよって言えたはずなの。
そういう言葉が絶対に出てこないっていうのは、そういうことを言う奴はどこにもいない。で、それだけの話なの」
「褒めるのはガンダムを作った富野という部分でしかない。いやいや俺ガンダム全部やってないんだけれども、20年前に作るのとっくに辞めてるんだけれども、だけどガンダムの富野だもん。未だに」
「本当に人間ってそのくらいね、趣味の指向性って狭いんですよ。そういう意味ではまさに力不足で、『未知との遭遇』ぐらいにファンを獲得できるように作っておければよかったけれども、悔しいけどそういう風には作れなかった」
「映画論とか文芸論的な、自分で評価してほしいっていう風に本当にこの40年間思ってましたけれども、そういう風潮は全く出てこないというのはなぜかと言うと、今言った通り巨大ロボットものだからなんです。
巨大ロボットものにそういうメッセージがあるなんて絶対に思わないわけよ、映画評論家と言われている種族の人たちには。現にトム・クルーズが出てるわけじゃないし。
トム・クルーズが声当ててればおそらくイデオンはあっという間に違うでしょう。っていうのが映画の世界なのよ」
キネ旬の映画関係者を対象にしたオールタイム・ベスト10アンケートで、発動篇あげた人・何人かいたでしょ……
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) February 26, 2021
「巨大ロボットアニメだって言うレッテルを貼られているからイデオンっていうのはこうやって生き延びてるんで、もうちょっと生々しかったらやっぱり袋叩きになってたろうなと思います。だって徹底的に隙がないんだもん」
要旨は以上です。
例えばカマリアの声を倍賞千恵子さんがあてたからと言って、そんなに強い影響を与えたのかな?
箔がついたとは思うけれども…
ところで全く話題が変わって、余談なんだけれど。
萩尾望都さんの『一度きりの大泉の話』、ホント面白いよ。
『一度きりの大泉の話』、ポーもトーマも詩も地球も読んだことがない私でも・前書きの段階から大興奮したので(『少年の名はジルベール』だけは読んだ)、かなりお勧めできます。2000円近くするけれど、もとはとれる。
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) April 22, 2021
大泉サロンについてはもう1つ、作家さんが書いている新書もあるけれど、ぼくはスルーでいいかな。
あの本、『一度きりの大泉の話』を読むと、書名にしている漫画家の一方には、一切話を聞いていない本ってことになるよね…その件について取材NGにしている漫画家名を・書名に入れてもいいんだな……
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