富野が演出で参加している『さすらいの太陽』がCSで放送、Vガン関連の富野ネガティブ発言を振り返ってみる、など。 [富野監督関係]
こんばんは。
いよいよ今週、『Gレコ』最終回ですね。10年続いたアニスパも終るし。サヨナラだけが人生だ。
さて前回ブログを更新してから・たった10日かしか経っていないのに、色々なことがありました。
まず「ひびのたわごと」さんによる、手塚治虫は本当に「ヤマト」に嫉妬して泣いたのか?という記事。
ぼくのツイートがちょっと関連していたこともあり、この記事自体も、そして後日記者さん本人から訂正があったことも、大変興味深かったです。
座談会中、手塚が泣いたことに関しては。
『ヤマト』への思いもあるだろうけれど、何よりそれを作ったのが因縁深い西崎であるわけで…それ込みの涙ですよね、おそらく。
また富野が『ヤマト』を「太平洋戦争への懐古趣味」と批判したことは、驚きでした。富野は『ヤマト』について色々言っているけれど、この視点から言及したのは初めてじゃないかなあ。
映画版も含めての批判かな。
ちなみにぼく自身は、「アニメ好きなら見ておかなければ」と初代ヤマトを頑張って見たけれど、辛かったです。色々。
「こんなこともあろうかと」。
そして最もビックリしたのが、ジオン軍を日本軍になぞらえた文章を、富野が了解していたことだね。
まあ「ひびのたわごと」さんでも指摘されているように、「あくまでも記者の『ジオン軍の捉え方』を富野が是認した」だけだからね。
捉え方はご自由に、ってことなんだろう。
ちなみにジオンの独立戦争について、富野自身はかつてアメリカの歴史に見立てて次のように語っています。
宇宙に移民した人と地球に残った人の対立項が一番分かりやすかった。これはぼくの勝手な想像じゃなくて、アメリカの新大陸が出来てヨーロッパ人がアメリカ大陸に行った時に、要するにヨーロッパと独立戦争しなくちゃいけなかった。
独立戦争した後で独立宣言しながら、今度はアメリカ合衆国内で南北戦争が起こった。つまり市民戦争が起こった。というようなことを考えた時に、新しい勢力が生まれた時に、そこに20世紀までで言えば必ずと言っていいほど戦争状態っていうものが起こるというのがあったのでそれをもらっただけ。(アニマックス「UC宇宙の記憶」)
さて次の話題。
『Vガンダム』のBlu-ray Boxが出るねー。
おじさん、毎月LDを買っていた昔を思い出したよ…
Vガンと言えば、富野の覚えがよろしくない子どもとして有名で、DVD-BOXの発売時には「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」の名言を生み出しましたが。
今回は「何がダメなのか探してください」 でしたね。
ハハハハハ、痺れるねー。
では、生みの親による・実子批判を羅列しましょう。
1、1993年11月発売 LD1巻ライナーノートより(まだTV放送中です) 。
Vガンダムは、ぽくにとって、何年ぶりかのTVの仕事であったために、肩に力が入りすぎたという反省がある。それに、自分の年齢を隠したいという意識が直結して、ますます厄介なものを抱えこんでしまったと自覚している。
こう書いてしまうのも、このVTRが発売されている現在も、作品の制作とオンエアは続行しているから、直接的な痛みをともなう反省となっているのだ。
だから、毎週、フイルムの最終チェックと納品チェックをかねた試写は、憂鬱な行事になっている。
2、1994年7月号アニメージュより。
(庵野監督の、対談企画は放映中にやるべき、という発言に対して)だけど『Vガンダム』に関してはしょうがないとも思っています。本当にごった煮になってしまって、よくわからないシリーズになっちゃったから。手紙も少ないし、視聴率も上がらないし……。
3、2004年発行『それがVガンダムだ』より
分裂症寸前を自覚して生きようとしたら、カラッポの理が走る。カラッポの知が走る。
それがVガンだ。
4、2010年発行『GUNDAMぴあ』より
たとえば「Vガンダム」は端的で、スポンサーの要求に対して、僕が全面降伏してしまったんです。
5、2011年発行『「ガンダム」の家族論』より
病気になる直前に作っていた『Vガンダム』は確かに、病気へと内向していく力が過剰にこもってしまった作品だった。
僕が作品を取り巻く状況に怒り、その鬱憤晴らしを作品の中でやっていた部分もあった。そこに、公はなかった。
今でも『Vガンダム』については、〝病気〟になる作品だから、あまり見てほしくないと思っている。
6、2013年8月NHKラジオ「渋谷アニメランド」文字起こしより。
(Vガンの話を振られて)そういうことで言えば、この作品に関しては本当に嫌な思い出しかなくて(会場笑)、あの、まさに、えーとフリーのアニメ制作者というか、原作者、の立場にたっていても、スポンサーにそう言われたらそのように作るしかなかったっていう典型的な作品ですから。
と言いながら、いや、それが味なんですよねって言うバカも現れるわけで、困ったなあっていう風に本当に、あのいまだに、あの自分の中でいまだにおさまらない。
どうですか。ここまで自分の作った作品を嫌うとは。
鬱に向かっていた時期でもあるはずなので、それも含めて思い出したくないのでしょうね。
ソフト関連で言えばもう1つ、嬉しいニュースがありました。
Gレコ5巻Blu-rayには、昨年12月に新宿ピカデリーで行われたスペシャル上映イベントのトークショー が「完全収録」されるそうですね。
これは嬉しい。表紙のラライヤ可愛い! というか、正気になってからの福井さんの声がすごく可愛い! 福井さんの声を。声をもっと!(変質者現る)
しかしアマゾンの商品説明を見ると・このトークショー、DVDには未収録っぽいよね。
DVD冷遇され過ぎ…容量の問題なのか?
さて次の話題。
日本で初めて芸能界を描いたアイドルアニメ(らしい)『さすらいの太陽』が4月から、CSの火曜ポップスチャンネルで放送されます。
ファンの間では、富野が「斧谷喜幸」の名前で演出参加していることが有名ですが。
虫プロのHPによると、安彦さんも「女の描き方を習う」ために作画設定で参加しているんだね。
ちなみにこのHPには
現在の「けいおん!」等に代表される音楽系アニメの礎を築いた作品
と書かれているけれど。ふふふふ。それはどうなんだ。
藤圭子をモデルにしているから、『アイドル伝説えり子』のような実在のタレントを主人公にした作品の礎となった、とは言えるのかね。
『さすらいの太陽』は過去にも他のCSチャンネルやGYAOで放送されていたみたいだけれど、一応のアナウンスでした。
ぼく自身見ていないし、そこまで見る気はない(信者失格でいいです)作品を紹介するのはどうかと思うけれど。
長くなりましたが、最後に。
ぼく、勘違いしていたかも。Gレコ始まる時に発表された、下記のフレーズですよ。
宇宙世紀を乗り越えた、リギルド・センチュリー
ベルリ…、ベル
私たちは生き永らえたの
だから未来を豊かにする
あなたならそれができる
ベル、立ちなさい
私と――…ベル!
これねえ。
「宇宙世紀を乗り越えた」ってあるから、放送開始前は「2人はUCの人間だったけれど、冷凍睡眠か何かでRCまで生き延びたのかな?」とちょっと考えてみたり。
放送始まってからは、「レイハントン家の生き残りだから、それを示したキャッチフレーズなのかな?」と思って。
しかし今は、「まさかメインキャラはほぼ全員死んで2人だけ残る、最終回を明示したフレーズじゃなかろうな? 朽ち果てたダグラム的な…」とモヤモヤしている。杞憂に終ったら嬉しい。
さてGレコBS組のぼくは、今週土曜だなー。
土曜は9時からアニスパ最終回聞いて(最後に2人キスしろ)、そしてGレコ最終回。オタクな週末ですな。
ベルリとアイーダのその後は明示されず、ノレドは出産して産科医(CV井荻翼)が「元気な男の子ですよ」と告げる…
そんな最終回を夢想したり。想像するのは自由、その楽しみな時間もあと僅かだ。
まあ子どもに未来を託す(イデオン)は大人の敗北、母性に救いを求める(ザンボット)は男性による女性の過大評価だと思うので、あまり好きじゃないのですが。
ラストが好きな富野作品はダイターン、Vガン、∀。この上位3作品にGレコが食い込むか、楽しみに終末を待とう。
木曜に見られる関西圏の人も、イベント上映に参加できる人も、ぼくのように土曜まで待たなければならない人も、みんな最終回を楽しもう!
いよいよ今週、『Gレコ』最終回ですね。10年続いたアニスパも終るし。サヨナラだけが人生だ。
さて前回ブログを更新してから・たった10日かしか経っていないのに、色々なことがありました。
まず「ひびのたわごと」さんによる、手塚治虫は本当に「ヤマト」に嫉妬して泣いたのか?という記事。
ぼくのツイートがちょっと関連していたこともあり、この記事自体も、そして後日記者さん本人から訂正があったことも、大変興味深かったです。
座談会中、手塚が泣いたことに関しては。
『ヤマト』への思いもあるだろうけれど、何よりそれを作ったのが因縁深い西崎であるわけで…それ込みの涙ですよね、おそらく。
また富野が『ヤマト』を「太平洋戦争への懐古趣味」と批判したことは、驚きでした。富野は『ヤマト』について色々言っているけれど、この視点から言及したのは初めてじゃないかなあ。
映画版も含めての批判かな。
ちなみにぼく自身は、「アニメ好きなら見ておかなければ」と初代ヤマトを頑張って見たけれど、辛かったです。色々。
「こんなこともあろうかと」。
そして最もビックリしたのが、ジオン軍を日本軍になぞらえた文章を、富野が了解していたことだね。
まあ「ひびのたわごと」さんでも指摘されているように、「あくまでも記者の『ジオン軍の捉え方』を富野が是認した」だけだからね。
捉え方はご自由に、ってことなんだろう。
ちなみにジオンの独立戦争について、富野自身はかつてアメリカの歴史に見立てて次のように語っています。
宇宙に移民した人と地球に残った人の対立項が一番分かりやすかった。これはぼくの勝手な想像じゃなくて、アメリカの新大陸が出来てヨーロッパ人がアメリカ大陸に行った時に、要するにヨーロッパと独立戦争しなくちゃいけなかった。
独立戦争した後で独立宣言しながら、今度はアメリカ合衆国内で南北戦争が起こった。つまり市民戦争が起こった。というようなことを考えた時に、新しい勢力が生まれた時に、そこに20世紀までで言えば必ずと言っていいほど戦争状態っていうものが起こるというのがあったのでそれをもらっただけ。(アニマックス「UC宇宙の記憶」)
さて次の話題。
『Vガンダム』のBlu-ray Boxが出るねー。
おじさん、毎月LDを買っていた昔を思い出したよ…
Vガンと言えば、富野の覚えがよろしくない子どもとして有名で、DVD-BOXの発売時には「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」の名言を生み出しましたが。
今回は「何がダメなのか探してください」 でしたね。
ハハハハハ、痺れるねー。
では、生みの親による・実子批判を羅列しましょう。
1、1993年11月発売 LD1巻ライナーノートより(まだTV放送中です) 。
Vガンダムは、ぽくにとって、何年ぶりかのTVの仕事であったために、肩に力が入りすぎたという反省がある。それに、自分の年齢を隠したいという意識が直結して、ますます厄介なものを抱えこんでしまったと自覚している。
こう書いてしまうのも、このVTRが発売されている現在も、作品の制作とオンエアは続行しているから、直接的な痛みをともなう反省となっているのだ。
だから、毎週、フイルムの最終チェックと納品チェックをかねた試写は、憂鬱な行事になっている。
2、1994年7月号アニメージュより。
(庵野監督の、対談企画は放映中にやるべき、という発言に対して)だけど『Vガンダム』に関してはしょうがないとも思っています。本当にごった煮になってしまって、よくわからないシリーズになっちゃったから。手紙も少ないし、視聴率も上がらないし……。
3、2004年発行『それがVガンダムだ』より
分裂症寸前を自覚して生きようとしたら、カラッポの理が走る。カラッポの知が走る。
それがVガンだ。
4、2010年発行『GUNDAMぴあ』より
たとえば「Vガンダム」は端的で、スポンサーの要求に対して、僕が全面降伏してしまったんです。
5、2011年発行『「ガンダム」の家族論』より
病気になる直前に作っていた『Vガンダム』は確かに、病気へと内向していく力が過剰にこもってしまった作品だった。
僕が作品を取り巻く状況に怒り、その鬱憤晴らしを作品の中でやっていた部分もあった。そこに、公はなかった。
今でも『Vガンダム』については、〝病気〟になる作品だから、あまり見てほしくないと思っている。
6、2013年8月NHKラジオ「渋谷アニメランド」文字起こしより。
(Vガンの話を振られて)そういうことで言えば、この作品に関しては本当に嫌な思い出しかなくて(会場笑)、あの、まさに、えーとフリーのアニメ制作者というか、原作者、の立場にたっていても、スポンサーにそう言われたらそのように作るしかなかったっていう典型的な作品ですから。
と言いながら、いや、それが味なんですよねって言うバカも現れるわけで、困ったなあっていう風に本当に、あのいまだに、あの自分の中でいまだにおさまらない。
どうですか。ここまで自分の作った作品を嫌うとは。
鬱に向かっていた時期でもあるはずなので、それも含めて思い出したくないのでしょうね。
ソフト関連で言えばもう1つ、嬉しいニュースがありました。
Gレコ5巻Blu-rayには、昨年12月に新宿ピカデリーで行われたスペシャル上映イベントのトークショー が「完全収録」されるそうですね。
これは嬉しい。表紙のラライヤ可愛い! というか、正気になってからの福井さんの声がすごく可愛い! 福井さんの声を。声をもっと!(変質者現る)
しかしアマゾンの商品説明を見ると・このトークショー、DVDには未収録っぽいよね。
DVD冷遇され過ぎ…容量の問題なのか?
さて次の話題。
日本で初めて芸能界を描いたアイドルアニメ(らしい)『さすらいの太陽』が4月から、CSの火曜ポップスチャンネルで放送されます。
ファンの間では、富野が「斧谷喜幸」の名前で演出参加していることが有名ですが。
虫プロのHPによると、安彦さんも「女の描き方を習う」ために作画設定で参加しているんだね。
ちなみにこのHPには
現在の「けいおん!」等に代表される音楽系アニメの礎を築いた作品
と書かれているけれど。ふふふふ。それはどうなんだ。
藤圭子をモデルにしているから、『アイドル伝説えり子』のような実在のタレントを主人公にした作品の礎となった、とは言えるのかね。
『さすらいの太陽』は過去にも他のCSチャンネルやGYAOで放送されていたみたいだけれど、一応のアナウンスでした。
ぼく自身見ていないし、そこまで見る気はない(信者失格でいいです)作品を紹介するのはどうかと思うけれど。
長くなりましたが、最後に。
ぼく、勘違いしていたかも。Gレコ始まる時に発表された、下記のフレーズですよ。
宇宙世紀を乗り越えた、リギルド・センチュリー
ベルリ…、ベル
私たちは生き永らえたの
だから未来を豊かにする
あなたならそれができる
ベル、立ちなさい
私と――…ベル!
これねえ。
「宇宙世紀を乗り越えた」ってあるから、放送開始前は「2人はUCの人間だったけれど、冷凍睡眠か何かでRCまで生き延びたのかな?」とちょっと考えてみたり。
放送始まってからは、「レイハントン家の生き残りだから、それを示したキャッチフレーズなのかな?」と思って。
しかし今は、「まさかメインキャラはほぼ全員死んで2人だけ残る、最終回を明示したフレーズじゃなかろうな? 朽ち果てたダグラム的な…」とモヤモヤしている。杞憂に終ったら嬉しい。
さてGレコBS組のぼくは、今週土曜だなー。
土曜は9時からアニスパ最終回聞いて(最後に2人キスしろ)、そしてGレコ最終回。オタクな週末ですな。
ベルリとアイーダのその後は明示されず、ノレドは出産して産科医(CV井荻翼)が「元気な男の子ですよ」と告げる…
そんな最終回を夢想したり。想像するのは自由、その楽しみな時間もあと僅かだ。
まあ子どもに未来を託す(イデオン)は大人の敗北、母性に救いを求める(ザンボット)は男性による女性の過大評価だと思うので、あまり好きじゃないのですが。
ラストが好きな富野作品はダイターン、Vガン、∀。この上位3作品にGレコが食い込むか、楽しみに終末を待とう。
木曜に見られる関西圏の人も、イベント上映に参加できる人も、ぼくのように土曜まで待たなければならない人も、みんな最終回を楽しもう!
はじめまして。「さすらいの太陽」、なかなか面白いですよ。
アニメなのに60年代の興行風俗がぷんぷん匂い立つ、クセになる作品です。
by ごんちゃっく (2015-03-31 04:55)
連コメすみません。大事なことを書きそびれました。
「正気に戻ってからのラライヤの声がカワイイ」、完全に同意です!
(「さすらいの太陽」の主演声優は歌手出身で、野太い声がじわじわ来ます。。)
by ごんちゃっく (2015-03-31 05:13)
ごんちゃっくさん、コメントありがとうございます。
「さすらいの太陽」はTV番組「怒り新党」の「新3大」コーナーでちょっと見ただけです…今回は契約していないチャンネルなので見られませんが、また他局やネットで機会があると思うので、その時は見てみようかと思います。
そして後期ラライヤの声は可愛い。
by 坂井哲也 (2015-03-31 14:07)