「一所懸命」自分のもとに帰って来たマニィに、マスクを外せなかったマスクはホントに不甲斐ない男だと思わない? [富野監督関係]
さて、関西圏の人達はすでに23話「ニュータイプの音」を見ている訳で、関東組も今日深夜には見られるのですが…
BS組のぼくは、土曜深夜まで待たなければなりませぬ。
そんな訳で、23話を見てしまう前に、もういっちょ22話の感想を。ラストシーンですよ。
MSを操縦できるようになり、オマケにMSを入手して、マスクの元へ戻るマニィ。その顔はまるで満艦飾マコちゃんだ!(その前に「満艦飾!」って台詞もあるし…)
コックピットの中で、マニィは喜びをにじませながら叫びます。
「ルイン! ルイン・リー!」
味方だと識別してもらうために、光信号を入力します。
ところが、マスクか自分の名前を入力すればいいものを、ルイン・リーと入力するマニィ。恋は盲目、人の目を濁らせるのか。
いやいや、マニィの頭の中は「ルイン・リーの元に帰って来た」ことで一杯なのでしょう。
だからこそ、「マスクー! 光信号を読んで下さい!」の台詞も、マスクではなくルインと呼んで欲しかったんだけれど…
光信号の意味を解したマスクは 「あの機体、圧倒的な味方となります」と言います。
マスク=ルインと知っているのはマニィだけのはずで、つまり光信号の主はマニィと分かったはずです。
が、マスクは「あのパイロットは味方です」と「人」を主題にするのではなく、「あの機体、圧倒的な味方となります」とメカを中心にします。
ここら辺、2人のズレだよなー。
この回はベルリママの反応もそうなんだけれど、地球圏にいて「受け入れる」立場の人の再会時の反応が、帰って来たキャラが望んでいるそれとは違うんだよね。
もっともマニィは、そんなマスクの反応なんて知る由もありませんが…
バララが(おそらくわざと)ヘルメットをマスクの方に流して、近寄ってきます。
バララの質問に対し、「フルムーンシップの存在を知れば信じるさ」とマスクは答えます。
次のシーンですよ!
バララはマスクが持っていた自身のヘルメットを取り、「すいません」
マスクは「あ?」
たった一言なのに、急に距離ができる中原麻衣さんも、すごくバカっぽい・女心を理解していない佐藤さんの演技も、本当に素晴らしい。
ぼくまた、「声優にスキルいるの?」って言った成金を揶揄する?
いや、もういいや。「すいません」「あ?」はホントに巧みで、何回も聞き返しちゃったよ。
気付かなかった人は、是非もう1度聞いてみては? 声優ってすごい。
で、ここ、もう1ついいのがさー。
マスクの顔がすごくヌケている。口をポカンと空けていて。
当然わざと口を空けている以外にも、顔がちょっといつもと違っていて。作画が乱れているのか、わざとなのか、絵心のないぼくには分からないけれど。
まあでも、良い効果になっています。
この後、マスクは機体に近づいて、「凄いものだ…」
オマエ、中に入っているパイロットのことを気にしろよ!
そして、マニィがコックピットから姿を現します。
「一人なのか?!」
「いっしょけんめい練習しましたから、一人です!」
この台詞さー。あやひーさん、「う」を言ってないよね。
つまり「一生懸命」ではなくて、「一所懸命」って言ったんですよ、マニィは。
そうに違いない。そう思い込んで話を進めます。違っても知らん。
「一所懸命」と「一生懸命」について、放送文化研究所のHPでは次のように説明しています。
「一所懸命」[イッショケンメイ]は、「昔、武士が賜った『一か所』の領地を命がけで守り、それを生活の頼りにして生きたこと」に由来したことばです。これが「物事を命がけでやる」という意味に転じて、文字のほうも「一生懸命」[イッショーケンメイ]とも書かれるようになりました。今では、「一所懸命」よりも「一生懸命」と表記・表現される場合が多くなっています。
多くの辞書が今も両方を見出し語として載せていますが、新聞社や雑誌社では、外部からの寄稿などを除いて「一生懸命」に統一しているところが多いようです。放送でも「一生懸命」を使っています。
メガファウナにいても、結局はルインの元へ戻ったマニィ。
そのマニィには、「一生懸命」よりも・一か所の領地を守って生活の頼りにしている「一所懸命」の方が、ピッタリだと思いませんか。
一所懸命なんです、マニィは。
彼女は自分の命を危険にさらしてまで、マスクではなくルインの名前で光信号を打ったんだよ。
マスクではなく、ルインの元に戻って来たんだよ。
だったらさー。
「先輩! ルイン・リー!」と歓喜して飛び込んでくる女の子を、マスクを外して・ルインとして受け止めてやれよ。
なんでマスク付けっぱなしで、マスクとして抱きしめているんだオマエは。
シャアのように素顔を隠さねばならぬ理由もなし、外せ外せそんなもの。
女と抱擁したって、周囲は誰も見てなかっただろ。マスク外しても誰も注目しないかもよ。
いや、ちょっと人目が気になっても、外せ!
涙を流すマニィに対して、マスクで表情を伺えないマスクは(ややこしいな)、ちょっと不釣り合いに感じたんだよね。ぼくは。
まあこのシーンはアレですよ。
チャップリンの『街の灯』のラストシーンと同じ。チャップリンの正体が盲目だった少女にも分かって、ハッピーエンドに見えるシーン。
でも某映画評論家によると(もったいぶっているのではなく、誰か忘れちゃった)花の位置が非常に画面的に不安定で。2人の将来が安泰ではないことも暗示できるような、視聴者に一抹の不安を抱かせる「花の位置」なんだって。
素直に涙を流しているマニィと、マスクを付けたままのマスクを見た時、この『街の灯』の解説を思い出してしまったんだよなあ。
幸せになれよ、マニィ。MSに乗ってはしゃぐなよ。
蛇足。
アイーダ様は、想像していたより達者な包丁使いだった。
家庭的な女王様なのだ!
富野を知るにはこれを買え
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BS組のぼくは、土曜深夜まで待たなければなりませぬ。
そんな訳で、23話を見てしまう前に、もういっちょ22話の感想を。ラストシーンですよ。
MSを操縦できるようになり、オマケにMSを入手して、マスクの元へ戻るマニィ。その顔はまるで満艦飾マコちゃんだ!(その前に「満艦飾!」って台詞もあるし…)
コックピットの中で、マニィは喜びをにじませながら叫びます。
「ルイン! ルイン・リー!」
味方だと識別してもらうために、光信号を入力します。
ところが、マスクか自分の名前を入力すればいいものを、ルイン・リーと入力するマニィ。恋は盲目、人の目を濁らせるのか。
いやいや、マニィの頭の中は「ルイン・リーの元に帰って来た」ことで一杯なのでしょう。
だからこそ、「マスクー! 光信号を読んで下さい!」の台詞も、マスクではなくルインと呼んで欲しかったんだけれど…
光信号の意味を解したマスクは 「あの機体、圧倒的な味方となります」と言います。
マスク=ルインと知っているのはマニィだけのはずで、つまり光信号の主はマニィと分かったはずです。
が、マスクは「あのパイロットは味方です」と「人」を主題にするのではなく、「あの機体、圧倒的な味方となります」とメカを中心にします。
ここら辺、2人のズレだよなー。
この回はベルリママの反応もそうなんだけれど、地球圏にいて「受け入れる」立場の人の再会時の反応が、帰って来たキャラが望んでいるそれとは違うんだよね。
もっともマニィは、そんなマスクの反応なんて知る由もありませんが…
バララが(おそらくわざと)ヘルメットをマスクの方に流して、近寄ってきます。
バララの質問に対し、「フルムーンシップの存在を知れば信じるさ」とマスクは答えます。
次のシーンですよ!
バララはマスクが持っていた自身のヘルメットを取り、「すいません」
マスクは「あ?」
たった一言なのに、急に距離ができる中原麻衣さんも、すごくバカっぽい・女心を理解していない佐藤さんの演技も、本当に素晴らしい。
ぼくまた、「声優にスキルいるの?」って言った成金を揶揄する?
いや、もういいや。「すいません」「あ?」はホントに巧みで、何回も聞き返しちゃったよ。
気付かなかった人は、是非もう1度聞いてみては? 声優ってすごい。
で、ここ、もう1ついいのがさー。
マスクの顔がすごくヌケている。口をポカンと空けていて。
当然わざと口を空けている以外にも、顔がちょっといつもと違っていて。作画が乱れているのか、わざとなのか、絵心のないぼくには分からないけれど。
まあでも、良い効果になっています。
この後、マスクは機体に近づいて、「凄いものだ…」
オマエ、中に入っているパイロットのことを気にしろよ!
そして、マニィがコックピットから姿を現します。
「一人なのか?!」
「いっしょけんめい練習しましたから、一人です!」
この台詞さー。あやひーさん、「う」を言ってないよね。
つまり「一生懸命」ではなくて、「一所懸命」って言ったんですよ、マニィは。
そうに違いない。そう思い込んで話を進めます。違っても知らん。
「一所懸命」と「一生懸命」について、放送文化研究所のHPでは次のように説明しています。
「一所懸命」[イッショケンメイ]は、「昔、武士が賜った『一か所』の領地を命がけで守り、それを生活の頼りにして生きたこと」に由来したことばです。これが「物事を命がけでやる」という意味に転じて、文字のほうも「一生懸命」[イッショーケンメイ]とも書かれるようになりました。今では、「一所懸命」よりも「一生懸命」と表記・表現される場合が多くなっています。
多くの辞書が今も両方を見出し語として載せていますが、新聞社や雑誌社では、外部からの寄稿などを除いて「一生懸命」に統一しているところが多いようです。放送でも「一生懸命」を使っています。
メガファウナにいても、結局はルインの元へ戻ったマニィ。
そのマニィには、「一生懸命」よりも・一か所の領地を守って生活の頼りにしている「一所懸命」の方が、ピッタリだと思いませんか。
一所懸命なんです、マニィは。
彼女は自分の命を危険にさらしてまで、マスクではなくルインの名前で光信号を打ったんだよ。
マスクではなく、ルインの元に戻って来たんだよ。
だったらさー。
「先輩! ルイン・リー!」と歓喜して飛び込んでくる女の子を、マスクを外して・ルインとして受け止めてやれよ。
なんでマスク付けっぱなしで、マスクとして抱きしめているんだオマエは。
シャアのように素顔を隠さねばならぬ理由もなし、外せ外せそんなもの。
女と抱擁したって、周囲は誰も見てなかっただろ。マスク外しても誰も注目しないかもよ。
いや、ちょっと人目が気になっても、外せ!
涙を流すマニィに対して、マスクで表情を伺えないマスクは(ややこしいな)、ちょっと不釣り合いに感じたんだよね。ぼくは。
まあこのシーンはアレですよ。
チャップリンの『街の灯』のラストシーンと同じ。チャップリンの正体が盲目だった少女にも分かって、ハッピーエンドに見えるシーン。
でも某映画評論家によると(もったいぶっているのではなく、誰か忘れちゃった)花の位置が非常に画面的に不安定で。2人の将来が安泰ではないことも暗示できるような、視聴者に一抹の不安を抱かせる「花の位置」なんだって。
素直に涙を流しているマニィと、マスクを付けたままのマスクを見た時、この『街の灯』の解説を思い出してしまったんだよなあ。
幸せになれよ、マニィ。MSに乗ってはしゃぐなよ。
蛇足。
アイーダ様は、想像していたより達者な包丁使いだった。
家庭的な女王様なのだ!
富野を知るにはこれを買え
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2015-03-06 20:00
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コメント(2)
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たしかにマスクはマニィに気を配る余裕無いんだけどガランデンの甲板で「俺はビッグになるまでマスク外さない」って宣言してたしなー
むしろなし崩し的にマニィを戦場に受け入れちゃうマスクは甘ちゃんだなーと思いました
by ナナジン (2015-03-17 21:21)
ナナジンさん、コメントありがとうございます。
ああ、そんな宣言してましたっけ。理想高いだろうから、どうなったらマスク外せるのか…女性を戦場に出しちゃうのは、富野キャラ(男性)の伝統ですかね。
by 坂井哲也 (2015-03-18 17:59)