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平井和正と富野由悠季 [その他]

 本来ぼくは、著名人の訃報に際して、ブログを更新したりしません(かつて、あまり考えずに書いてしまった逢坂さんくらいのはず)。
 ツイッターでも触れない方が多いです。

 ブログで話題にするのは、なんか不幸に乗じているようで、進まないのです。

 まあぼくの卑しい気持ちが思わせる、考えすぎでしょうが…


 でも今回は、書かずにはいられませんでした。今回、文章にならないと思う。すまん。


 小池一夫さんが劇画村塾で平井和正の作品を薦めたって話がありますが、このエピソード通り、物語もさることながらキャラクターが「立っている」小説群でした。


 青鹿先生、虎4、西城恵、林石隆、『めぞん一刻』と『きまぐれオレンジ・ロード』通過後の円くん、蛍、コスギ、修羅(あぶないなあ、あぶないあぶない)、後藤由起子、メイ…

 「キャラが立っている」ってことで言えば、平井作品はラノベの源流の1つだと思う。
 ラノベの前世代って、ジュヴナイルだったわけだしね(超革中!)。

 これは大塚さんが指摘していたはずだけれど、昔の日本のSF作家って、本を読み進めるとその他の(SF以外の)作家に導かれるようになっていた。

 平井さんをきっかけに、グレアム・グリーンとか山本周五郎に進んだ人も多いと思う。
 

 故・栗本薫さんが「泣きながら書いたでしょう?」と聞いたシーン「GO! GO! GO! 」も印象深い。

 『夜にかかる虹』ってタイトルも好きだった。

 ぼく個人は、メガビタの頃に完全に醒めて、自費出版した幻魔大戦のDEEPやトルテックには購買意欲がわかなかった。
 そういやコレもドタバタあったなあ

 たしか、同人ではなく商業ベースで出すことの意義を書いていたのは平井本人のはずで。

 エイトマンの脚本を書くなど(辻さんをアニメ界に引き入れたのも平井)、アニメの創世記を支えた作家の一人なのに、自身の代表作『幻魔大戦』『ウルフガイ』のアニメ化は・その結果には恵まれなかったよね。

 ウルフガイなんて監督吉永尚之さん、音楽が川井憲次さん、CVも豪華だったんだよ。森川智之さん、堀内賢雄さん、チサタロー、川村万梨阿さん、そして明記されてないけれどキャラクターデザインの原案は高橋留美子さん…
 何故ああなってしまったんだ。

 幻魔は言うに及ばず。角川文庫のカバーに大友さんの絵を使うことを拒否したしね。


 「平井和正はまだ充分に魔法を有していた」だっけ?
 ボヘミアン読んだ時の酒見賢一さんの感想。

 確かに、魔法を持っていた。俺、宗教から抜けてアニメに染まってからのボヘミアンとか月光とか好きよ。
 ボヘミアン読んで、「揚げのおつまみ」作ったな。


 「改竄」って言葉を初めて知ったのも、平井からだった。中学の時か。

 批判しようと思えばいくらでもできる(リアル犬神明とか山岳信仰とかダウジングとかGLAとか。GLAとか)。けれど、好きだったんだよ。

 中学生・多感な時期に、直撃したんだよ。

 バカにしようと思えばいくらでもできる(リアル犬神明とか山岳信仰とかダウジングとかGLAとか。GLAとか)。けれど、好きだったんだよ。


 さて、このブログらしく、富野と平井の関係を書いておこうか。案外関連あるのよ。

 ラポートのイデオンムックで巻頭インタビュー

 富野に『めぞん一刻』を読ませる

 「幻魔大戦の監督は、最初富野の予定だった」「小説に『登美野」が出てくる』
 
 そして何より、『ウルフ対談』での・両者の対談。

 イデオンの時、ラストは『新・幻魔大戦』みたいです、と書いたアニメ雑誌もあったなあ。



 うーん。近年は実際のところ、もう大手出版社から新作が出ることはないと思っていたけれど。
 だけど喪失感はあります。やっぱり。

 ぼくは死後の世界など信じていないので、冥福を祈るなんてことはしません。

 たくさんのキャラクターをありがとう。



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