今回はちょっと褒めすぎかも『それでも町は廻っている』 [アニメ周辺・時事]
オッサン特有の・ノスタルジーの一種だろうけれども、『それでも町は廻っている』のOPを見ていると、「アニメのOPもここまで来たか」という感慨に包まれる。
それは、『それでも町は廻っている』の主題歌が『DOWN TOWN』のカバーだということも、一因だと思う。
もちろんアレンジは違うけれども、やっぱり懐かしい歌と、しかし最新のアニメらしくグリグリ動く絵の組み合わせは、ある種の感慨を喚起させる。
昔、ニコニコ動画で『うる星やつら』『めぞん一刻』のOP・ED集を見ていたら、ある特定のアニメーターさんが手掛けた作品に対して、「最近のアニメは早いばっかりで、こうやってゆっくり動くのもいいなあ」的な意見が、少なからずあった。
なるほどなあ・そういう見方もあるのか、と思ったが、ぼくは昔からこの人のOP・EDが好きではなかった。
1作や2作ならまだしも、いつもいつもカクカク動かしやがって、まるでマリオネットのようだ、音楽に合わせてスムーズに動かしやがれ、と思っていた。
もちろん好みは人それぞれだし、上記のニコニコのコメントを根拠のないノスタルジーだと非難する気もない。
むしろ、件のクリエイターは起用され続けていたのだから・それだけ評価されていたということで・ぼくが少数派だったのだろう。
アニメの、特にOPで絵の情報量が圧倒的に増えたのは、やはり『新世紀エヴァンゲリオン』が嚆矢だったと思う。
ところがこれが難しいところなんだが、やたらと早いカットをパッパッと積み重ねたOPも、ぼくは好きではないのだ。
『新世紀エヴァンゲリオン』はコロンブスの卵だからいいし、当時コーフンして見ていたが、以降の同系作品、短いカットの連続で情報をギュウギュウに詰め込んだOPはいただけない。
ただ単に、音楽に合わせて滑らかに動くOPを見たいのだ。
その点、『それでも町は廻っている』のOPはぼくの好み。
更には例えば、印象的な笑顔が入ったり、主人公がコケたはずみでとんだコーヒーの染みがスタッフクレジットになったりと、意匠が施されている。
何よりビックリしたのは終盤、手(指)の動きがアップで映し出されるシーンだ。
ぼくは絵について全く無知だし、こんなことを書くとプロに失礼だけど、手を描くのは難しいと聞いたことがある。
理由は関節が多いからとか、構造が案外複雑だとか色々あるらしいけど。
でもこのOPでは。指が。
しかも「九字を結ぶ」ような決まった手の形を繋げてみせるのではなく(ニュアンス伝わるかな)、指一本一本がスムーズに動いている。
ぼくは、こんなに指の動きをアップにして・滑らかに動かしてみせたOP・EDはちょっと記憶にない。
「うわあ、これってスゴいんじゃないの?」とテレビの前で唸ってしまいました。
肝心な本編の方も、回を重ねるごとに面白くなってきた。
特に第5話「実に微妙な辰野トシ子」の前半は良かった。
たっつんが告白する直前の、顎斜め下からあおるカット。「湖川カットだ!」と思った富野ファンはぼくだけじゃないでしょう。
告白前の鼓動の高鳴りを暗示するような、胸のズームアップからのアングル変換。
告白する方ではなく、される方の目をアップにする逆転の演出。
階段をジャンプして下りて、しゃがんだ状態のたっつんを様々なアングルで見せる遊び心。
しかも最後は真下からの構図・つまり視点=カメラは、廊下の床の下にある!
実写ではかなり難しいカメラアングルも、アニメなら易々とできてしまう。
この回のAパートは、「おいおいどうしたんだよ!」と思うほど、画面の構図が実験心というか遊び心というかに満ちていて、おおいに楽しみました。
話でもなく、音楽でもなく、アニメってこういう楽しみ方ができるんだよなあ、と認識させてくれた回でした。
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もしよろしければ、下のブログ村のバナーをクリックしてください。作者のモチベーションがあがったります。
それは、『それでも町は廻っている』の主題歌が『DOWN TOWN』のカバーだということも、一因だと思う。
もちろんアレンジは違うけれども、やっぱり懐かしい歌と、しかし最新のアニメらしくグリグリ動く絵の組み合わせは、ある種の感慨を喚起させる。
昔、ニコニコ動画で『うる星やつら』『めぞん一刻』のOP・ED集を見ていたら、ある特定のアニメーターさんが手掛けた作品に対して、「最近のアニメは早いばっかりで、こうやってゆっくり動くのもいいなあ」的な意見が、少なからずあった。
なるほどなあ・そういう見方もあるのか、と思ったが、ぼくは昔からこの人のOP・EDが好きではなかった。
1作や2作ならまだしも、いつもいつもカクカク動かしやがって、まるでマリオネットのようだ、音楽に合わせてスムーズに動かしやがれ、と思っていた。
もちろん好みは人それぞれだし、上記のニコニコのコメントを根拠のないノスタルジーだと非難する気もない。
むしろ、件のクリエイターは起用され続けていたのだから・それだけ評価されていたということで・ぼくが少数派だったのだろう。
アニメの、特にOPで絵の情報量が圧倒的に増えたのは、やはり『新世紀エヴァンゲリオン』が嚆矢だったと思う。
ところがこれが難しいところなんだが、やたらと早いカットをパッパッと積み重ねたOPも、ぼくは好きではないのだ。
『新世紀エヴァンゲリオン』はコロンブスの卵だからいいし、当時コーフンして見ていたが、以降の同系作品、短いカットの連続で情報をギュウギュウに詰め込んだOPはいただけない。
ただ単に、音楽に合わせて滑らかに動くOPを見たいのだ。
その点、『それでも町は廻っている』のOPはぼくの好み。
更には例えば、印象的な笑顔が入ったり、主人公がコケたはずみでとんだコーヒーの染みがスタッフクレジットになったりと、意匠が施されている。
何よりビックリしたのは終盤、手(指)の動きがアップで映し出されるシーンだ。
ぼくは絵について全く無知だし、こんなことを書くとプロに失礼だけど、手を描くのは難しいと聞いたことがある。
理由は関節が多いからとか、構造が案外複雑だとか色々あるらしいけど。
でもこのOPでは。指が。
しかも「九字を結ぶ」ような決まった手の形を繋げてみせるのではなく(ニュアンス伝わるかな)、指一本一本がスムーズに動いている。
ぼくは、こんなに指の動きをアップにして・滑らかに動かしてみせたOP・EDはちょっと記憶にない。
「うわあ、これってスゴいんじゃないの?」とテレビの前で唸ってしまいました。
肝心な本編の方も、回を重ねるごとに面白くなってきた。
特に第5話「実に微妙な辰野トシ子」の前半は良かった。
たっつんが告白する直前の、顎斜め下からあおるカット。「湖川カットだ!」と思った富野ファンはぼくだけじゃないでしょう。
告白前の鼓動の高鳴りを暗示するような、胸のズームアップからのアングル変換。
告白する方ではなく、される方の目をアップにする逆転の演出。
階段をジャンプして下りて、しゃがんだ状態のたっつんを様々なアングルで見せる遊び心。
しかも最後は真下からの構図・つまり視点=カメラは、廊下の床の下にある!
実写ではかなり難しいカメラアングルも、アニメなら易々とできてしまう。
この回のAパートは、「おいおいどうしたんだよ!」と思うほど、画面の構図が実験心というか遊び心というかに満ちていて、おおいに楽しみました。
話でもなく、音楽でもなく、アニメってこういう楽しみ方ができるんだよなあ、と認識させてくれた回でした。
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