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昨年中に見た映画の話 アニメ編 [アニメ周辺・時事]

 ね、眠い。もうクタクタじゃ。

 さて前回に続けて、昨年中に見た映画の話。

 今回はアニメ映画であります。   
 と言っても昨年映画館で見た48本中、アニメ映画は『スカイ・クロラ』と『崖の上のポニョ』のみですから、この2本について書くことになります。

 『スカイ・クロラ』
 以前、ぼくは
 『スカイ・クロラ』はなんか途中まで、「トリュフォーやりたいのかなあ」と思って見てた。『隣の女』を連想したのは、ぼくだけではないはず。

 と書いたけど(http://tominotoka.blog.so-net.ne.jp/2008-11-14)、今回の念のために調べてみたら、押井本人やスタッフが、『隣の女』に言及しているのね(http://sky.crawlers.jp/blog/-1.htmlhttp://www.famitsu.com/anime/news/1217476_1558.html)。

 
 監督本人が公式サイトで言っていることを「ぼくだけではないはず」などと書いてハズカシイ8割、まったく知らなくても監督が影響を受けた作品を読みとった俺の鑑識眼ってやっぱりスゴイんじゃね? と自惚れ自画自賛2割、であります。
 やっぱ恥ずかしいかな。

 ぼくは『隣の女』を中学生か高校生の頃に見ている(ぼくの映画視聴歴は中高生の時分に集中している)。

 その時の感想は「本当の恋愛もしらない童貞のぼくには、この映画はまだ早い」ということと、イヤ嘘、俺は中1の時には頂戴頂戴言う女に童貞をくれてやったから。うんうん。
 なんで今、嘘ついたの? 誰に対して見栄をはったの?
 うん、だって。だってね。モテテる方が、童貞早く失っている方がなんか、いいかと思って。
 うんうんよく分かったわよ。じゃあ、中学時代に好きだった女の子は誰? あ、アップルとかアニス・ファームとかです。じゃあ高校時代は? きょ、響子さん。ね、無理でしょ。いやああああああ心の中の誰かが苛めるううう。他愛のない嘘のなのにいい。

 で、『隣の女』はまだ自分には早かったと思いながらも、ぼくは「どうやら本当の恋愛というのは、他人も、自分も傷つけるものらしい」とぼんやりとこの映画から学んだ。

 話はどんどん『スカイ・クロラ』から離れていくが、このまま進む。
 『隣の女』を見てぼくが思った「本当の恋愛は他人も、自分も傷つける」というテーマを、もっとコミカルにして気軽に多くの人に提示したのが、30代40代には懐かしいテレビドラマ『男女7人秋物語』なのです。

 『男女7人秋物語』の最終回、明石家さんまと大竹しのぶは、紆余曲折を経てやっと結ばれる。
 ラストシーン、人ごみの中を2人が歩く。ハッピーエンドのはずだが、しかしここで、2人の恋愛に振り回された人達のこれまでの非難のセリフが繋ぎ合わされ、BGMと共に流れるのだ。

 自分達を非難する仲間のセリフをバックに、人々の流れとは逆方向に肩を寄せ合って歩くさんちゃん・しーちゃんの姿は、まるで逃亡者のようではないか。

 この後、乱造されるトレンディドラマのはしりと言われながら、男女7人がそれらのバブル・ドラマと一線を画している一因は、このラストシーンにある。

 『スカイ・クロラ』は、男女7人ほど、昔のぼくが感じた『隣の女』のテーマを引き継いではいない。
 恋愛が物語の横軸だとすれば、もっと太い縦軸として別のテーマがあるからだろう。


 映画館で『スカイ・クロラ』を見終わったぼくの素直な感想は、「『隣の女』に似てる」ってことともう1つ、「押井にしては何て分かりやすい映画なんだ!」だった。

 ぼくの後ろの席に座っていた女性2人が、「結局、同じことが繰り返すって映画なのかな」と感想を話し合っていたけど、違うでしょう。
 
 初めて優一に会うシーンと、最後の同じシチュエーションにおける、水素のセリフの違いを比べると、「同じことの繰り返し」では決してないことが分かります。
 この映画は、「同じ円を描いているように見えて、その中心点は少しずつずれている」ってやつなのであります。このセリフ、押井のなんの映画だっけ?

 あとさあ。
 まあ、ティーチャーに勝たないと、子どものままでいることを認めることになるんじゃねーの? とか考えちゃうんだけど、これについて書くと青臭くなるので、やめておきましょう。
 
 あ。最後に。この映画のガイドブックっていうか、公開前に映画館に置いてあったチラシ見た?

 なぜ中田英寿がコメントを。しかも短いコメントのなかに、「世界」「旅」といった中田らしい言葉が散りばめられております。フフフ。

 そして庵野のコメント。
 「綾波レイ(っぽいキャラ)がいっぱいで、萌えます」をはじめ、嫌味だらけじゃね? 大人気ないところが、クリエイターらしくて良いです。 

 そして宮崎吾朗のコメントはツマラナイです。

 ほいでは、次回はポニョっちゃいます。

 

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