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今さらだけどポニョを褒めちぎる [アニメ周辺・時事]

 また福満さんの作品が週間少年マガジンに載ってるううう。
 前回の作品掲載から間がないので、これは、何回分かをまとめて編集部に渡しているんですね。

 まあこの経緯は、いずれ『僕の小規模な生活』で描かれるでしょう。

 内容はちょっと、正直微妙なんですけど。
 ただ少年マガジンは30半ばのおっさんが読むものではないので、ぼくが面白くないのはある意味当たり前なのです。小学生には面白いのでしょうか。
 
 
 話題はがらりと変わって。芸人のブログに罵詈雑言を書き込んだバカが書類送検された問題で、ネット上では「情報統制では」「言論規制だ」などとコメントしているバカがいて、本当に世の中はバカで満ち満ちているのであります。自分の意見を公表する権利だけを享受して、そのリスクや責任を考慮しないバカどもめ。
 もちろんぼくも例外に漏れずバカなのですが、程度の良いバカでいたいものですな。
 他人の家に、喚き声を上げながら土足で入り込むような躾は受けていないのであります。

 ついでに書いておきます。
 汚い便所に好んで入り浸っている人間は、体に臭い匂いが染み付いていることに気付かないので、便所ではない場所でも自覚無しにその悪臭を振りまくので迷惑。
 特定のサイトでしか使われない言葉や言い回しを、他の場所でも当たり前のように使う人間のことを言っているのだ。


 さて、前回の続き。今回は『崖の上のポニョ』。

 『もののけ姫』で駄目だと思い、『千と千尋の神隠し』であーあと思い、ハウルやゲドは見ていないぼくですが、ポニョは何か予感が働き、映画館に足を運びました。

 伊集院光はラジオでボロボロに言っておりましたが、「それでも、ひょっとしたら」と良い予感がビンビンと働いたのであります。

 そして見始めると、まず最初のシーンでうわあと感心してしまいました。
 
 建物(主人公の家)の柱が曲がっている!

 ありえない構造・描写です。
 でもその非現実性が、「この物語は、ファンタジー・童話です」という雄弁なメッセージになっています。
 
 建物の描き方1つで、「物語の立ち位置」をここまで明確にできるのか、と感動すら覚えてしまいました。
 ちなみにこれと同じような技法は、現在放映中の『獣の奏者エリン』でも使われています。

 そして伊集院が「分からない」とけなしていたストーリーですが、何が分からないんだ。
 いや、確かにフジモトの行動や、その動機が良く分からないとかはあるけど、そんなのどうでもよくない?

 ストーリーの柱は単純明快、少年少女のラブストーリーです。
 ジイサンがよく、こんな真っ直ぐの恥ずかしいラブストーリーを作ったなあ、やっぱり宮崎はスゴイ、と思ったのでした。

 しかも男の子が女の子を救う、昔の宮崎王道のストーリー。
 そうだ、昔の宮崎作品は、ファンサービスにあふれた極上のエンターテイメントだったんだよなあ。画面を見ながら、なんか懐かしさを感じてしまいました。

 フジモトが「女の子がいい理由」を語るシーンもあって、作者の本音を悪役に語らせるのは常套手段ですよなフフフなどとも思いました。

 水の上を手製ボート(でいいのかな)で進むシーンは、『パンダコパンダ 雨ふりサーカス』を彷彿とさせます。
 子ども向けのアニメとして、ぼくはパンダコパンダの2作を傑作だと思っていますが、大人の目から見ると気持ち悪いところもありました。
 それは母親(大人の女)の不在です。見ている人にはわかるでしょうが、主人公のヒロインであるミミちゃんが子どもであると同時に母親の役割を担っているため、自動的にパパンダは父親であると同時に夫になります。夜、ソファーで寝ているパパンダに毛布をかけるミミちゃんの動作は、妻のそれです。娘であり妻? きーもちわるーい。

 しかしポニョには、キャラクターがヘンな役割を担っている気持ち悪さも無い。
 完璧です。

 さらに今までの宮崎映画では、最後に出る「おわり」の文字に、違和感を覚える作品もありました。何コレ、子ども映画のつもりなの? みたいな。
 でもポニョでは、平仮名の「おわり」がしっくりきます。
 エンディングのスタッフの書き方も面白いなあと思い、最後まで楽しめた101分なのでした。

 無理にけなすとすれば、海が汚い・ゴミが浮いているって描写は、余計じゃない? ってくらいです。まだエコおじさんでいたいのかしら。
 そんな描写を入れるから、観客に「世界の宮崎作品なんだから、何か高尚なメッセージが込められているはずだ」と誤解されてしまうのです。そして深読みしようとしても出来ない、から分からない、に繋がってしまうのです。

 いいじゃないですか、ロリコンが作った少年少女の恋物語で。
 ロリコンではない年上好きのぼくでも十分楽しめました。

 やっぱり凄いなあ、宮崎。




折り返し点―1997~2008

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宮崎駿の「世界」 (ちくま文庫)

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最後の国民作家 宮崎駿 (文春新書)

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宮崎駿の時代―1941~2008

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