Anison Days(アニソンデイズ)1月5日放送分、ドリカム中村さんゲスト回の『Gのレコンギスタ』関連トーク書き起こし [富野監督関係]
BS11で毎週金曜に放送している番組「Anison Days(アニソンデイズ)」。
MCは森口博子さん、サブMCは酒井ミキオさん(コードギアスやスクライドに参加しているミュージシャン)。
1月5日の放送は、DREAMS COME TRUEの中村正人さんがゲストでした。
「中村さんが」TVで初めて劇場版『Gのレコンギスタ』の主題歌『G』を歌いましたが、関連トークもあったので、書き起こしておきます。
いつも怒っていた富野監督
中村さん「ポスター 1枚のみで楽曲を書いたので」
森口さん「え、ポスター 1枚だけで」
中村さん「(富野監督が)もう何の説明もしないから、このポスターを見て感じたのを楽曲にしてくれ」
森口さん「しかも歌い出し、いきなり『モビルスーツ』。あんなガンダム、ストレートなガンダムなかなかないですよね」
中村さん「衝撃です」
森口さん「衝撃でした」
中村さん「その点では、ちょっとガンダムファンの方にも受け入れられていただけてもらえたかなという自負はあります」
森口さん「富野監督と対談した時に、うちの奥さんがね『ドリカムがいい』って推したから、こういうことになったんだよって。後ろにポスターが貼ってあって、愛おしそうに見ながらいいよドリカムってもう推してました監督」
中村さん「そうですか? 富野監督はぼくに会う時は、いつもぼくのこと怒ってますけど(笑)」
森口さん「えー、なんでなんで」
中村さん「めちゃめちゃ怒ってるんですよ」
森口さん「えーどんな感じで」
中村さん「最初ね、デモテープをお渡しした時に、美和さんの声が聞こえないな、美和さんの声が聞こえないとか。例えば、こういうインストものを劇中に使う時はいかがですかって言ったら、それは挑戦か、受けてたとうじゃないか(と富野監督が)。なんかこう、何でもかんでも喧嘩腰になってしまうので」
一同笑い。
中村さん「でも富野監督って素晴らしいですね。天才です」
森口さん「天才ですよね」
酒井さんによる『G』解説
酒井さん「マサさんが青春の頃に聞いていた、当時のソウルファンクのニュアンスがふんだんに出ている、グルービーな楽曲ですよね。あとそう、気になったのはガンダムのGじゃないですか。この曲Eマイナーなんですけど、まあ言ってみればG(メジャー、平行調)じゃないですか。
中村さん「(ビックリ顔)おおー。…俺がそんなこと考えてるわけないじゃないですか」
酒井さん「あれ?!」
(一同笑)
中村さん「ミッキー(酒井さんのこと)すけえな!」
酒井さん「そうなんですか?」
森口さん「ぐうぜーん?」
中村さん「ぐうぜーん」
酒井さん「あえてGにしているのかと思って」
中村さん「なになになに言ってんの。打ち合わせの時言っといてよ、俺の手柄にしたのに」
酒井さん「かけてるのかなと思って」
中村さん「まさにそういうことですね(笑)」
以上です。
「それは挑戦か」は、『キングゲイナー』の時の田中公平さんとのエピソードを思い出しますね。
ネタバレあり『君たちはどう生きるか』感想・レビュー [映画感想・実況]
えー。すごくお久しぶりで。
『プロフェッショナル仕事の流儀』の宮崎駿監督回は見逃した。
お金払えばアマゾン、ポイント使えばユーネクストで見られるけれど、どうしようかな…
見たのは1か月前だけれど、『君たちはどう生きるか』の感想残しておこう、と思いまして。
今更ながら『君たちはどう生きるか』見た。このタイトルで、あの世界を見せられるとは(笑)。
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) November 23, 2023
ファンではないけれど・コナンから見ていて、老境に達した作家ならではの切なさと同時に、それでも若き自分をトレースする意地も感じた。
見て幸福感がある。ありがとう。
まあ、まとめるとこんな感じなんだけれど。
ネタバレありでいきます。
序盤。
主人公の父親が、軍需工場を経営している設定が、ちょっと意外でして。
その、普通に苦労している設定の方が・視聴者は感情移入しやすいじゃないですか?
『風立ちぬ』でも、零戦の開発に意識が集中して・その結果について考えていない(ように見える)主人公が描かれていましたけれども。
あの、病身の妻の前でタバコを吸ったのは、その性格をあらわす象徴的なシーンですよね。
でも今回の『君たちはどう生きるか』の場合は、何か深読みするよりは、単純に宮崎監督の生い立ちからこの設定にしたんだろうな、って考えるのが素直かなと思います。
で。
途中まではかなり、切ない気持ちで見ていたんですよね。『君たちはどう生きるか』。
あの、見ている途中で何回か。
ベルイマン『野いちご』について、小林信彦さんが「歳をとってから見るべき映画だった」みたいな短評を書いていましたけれど。
なんかその短評を思い出していましたね。
自分が年を取っているから、なんか胸に迫るものがあるんだろうか、とか。
『君たちはどう生きるか』っていうタイトルなのに、途中から舞台は死後の世界。明らかに死後の世界ですよね。
それが、なんか・すごいしんみりしながら見ちゃって。
こんな若者に問いかけるタイトルなのに、舞台が死後の世界になるんだっていうのがね。ちょっと切なくなって。
その死後の世界を描くイメージの積み重ねが。もちろん宮崎監督の年齢を脳裏に置きながら見ている、って言うのもあるんですけれど。
それこそなんかね、テーマこそ違うけれどゴダール晩年の『さらば、愛の言葉よ』とか『イメージの本』とかを連想しちゃって。
老境になった映像作家って、こう…なんと言うか、イメージの積み重ねみたいなシーンを描くようになるのかなって。
ちょっと思いましたね。
切なくなりながらも、老いた自分の心情や気持ちを込めた作品なんだなーって思って。
それで途中からすごい悲しくなってきたのが、少年が冒険しているんだけれど、パートナーが少女ではなく変なサギ男だったりね、やっと少女がパートナーになったかと思ったら、それが母親っていうね(一番好きな宮崎作品はラピュタです)。
年を取ると、冒険のパートナーはこうなるんだって。
しかも、取り返しにいくのがとらわれた少女ではなくて、それもまた母親。
これはもう完全に、ああもう若くない、と。
これまで異性を取り返そうとしていた宮崎監督が。当たり前だけれど、もう若くないんだなって。年をとるって、こういう変化があるんだと思って。
まあ死後の世界を舞台にしているから当然なんだけれど、端々に「死の臭い」を感じる。
本当になんかね。でも、それでも映画作って。切ないような感じで見ていたんですよね。
もう1つ、見ている途中までショックだったのが。
「食事のシーン、全くないな」と。
もうそれもショックで。
なんか「生」の代表じゃないですか。食べるって行為。
しかも宮崎作品の名物ですよ、食事シーンは。目玉焼き乗っけただけの食パンが、ハムをトッピングしたインスタントラーメンが美味しく見える魔法。
その食事シーンがない! と思っていたら。
途中からだんだん風向き変わってきて。
食事のシーンと、どっち前後するか忘れましたけれど。
過去の建築中の事故シーンあったじゃないですか。あのシーンでパラパラ簡単に人が死んでいるの見て、あれなんかちょっと、と。
ラピュタ 好きなんで。昔を思い出すものがあるぞ、と。
そうしたら食事のシーンが出てきて、しかもそれがなんかすっごいバターたっぷりの、カロリー高そうなパンだったんですよ!
ぼく、今まで見た映画のパンの中で。一番カロリー高そうなのって、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』の、揚げパンに砂糖まぶしたやつ。あれが一番だと思っていたんですけれど。
今回、それに負けないぐらいカロリー高いパンが出てきて。
ひょっとして、宮崎監督まだ若いんじゃないの、と。若いはちょっと違うな。富野監督ブログ的に言うと、「そこに残った 若さ取り出し」って感じなんじゃないの? と。
そう思ったいたら、崩れかけた建物の中、動き回る、冒険している主人公見てね。
本当、まだ全然頑張って・若さを見せてくれてるっていうのがね…
前半の、老いを感じさせるところから、いっぺんに 若さを取り戻したような。
劇中で老い→若さを感じさせる、そういう「うねり」があって、本当に感動しましたね。
まだちゃんと、若いところを見せてくれようとしてるじゃん、みたいな。
大伯父が示した崩れかけている世界とか、そういうテーマはぼく、どうでもよくて。
おじいさんが若さを見せてくれてたところに、それ自体にちょっとなんか、メッセージを感じちゃったんですよね 。
その点だけで、本当に『君たちはどう生きるか』、良かったなって。
もうなんかずっと、「死後の世界」のイメージの積み重ね、みたいな・どうしようもない映画だったらどうしようって。道中、かなり不安もあったので。
良かった。
しかも最後、あの死後の世界にとどまろうという誘いに対して、争って現実世界に=「生」の世界に戻ってくるじゃないですか。
それってやっぱり、宮崎監督のメッセージ を感じましたね。
本当なんて言うんだろう。
作品のテーマとか各シーンの解釈とかより、もっとダイナミズムにですよ。後半のシーン全般にメッセージを感じる、愛すべき作品だったと思います。
……この感想、ぼくが老け込んでいるからだよなあ。
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