アニメ『心が叫びたがってるんだ。』感想・レビュー(ネタバレあり) [映画感想・実況]
2年前の頭の中を思い出す
実写版『心が叫びたがってるんだ。』の公開に合わせて、アニメ版『心が叫びたがってるんだ。』が地上波で初放送されるのを知り、過去にこのブログで書いた感想記事を読み直してみようと思ったのが、数日前。
ところが、無い。書いていたつもりなのに、記事がない。
自分のブログ内で「心が叫びたがってるんだ。」「ここさけ」で検索してもヒットしない。
コレ、アレだ。よくあるやつ。
頭の中では文章が出来上がっているのに、アウトプットするのが面倒で。
先延ばしにしているうちに、書いた気になって過ぎていくやつ。それで書いた気になったやーつ。
そんな訳で、2年前のぼくはこの映画を見て、何を思ったのかと言うと。
ほぼ1つしか無かったので、はっきり覚えています。
「うまいなあ、『木の葉を隠すなら森の中』とはこういう仕掛けのことかな」でした。
最初に言っておきますが、アニメ版『心が叫びたがってるんだ。』は全般的に非常に好感を持って見ました。
冒頭でファンタジー世界に引き込む
見終った方なら分かるでしょうが、この話、よくよく考えると多分にファンタジーなところがあります。
成瀬の声が出なくなっちゃうのもそうだけれど、そもそも「そんな校風・伝統なさそうなのに、高校生がいきなりミュージカル?」とも思うし、クラスのほとんど全員に「ミュージカルに適した何かの特技」があるのもそうだし、
何より拓実くんがピアノなどの楽器を扱えて、『ピアノソナタ第8番 悲愴』や『Over The Rainbow』をアレンジしてしまう、詞も乗っけてしまう。スーパー高校生じゃないですか!

でも実際には、見ている多くの人はあまり気にならなかったはずです。
それは思うに、冒頭に思い切りファンタジーな存在である「玉子の妖精」が出てくるからでしょう。
あんな存在が最初に出てくると、その後にちょっとくらい現実離れした展開があっても、さほど気になりません。
「喋ら(れ)ない理由」も、病気などにすると別のテーマが生まれてしまいます。
何故歌うと腹が痛くないの? とか…
それらも含めて、これは嫌味でもなんでもなく、アタマに玉子の妖精を登場させるのは・これがプロの技なんだろうなあ、流石だなあと思って見ていました。
そうか、それで喋れなくなったのか、と納得できてしまう(どう考えても離婚の原因は浮気した…もあるけれど、自宅近場のラブホを利用した親父がバカ)。
<ここさけ>中島健人&芳根京子で実写映画化 https://t.co/97oP2bW0DL ここさけは、冒頭にファンタジーを持ってくることでその後のふわふわした部分を取り繕うことに成功しているので、実写はスタートのそこをどうクリアするかだな。
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2017年3月15日
「恥ずかしさ」から逃げていないところに好感を持てた
アニメ『心が叫びたがってるんだ。』に好感を持てたのは、ともすれば恥ずかしい・青春とでも呼ぶべきものを、逃げもせずに正面から描いていることです。
しかもその「青春」はひょっとしたら実在しない、理想の「青春」です。
だいたいにして、『心が叫びたがってるんだ。』というタイトル自体が、おじさんのぼくからすれば「恥ずかしいことを正面から描くぞ」というスタッフの宣言に感じてしまいます。
ミュージカルの演目名だって「青春の向う脛」ですよ。
そして挫折した野球少年という主要キャラや、復活→挫折→もう一度復活する王道と呼ぶべき道を歩むヒロイン、淡い恋愛と失恋、それらこっぱずかしいことを逃げもせず正面から描いている。
菜月が、自分は拓実の連絡先を知らなかったり・順が拓実の家を知っていて拗ねたりするの、
映画レベルなのにこんな分かりやすい表現しちゃうんだ、と。
いや、悪口に聞こえるかもしれないけれど、そうじゃないんだよ。いいんだ、この映画にはこれくらいのベタで。
スタッフの陣容的には「『あの花』よもう一度」みたいな匂いがあるけれども、少なくともぼくは2匹目のドジョウを狙ったのではなく、「うわ、本気でやってんだ」とスクリーンから感じることができました。
劇場で見て良かった点
いつも読んでいただいている方を別にすれば、この記事に辿り着いた方はTVで『心が叫びたがってるんだ。』を見た方がほとんどだと思います。
劇場でお金払った身として、劇場で見た利点を最後に書いておきたいと思います。
TVで見て感動した人達を、羨ましがらせるためです。性悪。
それはやはり、終盤のミュージカルシーンです。
それも、成瀬が戻ってきて、歌いながら歩いてステージに上がるシーンです。
ここは映画の肝であり、特に歌の出だし・第一声は画竜点睛の部分です。ここが「えー」って声だったら台無しです。
素人がエラソーに言うのもナンですが、水瀬さん素晴らしかったと思います。
その前の拓実を罵るところも良かったですが、
水瀬さん…成瀬が歌う第一声を聞いた時に、
「ああ、この声を劇場の大音量で聞けて良かったな」と思いました。
どうだ羨ましいか。
※おまけ。
当時、こんなツイートしているんだが、「根本的問題」ってなんだろう? もう忘れちゃった、やっぱり…
ここさけ、俺と全く同じ感想のTL見た。前にツイートした「根本的問題」はそこ。
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2015年10月31日
俺はそこ諦めて、感情は揺さぶられたから満足だけれど。
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