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機動戦士ガンダムの分類説「ククルス・ドアン系、大地に立つ系」 [富野監督関係]

ククルス・ドアン系、大地に立つ系
 
 ククルス・ドアン系、大地に立つ系とは、各々『機動戦士ガンダム』における分類である。

概要

 ガンダムの全43巻において、ククルス・ドアン系とは全15巻の総称である。残りの28巻を大地に立つ系と呼ぶ。

 以下の巻がククルス・ドアン系に含まれるとされる。
 第3話敵の補給艦を叩け
 第4話ルナツー脱出作戦
 第7話コアファイター脱出せよ
 第8話戦場は荒野
 第11話イセリナ、恋のあと
 第14話時間よ、とまれ
 第15話ククルス・ドアンの島
 第18話灼熱のアッザム・リーダー
 第19話ランバ・ラル特攻!
 第22話マ・クベ包囲網を破れ!
 第27話女スパイ潜入!
 第28話大西洋、血に染めて
 第30話小さな防衛線
 第31話ザンジバル、追撃!
 第39話ニュータイプ、シャリア・ブル

 ククルス・ドアン系の巻は、大地に立つ系の巻と比べて一般的に以下のような特徴があるとされている。

 1、物語が本筋に及ぼす影響が限られたものであり、さらに宇宙世紀の歴史と絡まないという短編的・別伝的性格を持つこと。

 2、レギュラー人物以外の描かれている主要な対象が、大地に立つ系で描かれている人物達より身分の低い人間であること。

 3、完全には一致しないものの、その大部分が初期案より後に足された物語であること。

 大地に立つ系の巻は以下である。
 第1話ガンダム大地に立つ!!
 第2話ガンダム破壊命令
 第5話大気圏突入
 第6話ガルマ出撃す
 第9話翔べ! ガンダム
 第10話ガルマ散る
 第12話ジオンの脅威
 第13話再会、母よ…
 第16話セイラ出撃
 第17話アムロ脱走
 第20話死闘! ホワイト・ベース
 第21話激闘は憎しみ深く
 第23話マチルダ救出作戦
 第24話迫撃! トリプル・ドム
 第25話オデッサの激戦
 第26話復活のシャア
 第29話ジャブローに散る!
 第32話強行突破作戦
 第33話コンスコン強襲
 第34話宿命の出会い
 第35話ソロモン攻略戦
 第36話恐怖! 機動ビグ・ザム
 第37話テキサスの攻防
 第38話再会、シャアとセイラ
 第40話エルメスのララァ
 第41話光る宇宙
 第42話宇宙要塞ア・バオア・クー
 第43話脱出


類似の概念

 内容は論者によってさまざまに異なることも多いものの、類似の概念が古くからいくつか唱えられている。以下に主なものを示す。

 1、「マチルダ救出作戦」と「迫撃! トリプル・ドム」とがククルス・ドアン系に入る。

 2、前半(21巻まで)の分類。

 3、必ずしも巻単位で分かれるわけではない。

 4、21巻までをさらに2分割してa系、b系、29巻までをc系、以降をd系としている。


ククルス・ドアン系の学説史

 ガンダムをククルス・ドアン系15巻と大地に立つ系28巻に分けた時に、両者の間には主要ゲストキャラの色合いが異なる。

 ◎大地に立つ系で登場するのはザビ家の人間やレビルなど身分の高い人間か、ララァのようにアムロに深く関わるキャラクターであり、ククルス・ドアン系で関係を持つのはドアンやミハルなど身分が低かったり物語の中心にいない人物であるというように明確に分かれている。
 
 ◎ククルス・ドアン系の作画や演出は素朴であり、大地に立つ系の描写は深みがある。

 といった違いが認められ、両者の間には、

 ◎ククルス・ドアン系の巻を取り除いて大地に立つ系の巻だけを繋げても話が終る矛盾のない物語を構成している。

 ◎大地に立つ系の巻で起こった出来事はククルス・ドアン系の巻に反映しているが、逆に、ククルス・ドアン系の巻で起こった出来事は大地に立つ系の巻に反映していない。

 ◎登場人物は若干の例外を除き、大地に立つ系の登場人物とククルス・ドアン系の登場人物に明確に分けることができ、大地に立つ系の登場人物は、大地に立つ系とククルス・ドアン系のどちらの巻にも登場するのに対して、ククルス・ドアン系の登場人物はククルス・ドアン系の巻にしか登場しない。

 ◎「ククルス・ドアンの島」と「セイラ出撃」、「大西洋、血に染めて」と「ジャブローに散る!」などククルス・ドアン系から大地に立つ系の巻に切り替わる部分や、逆に、大地に立つ系の巻からククルス・ドアン系の巻に切り替わる部分の描写に不自然な点が多い。

 といった関係が認められる。

 「ククルス・ドアン系、大地に立つ系」の提唱者達は、これらのさまざまな現象は、『ガンダム』はまず『「原」ガンダム』とでも呼びうる大地に立つ系の巻だけからなる部分が作られ、その後にククルス・ドアン系の巻が作られて年表に従って大地に立つ系の巻の間に挿入されたと考えると説明できるとした。

 これ以後、下記のように、「ククルス・ドアン系が後で挿入された」とする点については賛否が分かれたものの、ガンダムがククルス・ドアン系と大地に立つ系という質的な差異が存在する2つの部分から構成されることは広く承認されるようになった。


成立論に関連する「ククルス・ドアン系」に肯定的な諸説

 この説が登場したのに前後して、同説に対してはそのまま認める立場とともに、以下のような説を大筋で認めながらも何らかの修正を加える立場がいくつか現れた。

 ◎現在の『ガンダム』にはない巻の存在を想定し、それによって説にあった「ククルス・ドアン系の巻」と「大地に立つ系の巻」の「ずれ」を解消し、「本来の『ククルス・ドアン系』があり、大地に立つ系に対して挿入されたものである」としてガンダムの中に失われた巻の存在を想定する説。

 ◎ガンダムは「長編的な物語」と「短編的な物語」とに分ける事ができ、まず長編的な物語が書かれた後に短編的な物語が書かれて長編的な物語の間に挿入されていったとし、挿入は必ずしも巻単位ではないとする説。

 ◎後期のククルス・ドアン系を挿入後、その大部分が再び削られたとする説。


成立論に関連する「ククルス・ドアン系」に否定的な諸説

 これに対して、以下のような形で否定的にとらえる以下のような説も存在する。

 ◎カイがミハルについて言及する一節があるなど、ククルス・ドアン系の人物が大地に立つ系の巻に現れるといった点もあり、説の主張の根拠の事実認識に誤りがあり、「説にあるような形での大地に立つ系とククルス・ドアン系というような二つの系統は明確な形では存在しない」とする説や、両系の間に質的な違いが存在することを認めつつも成立論的な観点からこのような現象を理解するのは誤りであり、あくまで構想論的な観点から考察するべきであるとする見解も以下のように数多く唱えられた。

 ◎両系に質的な違いが存在することを認めつつも、登場人物の偏りや巻ごとの描写の違いなどは構想論上あるいはスタッフの違いの問題として考えるべきであり、かつそれで説明できるとする説。

 ◎両系の間に質的な違いが存在することを認め、さらにこの問題を構想論の観点から説明しきれるかどうかという問題についても未解決であるとしても、成立の経緯についての何らの証拠もないままで成立論に向かい、「ククルス・ドアン系の後記挿入」という成立過程を導くのは「気ままな空想」に過ぎないとする説。




後記

 ひょっとしてお気付きの方もいるかも知れませんが、以上の文章はこの説のパロディです。元文章はリンク先のwikiから。
 ですので、的外れ…真面目な指摘はご免こうむります。でも結構うまいことリンクしてない?

 あ。あと、こちらのまとめを読んだ時に、
「打ち切りになって良かった。これ以上続けると繰り返しになってしまう。今日のミハルの話みたいなのをまた作らないといけない」
「ククルス・ドアン大好きなんですよ。『ククルス・ドアンの法則』と言ってます。連続ドラマで必ずククルス・ドアンみたいな緩い回を作ります」
 との会話を読んで思いつきました。レポ・まとめに感謝。




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