国会で語られてきた『ガンダム』~7年前に、等身大ガンダムを提案している議員がいた。 [富野監督関係]
お久しぶりです。
なんかホント。すいません。停滞していても訪れてくれた方、ありがとうございます。抱かれてもいい。
さて、今回は。
知っている人は「今さら」って感じなんでしょうが、私このたび「国会会議録検索システム」ってのがあるのを知りましてね。
これは、第1回(昭和22年5月)以降の国会会議録を、テキストとデジタル画像で見られるサイトなんですよ。会議名、発言者名、発言内容で検索できる。
こんなの知ったら、とりあえず検索しちゃうじゃないですか。「富野由悠季」を。
0件かい!
そんな訳で、「ガンダム」で検索してみました。5件ヒット。
思ったより少ないな。
古い順に見ていきましょう。なお、「ガンダム」の文字を太くしたのはブログ主です。後は誤字なども原文ママ。
まずは昭和56年03月19日、衆議院の逓信委員会。
以下引用。
○藤原委員 おっしゃるとおりでございまして、この高価なおもちゃが半年あるいはせいぜい一年足らずでもうすたれてしまって、はやらなくなるわけですね。いま一番はやっておりますのはこれなんです。これがテレビで映されるわけですね。
「機動戦士ガンダム」と言います。
昔は、幼いころ遊びました母親がつくってくれた人形をお嫁に行くときにも持っていったというものでございました。それほど幼児のおもちゃといいますものは思い出も深く、人間の心を養うのに大変大切なものです。
〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
子供たちは、大切であるはずのおもちゃをたった半年ぐらいでぽいと捨て、また別のものを欲しがるわけです。
子供をこんな気持ちにさせてしまうというのは一体なぜでしょうか。それはテレビの漫画など子供番組は大半半年で次のヒーローに交代するわけです。そして、この新しいヒーローを追ってまた新しいキャラクター商品が次から次へと出されてくるわけでございます。
そこで、こうしたキャラクター商品を一番効果的に売る方法をスポンサーは考えるわけです。キャラクター商品のCMを同じ番組の前後や中間に挿入をしまして、番組とCMを一体化してその相乗効果をねらう、いわゆるタイ・インという宣伝方法があるわけなんですね。(引用ここまで)
なるほどー、今では当たり前のCM手法が問題視されていた訳ですね。
ちなみにこの議事録では、
(前略)また、三十団体から成ります「子どものためのテレビCM連絡会」、ここの調査では「江崎グリコのウルトラマン・シリーズは番組そのものが広告なので規制してほしい。子どもはCMと番組を混同しているらしい。」という会の意見が寄せられているわけです。
なんて発言もあります。
もしウルトラマンが規制されていたら、「全部がCM」なんて揶揄されていたロボットアニメは軒並アウトでしたね。
まあぼくも子どもの頃はウルトラマン見ていましたけれど、CMと本編を混同なんてしたこと無いけどね。
この議案は、子ども向けCMのガイドラインを作るよう呼び掛けているものなのですが、その後どうなったんだろうね?
今ではなんかあるのかな、ガイドライン。
次行きましょう。
次は平成17年03月30日、衆議院国土交通委員会。
経済効果のお話です。
私なんか冗談で、例えば、ちょっとした町に一分の一ガンダム、実物大のガンダムでもぴょこっとつくれば、アニメファンが集まったりして結構な観光地になるよなんて言っていて、バンダイなんかに幾らぐらいかかるものかという試算をさせたこともあるんですが、そういったちょっと新しい、国がこんなことをするのかというような部分で、クール・ジャパン、ポップカルチャーなんかを発展させるための施策もどこかかしこで入れていただいたらちょっと楽しいかなとかも思ったりもします。(引用ここまで)
おお。これはちょっと、凄くないですか? 数年後に実現するぞ!
先見の明あり、ですね。
発言者は「樽井委員」となっているけれど、多分この方のことかな?
経歴を見ると、成程こんなアイディアも浮かんでくるかも、という気がします。もし別人だったらスイマセン。
実際には、実物大ガンダムが立ったのは「ちょっとした町」じゃなくて、お台場だったけれど。
3つ目です。衆議院経済産業委員会、平成18年04月18日。
そこで、これが商店街に対して追い風か向かい風かということなんですが、一部商店に対しては明らかに追い風になっているということを各地で見聞きします。例えば、町の酒屋さんが全国の銘酒を扱うことによって、いつの間にか全国に販路を開拓した。極端な例では、私が知っているある茨城県のおもちゃ屋さんが、大型店にやられておったんですが、海外にガンダムなどの人形を売ることにより、実は海外からお客さんが来るような、町の小さいおもちゃ屋がそういう店になっているとか、そういうふうなプラスの点もあります。(引用ここまで)
ガンダムの「人形」って、やっぱプラモのことかな。
ガンプラ扱っている小さな模型専門店なんてたくさんあると思うけれど、この話が本当なら、なんで件の茨城のおもちゃ屋さんは、海外から客が来るような店になったんだろうね?
ちょっと詳しく知りたい気もします。
4つ目。
参議院 国土交通委員会、平成18年04月27日。
それから、昨日のテレビでも報道されておりましたし、新聞にも載っています、一人が乗れる二足歩行ロボット、早稲田とテムザックという北九州の会社が共同で開発したと。私、これを言っていたんですよ。いわゆるこういうふうなガンダムタイプで、やっぱり乗って、障害者の皆さん、高齢者の皆さんの気持ちが反映されて、二足歩行で、これで階段上り下りするということをやっていけば、新幹線の方だってもっと簡単に受け入れることができるということが、やっぱり世の中が科学技術が発展をして、それが民生に寄与すると、そういうふうな視点で私はやっぱり努力すべきじゃないかということで、こういうネタは我が国には一杯あると。(引用ここまで)
うーん。
「二足歩行のロボット」を説明するために、「ガンダムタイプ」と言う。
1ファンとして、なんかちょっと、感慨深い思いすら湧いてきます。
ガンダムってやっぱり、一般常識、と考えていいのかしら。
富野が「だって『モビルスーツ』だもの」なんて嫌味を言われて切歯扼腕してから数十年、時代は変わりました。
さて最後です。最近。
平成23年11月24日、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会。
私は完全に文系の人間ですので、こういうことにははっきり言えば門外漢なんですけれども、核融合と聞いて、私と同世代の議員の方もたくさんいらっしゃるので最初によた話をしますと、例えばアニメの「宇宙戦艦ヤマト」とか「機動戦士ガンダム」とか、こういうものというのは、基本的に小型の核融合炉をエネルギー源として駆動する、そういうものだと思うんですよね。こういうものが私たちが生きているうちに実現に向かって動き出しているというのは、本当にSFの世界を実感するような、そんな思いもいたします。
さて、これが本当にいつ実現をするのか、こういう話でありますけれども、二〇二七年に核融合反応ということで実証炉に進んでいく、このタイムスケジュールに向けた見通しがどんなものなんだろうかということをまずお伺いしたいと思います。(引用ここまで)
発言者の柿澤委員は1970年生まれなので、バッチリガンプラブームの世代ですね。
以上でした。
しかしヒット数が5件って・思ったより少ない感じがするけれど、どうだろう。
もっと否定的な言説の中で取り上げられているかとも思ったけれど、そうでもなかったですね。
ちなみに「ジブリ」で検索すると5件、「宮崎駿」で18件ヒットしました。
こうやってパヤオおじさんと比べちゃうところが、ぼくの悪いクセなの。
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なんかホント。すいません。停滞していても訪れてくれた方、ありがとうございます。抱かれてもいい。
さて、今回は。
知っている人は「今さら」って感じなんでしょうが、私このたび「国会会議録検索システム」ってのがあるのを知りましてね。
これは、第1回(昭和22年5月)以降の国会会議録を、テキストとデジタル画像で見られるサイトなんですよ。会議名、発言者名、発言内容で検索できる。
こんなの知ったら、とりあえず検索しちゃうじゃないですか。「富野由悠季」を。
0件かい!
そんな訳で、「ガンダム」で検索してみました。5件ヒット。
思ったより少ないな。
古い順に見ていきましょう。なお、「ガンダム」の文字を太くしたのはブログ主です。後は誤字なども原文ママ。
まずは昭和56年03月19日、衆議院の逓信委員会。
以下引用。
○藤原委員 おっしゃるとおりでございまして、この高価なおもちゃが半年あるいはせいぜい一年足らずでもうすたれてしまって、はやらなくなるわけですね。いま一番はやっておりますのはこれなんです。これがテレビで映されるわけですね。
「機動戦士ガンダム」と言います。
昔は、幼いころ遊びました母親がつくってくれた人形をお嫁に行くときにも持っていったというものでございました。それほど幼児のおもちゃといいますものは思い出も深く、人間の心を養うのに大変大切なものです。
〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
子供たちは、大切であるはずのおもちゃをたった半年ぐらいでぽいと捨て、また別のものを欲しがるわけです。
子供をこんな気持ちにさせてしまうというのは一体なぜでしょうか。それはテレビの漫画など子供番組は大半半年で次のヒーローに交代するわけです。そして、この新しいヒーローを追ってまた新しいキャラクター商品が次から次へと出されてくるわけでございます。
そこで、こうしたキャラクター商品を一番効果的に売る方法をスポンサーは考えるわけです。キャラクター商品のCMを同じ番組の前後や中間に挿入をしまして、番組とCMを一体化してその相乗効果をねらう、いわゆるタイ・インという宣伝方法があるわけなんですね。(引用ここまで)
なるほどー、今では当たり前のCM手法が問題視されていた訳ですね。
ちなみにこの議事録では、
(前略)また、三十団体から成ります「子どものためのテレビCM連絡会」、ここの調査では「江崎グリコのウルトラマン・シリーズは番組そのものが広告なので規制してほしい。子どもはCMと番組を混同しているらしい。」という会の意見が寄せられているわけです。
なんて発言もあります。
もしウルトラマンが規制されていたら、「全部がCM」なんて揶揄されていたロボットアニメは軒並アウトでしたね。
まあぼくも子どもの頃はウルトラマン見ていましたけれど、CMと本編を混同なんてしたこと無いけどね。
この議案は、子ども向けCMのガイドラインを作るよう呼び掛けているものなのですが、その後どうなったんだろうね?
今ではなんかあるのかな、ガイドライン。
次行きましょう。
次は平成17年03月30日、衆議院国土交通委員会。
経済効果のお話です。
私なんか冗談で、例えば、ちょっとした町に一分の一ガンダム、実物大のガンダムでもぴょこっとつくれば、アニメファンが集まったりして結構な観光地になるよなんて言っていて、バンダイなんかに幾らぐらいかかるものかという試算をさせたこともあるんですが、そういったちょっと新しい、国がこんなことをするのかというような部分で、クール・ジャパン、ポップカルチャーなんかを発展させるための施策もどこかかしこで入れていただいたらちょっと楽しいかなとかも思ったりもします。(引用ここまで)
おお。これはちょっと、凄くないですか? 数年後に実現するぞ!
先見の明あり、ですね。
発言者は「樽井委員」となっているけれど、多分この方のことかな?
経歴を見ると、成程こんなアイディアも浮かんでくるかも、という気がします。もし別人だったらスイマセン。
実際には、実物大ガンダムが立ったのは「ちょっとした町」じゃなくて、お台場だったけれど。
3つ目です。衆議院経済産業委員会、平成18年04月18日。
そこで、これが商店街に対して追い風か向かい風かということなんですが、一部商店に対しては明らかに追い風になっているということを各地で見聞きします。例えば、町の酒屋さんが全国の銘酒を扱うことによって、いつの間にか全国に販路を開拓した。極端な例では、私が知っているある茨城県のおもちゃ屋さんが、大型店にやられておったんですが、海外にガンダムなどの人形を売ることにより、実は海外からお客さんが来るような、町の小さいおもちゃ屋がそういう店になっているとか、そういうふうなプラスの点もあります。(引用ここまで)
ガンダムの「人形」って、やっぱプラモのことかな。
ガンプラ扱っている小さな模型専門店なんてたくさんあると思うけれど、この話が本当なら、なんで件の茨城のおもちゃ屋さんは、海外から客が来るような店になったんだろうね?
ちょっと詳しく知りたい気もします。
4つ目。
参議院 国土交通委員会、平成18年04月27日。
それから、昨日のテレビでも報道されておりましたし、新聞にも載っています、一人が乗れる二足歩行ロボット、早稲田とテムザックという北九州の会社が共同で開発したと。私、これを言っていたんですよ。いわゆるこういうふうなガンダムタイプで、やっぱり乗って、障害者の皆さん、高齢者の皆さんの気持ちが反映されて、二足歩行で、これで階段上り下りするということをやっていけば、新幹線の方だってもっと簡単に受け入れることができるということが、やっぱり世の中が科学技術が発展をして、それが民生に寄与すると、そういうふうな視点で私はやっぱり努力すべきじゃないかということで、こういうネタは我が国には一杯あると。(引用ここまで)
うーん。
「二足歩行のロボット」を説明するために、「ガンダムタイプ」と言う。
1ファンとして、なんかちょっと、感慨深い思いすら湧いてきます。
ガンダムってやっぱり、一般常識、と考えていいのかしら。
富野が「だって『モビルスーツ』だもの」なんて嫌味を言われて切歯扼腕してから数十年、時代は変わりました。
さて最後です。最近。
平成23年11月24日、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会。
私は完全に文系の人間ですので、こういうことにははっきり言えば門外漢なんですけれども、核融合と聞いて、私と同世代の議員の方もたくさんいらっしゃるので最初によた話をしますと、例えばアニメの「宇宙戦艦ヤマト」とか「機動戦士ガンダム」とか、こういうものというのは、基本的に小型の核融合炉をエネルギー源として駆動する、そういうものだと思うんですよね。こういうものが私たちが生きているうちに実現に向かって動き出しているというのは、本当にSFの世界を実感するような、そんな思いもいたします。
さて、これが本当にいつ実現をするのか、こういう話でありますけれども、二〇二七年に核融合反応ということで実証炉に進んでいく、このタイムスケジュールに向けた見通しがどんなものなんだろうかということをまずお伺いしたいと思います。(引用ここまで)
発言者の柿澤委員は1970年生まれなので、バッチリガンプラブームの世代ですね。
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しかしヒット数が5件って・思ったより少ない感じがするけれど、どうだろう。
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面白い話ですね、さすが坂井さん。
そうか、国会か…考えもしなかったんですよ。一応文部科学省の小委員会ヒアリングなんとかで、岡田斗司夫氏が日本の著作権の不備に関して、富野監督の名前を挙げたのは覚えています。5、6年前検索したものですので、詳細は忘れましたけど。
by KAITO2198 (2012-09-06 22:11)
KAITO2198さん、コメントありがとうございます。
「国会会議録検索システム」の存在を知った時、「富野」と「ガンダム」以外、調べる言葉が思いつきませんでした(笑)。
岡田さん、いろんなことやってますねー。
by 坂井哲也 (2012-09-07 00:36)