『徹子の部屋』の山田五十鈴さん追悼回で、涙腺を刺激するくだりがあったので文字起こしておく。 [その他]
1983年放送分・少女時代の貧困時代を語った後に。
(父・九州男・くすおの死について)
徹子「お父様とは同じ旅回りの」
そうなんですよ。
徹子「ところの、同じ場所に出てらしたのに死に目に会えなかったっていう、どういう」
あのー、つまり、旅を回っておりましてね。えー、着きました途端に倒れちゃったんですよ。宿で。
徹子「どこで。その場所…」
あのー、神戸の1つ手前の明石ってところで。で、神戸で本当は正月で公演の予約?するはずが、また売りってのさせられちゃって。ご存じないでしょうが。
高いものですからね、その一座が。私の一座が。で、また売りしちゃって。興行師が。
徹子「間に入って」
間に入って。ですから明石にまわされちゃいまして、明石の映画館で、『藤十郎の恋』かなんかやって。大変惨めな旅の、最後の旅の、最後だった。ちょうどお正月の2日。正月公演。
それでもう父親は宿で寝たっきりですし、もう駄目だなとは思ってたんです。
徹子「ええ」
旅中、痛い痛い痛い痛いって言いっぱなしでしたし。胃が痛いって、こんな(指で示す)塊があるって言うんです。
徹子「ああ…」
それでお医者様呼びましたならね、もうこれは駄目だよって言う、ほとんど。でも入院もさせられませんしね。それで寝たっきりで。
だからもう、もう駄目だとは思ってたんですけど。
徹子「舞台に出てらした? ええ…」
そしたら。あのー。楽屋へね。あのー、お弟子さんが来まして、弟子が来まして。えーと黒紋付の羽織はあったでしょうかって言うんですよ。持ってきているでしょうか。
徹子「ええ」
あっ、今死んだと思ったんですね。
徹子「ああ…」
つまり私に言ったら、それから芝居ができなくなると困る。
徹子「ああ…」
だから黒紋付の羽織をって言われた時にああ、これはって思ったんです。
(映像は、現在の徹子に)
徹子(涙を堪えるように)
「私にとっても山田五十鈴さんは個人的な思い出なんですけども。徹子の部屋に出てくださった時のことですが。先ほどの、あのー、皆様のお目にかけた時の2日前に私の父が死にまして、当日はお葬式だったんですけど私はこっちの番組の方に来ました。
そしたら山田さんが「今日はルンルンなの」とおっしゃって。
これは自分のお父様の話を、ずっとあんな風になさって下さいました。それで、あの、私も一緒になってお話を伺ってたんですけれど。終ったらぱっと立って私の手を取って「辛かったでしょうあなた」って。
「私知ってましたよ、あなたお父様が亡くなったって。でも、その話をしたのではあれですので、今日はあの、私の父のことをお話したんですけども、あなた偉かったわ。本当にお辛かったでしょう」
その時本当に私、なんて苦労人な方なんだろう、優しい方なんだろうってつくづく思いました。
その時初めて、父が死んでちょっと涙が出たような思いがあります。そういうことでは、本当に人間的なお優しい立派な方でいらっしゃったと思います。
(父・九州男・くすおの死について)
徹子「お父様とは同じ旅回りの」
そうなんですよ。
徹子「ところの、同じ場所に出てらしたのに死に目に会えなかったっていう、どういう」
あのー、つまり、旅を回っておりましてね。えー、着きました途端に倒れちゃったんですよ。宿で。
徹子「どこで。その場所…」
あのー、神戸の1つ手前の明石ってところで。で、神戸で本当は正月で公演の予約?するはずが、また売りってのさせられちゃって。ご存じないでしょうが。
高いものですからね、その一座が。私の一座が。で、また売りしちゃって。興行師が。
徹子「間に入って」
間に入って。ですから明石にまわされちゃいまして、明石の映画館で、『藤十郎の恋』かなんかやって。大変惨めな旅の、最後の旅の、最後だった。ちょうどお正月の2日。正月公演。
それでもう父親は宿で寝たっきりですし、もう駄目だなとは思ってたんです。
徹子「ええ」
旅中、痛い痛い痛い痛いって言いっぱなしでしたし。胃が痛いって、こんな(指で示す)塊があるって言うんです。
徹子「ああ…」
それでお医者様呼びましたならね、もうこれは駄目だよって言う、ほとんど。でも入院もさせられませんしね。それで寝たっきりで。
だからもう、もう駄目だとは思ってたんですけど。
徹子「舞台に出てらした? ええ…」
そしたら。あのー。楽屋へね。あのー、お弟子さんが来まして、弟子が来まして。えーと黒紋付の羽織はあったでしょうかって言うんですよ。持ってきているでしょうか。
徹子「ええ」
あっ、今死んだと思ったんですね。
徹子「ああ…」
つまり私に言ったら、それから芝居ができなくなると困る。
徹子「ああ…」
だから黒紋付の羽織をって言われた時にああ、これはって思ったんです。
(映像は、現在の徹子に)
徹子(涙を堪えるように)
「私にとっても山田五十鈴さんは個人的な思い出なんですけども。徹子の部屋に出てくださった時のことですが。先ほどの、あのー、皆様のお目にかけた時の2日前に私の父が死にまして、当日はお葬式だったんですけど私はこっちの番組の方に来ました。
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「私知ってましたよ、あなたお父様が亡くなったって。でも、その話をしたのではあれですので、今日はあの、私の父のことをお話したんですけども、あなた偉かったわ。本当にお辛かったでしょう」
その時本当に私、なんて苦労人な方なんだろう、優しい方なんだろうってつくづく思いました。
その時初めて、父が死んでちょっと涙が出たような思いがあります。そういうことでは、本当に人間的なお優しい立派な方でいらっしゃったと思います。
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いいお話ですね。
小林信彦さんも今週の文春で山田五十鈴さんの記事を書いていました。
by 都市色 (2012-08-23 21:37)
都市色さん、コメントとナイスありがとうございます。
小林さん、山田五十鈴さんのこと書いているんですか! 楽しみだ。今週、まだ読んでないのです。
by 坂井哲也 (2012-08-24 13:57)