ハラキリと忠臣蔵 [アニメ周辺・時事]
お久し振りでございます。愛しています。
もう10数年前になるが、卒業旅行でイタリアを訪れた女子大生数人が、現地で1人の男にまとめてレイプされる事件が起こった。犯人はイタリア人ではなくイラン人だった。
で、その犯人、というか容疑者は日本のテレビの前で無実である、和姦である、ということをカタコトの日本語で訴えていた。
彼は「(もしレイプしていたら)ハラキリしますよ、ハラキリ」とまで話していた。
なんとも軽佻浮薄な印象で、ぼくはそれ以来、「何かあったら腹を切る」などと言う人間を、全く信用しないことにした。
重々しい言葉であるが故に、使うとかえって軽々しく聞こえてしまう言葉があると思う。
「天地神明に誓って」もそうだし、「腹を切る」も同種。
そもそも、切腹は武士に許された特権だから、ただ腹に刃を突き刺せばいいというものではない。
当然ながら切腹にも作法がある。
ただでさえ痛くて死にそうだっていうか本当に死んじゃうんだし、その上礼儀・作法を守って腹を切れだなんて、武士は食わねど高楊枝・いくら痩せ我慢が得意なお侍さんでもイヤだったんだろう、切腹は形式化していった。
詳しい年代は専門家じゃないので知らないが、少なくとも江戸初期~中期、忠臣蔵の時代には形式化していた。
浅野47士のうち、切腹したのは46人、しかし本当に「自分で腹を切った」のは1人だけだったはず。
皆さん時代劇でご存じのように、他の義士達は腹に刀を当てると同時に、介錯人が首を切ったのである。
ハラキリはかくも難しく痛いもので、フツーの知性を持った人間なら、「何かあったら腹を切る」などと言わないはずなんですが。
2~3年前に、チンピラみたいなボクサーが、次の試合で負けたら腹を切る、と言っていた。
案の定負けたが、彼はその後も腹を切ることはなく、あまつさえ恥ずかしくもなくテレビに出ている。
どういった精神構造なのか、ぼくの理解の範疇を超えている。
さて、そのボクサー兄弟に世間の非難が集中している頃、彼らを自分の番組に好んで招き、擁護している大物お笑い芸人がいた。
しかし最近、この芸人自身が引退会見を開くハメに陥った。
類が友を呼ぶとはこのことか、この芸人も自身の潔白を熱く語り、「(弁明が嘘だったら)腹を切ります」とのたまった。
現在、週間誌には彼が切腹しなければならないようなメール内容やら写真やらがドンドン掲載されているが、もちろん彼は切腹しないだろう。
会見で言っていたように、ぜひご立派な「けじめ」を見せていただきたいものだが。
ツイッターでもちょっと呟いたが、こんなこと書くと大人気なく思われるだろうが、ぼくは本当に・大勢の前で明言した以上・堂々と腹を切っていただきたいと願っているのだ。
蛇足。この引退会見を受けて、「島田紳助さんの引退の潔さは、武士道に通じるとも思う」、などと脳天気なツイートをしている議員がいた。みんなの党所属の議員さんである。
さっそく何人かから非難のリプライを受けていたが、まさか議員さんともあろう方が浅はかなお調子者であるはずもなく、つまりは疑うことを知らない純真無垢な人なんだろう。いい人ですね。
いい機会なので、前から疑問に思っていた話もちょっとしておきます。アニメの話です。
江戸以降に限れば、忠臣蔵は新撰組と人気を二分するエピソードだと思う。
どちらも小説にも映像にも、幾度となくなっている。ところがアニメに限って言うと、新選組からは様々な作品が生まれているのに、忠臣蔵をもとにしたアニメは、1つもないのではなかろうか。
悲劇性はどちらも充分だと思うのですが。
多分、理由はいくつかある。
1つは、新撰組の物語には、バックボーンに大きな歴史のうねりがあること。
忠臣蔵は元禄の太平に起きているので、ここらへんが新撰組より見劣りする。
2つめは、新撰組は周囲のキャラクターもオールスター揃いであること。
忠臣蔵は、魅力的なキャラクターに欠けるきらいがあるのかなあ。ライバルと言っても、清水一学くらいだし。
それでも1本くらいあっても、面白いと思うんだけどな。
いっそのこと、47人全員女キャラにしちゃってもいいから。『ネギま!』のクラスメートより人数多くなるんじゃね?
富野を知るにはこれを買え
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もう10数年前になるが、卒業旅行でイタリアを訪れた女子大生数人が、現地で1人の男にまとめてレイプされる事件が起こった。犯人はイタリア人ではなくイラン人だった。
で、その犯人、というか容疑者は日本のテレビの前で無実である、和姦である、ということをカタコトの日本語で訴えていた。
彼は「(もしレイプしていたら)ハラキリしますよ、ハラキリ」とまで話していた。
なんとも軽佻浮薄な印象で、ぼくはそれ以来、「何かあったら腹を切る」などと言う人間を、全く信用しないことにした。
重々しい言葉であるが故に、使うとかえって軽々しく聞こえてしまう言葉があると思う。
「天地神明に誓って」もそうだし、「腹を切る」も同種。
そもそも、切腹は武士に許された特権だから、ただ腹に刃を突き刺せばいいというものではない。
当然ながら切腹にも作法がある。
ただでさえ痛くて死にそうだっていうか本当に死んじゃうんだし、その上礼儀・作法を守って腹を切れだなんて、武士は食わねど高楊枝・いくら痩せ我慢が得意なお侍さんでもイヤだったんだろう、切腹は形式化していった。
詳しい年代は専門家じゃないので知らないが、少なくとも江戸初期~中期、忠臣蔵の時代には形式化していた。
浅野47士のうち、切腹したのは46人、しかし本当に「自分で腹を切った」のは1人だけだったはず。
皆さん時代劇でご存じのように、他の義士達は腹に刀を当てると同時に、介錯人が首を切ったのである。
ハラキリはかくも難しく痛いもので、フツーの知性を持った人間なら、「何かあったら腹を切る」などと言わないはずなんですが。
2~3年前に、チンピラみたいなボクサーが、次の試合で負けたら腹を切る、と言っていた。
案の定負けたが、彼はその後も腹を切ることはなく、あまつさえ恥ずかしくもなくテレビに出ている。
どういった精神構造なのか、ぼくの理解の範疇を超えている。
さて、そのボクサー兄弟に世間の非難が集中している頃、彼らを自分の番組に好んで招き、擁護している大物お笑い芸人がいた。
しかし最近、この芸人自身が引退会見を開くハメに陥った。
類が友を呼ぶとはこのことか、この芸人も自身の潔白を熱く語り、「(弁明が嘘だったら)腹を切ります」とのたまった。
現在、週間誌には彼が切腹しなければならないようなメール内容やら写真やらがドンドン掲載されているが、もちろん彼は切腹しないだろう。
会見で言っていたように、ぜひご立派な「けじめ」を見せていただきたいものだが。
ツイッターでもちょっと呟いたが、こんなこと書くと大人気なく思われるだろうが、ぼくは本当に・大勢の前で明言した以上・堂々と腹を切っていただきたいと願っているのだ。
蛇足。この引退会見を受けて、「島田紳助さんの引退の潔さは、武士道に通じるとも思う」、などと脳天気なツイートをしている議員がいた。みんなの党所属の議員さんである。
さっそく何人かから非難のリプライを受けていたが、まさか議員さんともあろう方が浅はかなお調子者であるはずもなく、つまりは疑うことを知らない純真無垢な人なんだろう。いい人ですね。
いい機会なので、前から疑問に思っていた話もちょっとしておきます。アニメの話です。
江戸以降に限れば、忠臣蔵は新撰組と人気を二分するエピソードだと思う。
どちらも小説にも映像にも、幾度となくなっている。ところがアニメに限って言うと、新選組からは様々な作品が生まれているのに、忠臣蔵をもとにしたアニメは、1つもないのではなかろうか。
悲劇性はどちらも充分だと思うのですが。
多分、理由はいくつかある。
1つは、新撰組の物語には、バックボーンに大きな歴史のうねりがあること。
忠臣蔵は元禄の太平に起きているので、ここらへんが新撰組より見劣りする。
2つめは、新撰組は周囲のキャラクターもオールスター揃いであること。
忠臣蔵は、魅力的なキャラクターに欠けるきらいがあるのかなあ。ライバルと言っても、清水一学くらいだし。
それでも1本くらいあっても、面白いと思うんだけどな。
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