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「ザ・インタビュー」で大河原さんと松岡修造さんの対談(富野が語る理想のビームサーベル)、ほか。 [アニメ周辺・時事]




 お久しぶりです。

 さて、先月下旬に起きた富野作品に関連する2、3の事柄を、今回は記事にしておこうと思います。

 彼女について私が知っている二、三の事柄。

彼女について私が知っている二、三の事柄 Blu-ray

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  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • メディア: Blu-ray



 まずは先月22日、BS朝日の「ザ・インタビュー~トップランナーの肖像」でゲストが大河原さんでした。

 そしてインタビュアーが、何故か松岡さん。あの松岡さん。修造さん。

 松岡さん、出だしでJR南武線「稲城長沼駅」高架下にあるガンダム&シャアザクの大型モニュメントに「ガンダムですか? ガンダムですか?」と言って近づき、そして実際にモニュメントを見ても「ガンダムですか? ガンダムですか?」と呟いていたのだが、どういうことなんだろう…

 しかし松岡さんは「ガンダム世代」とおっしゃります。おっしゃるのですが、「メカデザイナー」という職業は知らないそう。

 ですから当然の結果ですが、そんなに興味深い話はありません。まあマニア向けの番組ではないし、それで構わない作りだったのでしょう。
 上記の公式HPにけっこう詳しい内容が描かれているので、それを読めば充分な気もします。

 少し気になったのは、ビームサーベルについて。

 この番組の中で大河原さんは、ビームサーベルはスター・ウォーズの影響、デザインの中に取り入れている、といった趣旨のことをおっしゃっています。

 これについては『オタク学入門』の中で岡田さんも触れていますが、後年文庫化の際に富野との対談が追加されて、富野は以下のように否定しています。

オタク学入門 (新潮文庫 (お-71-1))

オタク学入門 (新潮文庫 (お-71-1))

  • 作者: 岡田 斗司夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2008/04/25
  • メディア: 文庫


 
富野 一つ思い出しだのは、この本の中で出てくるけれど、ビームサーベルのことで、僕は「スター・ウォーズ」をコピーしたなんていう言い方はしたことないよ。「スター・ウォーズ」のライトサーペルではだめなんだよ。あんなにピカピカに光ってるっていうことは、自分の刃先が見えるわけだから、あれで人を倒せるわけがない。敵に武器とか必殺兵器を見せてどうするのよ。ビームサーペルっていうのは、いつも出てるんじゃないの。ポスターでは出ているから、いつも発振しているように見せているだけで、本当は切る瞬間に出すんだよ。それまで刃先なんか絶対見せてない。
岡田 あ、そうなんですか。
富野 本来はそうなの。それをばかな担当演出家が、見栄で出していたりするわけ。だからもっと言っちやうと、ビームサーベルのビームって、あんなに太くないんです。あんなむだなエネルギーなんか使ってません。ビームは、ものすごく細くて、性能がいいの。そうでなかったら、切れないもん。(『オタク学入門』397P)


 ぼくが思うに、富野が考えるビームサーベルが実現したのが、例えば『逆襲のシャア』で見られた斬るアクションと同時に刃が出るものだったり、Vガンの細い刃だったりするのでしょう。

 監督とメカデザイナー、立場が違うと認識の違いも起きますね。

 もう1つ、ちょっと歯がゆかったのが、アーティストではなく職人を目指す、という大河原さんに対して、「アーティストも職人も同じですよ!」と松岡さんがリアクションするところ。

 そこでつっかかっちゃうとなー。あれ、「つっかかる」って方言じゃないよね?

 ちなみにぼくは6年前に、富野について「なんならスポンサーが、内容にまでガンガン口出しをしたっていい。そんなことも呑み込んで、作品に盛り込んじまうのが富野なんだから。富野は職人気質を持った芸術家なのだ」と書いています。

 この思いは、今も変わってないかな。
 ご本人は、職人100%だと思っているだろうけれど。
 100%片思い~。……俺、今日駄洒落(ですらない)ひどいな。


 さて話題を変えよう。

 80年代富野アニメファンには、EDクレジット「では」おなじみ、坂本三郎さんについて色々なことが急激に判明しました。

 詳しくはこちらのブログをご覧ください。素晴らしいなー。

 この記事によると、坂本さんはあまり取材がお好きではなかったらしい(だからネットでもあまり情報がなかったのだろうが)。

 だから『イデオン』『ダンバイン』『ザブングル』で全て最終回の作監を担当しているのに、『富野由悠季全仕事』にコメントはないし、

 ダンバインでは『赤い嵐の女王』『時限爆弾』『グラン・アタック』とシーラ様が活躍する回で作監なさっているが、『聖戦士ダンバインノスタルジア』でもコメントはなかったんですね。

 ぼくはあまり手持ちの資料がないので、上記の記事に対するネットの反応を見るに、坂本さんのインタビューが載っているのは『戦闘メカ・ザブングル大事典』と『ザブングル記録全集』(何巻だろう?)らしい。

 あと自分で確認できたのが『伝説巨神イデオン記録全集4』とロマンアルバムの『戦闘メカザブングル』。

 『イデオン記録全集4』ではカララのファンとおっしゃっています。ロマンアルバム『戦闘メカザブングル』の自画像は縄文人の格好。短いコメントで、「もっと時間が欲しかったです」と寄せています。

 ちなみに坂本さんの漫画家時代の作品は、「新漫画党」合作(といってもおそらく連作形式)の短編がネット上で1作だけ読めるのですが、リンクは貼らないでおきます。
 
 そのサイト、まるまる作品を一篇アップするって引用でもなんでもないし…

 富野作品の重要スタッフ・なのに詳細が分からなかった方のプロフィールが判明したのは、富野ファンとしても嬉しいことです。


 さて最後に短く。
 市川紗椰さんがブログで、ダンバインのHDリマスター作業の様子を見学したことを伝えています。

 「完成されたHDリマスターはまず、今年のサンライズフェスティバルで上映されます」と書かれていらっしゃいますが、「まず」ってのがね。その後があるってことですよね。
 数年前からあるアマゾンのこのページ、そろそろ「現在在庫切れです」ではなくなりますかね?


 そういや蛇足。Blu-rayといえば、『マクロスΔ』の制作記念で、マクロスシリーズの劇場5作品がBlu-rayになったんだね。新たなHDリマスターで。知らなかった。

 『 愛・おぼえていますか』、声優さんによるオーディオコメンタリーの第1部に出演するのが土井さん、神谷さん、速水さん、竹田さんっていうのがねえ。ヒロインはアメリカ在住だから呼ばれないのかしら? 

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: Blu-ray




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コメント 2

shuzo

確かにそうですよね。ガンダムの劇場版でもガンダムが戦艦ふところまで入り込んでからサーベルの刃を出して動力部分に刺す描写がありますし富野さん的にはあの頃から“ケレンミの兵”じゃなくもっとミリタリー感あるツールとして想定してたんでしょうね。それに光る刃ということで考えても富野さんは既にトリトンで光る剣をやってるので『パクりじゃねえよ』という矜持もあるんでは?と。
by shuzo (2016-06-14 06:04) 

坂井哲也

shuzoさん、コメントありがとうございます。

「パクりじゃねえよ」という矜持は間違いなくあると思います。同じ「光る剣」でもコンセプトが違う、という考えがあったのでしょうね。
by 坂井哲也 (2016-06-14 11:32) 

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