Gレコの遥か前にも、富野は「コロニーでの洪水」を描こうとしていた [富野監督関係]
1月も終りかけですが、今年もよろしくお願いします
さて、2か月以上ぶりの更新か…
本年もよろしくお願いいたします。
本来はね。
まあ仕事柄、年末のブログ更新は無理だとしても、年明けには昨年の総括とか、何よりGレコの・自分にとってのまとめとか、書きたいけれども。
酒飲みたいとか。仕事で原稿書いてんのにブログまで手が回らないとか。アニメ見るとか。色々言い訳して。
とりあえず、本年の1本目はお茶をチャチャっと濁すような記事を。
えー、Gレコには、コロニー=シー・デスクでの水中戦闘シーン、そして洪水(まあ便宜上「洪水」と表現しておく)・海水流出が描かれていました。
水中での戦闘シーンは、これまでの富野アニメにも描かれていましたが、それは「戦闘場面のバリエーションの1つ」以外の意味はなかったと思います。
そしてその舞台は、地球でした。
富野以外のガンダムは見たこと無いから・例えばSEEDとか00とか知らないけれど、富野ガンダムにおいては、コロニーにおける「空気」の描写はあっても、「水」の描写は無かった。
空気と同じくらい大事なものなのに。
∀では「月面の運河」が登場して、そこでの戦闘描写がありました。
そしてGレコでついに、コロニーでの水中戦が描かれました。
これはまあ、こじつけようと思えば「コロニーの実現化に否定的な富野が、難問の1つとして水害を提示したのではあるまいか」とか、それっぽいことは書けます。
書けますが、ぼくが思うのは、もっと単純で。
基本的に人間が住むのに適していない宇宙・そこに浮いているコロニーの中で、生命誕生の象徴でもあるような「水」を描写するコントラストが魅力なのではないかと思います。
実際、Gレコでの宇宙空間に水が噴出する画面は、それだけで意味が生じるように感じました。
さて、ここで本題です。
平成も27年になって富野ガンダムに登場した「コロニーでの洪水」ですが、実は25年も前に表現される可能性がありました。
下のコンテを見てください。
このコンテじゃあ…知らない人は、何のガンダムか分からないか…?
これ、初期段階のF91のストーリーボードです。
F91の初期段階のストーリーボードでは、コロニー内の戦闘は雨の中で行われ、しかも洪水が起きる予定だったのです。
完成したフィルムは、皆さんの知っている結果ですが。
跡形も無い。
洪水、しかもわざわざ雨の中での戦闘とは、富野の中に当時から「コロニーでの水描写」に強い思いがあったのでしょう。
F91の次のVガンでは描かれることなく、結局Gレコにて実現することになります。
しかし、コロニーを盾にする主人公、その結果として水が宇宙に流れる大惨事が発生、それを自分の責任とは言え自らの命と引き換えに収束させる敵キャラ。
不思議なアニメだよなあ、Gレコって。
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