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富野出演のPRIME NEWSシンポジウム、テレビ放映見たよ

 今日は黒澤×大島対談の話題はお休み。

 PRIME NEWSの1周年記念のシンポジウム、さっき見終わったー。

 途中、「アレ、これって富野の独演会だっけ?」っていうくらい、喋ってたねー。

 富野の全発言を文字おこししている方もネット上ではいらっしゃって、ご苦労様です。

 今回の放送は当然カットされているので、全文を読みたい方はネット上を探してみてください。
 例えば濱野さんの「富野さんの感性こそ」みたいなやりとりは放送にはありませんでした。

 富野の意見としては、愚民は作品を発表するな! では乱暴すぎるか。

 まあ、作品を発表することの「覚悟」の問題なんだろう、と思って聞いていました。

 あと、第3者のチェックを経ていない音楽・文章・その他もろもろが、果たして作品と呼べるのか?
 全く他人に叩かれていない個人で作ったものをそのままスルっと出して、果たしてそれが作品と呼べるのか?

 呼べるわけない! ってことだと思います。

 濱野さんの反論としては、ほとんどの投稿者はそんなに自惚れていない、と。


 司会の2人・1人は八木亜希子アナだった・は富野のこと知らなかったみたいで、大分うろたえていたね。
 ラリーさんは分からないけれど、ほかの人達は富野の台風っぷり(今、作った言葉)を知っていたようです。


 以下、印象に残った発言。

文芸評論家・市川真人さん

ある特権的なクリエイターみたいなものはいていいと思うんですよ。というのは、100メートル走でも例えば10秒をきれるかどうかという時にね、その10秒を誰か1人がきった時にみんながその後を走れるようになる。
つまりやっぱり、ある最初の概念を作るのは、偶然かもしれないし無名の人かもしれないけれどもある特定の仕事だと思います。
で、その時にもちろん一方でね、消費の環境とかニコニコ動画的な環境っていうのはね、ある種の、もうこれはまんま濱野さんの言葉ですけど人工的自然として機能すると思うんですよ。
それはグランドキャニオンとかを雨水とかね風が作ってきたように、ああいうすごいでっかい自然の脅威とかそういうものとして、一方で匿名化された芸術みたいなものはあっていい。
ただ他方で、じゃあ人間の仕事として何があるかというとやっぱりそこには、誰かが未知の場所に向かって主体的に挑んでいかなければいけないような気がします。


 上記は、個人的に一番しっくりときた意見です。

 まあぼくは、ニコニコ動画に投稿されている作品には、全く興味がわきませんが。
 それを見ている時間があったら、匿名ではない、名前がある人の作品を見たいです。

 まあこれをあんまり書くとね、テメエがやっているブログの否定にも繋がりかねないんで。やめますけど。

 しかし議論の序盤で、ニコニコやYOUTUBEを見ている人は、今のアニメやテレビがツマンナイからネットに流れているのだ、って意見があったけど。

 もし本当にそんな人達がいるのなら、あまりにも過去を知らないと思います。

 アニメも映画も、希望は過去にこそあります。

 
 ぼくなど、面白そうな・でも見ていない過去の映画や小説が多すぎて、どうしよう時間が足りない、あまりにも面白そうな作品がありすぎる、と思っているのです。

 話逸れた。もう1つ、印象深かった発言。



 一人ずつ、最後の一言をフリップに書いて発表したところ。

評論家・宇野常寛さん
「作品」と「消費」の間を読め!

(前略)今起こっていることっていうのはやっぱり、ここからここまでが「作品」でここからここまでが「消費」ですよってことが分かんなくなってくる現象なんですよね。
ただこれはやっぱり、ちょっと過去を振り返っても、そもそも日本のサブカルチャー、日本文化のやっぱり強みっていうのはこういったところにむしろあったんじゃないかという議論も充分にたてられるわけですよ。
まさに、横に富野さんがいらっしゃいますが、『ガンダム』がそうであったようにという風にあえて付け加えておきますが、こういった状況の中でじゃあベタになんか身体性が大事だとかなんかこう本質的な作家性があるんだみたいなことを言ったとしても、それを触発するためにこそ、まさにこの消費の力っていうのをどんどん作品に取り込んでいくべきじゃないかっていう風にぼくは考えます。


 後半は明らかに富野への揶揄。
 まあぼくは、この意見に全面賛成だけど。

 そして富野も、根本的には同じことを言っていたと思うんだがな。
 特に文士になれなくて良かった、のくだりは、まさに同じことだと思うんだが。

 しかし直接攻撃されたので、笑いながらアッカンベーをする富野。

 それを、「今、なぜアッカンベーを?」と聞く男司会者。野暮。野暮。野暮。

 ちなみに宇野さんはツイッターで、


今回はテレビの難しさと面白さを両方味わうことができたと思います。いい勉強になりました。個人的には、10代の頃からファンだった富野監督とお仕事できたのが嬉しかったです

しかし監督には作品評には手加減しませんと生意気にも宣言してきましたw。ご存知の通り、僕は最近の富野作品、たとえば「劇場版Ζ」などには極めて否定的なので。それはそれで、線を引かないと。



 と呟いております。

 なお富野がフリップに書いた一言は「公共にむけて」でした。

 この「公共にむけて」について話した内容は、まあ、あの。
 富野ファンにはおなじみの、たぶんエヴァを評するあたりから言っていることです。

 総じてなかなか面白かったです。
 富野ファンとしては、どうしてもドキドキして見てしまうのですが。

 

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