富野作品・その惹句の世界 [富野監督関係]
理由はないけれど、このブログもぼちぼち終りが見えてきたかな……
今日は「惹句」についてです。
Googleで「惹句とは」と調べると、「(広告などの)客を引きつける文句。うたい文句。キャッチフレーズ」と出ます。
ただ、日本で唯一の「映画惹句師」と言われる関根忠郎さんは、先日ラジオにゲスト出演した時に「惹句とキャッチコピーは違う」とおっしゃっていましたが……
その関根さんはインタビュー「映画のコピー“惹句”の極意とは?唯一無二の映画惹句師・関根忠郎さんに聞く」の中で、「惹句」について次のように説明しています。
人間社会を透視することが重要です。よく外国映画は「世界が泣いた!」「今世紀最大の傑作」とかつけますが、そういうものを僕は自分に禁じています。それよりも、劇中の人間ドラマを引き出すというのが僕の役目です。
さて、この記事ではざっくりと惹句=キャッチコピーと考えるとして。
例えばGoogleで「ガンダム キャッチコピー」と調べると、「君は生き延びることができるか?」が見えるんですが、まあそれは次週予告であって・個人的には新番組予告・映画予告はキャッチになるけれど、次週予告のセリフはちょっと違うかな、と思います。
そんな勝手なイメージで次週予告の定番セリフは除外して、考えたのが広報の方なのか配給会社の方なのかは知らないけれど、富野作品の惹句を・思いつくまま列記しました。
ただどうしてだろう、『頼まれなくったって生きてやる』 だけは富野監督本人が考えたんじゃないかって思ってしまう(笑)。
『生きろ。』(もののけ姫)からの『頼まれなくったって生きてやる』だからね。
いつも通り、抜けているものありましたら、情報寄せていただいたら随時追加していきたいと思います。
ではでは。
上記の関根さんの至言を念頭に置いて、富野作品の惹句を堪能していただけたら、と思います。大賞作品はガンダムからにしています。
「惹句」という言葉は「ジャッキ」から来ているのらしいので。
作品を支える、印象深い言葉たちです。
「君は、何に生命をかけられるか?」(ガンボーイ企画メモのキャプション。富野監督作です。いきなり厳密には惹句じゃないけれど、参考までに)
「君は青春の涙を見るのか」(新番組予告)
「青春の熱い魂に出逢える――この瞬間に未来は、はじまった」(映画Ⅰ、安彦版ポスター)
「青春の熱い魂に出逢える。この瞬間に未来は始まった」(映画Ⅰ、ポスター)
「RX78ガンダム VS MS06ザク ときめきをあのコクピットに伝えろ」(映画Ⅰ、大河原版ポスター)
「戦士たちは、真の荒野に何を賭けるか、何を残すか、確かな愛か、熱い想いか! I pray,pray,pray to bring near The New Day(哀戦士、ポスター)
(ブログ主注・「四つ爪ズゴック」のポスターの惹句。実は歌詞より「pray」が1つ多い)
「哀の地平に覚醒めるか、愛!」(哀戦士、安彦版ポスター)
「RX-78ガンダム VS 黒3連星MS-09ドム」(哀戦士、大河原版ポスター)
「Last Shooting!」(めぐりあい宇宙、ポスター)
「震えるか宇宙 めぐりあえよ生命」(めぐりあい宇宙、安彦版ポスター)
「Last Shooting! 震えるか宇宙 めぐりあえよ生命」(めぐりあい宇宙、大河原版ポスター)
「イデ」とは何か。イデオンとは。(TV版、局ポスター)
「イデが発動した時、また新しい星の物語が始まる」(劇場版告知)
「1982年 7月 宇宙が…生まれかわる」(劇場版告知)
「異なる文明が不幸な出会いをした。誤解が死を呼び、傷口が広がってゆく・・・・」(劇場版ポスター ※情報いただきました。ありがとうございます!)
「怒涛のごとき新作です」(ザブングル、新番組予告)
「君は走るか、俺たちゃ走る!」(グラフィティ、ポスター)
「オーラの光が君を呼ぶ」(ダンバイン、新番組予告)
「……君は、命を懸けられるか?」(TV版Z企画書のシリーズキャプション)
※ブログ主注・ガンボイのキャプションと比べてみてください。ほとんど同じ。忘れていて偶然なのか、故意なのか…
(カミーユ・ビダンは)「刻の涙を見る」(新番組予告)
「シリーズの頂点“Z”。ついに映画化!」(新訳告知ポスター)
「再開は躍動する魂。とき放て、Z!!」(星を継ぐ者、ポスター)
「それは、キスの記憶…」(恋人たち、ポスター)
「誰も知らないラスト…新訳Z完結編」(鼓動は愛、ポスター)
「キミはまだ本当のガンダムを知らない」(逆襲のシャア、特報)
「キミは――《ガンダム伝説》衝撃のクライマックスを観る!」(逆襲のシャア、特報)
※ブログ主注・ニュータイプ100%コレクションには、この予告に富野監督お怒りだったエピソード載っているらしいね?(持ってない)
「'88年春、何かが起こる!」(逆襲のシャア、生賴版ポスター)
「ついにシャアとアムロの最終対決の時来たる!」(逆襲のシャア、伊東版ポスター)
「宇宙が裂ける!」(逆襲のシャア、西口版ポスター)
「目覚めよ宇宙。〝ガンダム〟新時代――第一章」(F91、ポスター)
「ガンダムは新たなる宇宙へ」(F91、特報)
「人は、いつ戦争を忘れることができるのか?」
※ブログ主注・ウィキにはこれがキャッチコピーとして書かれているけれど、このキャッチ、どこで使われているんだろうね?
「Vの鮮烈」(Vガンダム、新番組予告)
「人は癒され、ガンダムを呼ぶ!」(∀映画、ポスター)
「人は癒され、ガンダムを呼ぶ――」(∀映画、劇場版予告)
「目覚めよ、聖戦士」
「バイストン・ウエルの新たな物語を綴るのは 聖戦士の白き翼か、紅き血か―――」(以上2つガーゼィ、販促ポスター。他の作品はソフトの販促ポスターは除外しているけれど、この作品はこれくらいしかないから…)
「富野由悠季が“バイストン・ウェル・シリーズ”に決着をつける!
極上のファンタジー・ストーリーがいまここに始まる。」(リーンの翼、公式HPトップ)
「頼まれなくったって生きてやる」 (ブレン、ポスター)
「普通のテレビじゃ、ここまでやれない。」(ブレン、WOWOWのポスター)
「信じろ! 君のオーバースキル!」(キンゲ、WOWOWのポスター)
「君の目で確かめろ!!」(特別先行上映時)
「君の目で確かめろ――」(告知映像)
以上です。
どうですかね。個人的には「君は走るか、俺たちゃ走る!」と、あと意外と「それは、キスの記憶…」がね。印象深いかな。
前者は「これしかない」とバッチリはまっている感が、後者はなんか色々会議した結果・「ここを押したい」という誰かの意思が見えて、好きですね。
それとやっぱり、惹句通りにキャラが動いたGレコも、今あらためて読むと感慨深いですね。
あと、DVDやBlu-rayなんかのソフトのキャッチは全部除外したのですが、富野監督のドアップを載せたキンゲDVDの「富野全開」「オーバースキル」の惹句も印象深いです。
超分類!キャッチコピーの表現辞典: 一言で目を奪い、心をつかむテクニック50
- 作者:
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2016/08/02
- メディア: 単行本
富野監督の『果てしなき』はどんな作品になったか夢想する、「黒歴史」は∀が生みの親じゃないけれど普及のきっかけではあるのでは、など。 [富野監督関係]
今日はテーマもなくタラタラ書きますが、今回もひと時お時間を頂戴できれば。
今月に入ってから富野監督関連のことで、いくつか話題がありました。
『ニュータイプ』と『アニメージュ』が創刊40周年を迎えて、両誌に富野監督のインタビューが載っているとか。
Animage(アニメージュ) 2018年 07 月号 [雑誌]
- 作者:
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/06/09
- メディア: 雑誌
この2冊は買って、まだ読んでいない。
特に『アニメージュ』の表紙が、おじさんには買うの少し恥ずかしかった。
まあ普通のアニメ雑誌だったら買えるけれど、あと別にプリキュアを見ているなら・それが表紙でも買えるんだけれど。
見てもないし。ちょっと恥ずかしいかな、と。
今は中学生になった娘がもう、とうの昔に見てませんしね。お父さんが、プリキュアが表紙の雑誌を読んでいる……
まあ『アニメージュ』の富野関連記事は、娘が寝てから読もうかなと思っております。
それと、前回の記事で書いたけれど。
『果てしなき流れの果に』(「て」がないことに気を遣うぜ…)の帯コメントを富野監督が書いている、と。
もっとも『果てしなき流れの果に』がアニメ映画化されて、それを富野が監督する予定だったという話は、ファンだったら知っていたと思いますが。
この話は、小松左京さんとかが出席していたSFイベントで出て、それがネットで広がって。
ただ富野監督の方からこの件について触れたのは、今回が初めてだと思うんですけれども。
実際にはこの企画は流れてしまったけれども、富野監督としてはオリジナルをやりたい意向が強いのも一因なのかな。
『だから僕は…』にも、オリジナルの作品を選んだエピソードがありましたよね。
「ロボット物のC・Dをやらないか?」
「……やる」
日本アニメの佐藤さんの話は気になるものの、オリジナル・ストーリーがやれるという直感が、OKの返事をだしたのである。(スニーカー文庫版『だから僕は…』286P)
原作付き(富野本人除く)監督作品は『海のトリトン』と『しあわせの王子』くらい?
だから一作ぐらい、平井和正さんの『幻魔大戦』を監督する予定だったっていう話もありましたけれども、一作ぐらい原作付き・しかもビックネーム原作のアニメがあっても良かったなと思います。
日本SF第一世代原作の角川アニメというと、なぜか真っ先に眉村卓さん原作の『時空の旅人』を思い出す……。眉村さんのジュブナイル(この言葉! まだ生きているよね?)が好きだったからかな。
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈前編〉 (ハルキ文庫)
- 作者: 眉村 卓
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1999/01
- メディア: 文庫
時空(とき)の旅人―とらえられたスクールバス〈中編〉 (ハルキ文庫)
- 作者: 眉村 卓
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1999/01
- メディア: 文庫
時空(トキ)の旅人―Time stranger (後編) (角川文庫 (5440))
- 作者: 眉村 卓
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1983/07
- メディア: 文庫
ん、いまアマゾンで探したらなんで原作前・中・後編になっているの? そんなに長かったっけ?
まあいいや。
アニメ『幻魔大戦』はね。ちょっと。ぼくはかなり否定派なんですよ。
話を富野監督に戻して。
ファンとしてはね、富野監督にもう1回ぐらい原作付きのアニメやってほしかったな、というのはありますね。
もう今となっては、ご自分の作りたいものを・オリジナルで作って欲しいと思いますけれども。
『果てしなき流れの果に』で言うと、最後のシーンが・ぼくなんかはついつい、 V ガンダムのラストみたいな感じに仕上がったのかな、とか夢想するんですけれども。
ほら、Vガンだとシャクティがカテジナだって気づきつつも、カテジナは目が見えないので・知らないふりをして会話するじゃないですか。
『果てしなき流れの果に』も、まあ…今更もう何十年も前の作品にネタバレもないからいいですよね?
あの、ヒロインの視力がかなり衰えていて、しかし長年待ち続けた野々村じゃないかと思って話すわけですよね。
逆に野々村の方はピンとこないと。
ちょっとここらへんがね、 V ガンのラストとだぶるんです。ぼくは。
あのラストシーンを、富野監督がアニメ画面としてどう見せたかっていうのは、ちょっと想像力刺激されますよね。
あの実際のページ数よりも壮大に感じる物語を、2時間…長くても2時間から3時間ぐらいの映画にどのようにまとめたのかっていうのにも興味がわきますね。
さて。最後にもうひと話題。
今回長いな。
NHK の『プロフェッショナル』で、∀ガンダム・「黒歴史」という言葉が紹介されたと。
この回ですね。
【今夜、#言葉ハンター 】#辞書編纂者 #飯間浩明 さんが登場!
— プロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) 2018年6月10日
1年に見つけ出す新語は4000語以上。辞書作りの裏側が明らかに!
出版不況やインターネットの普及で辞書の存在意義が問われる今、言葉に溢れんばかりの愛を注ぐ、熱き現場に密着!
今夜10:25~#NHK #プロフェッショナル pic.twitter.com/iuz8lGFT5l
で、Twitter の反応を見てると、∀ガンダムが言葉「黒歴史」の起源なんだって言うツイートが散見されたんですけれども。
富野監督本人は、これを否定してるわけです。
2016年の早稲田祭で富野監督本人が、出版社の誰かが言い出したんじゃないか、僕は言いだしっぺじゃないってことを名言してるわけです。
なんか、同時期に出版された本の中に「黒歴史」って言葉があったって発言をしたらしいですけれど。
今回の『プロフェッショナル』でも、∀が発祥とは言ってないんですよね。ネットの書き込みにそう書かれているのが、画面に映っただけで。
以前からあった言葉「黒歴史」を、∀が今使われている意味で定着させたっていうことでは、そう言ってもいいんじゃないかと思いますけれど。まあ僕はファンだしなあ。
∀ガンダムで使われて、そこからネットスラングとして転用されて、一般に広がったと。
ちなみに『プロフェッショナル』の中では、「みんなが使える言葉になったわけですよ。そこを表現したいわけ」と飯間さんが語っております。
番組ではその後、
ファクトチェック・事実の確認として∀を見て、劇中のセリフ「ウラの歴史 黒歴史に書いてある機械ってこれなのか?」「黒歴史が語るものが真実ならこの機械は敵に見せちゃならん」から、
「人に知られては(困る/はずかしい)。消してしまいたい歴史」と言葉「黒歴史」の意味を定義していました。
∀前までは、富野監督作品で1番広まった言葉ってニュータイプじゃないかなと思うんですけれど、いやスペースコロニーか?
どちらにしろ、定着したきっかけになったことは間違いないだろうし、富野作品発の中で最大のヒット言葉じゃないですかね、「黒歴史」は。
- 作者: 池上彰/佐藤優/竹内洋岳/飯田泰之/平田直/島薗進/五野井郁夫/伊藤真/金子勝/森永卓郎/清家篤/湯川れい子/塚田穂高/伊勢崎賢治/やくみつるほか
- 出版社/メーカー: 自由国民社
- 発売日: 2017/11/09
- メディア: 雑誌
古語・新語・方言・流行語 (金田一先生と日本語を学ぼう 5)
- 作者:
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 大型本
富野監督は今までどんな本の帯コメントを書いてきたのか。あとそれを調べるべくネット検索していたら、「富野にとんでもない量の絵コンテを書かれてね」って一文を見つけてしまった [富野監督関係]
どうも。もう午前3時になるのか…
このたび、ハルキ文庫『果てしなき流れの果に』の帯コメントを富野監督が書きましたね。
ハルキ文庫『果しなき流れの果に』の新装版が2018年6月15日リリースされます。
— 小松左京ライブラリ (@SakyoLibrary) 2018年6月10日
帯のコメントは富野由悠季監督。
「一度はアニメ化を考えた作品。雄大で、今なお、時空を飛ぶ」
とのメッセージをいただきました。
https://t.co/AJpNjcR8TX#小松左京 pic.twitter.com/tjYX5zp903
で、今まで富野監督がどんな本の帯にコメントを寄せていたのか、ちょっとネットで調べようと思い。
グーグルで関連ありそうな言葉を入れて検索していたら。
ある本がヒットしましてね。この本。
この本の中で、富野監督のコンテに関して触れている箇所があるのですが、富野好きな皆さんはご存じなのかしら。
この本の中の、日本テレビ版『ドラえもん』を手掛けた新倉雅美さん(日本テレビ動画元社長、拳銃密輸で逮捕。富野とは『夕焼け番長』などで接点あり)に関する章で。
岡迫亘弘さんがインタビューに答えていて、富野監督についても少し触れているんだよね。
で、その肝心の内容なんですが。アフィをポチして買ってほしい…ところだけれど、Googleブックスってプレビュー機能があるんだね。初めて知った。
Googleブックスで下のように検索かけると、該当部分読めます。
しかし便利すぎるけれどいいのか、この機能。
初期の富野コンテに関する・積極的評価ではない業界関係者の言葉は今までも読んだことあったけれど、これはなかなか強烈だな(笑)
まあ修行時代でもあったのでしょう。
この本、プレビュー部分を読み進めましたが・かなり面白いです。
実写系のプロダクションからアニメ界に戻ってきた当時の富野監督が、新倉さんの仕事を始めた理由の1つも明確に分かります。
富野関連の資料としても読めて良かったです。
で、えーと。せっかく調べたから、富野監督が書いた帯を紹介しておくか。見つけた分だけ。
『安田朗ガンダムデザインワークス』の
「安田以後に超えた奴がいるか!?」とか、
唐沢さんの『犬ガンダム宇宙編』
犬ガンダム (宇宙編) (角川コミックス・エース (KCA154-2))
- 作者: 唐沢 なをき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: コミック
「『舐めろ! 尻を』という本音はいい。(中略)ああ、わたしは変態です。」などは(すごいな)、
富野作品に関連している書籍だから、繋がりは分かりやすい。
『石垣純哉 仕事集~ROBOの石~』にも
「クリエイターが生真面目でどうする?!
しかしっ、石垣はそれでもここまで出来た。
それは凄いぞ! 石垣! マジでいい!」
と帯コメントを寄せています。
最近では、現代の魔法使いの本に帯コメント書いていますよね。
あと風変わりなところでは、「架空アニメのイメージ・アルバム」をコンセプトにしたCD『+-Beast-』にも。
「メビウスの迷宮を突破するのは、これを聴いてしまった君に課せられた宿命かもしれない。 ここのサキソフォンはそれを要求し、ピアノやトランペットやチェロが黒羊たちを撹乱しようと欲望する……その映像を海のような音節のなかに語りかけるのだ。」
と富野監督は書いています。
このCDだけ実際の画像確認できなかったけれど、帯…に書いたんだよね?
とりあえず見つけたのはこれくらい。
他にもありましたら、情報お寄せいただいたら追加しておきます。
※6月13日追記 情報いただきました! ありがとうございます。
ブログのコメントでは写真添付できないのでこちらから失礼します。パッと思いつく富野の帯コメはこれですかね。2005年発売の角川選書「世界神話事典」です。今のところ確認できたのはこれだけですが、他にもあった記憶はありますね。「封印作品の謎」ちょっと確認したくなりました。 pic.twitter.com/n76H1Je9wv
— さとまる@人間の出来損ない (@damegano) 2018年6月12日
これか…
アマゾンの説明によると「ファンタジーをはじめ、伝説、昔話、お伽噺といった物語の原点は神話にある。神話をひもとけば、民族や文化のルーツ、人間の心の深層が見えてくる」という本だそうです。
※7月1日追記
1位はララァだよな、池田貴族さんが降霊させて決まったんだから…と思ったところで、あの本の帯も富野監督だったことを思い出した。ブログに追加しておこう……
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2018年7月2日
池田貴族著『G‐1 GRAND PRIX』
「貴族の降霊術がここに真の対決を可能にした。笑え! 怒れ! その情念がバトルフィールドを炎に染める!!」
※8月16日追記 情報いただきました! ありがとうございます。
@sakaitetsu もう完全に忘れ去られた話題だと思いますが、富野の帯コメを見つけましたのでご報告いたします。2011年発行の亀井敬史著「平和のエネルギートリウム原子力2」に富野からの帯コメがありました。 pic.twitter.com/VAjtLlSam1
— さとまる@人間の出来損ない (@damegano) 2018年8月14日
この本は「2」で、1冊目は『平和のエネルギー―トリウム原子力 ガンダムは“トリウム”の夢を見るか?』。
「ガンダム」の名前が付いているんだけれど、ネットで調べた限りでは1冊目の帯は富野監督じゃないみたい。
平和のエネルギー―トリウム原子力 ガンダムは“トリウム”の夢を見るか?
- 作者: 亀井敬史
- 出版社/メーカー: 雅粒社
- 発売日: 2010/09/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
平和のエネルギートリウム原子力II 世界は“トリウム”とどう付き合っているか?
- 作者: 亀井敬史
- 出版社/メーカー: 雅粒社
- 発売日: 2011/10/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
宮崎監督による高畑監督への追悼文が『太陽の王子 ホルス』に多く触れていた理由、そして富野監督が語る高畑作品 [富野監督関係]
ひと時お付き合いのほどを。
先週、高畑勲監督の「お別れ会」が開かれ、宮崎駿監督が追悼文を読み上げました。
ニュースサイトの要約によっては、ちょっと「?」となる部分がありましたが(「パクさん」の由来とか、明らかに要約がおかしいせいで意味が変わっていたサイトあったぞ)、のちに全文がネットにあげられ一般のファンも読めるようになりました。
意外というか、もっともと言うべきか、追悼文で語られる思い出の多くは『太陽の王子 ホルス』の時代のものでした。
『ホルス』制作当時の状況を全く知らなくても、あの追悼文全文を読むと・胸に迫るものがあります。
しかし少しでも背景を知っていると、さらに心が揺さぶられます。
そこで、ぼくが説明しよう……というわけではありません。そんな図々しくはない。
なにせぼく自身、AmazonPrimeにあったので『太陽の王子 ホルス』を見たのは去年なのですから…
ちなみにぼくは短く感想を「砂嵐のシーン、雨のシーン。ホントすごいわ。動くところは、見ているだけで楽しい」と書いているな…
ではこの記事では何を書くかというと、ネット上でタダで読めて・そして当時の様子を知ることができる文献を2つ、紹介しようという趣向です。
まず1つ目は、小山昌宏さんによる「宮崎駿・高畑勲を生んだ東映動画60年代問題史!」です。
このコンパクトな文章を読むと、東映動画の黎明期から、会社と労組の対立、そしてスタッフが『ホルス』に全力で取り組んだ理由、などの流れが理解できます。
もう1つは、山口康男さんによる「講演記録テキストシリーズ 歴史編①なぜアニメ産業は今の形になったのか~アニメ産業史における東映動画の位置付け~」。これはPDFです。
このテキストでは、スタッフがどのような思いを持って作ったか、また『ホルス』でも社内が一枚岩ではなかったことなどが記されています。
この2つを読んでから、あの宮崎監督の追悼文全文を読むと、「僕らは精一杯、あの時を生きたんだ」という言葉がいっそう重く迫るのではないでしょうか。
さてこのブログらしく、富野監督にも触れておこう。
フジTVの「ノンストップ!」がコメントをとったり、ネットでも「富野由悠季が語る『ガンダム』のリアルを生んだ“高畑勲イズム” 「高畑さんは僕にとっても師匠」」などの記事が出た。
で、『キネマ旬報』の6月上旬特別号。
キネマ旬報 2018年6月上旬特別号(追悼・高畑勲) No.1780
- 作者:
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2018/05/19
- メディア: 雑誌
見開き2ページだけれど、この富野インタビューも良かった。
この中で特に個人的に嬉しかったのは、『赤毛のアン』を「一つの到達点」と評しているところ。
実はぼくは、勿論ハイジも三千里も素晴らしいけれど、アンはもっと良いと思っているのだ。
グリーン・ゲイブルズへの道を馬車が飛ぶOPからして素晴らしい。
と、かねがね思っていたので、富野が『アン』を到達点・さらには「舌を巻くぐらいの名作」と語ったこと、そしてOPを高評価していることに・わが意を得たりと感じました。
またメイン声優3人のキャスティングも褒めていますが、富野作品に出演しているのは山田栄子さんだけかな……?
そもそも訃報に関するインタビューってこともあって、普通の富野のインタビューでは話題に上がらないような小田部さんや近藤喜文さんの名前も出て、後半は正直ちょっとしみじみしながら読みました。
また『火垂るの墓』からの映画より、それより前のTVシリーズを富野がかっていることも、またその理由も納得できました。
ぼくには富野が、高畑監督には芸術家ではなくて・アニメ監督としていて欲しかったのだろうな、と解釈できました。
※全く関係ない蛇足
エッセイ漫画かと思って、畑さんの『トニカクカワイイ』を買ってしまった。「結婚から始まるイチャ×2ラブコメディー」とか帯にあるからさあ……
エッセイ漫画じゃなかった…面白かったけれど、ヒロインの顔見てても・浅野さんの顔がチラつく(笑)。
しかしもうこれ、アニメ化されて・ヒロインを浅野さんが演じないかな。
知らんけれど翼やコナンくんは作品がきっかけだろうし(アンソニーも?)、川村さんがラキシスの声アテたのは結婚前だしね。
レアケースになるのではあるまいか。
太陽の王子ホルスの大冒険 (スタジオジブリ絵コンテ全集第二期)
- 作者: 高畑 勲
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/07/23
- メディア: 単行本
キネマ旬報セレクション 高畑勲 「太陽の王子 ホルスの大冒険」から「かぐや姫の物語」まで (キネマ旬報ムック キネマ旬報セレクション)
- 作者:
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2013/11/18
- メディア: ムック
NHK BSの「発表! 全ガンダム大投票」での富野監督及び富野作品言及部分文字起こし [富野監督関係]
5月5日に放送されたNHK BSの番組「発表! 全ガンダム大投票」ですが。
気が向いたら富野インタビュー部分だけでも文字起こししようかな、と思っていたのですが。
もうシャア専用ブログ@アクシズさんが手早くあげられたので。
それ以外で、富野監督及び富野作品に言及した部分だけ文字起こししようかな、と思います。
ちなみに番組全体への感想はないです。
もし鉄血に力があったら、もっと上位を独占したんじゃないかな、とは思いますが。
このテのアンケート結果の傾向としてはね。
あ、あと富野へのインタビューで。
富野が結局ガンダムに敗北した、ガンダム以上に人気が出る作品を作れなかったから、って言った時に、
インタビュアーには・確かにTVアニメとして人気は大事だけれどそれだけが物差しの全てじゃない、
イデオンは例えアニメ界の極北に位置していても深化しているし、
∀はある面で確実にファーストを凌駕しているし、
Gレコはおっさんのぼくにとって「自分のための作品」感はないけれども・しかし「勧善懲悪がない」という言葉すら陳腐になるほど進化した物語だった、
と伝えてほしかったですね。
さてでは、文字起こしです。
Vガンダムってそれこそ富野由悠季さんとかもう、自分でも見たくもないとか、こんなの見ちゃいけませんとか、あの口調でよく言われるわけなんですけれども、でもやっぱり作家・富野由悠季っていう風に考えると、作品として華があるとかよけておくと、一番完成度高いと思います。
なんかね、ヨーロッパ文学調みたいな感じで。進んでいくんですけれども。
もう一番なんか、綺麗にできていますね。
(ちなみにこの後、司会の金子貴俊さんが「じゃあ見て大満足な…」と促したら、福井さん「うーん」って言い淀んでいます・笑)
初めてこの作品でガンダムに関わることになったんですけれども、ノベライズの仕事なんで、全部のお話が出来てるんだと。
で、そうしたらあらすじをいただいて、こっちで色々ね、取捨選択してやろうと思ったら、行ったらまだ4話分しかできてない。
で、ここから先どうするんですかと言ったらフィーリングが見えてから決める、みたいなことを富野さんがおっしゃって。
でもこっちはね、お尻が決まらないと書き始められないじゃないですか。
なんで、じゃあいただいたプロットと、その気分を聞かされたんで、じゃあこういうことですかねっていうのをいっぺんちょっとこちらで作らせてもらって、で、それを富野さんにお見せしてこれでやろうと思うんですけどどうですかって言ったら、そしたら「いや、やっぱりこうなっちゃうんだ」っていうことが印象に残っていて。
要は、今まで自分がこういう配置で物語を作っていくと、必ず落ちてしまう穴っていうのがあるんですよ。
そこからはちょっと離れないっていうのがあった時に、たぶん自分が書いたやつっていうのがある種なんでしょうね、囮じゃないですけど、俺が先に穴に落ちたんでその上をアニメの方は通っていったみたいな。
そんな印象ですね。
ガンダムってやっぱりその、富野由悠季という天才が作った、その奥深い作品世界というものがあってればこそ、これだけの人気を博しているというのがあるんですけれども、でも一方で、その天才がずっとそれを自分が持ち続けて自分だけが作り続けていたらおそらくこうはなってなかった。
やっぱりどっかで手放して、ほかの人に作ってもらう、それも本当に壊す勢いで作ってもらうっていうことがやっぱり要素としては凄い大事で。
そういう意味では一発目にやったのが、これ(Gガン)だったわけですけれども。まさに世界観を壊す、強烈な一発でしたね。
福井さん・(結末、シャアとアムロどちらが勝ったか分からないが)あの時って、(アフレコ時に)なんか説明あったんですか。最後、こういうことになってますっていう。
古谷さん・いや、特になかったですね。
福井さん・特になかった。しゃあシャアと口喧嘩して、突然バツっと切れておしまいみたいな。
古谷さん・口喧嘩して(笑)。
福井さん・「お母さん?!」と驚いたところでバツっと終るじゃないですか。
古谷さん・でもシャアの意図したアクシズを落下させるというのは阻止したわけで、そういう意味でぼくは勝ちだと思ってますけれどね。
(リアルタイムで見ていた当時、福井さんもカミーユと同じ17歳だった、の話から)当時に描かれた17歳、あのこれからバブルに入っていきますよっていう日本の、あの時期の17歳が、どんなことにイラついて何を感じているのかっていうことをね、結構ね、どんな実写ドラマよりも正確に表現しているところがあってね。
あれを当時すでに40代に入っていた富野由悠季が作ったっていうのが本当にすごいと思うですけれども。
だからなんかカミーユがね、よく意味もなく人を殴るみたいに言われたじゃないですか。
17歳の目から見ると、いやそこは殴るだろう、と。
大変俺としてはカタルシスがありますね。
私駆けだしですので、すごく覚えているのは、富野さんがスタジオに来て、あの色々アドバイスしてくれたりダメ出ししてくれるんですが、私の横に、跪いて、私に言ってくれるんですよ。
男の人が、その私の前で跪いたこと初めてだったので、富野さん(笑)そこで一生懸命教えてくださるんですね。
とにかくそれが怖かったんです。凄い方が跪いて、こんなぺーぺーの人間に跪いてダメ出ししているっていうのが、これどういうことなんだろうと思いましたね。
(榊原さんこの後、「黙れ俗物」というセリフが嫌いな話をします。これ、どこかで読んだような…?)
あの、あまり話題に出なかったんですけれどビクトリーガンダムっていうやつがデビュー作で、あの、あれもなかなかあの富野監督の作品で、ちょっと重い話なんですけれど、はい、あの面白いのではい、ビクトリーもよろしくお願いします。
(古谷さん・関ちゃんガンダムシリーズいっぱい出てるんだね)
あ、そ、そうなんです。(笑)ちょいちょい、はい。
文字起こしは以上です。
ちなみに当ブログを読まれている方はほとんどご存知でしょうが、NHKの番組サイトでは富野インタビューの未公開部分がアップされています。
もし未見の方は必見ですよ。
こちら。
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ガンプラ MG 1/100 MS-06S シャア・アズナブル専用 ザクII Ver.2.0 (機動戦士ガンダム)
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ファーストガンダムを富野監督がリメイクして、安彦さんが参加する可能性もあるって一文(記事)を初めて読んだ。 [富野監督関係]
取り急ぎ記事だけ。読み直しもしないので、てにをはがおかしい個所や誤字などはご容赦を。
ぼくはアニメ版のORIGINに否定的ですが、それでもルウム戦役で終了してしまう展開には、ちょっと安彦さん可哀そうだなと思っています。
さて本日、その『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』の劇場上映記念舞台あいさつの記事が配信されました。
下記です。
ガンダムORIGIN“最終章”公開 安彦総監督「これを見て続きを見たくない人いない」
この中でビックリする一文があります。
「(安彦さんが)富野氏の原作者としての立場を尊重しつつ再アニメ化を模索している。富野氏によるリメイク版に、スタッフで参加する可能性もあるとみられる」。
えええええええ。ないでしょうそれはないでしょう。一富野ファンとしては、こんなの実現したらガッカリですが…もうガンダムから解放されてほしい。
おそらく記者さんの筆が滑っただけだと思いますが。
そもそも安彦さんも、今月3日に配信された記事
「シャア専用ザクの赤に込められた秘密から、視聴者に伝えたいメッセージとは―― 『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』安彦良和総監督インタビュー」で次のように語っています。
彼(注・富野のこと)のクリエイターとしての性格やコンディションを考えると、仮に富野さんが「リメイク」しても、それは本当にリメイクになるのかという問題もあります。
ですよね。
ぼくもそう思います。
しかしORIGINのアニメ化は、海外にガンダム、しかもおそらくはファーストを売り出すのが目的の1つだったはずだけれど、もう営業用としては充分ってことかしら。それともこの路線では…ってことなのかね。
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アニメーション「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」キャラクター&メカニカルワークス 上巻
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『No.2キャラクター伝説』で鈴置さんが語っている富野監督からの言葉。 [富野監督関係]
よろしければひと時、お付き合いのほどを。
さて前回の記事
NHK BSの「セカンドの美学『シャア・アズナブル』」では池田さんのコメントがありませんでしたが…
でご紹介したこのNHKの番組は、「セカンド」立場のキャラの代表として、シャアを取り上げたものでした。
で、思い出したのですが、昔この「セカンド」ってコンセプトでまとめていたムックがあったな……
書棚から探してきました。
双葉社の『No.2キャラクター伝説』。
1999年発行。
No.2キャラクター伝説―二番手英雄伝 (双葉社MOOK―好奇心ブック)
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- 出版社/メーカー: 双葉社
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文字通り、アニメ・漫画・ゲームなんかのNO.2キャラクターを取り上げたもので、例をあげると
アオレンジャー
神隼人
イカサマ
ドラえもん(えっ)
次元大介
面堂終太郎
力石徹
鳥坂先輩
なんかが紹介されています。
そういや鳥坂先輩で思い出したけれど、今度出る『あ~る』のBOX、そこそこ良い値段するのでぼくは買えないと思っていたら、カミさんがバイト代で買うそうだ。
妻ありがたい。
閑話休題。
さてガンダムからは、シャア……ではなく、ブライト・ノアが取り上げられています。
ちなみに富野キャラでは、ライバルのギジェやシロッコも紹介されています。
まあシャアは、NO.2というにはアムロをかなり食っているからなあ。
このムックには、日向小次郎や斉藤一など数多くの「NO.2キャラ」を演じている鈴置洋孝さんのインタビュー記事が掲載されています。
その中では、鈴置さんが所属していた薔薇座の中でブライトと立場が似ていたことで感情移入しやすかったことや、ガンダムの中ではミハルが死ぬシーンが印象深かったことが書かれています。
富野関連で言うと、
「最初は富野さんが『鈴置にブライトができるだろうか』って一番心配していた」
(逆シャアの時に)「(7年の歳月を)あまり意識しないで今のままの鈴置さんで演じてください」と言われた
ことなどが語られています。
このインタビューでも触れられているけれど、地味で損な役回りだけれど懸命に仕事をこなすブライトさんは、一昔前の「日本のお父さん」像って感じしますよね。19歳なのに。
鈴置さんも、「よく富野さんはブライトのことを“日本のお父さん”って言ってますよね」と話していますが、確か『Z』の小説版でも、ブライトとカイの会話で「ジャパニーズオトッサン(オトッチャンだっけ?)」って言葉が出ていたような……
大人になってから初代ガンダム見ると、ブライトには感情移入しやすいですよね。
一番使えるパイロットは子どもだし、一番力になってくれそうなリュウはいなくなるし……
せめてプライベートでは幸せになって欲しかったですが、
……
閃光のハサウェイの映像化、どんな仕上がりになるんだろうね?(愛人、そして勝利の縁起物として設定されているギギって特異なヒロインだと思う。好き)
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NHK BSの「セカンドの美学『シャア・アズナブル』」では池田さんのコメントがありませんでしたが… [富野監督関係]
ぼくは休み、仕事、休み、休み、仕事という感じです。
休みでも遊ぶ金が無いとな…
さて昨日、NHK BSで「セカンドの美学『シャア・アズナブル』が放送されました。
内容については何も言いませんが…
と言いつつ放送時のツイートを貼ってみたり。
「当時、敵役が格好良いのは画期的なことだった」
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2018年4月28日
シャーキン「……」
ハイネル「……」
さてこの番組、安彦さんが出演して・富野が出なかったことはもういいのですが(今更シャアについて語ってほしくもないし)、一番気になったのは古谷さんや潘さん親娘が出演したのに、
肝心の池田秀一さんがスケジュールNGのため、コメントのみで出演がなかったことです。
この番組のディレクターさんのブログを読むと、20日にアップされた記事の段階で「まだ取材中」とありますが…
さて放送から1日あけて今日、
「シャアが正しいと思って演じていた」声優・池田秀一が語るシャア・アズナブルとしての40年とは?
という記事が配信されました。
この記事、いつ取材したんだろうね(笑)。
まあそれはどうでも良いですが、この記事の中では・池田さんが富野に「シャアが主役だと思っていいんですよね?」と聞いたエピソードなどもありますので、興味のある方は一読してはいかがでしょうか。
ちなみにこの番組、「セカンドの位置にいるキャラクター」の代表としてシャアを扱ったわけですが、ぼくはこのコンセプトを聞いて、昔買ったムックのことを思い出しました。
次回はその話でもしましょうかね。
またお会いしましょう。
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串田アキラさんと森口博子さんが語るザブングルED『乾いた大地』・作詞家井荻麟 [富野監督関係]
どうも。今回はサクっと情報だけ。
BS11で放送されている番組「Anison Days」4月16日放送回のゲストが串田アキラさんでした。
串田さんは番組中にギャバンの主題歌と『乾いた大地』を歌いました。
そこで歌う前に、少しだけ井荻麟作詞についてMCの森口博子さんと串田アキラさんが触れたので、そこだけ文字起こしします。カッコ内はブログ主によるものです。
では。敬称略で。
森口「(『乾いた大地』は)ガンダムの富野監督が詞を書かれて、馬飼野康二さんが作曲の」
串田「そうなんです」
森口「そうですよね。この曲のポイントは」
串田「全部ストーリー見ないと分からないんですけど、見たら(歌詞の意味が)分かるんです。見るとそのストーリーをそのまま歌詞に繋げてきている」
森口「特に富野監督の、これは井荻麟っていうペンネームで書かれてますけど、そういうちょっと、この作品のこれがここに歌詞に繋がってるんだっていう世界、独特ですよね」
串田「出てくるんですよ。そこに場面が。そこが凄いですよね。だから敢えて、オープニングじゃなくてこっち(ED)を選んだんです」
以上です。
ちなみにこの番組、公式HPで期間限定で配信もしています。
ぼくは富野作詞・井荻麟作詞の魅力って、イメージの積み重ねと時たま現れる鋭いフレーズにあると思っていて。
『乾いた大地』のサビ部分(でいいのか、あそこ)はまさに後者にあてはまる、心に残る詞だと思っています。
しかもホラ、本編とあてはめてみると。
乾いた大地を走っているアイツラの心は全然痩せてなくて、むしろイノセントの方が逞しさからは離れて衰退しているっていう裏腹な構造がね、好きですね。
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『逆襲のシャア』『F91』4KリマスターBOX発売、新しい意味の「富野マジック」など。 [富野監督関係]
さて、2月から3月にかけて、色々と富野関連の話題がありました。まだ3月終ってないけれど…
順不同で、気になった話題をまとめておきました。
周囲の話題はにぎにぎしいのに、Gレコは映画の続報が出ないですなー。
では。
古川登志夫さんと平野文さんがホストを務めているレジェンド声優インタビュー企画。
3月2日の回は、銀河万丈さんの2回目でした。
詳しくは元記事を読んでいただくとして、この中で銀河さんは・銀河さんと言えば次回予告と言うことでその話題になっていて、流れでザブングルについても触れています。
「ザ! ブングル」のイントネーションのことも話しています。
ファンは目の付け所が違うな。目じゃなくて耳だけれど。
また銀河さんはもともと本名の「田中崇」として活動していたのですが(ダミド・ペッチ!)、銀河万丈名義に変更したことについても話しています。
銀河さんのwikiでは「富野由悠季により名付けられたという説は誤りであり」とありますが、今回のインタビューではどなたが名付けたのか言及しています。
そういや銀河さんと言えばさあ…最近漫画家さんとご結婚なさった声優さんが、もう15年くらい前?
確かアニスパじゃなくてスパラジの時代に、彼女が銀河万丈さんを知らなくて、ぼく驚きながら大笑いして聞いていたんだよな。
なんかぼく、当時は真に受けて聞いていた記憶があるんだけれど、今考えれば知らないわけないよな。同じ事務所じゃねーか(笑)。
浅野さん、お幸せにー!
3月12日付の讀賣新聞朝刊に『逆襲のシャア』4KリマスターBOXのカラー1面広告が掲載されているとの情報を知って、さっそく買い求めました。
おお、すげー。
富野はじめスタッフの名前がいっさい無いけれど…
妻子持ち貧乏ライターのぼくは購入を我慢するつもりだったけれど(買ってもそんなに見ないし)、Amazon見たら逆シャアもF91も
ドキュメントコレクション
(100P予定、絵コンテやラフスケッチなど秘蔵資料を収録)
とある。何それ欲しい…。
あともう1つ、「4.1ch アドサラウンド音声(ドルビーサラウンド音声成分を分解・再配置し、低音成分を追加した本編音声)」もかなり興味惹かれる。
ちょっと1度は聞いてみたい見てみたい。資料はほしい。
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アフィリエイトでBlu-ray2枚分稼ぎ出たら買う。
無理だろ。何年かかるんだ。
バーチャロンの生みの親である亙重郎さんが、インタビューの中で富野作品の影響力について語っています。
バーチャロンのインタビューなのに、けっこう富野に言及している。
例えば下記の引用。
「機動戦士ガンダム」の富野由悠季が「大人が見ても恥ずかしくない作品」として,“富野マジック”をかけました。この,時の重みと呪縛。これがいまだに解けていませんよね。
「富野マジック」と言えば、まあ昔からのファンにはその編集技術……過去回のフィルムを利用して・新しい回を1本作ってしまう技術を指すものだったけれど、最近はあまり聞かないかな?
Vガンの「幻影に踊るウッソ」以来、富野マジック的な回あったっけ。
今回のインタビューで瓦さんが語っている富野作品云々は、ぼくのような年齢で富野好きな人間がいうとまた信者がとかおっさんがとか思われるので控えますが。
でも実は逆で、ちょっと言いすぎじゃないかなとは思っている(笑)。
ところで瓦さんと富野と言えば、ぼくなどはどうしても両者の対談を思い出してしまうのですが。悪い意味で。
あの対談での瓦さんは本当に人格者だ。
興味のある方はこちらなどを。宣伝。
印象深い富野の対談10選
CSの時代劇専門チャンネルで富野作品『闇夜の時代劇 正体を見る』が4月に放送されます。
BS・CSでも初放送なんだね。
しかしこの闇夜の時代劇シリーズ、高橋良輔さんの『甚助の耳』と今西隆志さんの『幕末洛中瓦版』はOVAのみで、TV放送自体が初なのか。
『正体を見る』はある意味、「下々の者に上の人間の考えは想像も出来ないだろう」という残酷な話なのですが、面白い短編です。
富野が「小道具1つが物語に影響を与えることもある」みたいなことを話していたのって、この作品でのインタビューだったような?
ぼくV2ガンダムの武器「光の翼」を見た時に、このインタビューを思い出したんだよね。光の翼は「小道具」じゃないけれど。
光の翼って1つの武器に過ぎないはずなのに、物語に影響を与えているでしょ。
ちなみに1999年のムック『傑作アニメ100タイトル あのシーンを忘れない』では、『正体を見る』が取り上げられていて、本作品中のセリフ「舌は物を味わうためにあるものなのだぞ。その棗の中の茶だとて舌と遊びたがっていよう」が紹介されています。
この記事を書いているのは水民玉蘭さん。ライター紹介のページでは、水民さんの欄に「3月に『富野由悠季全仕事』を刊行予定」と書かれているので時代を感じますね。
『富野由悠季全仕事』では、水民さんは企画協力としてクレジットされています。
もう1つちなみに。
今回『闇夜の時代劇』が放送されるのは、現存する最古の国産アニメ『なまくら刀』制作から100周年を記念してのもので、他に『刀語』や『バジリスク』なんかの時代劇アニメ(?)が放送されます。
で、その中の1つで『仙人部落』も放送されるのですが、ぼくが前に調べた限りでは「日本初の深夜アニメ」で「初めて大人を対象にしたアニメ」のはずです。
原作はカッパーパールンパッパーのCM絵で(ある年齢より上の人には)おなじみ小島功さんですね。
Gレコの最終回に、富野監督のソックリさんが登場したのは記憶に新しいですが。
先日『F91』にも富野監督が出演していた情報がツイッターのTLに流れてきました。
で、さらにVガンダムにも出演シーンがあると、業界の方が発信していたのですが。
キャラ打ちまでしていたとは。
ゴメスになんだ? 殴られた?
どのシーンなのか、皆さんの記憶力や熱意に期待しています(他人任せ)。
※追記 ツイッターで情報いただいて判明しました!
左目の下の特徴まで再現されています。
他にもNHKのガンダム投票やら信憑性の分からない・ある意味ではネットらしい情報やら、森口さんのパチンコZガンダムのCDには『水の星に愛をこめて』のオリジナルバージョンも収録されているとか色々あったけれど眠さには勝てぬ、本稿終り、またいつか。
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機動戦士ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー(5) (角川コミックス・エース)
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機動戦士ガンダム サンダーボルト 11 (ビッグコミックススペシャル)
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『ブレンパワード』の伊佐未翠は愛しくて哀しい女性 [富野監督関係]
どうも。毎度のお運びありがとうございます。
えー、今回は。『ブレンパワード』に出てくる伊佐未翠ちゃん(42歳)の話など。
まあ翠というキャラクターはね、視聴者には総じて不評だと思うんですよ。
真っ先に出てくるのが、「娘の男と寝た」ってことですよね。ただ、ジョナサンとクインシィが男女の関係あるいは恋人同士だったかは、はなはだ疑問ですが…
それと子ども視線から見て、親として失格だとかね。
ここら辺は疑問の余地はないですが。
しかしメガネキャラをこよなく愛するぼくが、翠さんの魅力をなんとかして見つけよう、いや翠ちゃんの魅力を知ってもらおうって記事です。
下種イ話ですが、Googleで「伊佐未翠」と検索すればこのページがトップ表示されるくらいの高い目標を持って、書いていこうという訳です。
ただまあね、広めたいのは「女性」としての魅力であって、「母親」としてはどうしよもうない。
弁護のしようがない。
第4話で、娘でもないカナンに「伊佐未翠博士には母親の香りは感じない」と思い出される始末。
勇を6、7年放り出していたが、グランチャーの適性があると分かると引き取りに来た(8話)くらいだからね。
他にもご本人のセリフを羅列してみましょう。
「あなた(研作)の叡智と私の忍耐力。それを受け継いだ勇なら、依衣子以上のパイロットになれるわ。グランチャーの抗体としてね」(5話)
「(依衣子は)私たちの研究に必要なの」「あの子は使えるわ」(研究に邪魔で実家に預けた依衣子を引き取りに来た時、24話)
この、我が子を研究材料としてしか見てない感。たまりませんね。
そりゃ依衣子にもキレられます。
依衣子「依衣子などここにはいない。私はクインシィ・イッサーである!」
翠「そうしたのも、オルファンの意思を受けて私達が…」
依衣子「クインシィをやっているのは私なんだよ!」(5話)
翠「それに、(勇が)ノヴィス・ノヴァの情報を持って戻ってくれば…」
依衣子「あんた達ドクターは、まだそんな甘いことを期待しているのか。それでは母親丸出しではないか」
翠「私はあの子のアンチボディとしての特性に期待しているだけです」
研作「(女達は何を考えているのか)」(10話)
駄目だ…機能不全家族とはこのことか。
女性が2人とも、「母親」であることを否定しているという会話ね。
で、母親としてはダメなのですが、一人の「女性」としてはどうでしょうか。
夫婦関係が破綻しているのはもう仕方ないとして、問題になるのは・よりによってジョナサンと寝てしまったことです。
これは13話です。が、12話の時点でおそらく男女の関係になっています。
ジョナサンと翠の関係がハッキリするのは13話なのだが、12話で張り切っている翠→さりげないジョナサンの視線→ジョナサンに話しかける翠の表情があり、ここらへんで関係を持ったことが暗示されている。
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2017年11月14日
アニメにおけるこのテの描写は、やはり今でも富野作品が頭抜けていると思う。
ここで注目したいのは、ジョナサンは依衣子をたらし込んで伊佐未夫妻の抹殺を考えていることです。
で、この時点での翠は、オルファン内で力を付けている依衣子を押さえるために、ジョナサンに近づいたフシがあることですね。
おそらくジョナサンから翠に近づいたのではなく、翠がたらしこんだのだ、と私は思っています。
翠「ではジョナサンはグランチャー部隊を指揮できると思っているのね?」
ジョナサン「そりゃそうです、クインシィ・イッサーはドクター達のお子さんだから遠慮していました」
そしてジョナサンは抱いた女の前で、グランチャー部隊を指揮すれば「鬱憤晴らしができる! 女へ、母親への恨みをぶつけられる!」と幼稚な思いを吐露します。
40歳を超えている翠から見れば、拙い阿呆です。子どもです。
実際、翠は「そういう男が好きな女もいるのは、忘れないで」とおだてておきながら、一人でこう呟きます。
「可愛い動物だこと」「私はこういう下等なオスしかいない地球が、ほとほと嫌なのよ」
どうですか。
この話数での翠は、娘の専行を抑えるためにジョナサンと寝て(結果的には自分の身を守ることにもなっている)、しかしそのジョナサンを含めて「男」を嫌っている、複雑故に魅力的な女性となっています。
可哀想で・しかし若い男をたらしこもうとする位に自分の魅力に自信があって、素晴らしい女性ではありませんか。
惜しむらくはこの「複雑な性質」を持った翠がこの回のみで消えてしまい、後は本気でジョナサンに入れ込んでしまっているツマラナイ翠に堕したことです。
おそらくこれは、翠というキャラクター像のスタッフ間での共有に不備があったのではないかと勘繰っているのですが…
この回は隅沢さんの脚本なのですが、このままの隅沢版翠なら良かったのに。
続く14話で、例の
「俺さぁ、クインシィ・イッサーと愛しあったなあー」
「俺の知ったことか!」
「コナをかけたらすぐに寄ってきたんだよ」
「男と女のやること、珍しくもない!」
「ドクター・翠・伊佐未もなんだ」
「…何を言っているんだ?」
「いやさあ、ババアなんて馬鹿にしてたさ。がねえ、いやあ、味わい深かったって感動した」
があって。
15話での翠は戦闘中のジョナサンの様子を気にして、ジョナサンよりオルファンを大事にする依衣子に殴られてしまいます。
依衣子「子どもを作れたから、親が子の上なのか。子どもは女と、男の屑以下の親の負債を抱えて、帳尻合わせに必死になっているんだ。メスをやっている暇があったら、オーガニックエナジーの研究者らしい大人を、やって見せろ!」
依衣子さん、ごもっともです。
翠を「篭絡するつもりが若い男に調教された四十路女」と咀嚼する方法もありますが、あんまりぼくの好みじゃないんですよね…
この後も、
バロンズゥで帰ってきたジョナサンに駆けより
「本当に心配していたのよ。あなたが帰ってくれれば、オルファンはすぐにでも銀河に飛び立ってもらえるわ」(19話)
「クインシィを助ける?」(敵意むき出し、同じく19話)
などとジョナサンに入れ込んでいますが、バロンの登場で2人の関係は終ります。
母親としては全く役割を果たさずに「女」として生きていた翠が、自分の男は「母親」に奪われる結果に終る訳です。皮肉ですね。
23話では、依衣子が乗っていないカラのグランチャーが帰還して、翠は心配している様子で現れます。
ジョナサン「娘の安否など忘れているのかと思っていましたがね」
翠「あなたはバロン・マクシミリアンのアンチ・ボディになりきったようね。ガバナーに近い私に近づくなと命令されているんでしょう? そうでなければ、あれから一度も…」
俺なんかには飽きているのかと思った、と鼻で笑うジョナサン。
その後、翠はグランチャーに近づき
「(シラーに)私が来る前に勝手に触って! 私の仕事をとらないで!」
とヒスります。
自業自得とはいえ息子は出奔、娘はたてつく、夫は研究、若いツバメは去っていく。
その結果の「私の仕事をとらないで!」です。
こんな女性を嫌いになれますか? ぼくはなれませんね。好意を抱きます。
25話では、オルファンが飛び立たない理由について研作と話します。
翠「オルファンの求めているものは、新しい生命、力でしょ。手段を講じるために必要なものは、オーガニックエナジーの総量です。全地球の生命力です」
研作「そういう数量的なものじゃない、量じゃないんだよ翠」
翠「ならパッションとでも言うんですか。情愛的なものをオルファンが欲しがっていると? まったく」
この時の翠は、情熱や情愛なんて否定するしかありません。
ツンですよ。デレさせたい…
正直、最終回の翠の処遇は「とってつけた」感があります。そんな簡単に改心する?
翠のような女性を、嫌いになるのは簡単です。
確かに母親としては失格です。
でも40歳って、自分がもうオバサンだと自覚する年齢ですが、それでも女性として若い女と張り合おうとしているんですよ。バカな男がターゲットでも。
張り合う相手が娘ってのが問題だけれど…
そして家庭を壊したその手で、オルファンで宇宙に飛び立つことを夢見ている。
なんか破綻しているじゃないですか。
でも、だからこそ、ぼくはそんな女性を嫌がりつつも、どこかで好感を持ってしまうんですよね。
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- メディア: 単行本
『逆襲のシャア』主題歌『Beyond The Time』の歌詞には(やはり)富野監督の修正などはなかった [富野監督関係]
えー、どうも。
今回もお付き合いのほどを。
今日、作詞家で著作家でシンガーソングライターで…多数の肩書を持つ小室みつ子さんが、下のツイートをなさっていました。
ネットが普及してから幾度となく散見する話で、今までも何度も出てくるのが「Beyond The Time」の制作秘話。この曲に関しては秘話はないです; 何故かガンダムファンの方たちの間で固定されているのだけど、私は富野監督にお会いしたこともなく制作でも歌詞について指摘も書き直しもありませんでした。
— mitsuko komuro/小室みつ子 (@miccorina) 2017年12月11日
あー。こんな話、あったような無かったような?
でも小室さんご本人が明言したことで、事実無根の噂だったと証明されたわけですね。
偶然のタイミングなのか、この話・実は、最近富野監督も言及していました。
富野監督は今年10月、イベントで上海に行っています。
その時のファンとの交流・質疑応答で、『Beyond The Time』に関する質問が出ていました。
サイト「TOMINOSUKI / 富野愛好病」さんが、その時の質疑応答の内容を書いてくれています。
その中で、ずばり『Beyond The Time』の歌詞内容は富野監督が決めたものなのか? と質問がありました。詳しくはリンク先を見てもらうとして、富野監督は「違う違う」と否定しています。
当事者の両方とも否定しているので、『Beyond The Time』の歌詞に富野監督の意向は関与していない、で決着でしょう。
ちなみに小室みつ子さんの公式サイトには、『Beyond The Time』を作詞した時はガンダムを知らなくてビデオを見たこと、そこから普遍的なテーマを見つけて詞にしたことなどが書かれています。
昔のツイートには「一気見した」とも書かれていました。
そもそも小室みつ子さんは5年以上も前から、『Beyond The Time』を作詞する上で富野監督と会ったことはないとツイートしているのですが、どこからこんな噂が出てきたんでしょうね?
「逆襲のシャア」のED「Beyond The Time」を書いた頃は、私は完璧ゲーマー引きこもり状態だったのでw 家に大量のビデオが送られてきて、打ち合わせは電話で。音は小室てっちゃんががっちり作っていたので、それを聴きつつビデオを見つつ。後はスタジオでの作業のみ参加でした。
— mitsuko komuro/小室みつ子 (@miccorina) 2012年1月11日
それが…実際にお会いしてないのでわからないのですw 歌詞書いてウツに歌ってもらってスタジオだけの作業でした。RT @rin1: @miccorina あらためて考えるとBEYOND THE TIME作詞はすごいw 富野監督といえばいろいろたいへんだったんじゃないですか?
— mitsuko komuro/小室みつ子 (@miccorina) 2012年1月11日
上記の上海におけるファンとの質疑応答では、小室哲哉さんは売れっ子だから自分の意見なんて聞くわけない、と答えている富野監督ですが、しかしT・Kのインタビューを読むと、この発言を素直に受け取るのは一考した方がよさそうです。
雑誌「GB ギターブック」1988年のインタビューで、T・K(小室みつ子さんと混同しないようにT・K表記にします)は絵コンテを見て、富野監督にも会い、曲ができるまでの各段階でチェックがあったことを語っています。
それまでも映像作品に曲を提供していたT・Kですが(『D』!)、『逆襲のシャア』では初めて「映像に歩みよった」そうです。
ちなみにT・Kは『逆襲のシャア』のサントラも担当したかったとか。
その方が統一性出るだろうしね。
ただ富野作品の1ファンとしては、『逆襲のシャア』って『Z』『ZZ』からの流れがあるので、同じ三枝さんで良かったかな。
音楽からも作品の「地続き」感を得られるので。
『Beyond The Time』の歌詞に富野監督の意向・意見・修正などがあった、って噂は、ここら辺のT・Kとのやり取りと、あと菅野よう子さんとの「遺伝子が暗躍する感じ」云々、そこら辺が合わさって流布し始めたのかなと個人的には思います(ここら辺・そこら辺と指示語うるせーな、我ながら)。
いかにもありそうだし、よく出来た噂ですよね。
実際、例えば『Gレコ』後期OPの『ふたりのまほう』では「富野さんからは何回も何回も歌詞の書き直しがあったらし」いしね。
しかし実際のところ、「Beyond The Time 歌詞 富野」でググっても、この噂を肯定している記事は出てこないんだが(楽曲に対しての富野の要望を書いている記事はいくつかヒットする)、どこから発生した噂なんだ?
さてオマケ。
GARNiDELiAさんが『Gレコ』の主題歌を担当することになった時。
インタビューでGARNiDELiAのお2人は富野監督から主題歌担当に指名された理由について「最近監督ご自身がクラシックにハマっていた」「クラシックの素養がある人間が書いたメロディラインだから」と答えています。
上にあるGBのインタビューでは、T・Kも「(富野監督は)生の弦の音とかにすごいインパクトを感じる人」「(T・Kが)クラシックが好きだっていうことでなんとかなった」と答えています。
おそらくこの当時から、富野監督はクラシック音楽が好きだったんじゃないのかな。
F91の『GUNDAM FESTIVAL LIVE』で指揮棒振っている姿を見るに、当時からクラシック音楽に親しんでいた気がして仕方ないんだが。
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富野監督と新海監督の15年前の対談。まるで『君の名は。』への評価かと錯覚するような言葉もあった。 [富野監督関係]
どうも。毎度お運びありがとうございます。
今回も少しの間、お付き合いのほどを。
10月中旬、ネットにあがった富野監督のインタビュー記事が、ぼくのツイッターのTL上で何回も流れてきました。
読み応えのあるインタビューで、何人もの方がRTされたためです。ぼくも楽しく読みました。
『ガンダム』生みの親・富野由悠季が感じた手塚治虫・宮崎駿の凄み
さてこの中で、富野監督は(またもや)『君の名は。』及び新海監督について言及しています。下記の内容です。
「(『GODZILLA』は)ヘリコプターがミサイルを撃っていれば気が済む。街を壊す絵で気が済む。そういうのが好きな人に作らせればいいものができると思っている。『君の名は。』も映画とは思えない部分がある」。
「けれども、芸能というのは客を集めてナンボの世界だから、その部分だけでいえばあれでよいともいえるから全否定はしません。ただ、動員数に屈服してしまって、映画評論家といわれる人たちが映画の内容に対してきちんと評価できていません。そんな評論だと新海(誠)監督が堕落していくだけだよと言いたいですね」
富野監督は『君の名は。』ヒット以降、主に『この世界の片隅に』とセット・あるいは比較する形で、何回か新海監督に言及しています。例えばこの記事とか。
富野監督と新海監督は今から15年前の2002年、特設サイト「『ほしのこえ』を語ろう。」(現在は閉鎖)で対談しています。
文字通り、新海監督の『ほしのこえ』が発表された頃ですね。ほしのこえ、DVD買ったな…
富野監督は『キングゲイナー』の頃。
対談タイトルは「デジタルとアナログの温度差」です。
この対談で、富野監督は要約すると次のようなことを語っています。
同じアニメという媒体だけれど、(富野作品と『ほしのこえ』は)大衆小説と私小説くらい違う。
職業作家と、個人の情熱をモチベーションにしてモノを作る人間は違う。新海さんは「作家」としてのスタンスが明快になっていないのに商業ベースに押し上げられた。
今後、新海さんは技術者としてやっていくのか、作家性でやっていくのか。それで在り方が根本的に変わる。
パソコンの登場で趣味と仕事の境界線があいまいになった。
新海さんは、次にどんなものをつくるのか、5年後10年後、何をやっていくのかが本当に重要。
アニメ貧乏(経済的貧乏ではない)に気を付けようぜ、と新海さんには伝えたかった。
新海さんの作家性というものは認める気はないんです。ナイーブさ、弱さが魅力になっている部分が強すぎる。
相談されても正解を与えることはできないと思うけど、うちのスタジオで働いてみな、ということは言えます。
富野監督の言だけいくつか抜きましたが、新海監督はこの時点ですでに「一人でやることにこだわりはないので、キャラクターとか物語の部分では出来る人と組んでやっていきたい」と話しています。
ところで今回の対談を読み直してビックリしたのが、下記の富野監督の一言でした。
新海さんにどのような才能があったかというと、道具と社会情勢、音楽、テーマ、風景などの組み合わせの効率論を考える才能だと思います。
どうですか。まるで、『君の名は。』への論評だと思いませんか?
道具=組紐、口噛み酒
社会情勢=東日本大震災
音楽=前前前世
………
特に「社会情勢」なんて、『ほしのこえ』のどこを見て出てきたのか…繰り返しますが、『君の名は。』への指摘かと錯覚してしまいます。
この対談で富野監督は「5年後10年後、何をやっていくのかが本当に重要」と言っていて、そして新海監督は10年は過ぎていますが、『君の名は。』を作りました。
ぼくは『君の名は。』には否定的ですが、それでも『秒速5センチメートル』では剥き出しになっていた・富野監督いうところの「弱さ、ナイーブさ故の魅力」が『君の名は。』では鳴りを潜めていて、観客のことをものすごく考えて作っているな、との印象を受けました。
映画において、勿論動員数は絶対の評価基準ではないけれども、少なくともプライベートフィルム的な要素があったとしても、多くの人を惹きつける何かがあったのは事実だったと思うんですよね。
しかも『君の名は。』は、計算づくだった気配があるし。
だから、富野監督が思う「映画とは思えない部分」がどこなのか、具体的に知りたくなります。
まあ、最後の部分なのかな…それなら少しわかる気もするけれど。
※関連記事
ネタバレあり・映画『君の名は。』感想・レビュー
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8分間で、恋の芽生えから失恋までを描いた技術を堪能する~『ダンバイン』35話「灼熱のゴラオン」から [富野監督関係]
どうも。またちょっと・お付き合いのほどを。
昨年アニマックスで放送されたHDリマスター版のダンバインを、ゆっくりと見進めたりしなかったりしているのですが。
先日35話「灼熱のゴラオン」を見たんですよ。
エレ様とトルストールが恋に落ちる回ですね。
全体としては、「核爆弾をバカスカ撃つなー」とか、ショウもマーベルも核撃たれまくっている中に防護服もなく突入していくんだ、とか全般的にはあまり好みじゃない回なのですが。
それより、改めて見て。ビックリしたのは。
トルストール登場するのが遅いな、と。
だってこの回で初登場して、エレと恋心を通わせて、そして死んでご退場願わないといけないんですよ。
本編は24分…OP・ED抜かすから21分か。少しでも早く、冒頭からトルストールを出して物語を転がしたいと思いません?
ところが、ですよ。あ。ここから先、いちいち90秒引くのが面倒なので、OP込みの時間でいきますね。
まず5分30秒過ぎで、トルストールが初登場します。
エレ「あの軍人は人身御供か」
しかしここから、黒騎士やゼットなんかの登場があり、なかなかトルストールが出ないのですよ。
再登場は11分ですよ! 19分過ぎにはトルストール死んじゃうので、残りは約8分間しかないわけですが、ストーリー・演出・作画の合わせ技で、この8分間で・生まれる恋心→死亡までを描いてしまうわけですよ。
やっぱりすごいな、プロはと。
だって、エレとトルストールはこの時初めて出会っている、1からのスタートだよ。それなのに8分間で見せちゃうんだよ。
ストーリーは次のように進みます。
ソ連に戻り上を説得すると言うトルストール。
12分過ぎ。エレ「トルストール・チェシレンコは信頼できる士官と見ました」
エレは手を差し出し、トルストールはその手の甲にキスをします。
まず、視聴者が「あれ、エレはこのイケメンに好意があるんじゃね?」と思わせるのが、この時のエレの表情です。
凡百のアニメなら、頬を赤らめさせたりするのでしょうか。
無論、そんな簡単な「記号」は出てきません。
キャラクターは記号じゃない、生きているんだ、と言うわけでこの表情です。
なんだ、この顔は。
説明が難しい…上手だよなあ。プロに向かって言うのもなんだけれど。
この照れもトキメキも、感情を表に出すまいとする意志も、全てが表れているような。素晴らしい顔だよなあ。
さてソ連に向かう道中、ショウが言いがかりに近い感じで…近い感じと言うか・オーラバトラーをソ連に持っていく気だな、と完全に言いがかりをトルストールにつけます。
唐突に感じた視聴者も多いと思うのですが、このシーンには勿論意味があります。
トルストールに疑いをかけるショウをなだめるのが、マーベルです。
このシーンはマーベルがトルストールを庇うようでいて・もう1つ、視聴者に向けてトルストールがエレの好意を受けるに値する男性であることをマーベルが担保しているのです。
これは、エレにはできません。
何故なら恋をするとあばたもエクボ、エレがいくらトルストールを褒めたところで、視聴者は判断がつきかねるからです。
だから同じ女性のマーベルに、トルストールという人間の誠実性を担保させたのです。
ちなみにこの時のショウとの会話で、トルストールは「血を流すに値する人がいるのなら、私は…!」とか言っています。
これで、トルストールもエレを憎からず思っていることが分かります。
さてトルストールの人間性が明らかになれば、もうショウ・マーベルと、トルストールを絡ませる必要はありません。黒騎士とゼットの襲撃を受けて、3人はエレがいるゼラーナに引き返します。
エレは、トルストールと一緒にソ連に行くと言い出して、ゼラーナで同行しているのです。
反対するエイブ艦長を押し切って、エレにこんな行動を取らせることで、エレのトルストールへの好意はすでに浮き彫りになっています。
女王自らがソ連に行くことに、それらしい理屈を吐いてはいましたが…
被弾したトルストールのボゾンを見て、エレは格納庫に駆けていきます。
迷惑をかけた、と謝るトルストール。
エレ「敵の展開が早すぎたのです。ブリッジでニー達と打ち合わせをしましょ」
トルストールの背中に手を回し肩を貸すエレ。
このセリフの時の、エレ=佐々木るんさんのトーンもいいんだよなあ。
「敵の展開が早すぎたのです」が、重い感じじゃないんですよ。
「敵の展開が早すぎたのです、(そんなことより)ブリッジに行きましょう」みたいな、ありもしない「そんなことより」が聞こえてきそうなトーンなんですよ。
その口調で、ソ連に行って高官を説得云々より、トルストールのことを考えているのが分かるんですよ。るんさん、どんなスキルですか!
トルストール「そんな…歩けます」
エレ「さあ」
そこで仕上げに、密着して歩く2人を見たチャムに「あらー」と言わせれば完璧です。
この回の目的は、「エレに失恋させること」です。
ですので、ここまで行くとトルストールの役割は終了。無理にもう1度出撃し、19分30秒には黒騎士に落とされます。
実は「何故好きになったのか」という部分が、両者ともゴッソリ抜け落ちているのですが、それを感じさせないキャラクターの心理の動きがわずか8分間で描かれています。
素晴らしいプロの技を堪能しながら観賞しました。
あまり良い印象を持っていない回でも、見返すと色々と感じる点があるなあ。
富野アニメの食事の変遷~やっと美味しそうな食事が出てきたGレコ [富野監督関係]
どうも。
このブログではあまりキャプチャを貼ることはしないのですが、今回は内容上やむを得ぬ。ふんだんにキャプチャを貼っての記事となります。
ちなみに面倒な奴現れたら面倒なんで書いておくけれど、旨そう・まずそうは勿論ぼくの主観だからね。ではよろしくお願いします。
アニメでは色々と印象深い料理が出てきます。
ハイジの食事とか、料理ではなくて食材だけれどキャベツとか…
いまだに「アニメのあの肉」を言うおっさんって鬱陶しくない? ぼくもおっさんだけれど。
富野ガンダムにおける料理がうまくなさそうと喝破したのは、確か長嶋有さんだったと記憶しています。
ぼくが富野アニメで「食事」と言えば・真っ先に思い浮かぶのは、『ガンダム』における例の爺さんが子どもの食事を盗むシーンと、
『イデオン 発動篇』のデク「死ぬかもしれないのに、なんで食べてんだろ? 俺」ですね。
まあ、美味しそうじゃないよね…
ちなみに上のパンを盗むシーン、皿が空になっているはずなのに、次のカットではパンが現れている。
爺さんがアムロをからかっただけだったりして(笑)。いや冗談です。作画ミスだよね。
このシーンでは一般人の食事とは違い、アムロにはパイロット用の食事が支給されているわけですが、それが下の画像です。
うん、まずそうだね。なんだ、この茶色のものと・海苔っぽいものは。
つまりは優遇されているパイロットでさえ、「この程度」しか支給されていない食糧事情ってことですよね。
ぼくは、富野監督は「食事の描写には興味がない」と思っている(た)けれど、それとは別に「まずそう」なことには作劇上の理由があるんですよね。
『ガンダム』で、不足している食料の描写というと、下のシーンもありますね。
アムロはバーのような場所にも関わらず、硬いパンと水を食べています。
安っぽい食事に、視聴者は「金がないのかな?」とも思うわけですが。
この後に「旨いもの」をリクエストするランバ・ラル一行→しかしマスターは食材があまりないことを話す。これにより、地球の・少なくともこの地域では、食料が不足していることを視聴者は理解するわけです。
さて現在のアニメなら、戦闘時の食事というと・早急に栄養がとれるゼリー飲料のような描写になると思いますが、『ガンダム』『イデオン』の時代ではパンが多いですね。
中の具材はなんだろう…
食事じゃないけれど、『イデオン』にはこんな飲み物も出てきます。
コーヒーじゃない、ワインだよ(笑)。
これはぼくの大好きな、ギジェとシェリルがワインを飲む・退廃感溢れるシーンなんだけれど、このまずそうなワインで、そしてワイングラスではなく普通のコップだから良いんですよ。
このコップでまずそうなワインだからこそ、このシーンを引き立てるんです。断言。
さて爬虫類を食うような『ザブングル』や、『ダンバイン』『エルガイム』をジャンプして、『Z』に行きましょう。
見てください。
上のお子様ランチは、設定上の都合じゃなくて、単なる作画の問題だよな? これも食糧不足云々を考えるべき?
チェーミンがご不満そうな顔をしているのは気のせいだろうか…
ぼくが、富野が食事(描写)に興味が無いと思っていたのはここら辺なんだよね。
勿論TVシリーズと映画の違いはあるけれど、宮崎作品ってパンに目玉焼きを乗っけただけでも、インスタントラーメンでもすごく旨そうでしょ?
富野作品の食事って、まずいべき食事はまずそうで、そして旨いはずの料理もまずそうなんだよね。
あ、下のソフトクリームは普通だけれど。良かったね、サラ。カミーユ、貧しい青春って言うな!
それにまあ、ガンダムシリーズなんかはともかく、例えば『ダンバイン』で、異世界に来たのにショウはおにぎりも味噌汁も懐かしがったりしないでしょ。
食なんて、地上界とバイストン・ウェルの違いを表すのにうってつけの要素のはずなのに、そこはスルーなんだよね。
だから富野は食に興味ないと思っていたわけだけれども。
ソフトクリームと言えば、『Vガンダム』ではパフェが出てきます。
12話「ギロチンを粉砕せよ」ですね。ファラにご馳走してもらうスージィ。
この回は他にも食事シーンがあります。
またサンドイッチ食ってやがる。
スージィのパフェは美味しそうだけれど、この肉はなあ…
さてそんな富野アニメですが、『ブレンパワード』でついに、美味しそうな料理…じゃない、食材が登場しました。
そう、トマトです。
何回か出てくるけれど、最終回から。
『ブレンパワード』には「豚汁」なんかも出てくるんだけれど、それはセリフだけで実際に画面には出てこないんですよね。そこも(以下略)。
次は『キングゲイナー』での食事シーン…なんだけれど、この時かなあ。
漫画版『キングゲイナー』の巻末で、ロケハン時のエピソードと絡めて富野が「本場のボルシチは味が違う」と言っていた、みたいなエピソードが出るんだよね。
それを読んでぼくは、「え、食に興味あるの?」と思ったのですが。
実際に劇中にボルシチが登場するシーンがこれです。
ボルシチ映ってない!
いや、分かるよ。吹雪いている外なんだから。魔法瓶的なものに入れるのは。
でもぼくは、こういうところに「興味のなさ」を感じるんですよ。
だから、ゲイナーとアデット先生(この時はまだ先生じゃないけれど)がワインで乾杯するシーンでも、テーブルに乗っているのはパンとスープなんですよ。
パン! パン! パン! あんたパンしかないのかよ!(『愛・おぼえていますか』における輝の「任務!(以下略)」のトーンでお読みください)。
まあエクソダスを目論んでいてそんなに食料もないだろうからね(実際この乾杯直後に薬が無い話題になる)、美女とワインを乾杯してもいきなりスープとパンなのかしら。
雄山先生なら席を立って帰るところではないでしょうか。
ついでに1話目、牢屋でゲイナーが食っているパン。『ガンダム』時代よりは旨そうだ。
しかし些細なシーンですが、『キングゲイナー』でも美味しそうな食事…いやお菓子が出てきます。
アナ姫様が落として、リンス・リンナ・リンクが群がるウエハース。
画像特に悪くてすみません…なぜかキャプできなかった。
これは美味しく感じるのは絵の力ではなくて、「リンクスがすぐ食べる」から「美味しいものなんだ」と理解できるわけですね。
次。『∀』。パン。
で、『Gレコ』ですよ。Gレコの食事シーンと言えばこれ
パ、パン以外にオードブルもある…!
じゃなくて、
いや、これも美味しそうだけれど。魚の頭はいらないが…船盛り=日本人センスか?
やっぱりこれですよ。
コロッケ…かな?
よく分かんらないけれど・よく分からないのにこれは美味しそう。
絵だけでも美味しそうだが、
ベル「そんなに食べていいのか?」
ノレド「ここの油良いもの」
ってセリフがあるんですよね。
つまり「食用油が良質ではない地域もある」ことを明示しつつ、「海賊・及びそのバックは食料豊富(かもしれない)」ことを匂わせつつ、料理を引き立てるセリフにもなっている、と。
食事にもやっと富野作品らしいスキルが出た1シーンだと思いません?
ガツガツ食うシーンでは、「ルパン・次元のパスタの奪い合い」や「ドーラ一家の食事」など素晴らしい宮崎アニメのワンシーンがあるので、違うパターンでね。
また「旨そうな食事」を富野アニメでみたいな。いや、真っ向勝負でガツガツ食うシーンでもいいけれども。
ROBOT魂 【SIDE MS】ユニコーンガンダム3号機 フェネクスtype RC デストロイモード ガンダムフロント東京
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ROBOT魂 〈SIDE MS〉 RGC-80 ジム・キャノン ver. A.N.I.M.E.
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ROBOT魂 〈SIDE MS〉 フルアーマーガンダムMk-II
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ROBOT魂 [SIDE MS] クロスボーン・ガンダムX1 フルクロス
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ROBOT魂 〈SIDE MS〉 ペーネロペー マーキングプラス Ver. 全高約18.5cm ABS&PVC製 フィギュア
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富野監督に「オトナの趣味」と言われて却下された、湖川さんのビルバイン初期デザイン [富野監督関係]
どうも。今回もサッとお通りのほどを。
今日…日付変わっているから昨日か、「アキバ総研」さんに『名作アニメ「聖戦士ダンバイン」スペシャルトークショーレポート! 二大アニメクリエイター・湖川友謙&出渕裕が濃厚トーク』という記事が掲載されていました。
この記事の中で、ビルバインのメカデザインも湖川さんが手がけたが、最初に出した案が富野監督から「オトナの趣味」と言われて却下されたことが紹介されています。
詳細は記事を読んでいただくとして、この「却下されたデザインのビルバイン」は、ぼくの知っている限り2冊で見ることができます。
1つ目は、ダンバインの『ロマンアルバムエクストラ』に掲載されていたはずです。
掲載されていた「はず」と曖昧なのは、ぼくが何度目かの引っ越しの際に紛失してしまったようなので…
「スーパーロボット大戦Wiki」のビルバインのページには湖川さんによるラフ稿段階のビルバインについて記述があって、
「機体の腹部が蛇腹状になっている」「ダンバイン強化タイプ、ダンバード、オーラバードという仮称が与えられていた」などの記述がありますが、ソースはおそらくロマンアルバムエクストラだと思われます。
たしか背中のオーラキャノンは無かったはずです。
この「没案」は湖川さんも思うところがあったようで、『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』の中で、
「ビルバインは当初デザインしたものから大幅に変更されたオーラバトラーですね。僕のデザイン案はボツになってしまったので、この本のカバーイラストに登場させてみました」
の一文があります(144P)。
これが「却下されたデザインのビルバイン」を見られる2冊目です。『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』の表紙。
聖戦士ダンバインノスタルジア―Do you remember the tale of Byston Well?
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アマゾンのこの画像は、ボックス部分なので分かりませんが…
表紙にはダンバインとチャムの後ろに、大きく「企画案バージョンのビルバイン」が描かれています。
表と裏の表紙で1枚になっている…分かりづらい言葉ですまん、もういいや。表1と表4が繋がって1つのイラストになっているタイプです。
色も含めて、詳細はよく分からない構図・意匠で描かれているので、どのようなメカなのか細かい把握はできませんが…
ビルバインは世界観がちょっと違うので、賛否両論あるABだと思います。ぼくは好きです。劇中での「見せ方」重視。
スパロボをプレーしていた遥か昔には、作品への思い入れと・性能の良さで好んで使っていたし。当たる・避ける・クリティカルの3拍子。
今回紹介した以外にも、初期デザインのビルバインが掲載されている雑誌などあれば、情報寄せていただければ当記事に追加しておきます。
ミュ~コミ+プラスTVでの安彦さんインタビュー(富野監督関連中心) [富野監督関係]
アクセスあるだけ良いのですが。人間って欲張りだね。
さてBSの『ミュ~コミ+プラスTV presented by アニマックス』、第2回のゲストが安彦さん・藩さんでした。
安彦さんへのインタビュー、富野監督の名前が出たところだけ文字起こしです。
そこ以外は簡潔に。
インタビュー全編見たい方はアニマックスと契約するのだ。または初回無料放送なので、スカパー契約するだけでもOK。のはず。
ではどうぞ。
アシスタントは1人。息子さん。
藩ちゃんは3歳の時初めて見た。めぐりあい宇宙。母の声だと思った。
安彦さん「若い声出してるとか思うの?(笑)」
藩ちゃん曰く、藩さんの中にはララァが占い師ではないかとの思いがあったよう(ブログ主注・「さん」と「ちゃん」の使い分けで判じてください)
安彦さん「ときどきピカンと光ってる?(手でNTの例の閃き)」
吉田アナ「先生は見抜いてララァを生み出していらっしゃる?」
安彦さん「いやあれは富野由悠季のこだわりキャラです」
吉田アナ「ああそうなんですか」
安彦さん「もう彼がラフ描いて、こうだよって寄こしたの。そういうキャラがいくつかあるんです。あのランバ・ラルとかね、ララァ、あとハモンもそうだね。そのあたりはこだわりキャラで、彼絵描くんですね。ランバ・ラルなんておっさんでしょ。ガニ股の。で、ララァもインド人、インド人って言ったかな? あ、これでいいんだってそのまま」
シャアとアムロは白紙からぼくが描いた。
シャアのマントは長すぎるとよくある悪役になるが、マントないと様にならない。「ゴキブリマント」とさんざんパロのネタにされた。
シャアのモデルはいない。アニメのキャラにモデルはいないでしょう、ゼロから作れるのに。脇役にはいる場合もある。
漫画は筆で描いている。ペンは硬くて絵なんて描けないよと諦めていた。筆を勧めたのは松本零士さん。ヤマトの時。筆にするようアドバイスがなければ漫画家になっていなかった。
安彦さん、藩ちゃんには母親の2代目をやってもらうつもりだった。
過去編から見てもらうとガンダムの世界を初心者にも分かってもらえる。
吉田アナ「ファーストをTVシリーズとして作られている時に、そういう(世界・歴史)設定はもうあったんですか?」
安彦さん「富野由悠季の頭の中にはあったんでしょうね、なにがしか。それは彼自身も書いてもいないし、ただ何もなくて出来上がるわけはないから、彼の頭の中にはプランみたいなものがあったんだと思うんですけどね。
彼がやっぱり不思議で偉大だなと思うのは、もやっとしたものでも、その状態のもやもやで良かったんだよね。後はインスピレーションで。それこそピピピ(笑い・NTの閃きのこと)。だからそこは凄いなと思うんですね。
彼自身気づいてなかったかもしれない。ピースがはまるってね、ああいう感じでパチンパチンと埋まっていくんですね。空白が。これは尋常じゃないってORIGIN描きながら思ったんですね」
ガンダム世界のしっかりした歴史がある。ORIGINはガンダムの物語の歴史(の一部)であり、人の歴史であり。
以上です。眠くて読み返してないので、誤字脱字は勘弁してください。
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『伊集院光とらじおと』の安彦さんインタビューがとても面白かった。安彦さん「ファーストガンダムをリメイクをする権利があるのは富野由悠季だけ」 [富野監督関係]
前回の記事で紹介した、『伊集院光とらじおと』への安彦さん出演。
その放送が今日でしたが、ものすごく面白い内容でした。伊集院さんと安彦さんの相性も良かったようで。
伊集院さん、突っ込むべきところは突っ込んでいた。
そして『伊集院光とらじおと』ファン兼ガンダムファン(あるいはぼくのような富野ファン)には、途中で大サプライズもありました。
本当にビックリした。
以下、放送の概要です。当然、一字一句正確なんてことはありません。
当ブログの性質上、富野監督に関わる発言は出来るだけ正確にしました。まーそれでも細かくは略したりしているけれど。
なおこの放送は今日から1週間、TBSラジオを聞ける地域に住んでいる方ならradikoのフリータイムで聴取可能です。
では、どうぞ。
「今日は早起きしてきました。伊集院さんとガンダムの話とか色々したいと思います」
伊集院さんの事前説明は以下のような内容。
安彦さんはガンダムの生みの親の一人。「だからそのー、富野由悠季さんっていう人がクレジットでは原案となっていて、キャラクターデザインが安彦さんになっていて、メカデザインが大河原さんになっていて」
矢立肇の説明もする。安彦さんはキャラデザをするだけじゃないと思うんだよね、と。
伊集院さんの言葉の端々に、ガンダムファンへの気遣いもうかがえる。
「伊集院光とらじおと安彦良和とガンダムと」
アシスタントの吉井歌奈子さんも、安彦さんを「ガンダムの生みの親の一人」と紹介。
その吉井さん、なんと小学生の頃安彦さんの自宅を訪問したことがある(その理由、ここでは話されなかった)。※追記・コーナー始まる前に、紹介あったようです。聞き逃していた…
伊集院さん「ガンダム見ているのはクラスで2人しかいなかった」
安彦さん「5時半からだからね。まだ明るいから」
ガンダム誕生のきっかけ。
ひょっとしたら当たるかもしれないと思っていた。
小学生より上を狙う(高校生くらい)意識はあった。
ヤマトはゴールデン(タイム)だけれど、ガンダムは5時半だからそこらへんはどうかなと思った。
伊集院さん、これまでのロボットものと違う「量産型」などに反対はなかったか?
「それはぼくも、先程出てきた富野由悠季もへそ曲がりでしたからね。反対があっても適当にこう言葉は悪いけれどだまくらかしてやってしまえと。割と確信犯でしたね」
設定が説明なしに・当たり前のようにセリフに出てくることについて。
「こんな話、子どもには分かんねえよなっていうことを承知で。ただ富野由悠季はへそ曲がりだけれど義理堅いんですよ。約束ごとがあってね。中CMがあって、前と後で必ず戦闘シーンを入れなきゃいけないっていう暗黙の約束があって、それは守るんですよ。(略)その代わり話は分からない(笑)」
今の常識ではその約束事はいらない。
安彦さんいわく、ORIGINを描くハメになったのがこの前にいる(アシの)吉井さんのお父さんなんですよ。
(聞いていたぼく、ここで驚く。まさか吉井歌奈子さんって、サンライズ元社長の吉井孝幸さんの…?)
え、ええええええええええええええええ!!!!
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2017年8月23日
吉井さんってあの吉井さんの娘だったの?!
安彦さん「今日久しぶりに歌奈子さんとお会いして、歌奈子さんが俺を引きずり出したのかなって一瞬思ったんですよね」
でも偶然。吉井社長にくどかれてORIGIN描いた。
ガンダムの前史を書き加えたのはぼく。
「30年弱前に作ったものが営業に持って歩けないという。彼(吉井社長)の言葉をほぼそのまま言うと。作りがお粗末ですから。彼は海外に売りたかったんですね。海外に持っていく場合にこれでは辛いというわけです。ぼくはそんなの知ったことかと何度も断った。海外で売れようがなんだろうがぼくにお金入りませんから(笑)」
この次の会話で、安彦さんはおそらく「矢立」と「井荻麟」を間違える。でも伊集院さんは訂正せずに進む。井荻の正体が山浦さんになったぞ(笑)
矢立の正体はあえて言うと山浦さん。
ORIGIN漫画は3年かかると言ったのが10年になった。
ファンのガンダムパロディを含めて、新しい文化が始まった。
「基本的にぼくはパロディ面白いと思いますね。(中略)富野氏も基本的にそれに乗っかった、みんなが担ぐなら神輿に乗ろうっていうタイプですね」
最初のシリーズから後は嫌な予感がしたから降りた。変な方向に行くのではと、ヤマトを見て。
その後は見ていない。でも情報を聞くと「違うんじゃないか」という方向が聞こえてくる。
吉井社長に連載始める時「俺は変えるよ」と条件を出した。
自分は変える権利がある。富野・安彦・大河原はある意味3本柱。
「勿論富野由悠季の創作物であるんですけど、その内情をぼくは富野の横で見て全部知っている。だからさっきの戦闘シーンもそうですけど、こんなに戦闘しなくていいんだ、ということは知っているわけですよ。それをどんどんやっているから本編の説明がおろそかになったりするわけです。そういうミステイクの部分も知っている訳です」
「富野由悠季ってのはどんどん前に進んでいく男ですから。その後続編も何本も作っている。新しいこころみも随分やっている。あまり後ろ振り返るタイプじゃないんですね。だけどぼくは当時の富野知っていますから、最初のシリーズからかなり鮮明に覚えている。だから差し出がましいことを言ったのは、ぼくは富野由悠季自身よりもあの時の富野のことを覚えていると言ったんです」
伊集院さん「それは富野さんにも言った?」
「富野由悠季本人に言うと喧嘩になるから言いません」
富野とは酒を飲みながら一回話した。漫画化は富野がOK出すことが、安彦さんの条件でもあった。
吉井さん・山浦さんと4人で飲んで、OK貰った。
インタビュー後半はアニメORIGIN「ルウム会戦」の告知。
CG・手描きのこだわりはない。
手描きで苦労しているので、CGありがたい。
人物の描き方にはこだわりあって自信ある。
人が(モビル)スーツを着ている。それまでのロボットアニメと違う。人のドラマなので、人が描けていないとガンダムはダメ。
「『人』をよくとらえているんですよ。ファーストガンダムってのは。それは富野由悠季って男が人間の良く分かる男で、苦労人でね。だからそこのところ、30年前は分からなかったなってところに随分気付いた部分もありましたね」
伊集院さん「富野さんに対してアイツやっぱすごいんだ、もあるんですか」
「随分再発見しました。ぼくはピースがはまっていくという言い方をするんですが、このピースはここにはめるためにあったのか、いやーうまくできているなっていうところが沢山あるのね。全部腑に落ちてくる」
作家が最高のコンディションの時にはひらめきがくる。
最後に先ごろネットで話題になった、「ファーストリメイク」について聞く伊集院さん。
「非常に微妙な問題があって、リメイクってのはぼくは禁句にしているんです。リメイクをする権利があるのは富野由悠季だけだと。ぼくは漫画で描いたんだと。それは吉井社長の依頼を受けて、開き直って描いた。だからぼくがリメイクする権利はないんだけれども、ぼくが描いた漫画版を映像化するのは放っておけない。そういう…微妙ですね(笑)」
ORIGINをアニメ化するのは俺しかいない。
キャラクターはみんな愛している。ランバ・ラルなんてお好きじゃないですか? ハモンなんてカミさんじゃないですよね。
こんなに大人の話だったかと思う、描いてみて。
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40周年を迎えて、特設サイトも立ち上がりHDリマスター版が放送される『ザンボット3』について語ろう [富野監督関係]
どうも。またもやひと時、よろしくお願いいたします。
最近ずっと浮気していたけれど、久しぶりに富野作品の話題だ!
『ザンボット3』が初回放送から40周年を迎え、特設サイトも設置されました。
ぼくはリアルタイム世代ではないので、感慨は「放送からもう40年か」ではなく、「氷川さんの『20年目のザンボット3』から20年も経つのか」となります。
『20年目のザンボット3』は太田出版から出た「オタク学叢書」と銘打ったシリーズの1作目で、調べてみるとこのシリーズは10冊目まで出版されたようです。
『イデオンという伝説』と『フィルムとしてのガンダム』は持っているな…
40周年を記念して、アニマックスでは10月から『ザンボット3』がHDリマスターで放送されます。
『ダンバイン』のHDリマスター版放送に続いて、またもやアニマックス。
ぼく、『ザンボット3』はビデオ版をレンタルで見たのが最後、その後は再見していないはずなのです。
一方『ダンバイン』はLDで見て、各キャラの撃墜数記事を書くためにDVDで見て、それでもアニマックスでHDリマスター版を見た時はその鮮明さに感動しましたからね。
ビデオ版から一飛びでHDリマスターを見たら、どんなことを思うんだろう?
さて『ザンボット3』に対する語り口というのは大体パターンが決まっていて、
1、一般人から非難されるヒーロー
2、人間爆弾
3、ラスボスがコンピューター+善悪の転換
の3点からのアプローチが多いかと思われます。
「3」に関しては、ラストにおける善悪の転換は監督の前作『海のトリトン』でやってしまっているので、まあ焼き直し感は正直ありますよね。
ぼくは『ザンボット3』のラストって、未見+知識も何もない状態の時=30年ほど前に、アニメ雑誌で知ったんですよね。
たぶん『アニメディア』だったと思うんですけれど。
『アニメディア』の読者コーナーで、「昔見たロボットアニメの最終回なのですが、敵のボスがコンピュータで、人間こそが悪で退治するようプログラムされている話でした。このアニメはなんでしょうか」みたいな質問があったんですよね。
で、編集部が「それは『ザンボット3』で、『ガンダム』の富野監督の作品です」と答えていると。
ぼくはそれを読んで、「へーすごい話だな」と思ったわけですが。
当時はTVアニメが全話パッケージされて発売されたりレンタルショップに並ぶなんて想像もできない時代で、実際に見るのはずっと後になる訳です。
そういや数年前にトム・クルーズの『オブリビオン』見た時には、『ザンボット3』見ていたので驚きとかなかったな。
「ああやっぱり、でもコレ富野がもう何十年も前にやっているんだよなあ」とか思いながら見ていた。
上記「1」は、つまりは「ヒーロー否定」なんだけれど、やっぱり当時としては画期的だったのかな。
同時代の他のロボットアニメを見ている訳ではないから、断言できないけれども。
一般人から非難されるだけではなく、幼なじみの少女も悪友も救えずに見ているしかない、駆けつけても街は結局破壊される…
『ザンボット3』のストーリーにおける柱の1つって、「ヒーロー否定」の積み重ねなんですよね。
その中でもぼくの胸に残るのは。
前にも書いたことあるはずだけれど、富野アニメの三大「ヒーローの否定」と言えば
— 坂井哲也 (@sakaitetsu) 2017年2月5日
トリトンの最後、
ザンボットの石をむやみやたらに海に投げ入れるシーン、
そして暴れるロザミアに対してのカミーユ「誰でもいい、止めてくれ!」
だと思う。
香月を助けようがなくて、広大な海に岩を投げ入れるしかできないんですよ、勝平=ザンボット3は!
無力感・でも諦めない・しかし苛立ちが伝わってくる、この描写は素晴らしいと思います。
で、『ザンボット3』と言えば避けられない「人間爆弾」ですが。
『キンギゲイナー』で、脚本の大河内さんが「人間地雷」をやろうとしたら富野監督に止められた話、好きよ。
実は…って言うほどでもないけれど、「体内に埋め込まれている」のでなければ、「爆弾抱えて自爆する」話って珍しくないですよね。
犠牲になって誰かを守る、的な。他ならぬ富野作品でも、泣き虫セシリアいるしね。
意外と「人間爆弾」そのものは、他作品ではあまり見た記憶がないけれど…
『ゴルゴ13』の「フィアレス」の回(プロレス好きならノーフィアーだね)と、アカデミー作品賞・監督賞をとった『 ハート・ロッカー』で「手術後の遺体」があったっけ。
どちらも子どもだな…
『ザンボット3』の「人間爆弾」が他作品の「決意の自爆」よりもインパクト大なのは、人の意思が介在していないところでしょう。
自分の意思とは全く無関係に、爆発して死んでしまう。
しかも最初のアキで「無自覚のうちに死んでしまう」のを見せてから、浜本を通じて運命に従う→「嫌だ!」と逃げようとする→同じ人間爆弾達が取り押さえる、という別のパターンを見せる念の入れようです。
どうなってんだこのアニメは。
このエピソードにおいて、「爆弾」は「運命」とか「理不尽な神」(イデ!)のような存在と同義になってしまうのです。
大藪春彦さんの「運命に従うも運命、運命に逆らうのも運命 」なんて言葉が脳裏をよぎります。
他の人間爆弾が浜本を押さえつけるシーンは、人間の強い意志や尊厳を示すようでありながら、しかしどことなく不気味な感じも視聴者に与えます。
簡単には言語化できない場面、1つの言葉だけでは表せない場面、まさに映像の素晴らしさだと思います。
視聴者にこの複雑な感情を呼び起こさせることが、凡百の自爆シーンと「人間爆弾」の決定的な違いだと思っています。
HDリマスター版、楽しみだな…解約したアニマックスと再契約しないと…(アニマックスから金を貰っている記事のようだ)
※関連記事
『マツコ&有吉の怒り新党』の「新・三大○○」でザンボット3登場
市川紗椰さんがTV番組で「ラストが衝撃せつな過ぎるアニメ」として『ザンボット3』と『イデオン』を紹介
『ダンバイン』Blu-ray Box発売で振り返るあれこれ。 [富野監督関係]
どうも。毎回のお運びありがとうございます。
ダンバインのBlu-rayBOX発売を7月に控え、情報が次々と出てきました。
若本さんがナレーションを新録した、PV第1弾も公開されました。
ツイッター上の反応は、「若本さんのナレーションが若本さん過ぎる(大意)」という感じでしたが。
このPVには、2Kスキャン&HDリマスター高画質の比較映像が収録されているけれど。
ぼくはTV画面で見たのですが。
ぼくの視力がボンクラのせいか、それともパソコンの性能のためか、アニマックスで見たHDリマスター版の方がキレイに思えたな。
まあBlu-rayに収録される映像はすごくキレイでしょう。
『聖戦士ダンバイン』Webには、以下のような富野監督のコメントも掲載されています。
『ダンバイン』が10年とか20年経たないと認識されないっていうのも、当たり前だと思っている。(中略)改めて『ダンバイン』も頑張ってたんだねえって思うようになった。ガンダムに負けてるっていうのは何なんだろう。
まあファンからしてみると、「10年とか20年経たないと認識されない」のは『ダンバイン』だけではなく、富野作品全体に言えることなのですが。
ぼくはこの辺りの忸怩たる思いを7年前、「クリエイターの孤独」と題してブログ記事に書いています。
富野作品の評価は、ひょっとしたら10年単位で遅れて起きるのです。
あと、「ガンダムに負けてるっていうのは何なんだろう。」っていう疑問は、ダンバイン当時から今まで続く思いなんでしょうね。
最近のインタビューでも、
当時の自分としては『ガンダム』の富野という世間の評価に対して、「『ガンダム』に似て非なるものを作ろう」ということしか考えていなかったんですが、人間は不思議なもので、時代の空気感に影響を受けているわけですね。でも、その空気感がないとオーラバトラーという名前自体を受け入れてもらえなかったと思うんです。(『グレートメカニックG 2016SPRING』46ページ)
と語っています。
「時代」という言葉が出てきていますが、やっぱり『ガンダム』規模のヒットをするためには運とか時代の流れが必要だとも思います。
最近、お笑い芸人のカズレーザーさんが
お笑いにおける売れる売れないは、宝くじみたいなもので、運が必要だと思うんです。
でも、実は宝くじ売り場自体に並んでいない人がすごく多い。宝くじ売り場がどこにあるのかがわかっていないんです。
と東洋経済オンラインのインタビューで答えていたけれど、この言葉ってアニメ作品にも当てはまると思うんです。
とても良い作品、でも〇〇や●●みたいにヒットしない、みたいなめぐりの悪い作品があるじゃないですか。
『ダンバイン』はガンダムほどヒットはしなかったけれど、十二分に「宝くじ売り場には並んでいた」作品だし、今でも見る価値のある作品です。
何より放送から30年以上たった今でもファンがいて、フィギュアも出続けていて、すごいヒット作だろと思うのですが、それじゃあ富野は満足しないでしょうね…ええ。知ってました。
話題変わって、今回のBlu-rayでもう1つだけ。
特典には、『聖戦士ダンバイン ノスタルジア』に掲載されていた、富野によるバイストン・ウェルの世界解説「膨張するバイストン・ウェル」が再録されます。
この文章はなんと言えばいいのか、おそらく世界観を固めるための文章だと思うけれど…
最後は「だからこそ、バイストン・ウェルの物語は、復活を要請している……。」で結ばれています。
バイストン・ウェルの物語はダンバイン以外でも色々展開されているし、個人的にはメカが出てこない『ガーゼィの翼』も好きだけれど、やっぱり一番多くの人に「復活を要請」されているバイストン・ウェルの作品は、このTVシリーズのダンバインなのかなと思います。
まあバイストン・ウェルの世界観自体が、ガンダムを超えたい富野自身にとっては必要なのでしょうが。
富野にとって今のところ最後のバイストン・ウェル復活が、小説の『リーンの翼(完全版)』だったのか、と。ファンとしては色々な思いを持って考えます。
蛇足。ちなみにこのBlu-ray Box、バンダイビジュアルクラブ限定版には、湖川友謙さんの「額装複製原画」が付いてきます。お値段違いますが…
※おまけ。富野がダンバイン制作時に資料として欲した『ジェーン年鑑』。
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機甲界ガリアン プレミアムBlu-rayBOX(初回仕様版)
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クラッシャージョウ Blu-ray BOX (初回限定生産版)
- 出版社/メーカー: バップ
- メディア: Blu-ray
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- メディア: Blu-ray
機動戦士ガンダム Blu-ray メモリアルボックス (初回限定生産)
- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
- メディア: Blu-ray
蒼き流星SPTレイズナー Recollection1996-2000 Blu-ray BOX(初回限定生産)
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聖戦士ダンバインノスタルジア―Do you remember the tale of Byston Well?
- 作者:
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2000/10
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