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富野監督が現在構想している新作タイトルは、昔どこかで聞いた『ヒミコヤマト』! [富野監督関係]




 ホントは今日、富野展に向けて札幌を発っているはずだったのに…




 拗ねて拗ねて、静岡での富野展始まって2~3日は、ツイッターほとんどミュートしてたしね。かなり富野監督への関心も減退していたのですが。

 最近発売された『グレートメカニックG』は、オーラ・バトラー特集で、富野監督のインタビューも載っているというのでAmazon注文しました。


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  • 発売日: 2020/09/18
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 古見さんの最新刊といっしょに買った。
 只野くん、モテモテ…もう「ただの人」じゃないじゃん。

 さてモノが届き、取り敢えずは富野監督インタビューをパラパラと。真っ先の感想は、





 でしたね。富野監督が、いきなり現在構想している新作『ヒミコヤマト』なる作品の話を始めたので…

 インタビュアーさん(無記名だけれど、どなただろう?)が、「ダンバインを含め富野監督の作品を見ている視聴者は…」とか、「この新作の構想は掲載していいのですか?」、「アニメ版『リーンの翼』では、…」などと、なんとか軌道修正しようとしているのと、

 途中で「『ヒミコヤマト』についてもう少し」と、(これはもうダンバインのインタビューとしては無理かも)と保険うっている感じが、

 なんかこうね。インタビュー中にどのような原稿にまとめようか、大変だったろうな…と。


 さて気になるこの『ヒミコヤマト』、詳しい内容は是非とも『グレートメカニックG 2020AUTUMN』を読んでいただくとして。

 ぼんやりと分かることは


卑弥呼=弥生姫(日本名)が出てくる。

戦艦大和が絡んでくる。

富野監督自身もまだ物語はよく分からない。


 ですかね。作品名にもなっているくらいだから、もし弥生姫が主人公なら、富野アニメ初の女性主人公だ。



 さてさて。
 『ヒミコヤマト』の名前を聞いて、「まだ監督の中では生きていたのか、この企画」と思った富野監督ファンもいらっしゃると思います。


 カタカナではなく漢字の『卑弥呼大和』は、富野監督と角川春樹氏・福井晴敏氏が構想した企画。福井さん曰く「戦艦大和に卑弥呼的な、源日本的な何かが取り付いて、現代の東京をしかりにやってくる話」だそうです。

 ぼくは手元にないので確かなことは言えませんが、これたぶん、『リーンの翼 オフィシャルガイド Road to Byston Well』の中で出てきた話だと思います(『リーンの翼』、あんまりピンとこなかったもので買わなかった…違ったらすまん)。


リーンの翼 オフィシャルガイド Road to Byston Well

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  • 発売日: 2007/03/30
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 今回のインタビューによると、企画は99年。富野監督が「東京都知事を倒す」話と言っているので(どんな話だ…)、上記の福井さん「現代の東京をしかる」とも一致しますね。


 今回のインタビューでも触れられていますが、この『卑弥呼大和』のイメージボードは、「富野由悠季の世界展」の兵庫会場で「のみ」展示もされていました。俺の前で富野展の話をするのはやめろー!!(情緒不安定)





 ちなみに劇場版『Gレコ』以降の新作については、最近ネットで公開された公研『ガンダム監督の「敗北者宣言」』でも触れられていました。
 劇場版5部作のうち、まだ3作残っているのに…というツッコミはひとまず置いておいて。


---ここから引用---
今シナリオを2本持っています。2本ともロボットらしいものが出てきます。
(中略)
できたら人型ロボットが出てこないものを作るために新しいホンを書いています。
---ここまで引用---


 このロボットに関しての言及は今回のインタビューにもあるので、シナリオ2本のうち1本が『ヒミコヤマト』ってことでしょうね。


 なお、富野監督が今回のインタビュー最後で語っている「素晴らしい物」。

 ぼくの脳裏に反射的に浮かんだのは、「それってヒゲの洗濯で見せてもらったけれど…」なんだけれど、それはともかく。

 過去の作品を振り返るインタビューで・次回作の構想を話す富野監督、「らしくて」良かったです。

 ぼくは、完全新作>バイストンウェルもの>ガンダムシリーズの順で期待しているので、『ヒミコヤマト』は良いな。ホントは『Gレコ』もガンダムシリーズから切り離されていたら、言うことなしだったのに。

 そしてこれまで10本以上の劇場用作品を作っている富野監督ですが、「完全単独作品」は無いと思っているので、劇場用作品としての『ヒミコヤマト』を期待してしまいます。



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ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 5(ラスト) [富野監督関係]




どうも。

『ガンダム』などを作った富野監督と・ドリカム中村さんが出演したラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」(8月21日放送)の文字起こし、その5です。最終回です。


富野監督の最新作劇場版『Gのレコンギスタ』(略称『Gレコ』)シリーズのテーマ曲を担当したドリカム。そのため、対談の内容は多岐に渡っています。

これまでの記事は以下の通りです。

ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 1
ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 2
ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 3
ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 4

今回も、勝手に適宜中見出しを入れております。それと敬称略です。ではでは。



「ついでに」人が死ぬ描写


中村:ちょっとぼくが振っておきながらここで断ち切るのも申し訳ないですけれども。
でもぼくね、いつも思うんですよ。『Gレコ』で戦闘シーンあるじゃないですか。それこそついでに死んじゃう人いっぱいいるわけですよ。あれどうしてくれるんですか。
例えば水戸黄門がですね、「助さん格さん懲らしめてやりなさい」って言って、刃物をピュッて向けた時に、ついでに死んじゃう人いっぱいいるわけですよ。これはすごいシリアスな問題だと思うんですよ。『Gレコ』の戦闘シーンとかで。
どういう風に考えてらっしゃるんですか。あれって、あれやられちゃったっていっぱいいるじゃないですか。

富野:あれやられちゃったっていう局面を作ったやつのことを、そろそろ本当にお前ら考えろっていうのは、もう40年以上前から持ってます。
だからあの偶然ではないんだよね。だから最近のデジタルの加工が本当に腹が立つのは、平気で人間を飛ばすのね。お前人間をこんなに飛ばしたら死ぬんだぞっていうの、みんな絵面の格好良い、あの爆発の飛ばされ方をしてるわけ。
で、そういう演技論を見せられてかっこいいとかというふうに思わせるという今のビデオのデジタルビデオの環境、極度にひどいと。
それで、じゃあついでにとか、勝手に死んでく人たちのことを無惨に死ぬようにやったら戦争反対の表現なるかというと、その表現をした瞬間にオンエアが禁止される、公開が禁止されるって事も起こるから、それもしてはいけない。
そうなった時に、我々はそういう具体的な物事に対して正確な判断基準になる材料を持ててるのってなった時に、今の人たちは持ってないよね。

中村:それは難しいですよやっぱり。

富野:つまり東京大震災の時の、震災後の焼死体の写真でさえもクロ塗りになってるかフレームから切って掲載するようになってしまった時代には、我々はこれ以後と何て言うのかな、人の命を大事にしましょうって言うことをだけを言葉にしていて済むんだろうかっていうことは、そろそろ本当に考えなくちゃいけない時期が来てるんじゃないのかなとも思う。
だけども人権主義に関して、既に誰一人反対論を言えなくなってしまってるっていう。3~40年は経つので、本当に正直困ってます。
で困ってるからこそ、いやそういうものに反旗を翻すようなものを作れないのかなとも。

中村:作品でね。

富野:思うんだけれども、ということでいま本当に苦労してます。


富野監督が選ぶ曲、1曲目


中村:そんな富野監督がですね、好きな曲をかけようかなと思って。で2曲あるんですね、候補がね。

富野:あるんだけれども。

中村:最初に考えたのは何ですか。

富野:最初に考えたのは『ハイフン・スタッカート』(『Gレコ』劇中歌)で、自分の作詞した曲で、『Gレコ』でやった曲なんだけれども、とても好きなのよね。

中村:じゃあちょっと聞かせてもらいましょうかね。聞いてください。
(流れる、AmazonPrime会員なら下記アイコンをクリックすると無料で聞けます)




中村:知ってますよこれ。
アレンジとかも監督ちょっと意見するんですか。こういう風にしてくれないみたいな。これも菅野(祐悟)さんですよね。

富野:ぼくね、この歌詞カード渡して、何にも言わない。で、この曲が出来てくるのよ。すごいなって。

中村:トイレ関係で言えば、やっぱり『Gレコ』ですごいのはトイレですよね。コアファイターの中にトイレがあって。あれすごいです。
今までの巨大ロボットもので、ああいうのありました?

富野:一度やってるんですけども。




中村:でもまさにそうですよね。

富野:で、何よりも菅野祐悟がすごいのは、あの歌詞カードを持ってきて、この曲層で作るっていうのは本当にね、脱帽ものなんてものじゃない。

中村:さっきのホルストのもそうですけど、宇宙、壮大とか、サイエンスフィクションって言い方が良いのか分かんないけれども、そういうものに絶対今まで使われなかった、東洋というかインドっぽいというかバリっぽいというか。
ただそのバリにしてもインドにしても、宇宙と直接つながっている…

富野:そういう説明を一切しないのに、菅野祐悟はそれやってくるのよ。

中村:そこでもうなんかピンと来ちゃうっていうか。『Gレコ』の地球サイズにしていくっていうか、ちょっと欧米なサイエンスフィクションの描写もあったけれども、インドも含めて、マントラ含めての宇宙観というか。

富野:ここまでパッとくるというそりゃ凄いよ。

中村:凄いですよね。俺はできないですよ。菅野さんで良かった(笑)。俺偉そうに言ってるけど。怒られちゃうなホントに(笑)。


『うれしはずかし朝帰り』から受けた衝撃


中村:もう1曲いきましょうか。もう1曲はこれですね。

(『うれしはずかし朝帰り』が流れる)



中村:突然言ったんでスタッフ慌てて、ウチの曲なんかアーカイブに入っていませんからね。慌ててSpotifyからとったんじゃないですか今。
(笑)。ホントに。
昔はレコード部屋に引き抜きに行ったんですけどね。今は簡単だから。仕事簡単だから。Spotifyで検索して出てきますから。これはドリカムの『うれしはずかし朝帰り』。これは何故ですか。

富野:要するに衝撃を受けたんですよね。

中村:これ実際にお聞きになったんですか。

富野:聞きました。
えっ、朝帰りの曲だろ。朝帰りをテーマにして、こうまで大々的に元気に歌っちゃうっていう、シンガーソングライターみたいなのが出てきたっていうのがまずね衝撃的だったわけ。

中村:当時の常識で言えば、朝帰りっていうのはちょっと秘めたるものでございます。

富野:そうそう。それとそういうロマンがないわけ。

中村:(笑)。ありますよ。ロマンあるけど、でもそうですね。すがすがしい朝です。

富野:これか、っていう時に、まさに時代の、世代間の断絶。

中村:切れ目が入っているんですね。

富野:っていうものものを感じて、こういう人たちが出てくるこれ以後の10年20年どうやって暮らしてこうか。


富野監督と秋元さん


中村:(笑)。なんですかそれ。悔しい悔しいで1時間話してきましたけれども。
もちろんね、ソーシャルディスタンス取りながら、監督の健康にも私自身もそうですけど。また是非、秋元(康、この番組のプロデューサー)さんにチャンス頂きましたんで、

富野:本当そういう意味ではご縁で(笑)、だって、秋元さんって人もぼくにとって妙な関係の人で。

中村:なんか番組では言えない話があるらしいですね。

富野:言えないじゃなくて、そうじゃない。

中村:そうじゃないそうじゃない(笑)。

富野:作詞をやってもらっているんだよね、変な曲のさ(ブログ主注・おそらく『アニメじゃない』のこと)。

中村:気が付きました。1時間やっていて気づきました。秋ボトっていうロボットがいるんだね、秋元さんの。

富野:はなから、はなから気付いています。

中村:ぼく全然気付かなかったです。なんか台本がでるのかと思った。違いましたね。

(笑)

中村:ひどいね。これで俺が仕切っているんだよっていうのを証明するわけだね。ひどい人だねホントに…

富野:そうそう(笑)

中村:ぜひまたチャンスがありましたら。

富野:本当に機会があればということで。ぼくにとっても本当に中村さんの切り口の考え方みたいなもの正直本当に勉強になるんで、ありがたいんですよね。ありがたいけどただ今から聞かされてもね間に合わないんだよねー
(笑)


※関連記事
ドリカムファンの皆様へ。『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』で、ドリカムが曲を歌う意味。 




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ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 4 [富野監督関係]




どうも。

『ガンダム』などを作った富野監督と・ドリカム中村さんが出演したラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」(8月21日放送)の文字起こし、その4です。
次回で終ります。

富野監督の最新作劇場版『Gのレコンギスタ』(略称『Gレコ』)シリーズのテーマ曲を担当したドリカム。そのため、対談の内容は多岐に渡っています。

これまでの記事は以下の通りです。

ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 1
ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 2
ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」の富野監督×ドリカム中村正人さん対談文字起こし 3

今回も、勝手に適宜中見出しを入れております。それと敬称略です。ではでは。



亜阿子さんからのダメ出し


中村:世界の富野ですよ。ぼくおべっか使う必要全く無くてですね、おべっか使ってもなんの得もないんですよ。

富野:はいはいはい。

中村:テーマ曲書かせていただきましたし(笑)。
全く損得ないところで、今回の『Gレコ』でやっぱり監督が強調していらっしゃったのは、そのガンダムっていう先入観なしで見て欲しい。
逆に言うとガンダム知らない人に見てほしい、今の子どもたちに見て欲しいっていう意味では、ぼくは年食ってますけれども結構同じところから入ったわけですよ。



改めて『Gレコ』を、オリジナル版をあえて見ないでね、このポスターだけ見て、これから感じる音楽書いてくれればいいんだよって言ったのと全く同じ角度で入って、やっぱり『Gレコ』はね、面白い。
でもね、まだね得体が分からない面白さなの。

富野:そうなの。その欠点というのが、最近ようやく分かるようになったわけ。
亜阿子さん(富野監督の妻)から昔から言われていたんだけれども、登場人物が多いやつはダメ。映画っていうのは2人とか3人とか4人、出ても5人まで。それで『Gレコ』はキャラクターが多すぎる。ガンダムも多すぎる。それダメ。映画になってないって言われて、本当にすみませんって言うのは最近本気で分かるようになったからね。


「群集劇」の魅力


中村:でも、ぼく亜阿子さんに逆らう気はなくてですね、なぜかというと(劇場版『Gレコ』に)ドリカムを使えと言ったのは亜阿子さんですから。
本当に亜阿子さんに感謝してて、監督にはちっとも感謝していないんですが。
でもこの前も対談でちょっと喋らせてもらったんですが、今の例えばネトフリとか、そういう海外ドラマも含めてヒット作っていうのは、群集劇っていうか登場人物が多くて、でもその登場人物を本当に丁寧に描いて。

富野:そうか。

中村:そうですよ。本当ですよ。何でもいいですよ、例えばゾンビ映画でも、何でもいいや。
そういう意味では『Gレコ』はまさにベルリだけを描いているんじゃなくて、ベルリを中心に……してない時もあるじゃないですか。

富野:そうそう。だけど映画っていうのは2時間以内で、ピシッと見られて分かるというのが映画なのよ。そういうものに収まっていない『Gレコ』ってやっぱり映画じゃないのね。

中村:でも今の映画は、もちろん15秒で分かる映画もあれば、ネットフリックスみたいに10シーズン・各話(おそらくシーズンのこと)18話とかそういうので延々見せるのも、その劇中の一人として自分を感じてきちゃうわけじゃないですか。
そういうの見てると。

富野:はいはいはい。

中村:『Gレコ』はそういう要素いっぱいあるって前の話であれなんですけど。だから亜阿子さんの意見も勿論分かりますけれども、今じゃないですか。

富野:だからこそなの。『Gレコ』は5部作で作ってもいいんじゃないのかってことはもうほんと5年前から思ったし、それを実行させてもらってるんだけれども、やっぱり戯作者としての理想論があるわけね。高い。シェイクスピアに勝ちたいわけ。

中村:勿論です。


「若い子」と分類することの無意味


富野:そういう時にこれでなーってのがあるから。
だから今回、『G』の曲を頂いた時に本当にビックリしたのが、あの単語(ブログ主注・「シェイクスピア」のこと)が出てくるっていうことの凄さっていう意味では、今の若い子には分かんないだろうと思うんだけどドス突きつけられたって感じがあるからね。


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中村:それは監督、我々というか監督はぼくの大先輩ですけれども、今の若い人たちっていう分類もこうままならなくなってきて、まさにそのオンラインとオフラインの人類に全く別れてですね、年齢関係なくオンラインとして実績がない人間は尊敬されないと言うか。
尊敬までいかなくて、相手にされない。
うちの娘がぼくがアドバイスしても、ぼくは動画の編集の仕方も知りませんし(笑)、本当ガジェットの使い方ホントに分かんないんで、人生の先輩として教えても、iPhone使えなかったらアウトなんですよね。説得力が。

富野:きっとそうなですよね。今ぼくの周りにはそういう人がいないから、

中村:そうですか?

富野:そういう敗北感がないの。だって同年齢しかいないんだもん。

中村:でも作画の現場って、やっぱり最新のガジェット使ってますよね(笑)。

富野:使っているんだけど、使っているんだけどもああいう物を使うようになっている奴は他人だもん。他人なんてもんじゃない。スタッフ以下だもん。絶対付き合わない。

中村:何言ってるんですか。

富野:鉛筆で絵を描ける人としか仕事はしなくなっちゃってるから(笑)。

中村:宮崎駿さんみたいなこと言わないでくださいよ、よく分かんないなもうー。


戦前生まれの富野監督


富野:だってそういう歳…年齢には勝てない部分があるんだって。

中村:でも監督41年生まれじゃないですか。本当にポツダム宣言が45年じゃないですか(笑)。

富野:(笑)。

中村:すごいと思って俺なんか。もう現役ですよ。
こういう言い方したら軽くなっちゃって、ちょっと誤解を受けて困るけど。だけどよく考えたらぼくも58なんで、生まれが。ポツダム宣言からたった13年しか経ってないんですよ。今の13年前ってこれ皆さんどう思います? 昨日のことでしょ13年前って。

富野:言われてみればそうだよね。

中村:ですよ。

富野:だけど今の若い人ってポツダム宣言の話とか分かんないんでしょ絶対に。

中村:いや今検索してますよ。簡単ですよ。あっという間に。今「ポツダム宣言」って上がってきますからガンガン。ふざけてるんじゃなくてね。

富野:いや分かる。

中村:やっぱりその中で猛烈な体験をなさってきて、

富野:してない。だからぼくの場合には。

中村:それはあのWikipediaで読みました。


「立派な戦死」という言い方の発明


富野:してない一番の理由っていうのは、今8月期だからそれ終戦記念日みたいなことがあるんで、そういう記事もいっぱいを読まざるを得ないわけ。
で読んでてつくづく思うことがあって、なんでこんな風な日本になってしまったんだろうなって言えても、なんであんな戦争やれたんだろうなすごいよねってキ***沙汰…ああ、ごめん(ブログ主注・放送中では全部言っていました)。

中村:大丈夫です大丈夫です。41年生まれなんで普通の言葉ですから。当時の表現を今忠実に再現しているわけであって。今監督はそういう概念は持ってらっしゃらないから。

富野:概念は持ってないからこそ逆に、ほんとにね謎なんですよね。
なんでああまで国力が違うのに戦争を仕掛けられたんだろうかなっていうのは、常軌を逸してるって言うもんではないんですよ。
そういうレベルではないのに、実は戦後の問題でよく分かることがあるんだけども、一番仕掛けた、仕掛け人をした人たちというのが全部発言をしてないわけ。戦後は。つまり特攻に行けと言った奴は、いなくなっちゃったの。一切合切いなくなっちゃったの。
で、特攻させられて死んだっていう痛みだけを持った人たちが戦後発言をしているわけね。
あの特攻を仕掛けるということを思いついて、それをやることが戦争だと思えて、そして特攻で国に殉じたということで立派な戦死なんだって言う言葉遣いを発明する奴がいるわけよ。

中村:それはでも、それで救われる方も。

富野:当然です。あの戦死者を家庭内に持ってる人たちはみんなそうなの。だってそうでなかったら、無駄死になんて言ってほしくないもの。

中村:本当ですね。本当ですね。

富野:問題なのは、だけど死にに行けと言って、それで戦争に勝てるんだったら死にに行けと言ってもいいんだけども、死にに行けと言った奴が戦後生き残っててごめんなさいって言った奴は一人もいなくて、軍人恩給をもらってんのよ。

中村:ちょっとその辺はですね、この番組が終わった後に。(文字起こし「5・最終」に続く)


※富野監督は「子どもに作品を届けたい」と願い、また過去に何回も「子どもを舐めて作品を作ってはいけない」って言っておきながら、この対談では「今の若い子には分かんないだろう」って繰り返すの、なんなんだろうね?
 特に「ポツダム宣言の話とか分かんないんでしょ絶対に」なんて、ホントにどういう意味で言ってんだろ?


※関連記事
ドリカムファンの皆様へ。『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』で、ドリカムが曲を歌う意味。 




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