TVアニメ『虚構推理』が面白過ぎる理由(ややネタバレあり) [アニメ周辺・時事]
どうも。
えー、ひと時お付き合いのほどを。
自由時間とTVアニメの放送本数が釣り合わないので、積読ならぬ積アニメ状態が10数年以上続いているわけですが。
そんな中、先日『虚構推理』を見始めました。
原作小説を読んだこともなく、コミカライズ版にも触れたことなく、事前知識ゼロで。
基本設定からして惹かれる
いやー、面白い。
まず、後にヒロイン・岩永琴子自身が同じようなことを言っちゃうのですが、「この世に住みづらい・居場所のない」者同士が、バディになる基本設定が良い。
ボニー&クライド、ブッチ&サンダンス、湧太と真魚……そんな前例を出すまでもなく、こういう組み合わせには無条件で「良い…」と降伏してしまいます。
さらに、そこに幽霊や妖怪など、怪異を組み合わせた設定にも興味をそそられました。
怪異×謎解きテイストって、たぶん先例がたくさんあると思うのですが、どうも1話を見る限り、作風的には本格推理っぽい。怪異×本格推理となると、これはどんな化学反応…いやドラマ反応? なんでも良いけれど、それを巻き起こすのか興味を持ちました。
ちなみに1話目のラストで、男性主人公の桜川九郎が不死身であることが明かされ、「あ、これ人魚の肉食ったな! 湧太だ、湧太」と思ったのも、個人的にはちょっと興奮しました。まあ勿論、人魚の肉の伝説は昔からある伝承だけれども…
2話目でいきなり多重解決型ストーリー
ぼくが・更におおっと思ったのは2話目、本格的な第1の事件である「ヌシの大蛇は聞いていた」を見た時でした(図書館の事件は「顔見せ」のようなものなのでノーカン)。
この2話目「ヌシの大蛇は聞いていた」は。
ある事件に関して、怪異の大蛇を納得させるため、ヒロインの岩永琴子が様々な推理を開陳するストーリーです。
はじめは、この作品の最大の特長が分からなかったので。
名探偵役を務める岩永琴子が、延々と披露した謎解きを自身で「この説はないですね」とあっさり否定した時は、「こんなに長く説明しておいて、違うのかい!」と思ってしまいました。
しかし話が進むにつれ、「あ、これ多重解決型ミステリーだ。『毒入りチョコレート事件』だ」と興奮してきました。
多重ミステリーは、hontoの説明から引用しましょう。
考えられる可能性のなかから、ただ一つの真実を導き出すのがミステリー小説。そのなかでも、複数の「真実に見える仮説」を提示するストーリーを多重解決型といいます。
そして『毒入りチョコレート事件』はアントニイ・バークリーによる有名な推理小説です。
先ほどはhontoから引用したので、今度はAmazonから『毒入りチョコレート事件』の内容紹介を引用しましょう。
ロジャー・シェリンガムが創設した「犯罪研究会」の面々は、迷宮入り寸前の難事件に挑むことになった。被害者は、新製品という触れ込みのチョコレートを試食した夫妻。チョコレートには毒物が仕込まれており、夫は一命を取り留めたが、夫人は死亡する。だが、そのチョコレートは夫妻ではなく他人へ送られたものだった。会員たちは独自に調査を重ね、自慢の頭脳を駆使した推理を、一晩ずつ披露する――。誰がこの推理合戦に勝利するのか。本格ミステリ史上に燦然と輝く、傑作長編。
『毒入りチョコレート事件』は有名な作品ですが、ぼくはミステリーマニアでもなんでもないので、読んだのは数年前。
しかし
「事件はどのようにでも推理しうる」
「どの推理にも反論はなしうる」
そして、
「『真実』を明示しない」
という、アンチミステリーと呼びたくなるような内容に、大きな衝撃を受けたものでした。
そして『虚構推理』の2話目で行われていたことは、まさにそれでした。無事に事件解決と思いきや、最後にもう一捻りもあります。
さすがに「真実」については岩永琴子が述べますが、実はそれですら推測でしかありません。
2話目視聴時点で、ぼくはまだ『虚構推理』という作品のメインが分かっていませんでした。
なので、
「視聴者はおそらくスカっとした解決を望んでいるだろうに(真実はいつもひとつ!)、『毒入りチョコレート事件』のような構造を・実質的な第1の事件に持ってくるとは、なんてチャレンジングな試みなんだ!」と感動しました。
しかし見続けるにつれ、チャレンジではないことが分かりました。
この2話目は、以後の・最終話まで続くであろう(まだ8話目までしか見ていないんです)本題の事件「鋼人七瀬編」への慣らしでした。
『毒入りチョコレート事件』では1つの部屋で行っていたことを、
『虚構推理』2話目「ヌシの大蛇は聞いていた」では怪異である大蛇相手に行っていたことを、
3話目以降の「鋼人七瀬編」ではネットの声相手に行っていくことになるのです。
何十年も前に読んだ「超能力探偵」ネタを、TVアニメで実際に見ることになるとは
『虚構推理』には『毒入りチョコレート事件』とも、そして普通のミステリーとも大きく違う特徴があります。
それは、「犯人捜し・推理」がない点です(その意味では、ぼくが初見に感じた「本格推理」は間違えていた)。
「怪異たちの知恵の神」である岩永琴子は、事件現場にいた怪異に聞いて、真実を即知ることができてしまうのです。
ぼくはこのシーンを見た時、星さんか筒井さんか平井さんがエッセイに書いていた(忘れた)・一番短い推理小説、
超能力探偵「犯人はお前だ」
を思い出しちゃったよ。
同じような解決法を、実際にアニメで見ることになるとは(笑)。
別なテーマ性も帯び始める『虚構推理』
さて3話目からの「鋼人七瀬編」では、「ネットの声」という不特定多数を相手に、嘘を承知で「真実を構築していく」という対決が始まります。
ここで初めて、作品名『虚構推理』の真意も分かります。
ダグラムだと「Not even justice, I want to get truth」ですが、『虚構推理』だとjusticeとtruthが逆のような…そして正義じゃなくて「それらしい真実」になるのかな。
「鋼人七瀬編」は大蛇ではなく、ネットで意見する人たちが相手になるわけです。
そこにアンチミステリーの枠を飛び越えて、現代性を孕む訳ですが、そこを云々言うのは趣味じゃないしツマラナイので、スルーします。
岩永琴子が推論を出し、それをネットの人たちが反論していく構造は、(1人対多数という構造すらも)『毒入りチョコレート事件』と同じで、やはり『毒入りチョコレート事件』好きとしては興奮します。
さらには『毒入りチョコレート事件』と違う点もあります。
それは、「大人数が納得するストーリーを提示する」という行為は、実はミステリー作家のそれと全く同一です。
ここにきて、「怪異によって真実はアッサリ判明する」作品である『虚構推理』は、アンチミステリーの枠さえ超えて、ミステリー作家のメタ小説的要素さえ帯びてくるでのです。
『虚構推理』は、BS日テレでは今週が最終回ですが、huluやアマブラで配信されています。興味を持った方は、ぜひ見てみては?
蛇足。
岩永琴子のCV鬼頭さんなんだけれど、キンゲのアナ姫演じていた方と混同していた。鬼頭さんお2人いるのか……
虚構推理 岩永琴子 1/7スケール PVC製 塗装済み完成品フィギュア
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今宵放送の『しくじり先生』ガンダム編を、当然まだ見ていないのに勝手に要約する。 [富野監督関係]
どうも。
さて、今晩の『しくじり先生』(テレビ朝日系列、abemaTV)のテーマが「ガンダム」な訳ですが。
講師のカズレーザー先生は、何をガンダムの「しくじり」と説明したのか。まだ見ていないですが、箇条書きであげておきます。間違ったらごめんなさい。
4点あげるそうですが、うち3点は各芸能ニュースサイトで判明しております。
「ストーリーが難しかった」
「それまでのアニメのヒーロー像とはまったく違う主人公アムロ・レイのしくじり」
「子どもたちを困惑させたシャア・アズナブルの意味不明なセリフ」
ストーリーの難解さ、アムロの行動、シャアのセリフ
「ストーリーが難しかった」は、そもそも「独立戦争」であること。子どもにとっては独立戦争と言われても、「何から何が独立するのか」チンプンカンプン…
しかも敵側であるはずのジオンは言っていることは間違っていない、むしろ主人公側の地球連邦が特権を甘受している。
「それまでのアニメのヒーロー像とはまったく違う主人公アムロ・レイのしくじり」は、
戦いを拒否、拗ねてガンダムにのらない、挙句の果てはガンダムを持って脱走(えーっ)。
「子どもたちを困惑させたシャア・アズナブルの意味不明なセリフ」は、
「認めたくないものだな、若さ故の過ちというものを」(部下の失敗を受けて、初回の最後にシャアがこう呟くんですよ、と説明してくれました)。
残る1つのしくじりは
さて以上が、事前に判明している「しくじり」の3つですが。
残る1つは、なんだろ。
専門用語の頻出&説明なしかな。
スペースコロニー、サイド7、モビルスーツ…(それまでは「ロボット」だったんですよ)。
ちなみに「ストーリーが難しかった」は、オールドファンならアレコレ反対したいだろうけれど。
ぼく、もう何年前だろ。10年以上前?
なんかのアニメのムックをパラパラと見ていたら、「現代の子どもに過去の名作を見せる」って企画があったんですよ。
そこでやっぱり、ファーストガンダムを見た子どもが「敵味方がよく分からなかった」と感想を話していて、評価も低かったんですよね。
その時初めて、「そうか、あれは分かりずらい話だったのか!」と衝撃を受けた気が。
けど、そういや確かに、当時はストーリーよりMSの格好良さに惹かれていた記憶があるな。
その後ストーリーも理解して・面白く、2度おいしい、みたいな。
さてぼくの要約があっているか。ガンダム好きな人は、今宵の『しくじり先生』を拝聴してはいかがでしょうか。
どうせこのブログに来てくれている人なんか、すれたファンなんだろ? もう今更こんなの! ってモヤモヤして、放送前に要約書いちゃうような・ねじれた奴ばっかりだろ?(決めつけ)。
古参マウントはとらず、「これで新規ファンが増えてくれたら」と仏のような気持ちで見ましょう。
ぼくは人間できてないので・たぶん見れないので、この記事内容が当たっていたかどうか、どなたかTwitterにでもリプください。
『吉田豪の巨匠ハンター』に富野監督
ちなみに富野監督ファンの皆さん、3月28日に発売される『吉田豪の巨匠ハンター』、内容が昔の『キャラクターランド』での富野監督インタビュー再録でないのなら、買いだよね?
再録だったら…どうしよう? でも他に、杉井ギサブローさんや押井さんと、魅力あるメンツなんだよなー(安彦さんもいます)。
どこかのチャンネルでいつもガンダムを放送している感のあるスカパー(ブログ主への投げ銭です)
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富野監督は今までどのような本の帯コメントを書いてきたのか【追加補強版】 [富野監督関係]
仕入れが必要な外食産業ほどじゃないけれど、新型コロナウイルスによる仕事減・まじできついな…ライター仕事ください。
さて、かつてこのブログで「富野監督は今までどんな本の帯コメントを書いてきたのか。」って記事を書いたんだけれど、それから1年半経って増えたし、かつての記事はその他の情報もタラタラと書いたので、今回は情報のみを簡潔に列挙します。
年代順。たぶん、このくらいじゃないような気が…
池田貴族著『G‐1 GRAND PRIX―最強モビルスーツ決定バトル』
富野監督コメント「貴族の降霊術がここに真の対決を可能にした。笑え! 怒れ! その情念がバトルフィールドを炎に染める!!
大林太良 伊藤清司 吉田敦彦 松村一男編 『世界神話事典』
富野監督コメント「この一冊、人の心性の核を総覧する」
唐沢なをき『犬ガンダム (宇宙編)』
犬ガンダム (宇宙編) (角川コミックス・エース (KCA154-2))
- 作者: 唐沢 なをき
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/04/26
- メディア: コミック
富野監督コメント「『舐めろ!尻を』という本音はいい。こちらが描きたかったことをテッテイ的にあてこすられているのが気持ちがいい。ああ、私は変態です。」
石垣純哉『石垣純哉 仕事集~ROBOの石~』
富野監督コメント「クリエイターが生真面目でどうする!? しかしっ、石垣はそれでもここまで出来た。それは凄いぞ! 石垣! マジでいい! ガンダムの富野由悠季」(ブログ主注・これだけ名前も富野監督のコメントっぽいので、引用します)
亀井敬史著『平和のエネルギートリウム原子力II 世界は“トリウム”とどう付き合っているか?』
平和のエネルギートリウム原子力II 世界は“トリウム”とどう付き合っているか?
- 作者: 亀井敬史
- 出版社/メーカー: 雅粒社
- 発売日: 2011/10/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
富野監督コメント「フクシマまでの原発は軍事優先の思想、つまりオールドタイプの発想のものです。トリウム型は完璧といえないまでも、自然再生エネルギーの実用化までをつなぐ技術としては必須のものと信じます。」
blacksheepのCD『+ -Beast-』
富野監督コメント「メビウスの迷宮を突破するのは、これを聴いてしまった君に課せられた宿命かもしれない。 ここのサキソフォンはそれを要求し、ピアノやトランペットやチェロが黒羊たちを撹乱しようと欲望する……その映像を海のような音節のなかに語りかけるのだ。」
落合陽一著『魔法の世紀』
富野監督コメント「現代の魔法使いの杖が古典に内在するアートを掘り起こし、新しい世界への道筋と在り様を語る。若さ故の語り落としもあるのだが、その心意気は憎くも愛したい。落合陽一はニュータイプだろう」
加藤陽子著『戦争まで 歴史を決めた交渉と日本の失敗』
富野監督コメント「ヒトはミリタリー好きなのです。戦場が見せる無慈悲さを知りながらも、この矛盾を乗り越えるためには、戦争への道と戦場の記憶を風化させない歴史観が必要なのです。21世紀の地球は戦争をするスペアがないからです。」
安田朗著『ガンダムデザインワークス』
富野監督コメント「安田以後に超えた奴がいるか!?」
小松左京著『果しなき流れの果に』(新装版)
富野監督コメント「一度はアニメ化を考えた作品。雄大で、今なお、時空を飛ぶ」
小梅けいと画、スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ原著『戦争は女の顔をしていない 1』
富野監督コメント「この原作を漫画化しようと考えた作家がいるとは想像しなかった。瞠目する。原作者の覚醒をもって、極寒のロシア戦線での女性の洗濯兵と狙撃兵の異形をあぶり出した辣腕には敬意を表したい。それを漫画化した作者の蛮勇にも脱帽する。男性の政治家と経済人たちの必読の書である。女たちは美しくも切なく強靭であったのは事実なのだ。」
渡辺泰、松本夏樹、フレデリック・S・リッテン著、中川譲訳『にっぽんアニメ創生記』
富野監督コメント「活動大写真と絵が動くことを可能にした時代、想像力にあふれた先進の人びとはアニメに挑戦した!」
以上です。抜けているのがあれば、当ブログのコメントでも・ツイッターでリプでもいただければ。
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20年ぶりくらいにVガンダムの『いつかまた生まれた時のために』を聞こうとしたら、イントロだけで(何故か)泣きそうになった
どうも。
最近ネットにアップされた、「日本アニメ界の半世紀 『ガンダム』安彦良和が語る、アニメの未来」って記事。
『ハイジ』と『母をたずねて三千里』はクオリティーがすごい、という安彦さんに対して、「クオリティーが違うというのは、画質のことですか」というインタビュアーの質問には度肝を抜かれたが。まじかよ。この記者さん、例の片渕監督のインタビューと同じ人でしょ。
それと途中で入っている、「リミテッドとフル・アニメーション」の説明ね。
「フル・アニメーションは、1秒間24枚の画を使う」も引っかかるだけれど(12枚もだよね?)、「リミテッドは1秒8枚の画で表現する」のみなのは、どうなんですかね。
いや、これは。この記事だけがどうこうじゃなく、ネットで検索すると・こう説明しているところが多いんですよね。
でもリミテッドって、例えばモブは全く動かないとか、口だけ動いているとか、それらも含めているんじゃないのかな。
ぼくみたいなクソ素人おじさんではなく、だれか権威が説明してほしい。
ま、ネット探すと、ぼくが望む解説をしている業界の方も見つけられるけれど。
それともう1つ。
前に当ブログでも紹介した(春日さんの「『ガンダム』は立派な剣劇アクションだ!」を聞いて、『Gレコ』のデレンセン撃墜シーンを思い出す)、富野監督へのインタビューが載っている・春日太一さんの本が発売されましたね。
帯にもしっかりと「富野由悠季監督が語るチャンバラ演出の極意」とありますね。
これは読まねば。
さて本題。
前回、「Amazon会員なら聞き放題。PrimeMusicで聞けるガンダム音楽135曲を、作品別にまとめた。」という記事を書きまして。
ぼく自身もそのリストから、色々再生して聞いていたんですよ。
「サイレント・ヴォイスはやっぱり良いなー」とか、「TV版のORIGIN(見てない・興味ない)では、BEYOND THE TIMEをLUNA SEAが歌っているのか」とか思いながら。
で、『いつかまた生まれた時のために』も聞こうと。当時この歌が好きで、収録されているCD「機動戦士Vガンダム・SCORE II」も買ったのですが。
もう20年くらい? 聞いてなかったんですよ。
で、イントロが流れ始めて。
そしたらさー。自分でもビックリすることが起きまして。
涙腺が刺激されたんですよ。仕事しながら…原稿書きながら、イヤホンで聞いていたんですけれど。
涙こぼれる、まではいきませんでしたけれど。あれっ、やばい、泣きそう。くらいには、涙腺を刺激されて。
どうしたんだ俺は。まだ宇宙の散骨シーンも思い出す前ですよ。なんか反射的に、涙がにじんできた。
メロディーもいいし、また歌詞がなー。
「この歌って作詞、富野監督だっけ? 当時、精神的に絶不調だった富野監督が、こんな優しい歌詞を……」
と思って調べたら、作詞「小峰公子 井荻麟」。
そうだそうだ、富野監督が作詞した曲の中で、唯一連名の後ろにクレジットされている曲だったんだ。
で、この小峰公子さんってどんな方なんだろうと調べたら。
小峰さん=『いつかまた生まれた時のために』を歌っているKARAKのボーカル、しかもZABADAKのメンバーだったのか!
知っている人には、今更……って感じだろうけれども。無知ですみません。
そんなわけで、今回の記事をツイートした際に出る「ツイッターカード」は、家にあったZABADAKのベストアルバム「Decade」と、「機動戦士Vガンダム・SCORE II」を重ねたものにする。
さてこの歌詞、小峰さんの名前が先に来ているので、作詞の大きな部分は小峰さんが担当している、と考えた方が妥当でしょう。
おそらく詞先だと思うけれど(『月の繭』のように曲先の可能性もなくはないけれど)、富野監督の歌詞をメロディーに合わせるのに大幅に変えたか、それとも小峰さんの歌詞に、作品のイメージを付加するために富野監督がちょっとだけ手を加えたか。
それか、いくつかのフレーズだけ富野監督が提示したとか。
どちらにしろ、メインは小峰さんなんだろうな…と思いつつ、小峰さんはツイッターをなさっているので、何か呟いていないか、過去のツイートを掘ってみたら。
「歌詞も素敵だ」というファンからのリプに、「メルシー,いい詩だろう?」と答えていらっしゃるので。
手直ししたくらいなら、この返事にはならないと思うので、やはり大部分は小峰さんのお仕事なのだろう。
ちなみに過去ツイにはあと2つ、面白いことがあって。
1つは、発売から10年以上経って、歌詞の誤植を発見したというもの。
実はこれ、「機動戦士Vガンダム・SCORE II」のライナーだけではなく、ネット上の歌詞サービスでもみんな、間違えている(当然だけれど、やっぱり歌詞サービスってライナーを参考にしているんだな)。
これは、どこでもいいから……例えばこちらの歌詞サービスサイトを見たら、好きな方ならイッパツで分かると思います。
曲では思いっきり・ちゃんと・ハッキリと、「た」と歌っているので。
もう1つ、引っかかったツイート。
小峰さんご自身が、上記の誤植の正解をツイートしていらっしゃるのですが、その中で「菅野よう子ちゃんと溝口さんとkarakでやったのを思い出しまして」とツイートなさっているんですよ。
うん?
このブログの読者さんには説明不要だろうが、菅野さんと言えば・富野作品では『ブレンパワード』『∀』で有名な方。
でもその遥か前に、ミュージシャンとして『V』に参加していたの?
と思って「機動戦士Vガンダム・SCORE II」のライナー見てみたら、キーボードで参加していた…(ツイートにある「溝口さん」はおそらく、菅野さんのパートナーだった溝口肇さんのことだと思うが、溝口さんの名前は無し)
そうか、菅野さんはブレン前から、富野作品に関わっていたんだ、とぼくにとっては新たな発見もあったところで。
はじめに戻り。
なんで俺、『いつかまた生まれた時のために』のイントロだけで、涙腺刺激されたんだろうな?
当時、いわゆるモラトリアム時代だったからかな(今も社会に積極的に参加している、とは言えないが)。
イントロを聞いた瞬間に、戻らない時代への憧憬がうんたらかんたらとか? 知らんけれど。当時になんか戻りたくもないけれど。別に今も良くないけれど。
※この記事、深夜に書き上げたんだけれど。朝になって『ブレンパワード スパイラルブック』読み返してみたら、菅野さんが・Vガンダムのアルバムにピアノで参加してて、ワルシャワを富野監督と歩いたとか、普通に答えていたわ。
全く忘れていた……
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Amazon会員なら聞き放題。PrimeMusicで聞けるガンダム音楽135曲を、作品別にまとめた。 [富野監督関係]
作品別にPrimeMusicで聞けるガンダム音楽をまとめました。
データは令和2年3月8日現在。あと字数オーバーで『Twilight AXIS』は除外。
データは令和2年3月8日現在。あと字数オーバーで『Twilight AXIS』は除外。
『機動戦士ガンダム』
『Z 』
『ZZ』
『ポケットの中の戦争』
『0083』
『F91』
君を見つめて -The time I'm seeing you-
- 出版社/メーカー: SUNRISE Music Label
- 発売日: 2019/09/02
- メディア: MP3 ダウンロード
『V』
STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜
- 出版社/メーカー: SUNRISE Music Label
- 発売日: 2019/09/02
- メディア: MP3 ダウンロード
『Gガンダム』
『W』
『X』
『∀』
『SEED』『SEED DESTINY』『C.E.73 STARGAZER』
『00』
『AGE』シリーズ
『ビルドファイターズ』『ビルドファイターズトライ』『 ビギニングG』
wimp ft. Lil' Fang (from FAKY)
- 出版社/メーカー: cutting edge
- 発売日: 2014/03/03
- メディア: MP3 ダウンロード
『UC』
劇場版『Z』
『THE ORIGIN』
『Gのレコンギスタ』
『鉄血のオルフェンズ』
『NT』
『EVOLVE』シリーズ
『MS IGLOO』シリーズ
『SDシリーズ』
『ガンダムさん』
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDのアイリス演出 [富野監督関係]
どうも…新型コロナウイルスの影響で仕事が激減→ブログを書く時間ができる。
減収…大減収だ……もともと低収入なのに死んじゃう…
さて、何日か前に前編が公開されていた富野監督×荒木哲郎監督対談、後編が本日公開されました。
富野由悠季はなぜ『Gのレコンギスタ』に、アニメにこだわるのか。「いまだにスペースコロニーを信じている人に“もっと気をつけてほしい”」<劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」 富野由悠季×荒木哲郎スペシャル対談・後編>
前編も良かったですが、後編はさらに興味深い内容でした。
特に、EDについて。
ドリカムの歌『G』につけた映像ですね。
この対談の中で、興味深かったのが富野監督の次の発言。
(ブログ主注・当初届いたのはインストだけ、しかも新作作画は起こせない状況で)でも、スピード感だけは映像上でフォローしなくちゃいけない……それで思いついたのが、アイリス(アイリスワイプ)でやるってこと。これならアイリスを動かすだけでスピード感を出すことができるでしょう?
富野監督が、あのEDに自信を持っていることは、最近のインタビューから感じ取っていた方も多いかと思います。吉田美和に勝つ! みたいな。
今回も、ご自分から話題をふっているしね(笑)。
ちなみにキネ旬から出ている『現代映画用語事典』には、「アイリス」について下記のような説明があります。
編集の技術。円形マスクの拡大・縮小によって映像の切り替えをおこなうもの。(主に黒味の)円形マスクが徐々に縮小して映像が消えて(黒く潰れて)いくのは<アイリス・アウト>、拡大して映像が現れるのは<アイリス・イン>と呼ぶ。無声映画時代に一般的な技法だった。トーキー以後では、「スター・ウォーズ」(77)で<ワイプ>と共に懐古的に使われてから、古典性を意識しつつ用いられることが多い。(キネマ旬報社『現代映画用語事典』kindle版「アイリス」の項より)
さらにYouTubeに、アイリスアウト・アイリスインを実際に分かりやすく作っている映像がありました。下です。
うん、これなら一発で分かるね。
さて、上に紹介した『現代映画用語事典』の引用箇所で、特に気になる部分は「懐古的に使われる」「古典性を意識しつつ」というところです。
じつはぼく、劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」を見る数か月前に、偶然『現代映画用語事典』をパラパラと読んでいまして。
この「アイリス」の項を読んだ時に、「たしかにクラシック映画では見た記憶あるけれど、最近のアニメじゃないよな。見るとしたら、コメディとかパロ風味の回のオチで・使われている感じ?」などと思っていました。
上の引用では、もう40年以上前の『スター・ウォーズ』でさえ「懐古的」に使われている、となっているわけだからね。
だから最近のアニメでは、ストレートに使うことはないよなあ、と思っていました。使うとしたら、テヘペロ感で使うと言いますか(伝わるか?)
さてそれで、『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDですが。まあインもアウトもしておらず、リンク先の本文にカッコ付であるように「アイリスワイプ」が使われたわけですが。
『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDにおけるアイリスワイプは、まあ確かに新しい感じはない…。ちょっと古臭い感じが、なくもなかったのですが。それよりも。
ぼく個人としては、「牧歌的」な鑑賞感があったんですよ。
それは。今回の対談の中で、荒木監督は「水の玉だったり、ノベルだったり、ボール状のものがたくさん出てくるから」、アイリスは相応しい、とおっしゃっています。
で、ぼくは「牧歌的」だと思った理由はハッキリしている。
ぼくはあのアイリスワイプ見た時、もうG-レコ飛び越えちゃって、『∀』の例のシャボン玉思い出しちゃったんだよね、何故か。
いや、「何故か」じゃないな。アイリスワイプがふわふわ→富野作品で円いものがふわふわ→∀のシャボン玉、っていう。
だからまあ、ぼくには「牧歌的」だったけれど、やっぱりあれを「ちょっと古いな」と感じた人もいるかな。
ちなみに最近のインタビュー(今回の対談含む)を読むと。
富野監督が、ああした理由の1つには、最近の映画は黒いバックに・スタッフロールが延々と流れるだけ、って主流に不満があるかららしいけれど。
そりゃそうだよなあ。正直退屈だもん、あの時間。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2だっけ? あれは面白かった。見られた。
だから、EDにも気を使ってくれるのは、視聴者にとってはありがたい。
ちなみに今回の対談で、富野監督は小津作品に・批判的に言及しています。
自分で全てをコントロールしようとする監督の作品は、硬いと。
まあ小津監督は、
俳優の動きだけではなく視線までも徹底し、監督の納得のいくまでリテイクを繰り返したという。岩下志麻は小津の遺作である1962年公開の「秋刀魚の味」に出演した際、巻尺を手で回すというシーンだけで100回近く撮り直しさせられたという。
という伝説があるくらいだから…(この話、何かの番組で岩下さん自ら語っていたような)。
ただ富野監督は私的映画ベスト10の中で、小津監督の『秋刀魚の味』『東京物語』をランクインさせております。
特に『東京物語』に関しては、「隙のない名作とはこのことだろう。評論する気などはない。映画を目指す人は、時代をこえて観てほしい」とまで言っています。
ま、今回の対談でも「必ずしもそうではない」と言っているので、小津作品にも失敗作…うまくいっていない作品があるってことなんだろう。
どっかのウンコみたいなまとめサイトやツイートに、「富野が小津を批判」とか書かれるのも・ファンとして面白くないので。一応書いておきました。
しかし最後の荒木さん演出の10話、富野監督から「ロボットプロレスをやりなさい」(とだけ)言われていたのか。
だからバックドロップやったのかな(笑)。
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減収…大減収だ……もともと低収入なのに死んじゃう…
さて、何日か前に前編が公開されていた富野監督×荒木哲郎監督対談、後編が本日公開されました。
富野由悠季はなぜ『Gのレコンギスタ』に、アニメにこだわるのか。「いまだにスペースコロニーを信じている人に“もっと気をつけてほしい”」<劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」 富野由悠季×荒木哲郎スペシャル対談・後編>
前編も良かったですが、後編はさらに興味深い内容でした。
特に、EDについて。
ドリカムの歌『G』につけた映像ですね。
「ベルリ 撃進」EDで使われたアイリスとは
この対談の中で、興味深かったのが富野監督の次の発言。
(ブログ主注・当初届いたのはインストだけ、しかも新作作画は起こせない状況で)でも、スピード感だけは映像上でフォローしなくちゃいけない……それで思いついたのが、アイリス(アイリスワイプ)でやるってこと。これならアイリスを動かすだけでスピード感を出すことができるでしょう?
富野監督が、あのEDに自信を持っていることは、最近のインタビューから感じ取っていた方も多いかと思います。吉田美和に勝つ! みたいな。
今回も、ご自分から話題をふっているしね(笑)。
ちなみにキネ旬から出ている『現代映画用語事典』には、「アイリス」について下記のような説明があります。
編集の技術。円形マスクの拡大・縮小によって映像の切り替えをおこなうもの。(主に黒味の)円形マスクが徐々に縮小して映像が消えて(黒く潰れて)いくのは<アイリス・アウト>、拡大して映像が現れるのは<アイリス・イン>と呼ぶ。無声映画時代に一般的な技法だった。トーキー以後では、「スター・ウォーズ」(77)で<ワイプ>と共に懐古的に使われてから、古典性を意識しつつ用いられることが多い。(キネマ旬報社『現代映画用語事典』kindle版「アイリス」の項より)
さらにYouTubeに、アイリスアウト・アイリスインを実際に分かりやすく作っている映像がありました。下です。
うん、これなら一発で分かるね。
ちょっと古いイメージのあるアイリス
さて、上に紹介した『現代映画用語事典』の引用箇所で、特に気になる部分は「懐古的に使われる」「古典性を意識しつつ」というところです。
じつはぼく、劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」を見る数か月前に、偶然『現代映画用語事典』をパラパラと読んでいまして。
この「アイリス」の項を読んだ時に、「たしかにクラシック映画では見た記憶あるけれど、最近のアニメじゃないよな。見るとしたら、コメディとかパロ風味の回のオチで・使われている感じ?」などと思っていました。
上の引用では、もう40年以上前の『スター・ウォーズ』でさえ「懐古的」に使われている、となっているわけだからね。
だから最近のアニメでは、ストレートに使うことはないよなあ、と思っていました。使うとしたら、テヘペロ感で使うと言いますか(伝わるか?)
さてそれで、『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDですが。まあインもアウトもしておらず、リンク先の本文にカッコ付であるように「アイリスワイプ」が使われたわけですが。
「ベルリ 撃進」のEDでは、ぼくには「牧歌的」な感じがした
『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDにおけるアイリスワイプは、まあ確かに新しい感じはない…。ちょっと古臭い感じが、なくもなかったのですが。それよりも。
ぼく個人としては、「牧歌的」な鑑賞感があったんですよ。
それは。今回の対談の中で、荒木監督は「水の玉だったり、ノベルだったり、ボール状のものがたくさん出てくるから」、アイリスは相応しい、とおっしゃっています。
で、ぼくは「牧歌的」だと思った理由はハッキリしている。
ぼくはあのアイリスワイプ見た時、もうG-レコ飛び越えちゃって、『∀』の例のシャボン玉思い出しちゃったんだよね、何故か。
いや、「何故か」じゃないな。アイリスワイプがふわふわ→富野作品で円いものがふわふわ→∀のシャボン玉、っていう。
だからまあ、ぼくには「牧歌的」だったけれど、やっぱりあれを「ちょっと古いな」と感じた人もいるかな。
ちなみに最近のインタビュー(今回の対談含む)を読むと。
富野監督が、ああした理由の1つには、最近の映画は黒いバックに・スタッフロールが延々と流れるだけ、って主流に不満があるかららしいけれど。
そりゃそうだよなあ。正直退屈だもん、あの時間。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2だっけ? あれは面白かった。見られた。
だから、EDにも気を使ってくれるのは、視聴者にとってはありがたい。
今回の対談では小津を悪く言っていますが…
ちなみに今回の対談で、富野監督は小津作品に・批判的に言及しています。
自分で全てをコントロールしようとする監督の作品は、硬いと。
まあ小津監督は、
俳優の動きだけではなく視線までも徹底し、監督の納得のいくまでリテイクを繰り返したという。岩下志麻は小津の遺作である1962年公開の「秋刀魚の味」に出演した際、巻尺を手で回すというシーンだけで100回近く撮り直しさせられたという。
という伝説があるくらいだから…(この話、何かの番組で岩下さん自ら語っていたような)。
ただ富野監督は私的映画ベスト10の中で、小津監督の『秋刀魚の味』『東京物語』をランクインさせております。
特に『東京物語』に関しては、「隙のない名作とはこのことだろう。評論する気などはない。映画を目指す人は、時代をこえて観てほしい」とまで言っています。
ま、今回の対談でも「必ずしもそうではない」と言っているので、小津作品にも失敗作…うまくいっていない作品があるってことなんだろう。
どっかのウンコみたいなまとめサイトやツイートに、「富野が小津を批判」とか書かれるのも・ファンとして面白くないので。一応書いておきました。
しかし最後の荒木さん演出の10話、富野監督から「ロボットプロレスをやりなさい」(とだけ)言われていたのか。
だからバックドロップやったのかな(笑)。
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NHKの特集ドラマ『 黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』、案外悪くなかった [アニメ周辺・時事]
TwitterのTLで、富野監督が「軌道エレベーターがあり得ないと言った理由」についてのツイートがRT4000くらいになっているのを見かけたんだけれど。インフラにならないと、ではインフラになるには…って内容の。
あの内容自体は、富野監督自身がインタビューで何回か言及しているので、目新しいものじゃない。
例えばこのインタビューとか。これとか。
でも4000RTされているってことは、それだけの人が「そういうことか」って思ったってことでしょ(勿論そうじゃない人もいるだろうけれど)。
なんか、このブログが・良くても1日2000PVが限界の理由を垣間見た気がして(笑)。
えー……。
この前の休日、午前中に清張原作の『ゼロの焦点』(1961年版)を見まして。監督野村芳太郎、脚本橋本忍・山田洋二なので、安心して見始めたのですが。
「おお、これが後に定番となる『崖の上での謎解き』か」などと思いながら。楽しめました。
で、その後。午後からNHKBSで、『 黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』が再放送されてましてね。
なんだろコレと思って、見てみたのですが。
少年探偵団生まれ・天知版明智育ちのぼくにとっては、乱歩原作の映像化って「真面目にバカバカしいことをやる」が肝要だと思っているので。
その意味で良かったー。
「どうやって潜水艦(原作では小汽船)に乗り込んだんだろう?」とか、「人間椅子に閉じ込められたはずなのに、どうやって?」みたいな疑問にいっさい答えない潔さとかね(皮肉じゃなくて、マジで良かったと思っています)。
近未来の設定で。
「なんか近未来にする意味があるのかな?」と思っていたんですが、その設定によって、「変装」の仕様が変わる。黒蜥蜴のマークにも意味が出てくる。
お、いいじゃん! と。近未来設定が生かされている。
桜山陽子(原作明智いわく「親も身寄りもない孤児なんだよ。しかも少々不良性をおびたモダン・ガール」)のキャラ造形に、SF設定を一捻り加えたのも良い。
正直、自殺を考えていた失業娘を替え玉に仕立てる原作明智より、この設定のおかげで・今回の明智は随分とマトモな人間になった気もする(笑)。
ちょっと残念なのは終盤の、原作ではあるのに・今回のドラマではカットされたシーン。
「NHKでどこまで映像化できるんだろう?」と楽しみにしていた「恐怖美術館」(美しい男女の人間剥製展示)と、その人間剥製に化けて待機していた警察官たち、というバカバカしさをそのままやってくれるかな、という期待が裏切られたこと。
「賊のアジトに潜入した刑事たちが、なぜ人間剥製のフリをして待機しているのか…」と大半の読者は疑問に思うクライマックスシーンであろうが、むろん大乱歩は答えを用意している。
この捕物を充分効果的にするための、明智の指図であった。刑事とて、洒落を解せぬ朴念仁(ぼくねんじん)ばかりではないのである。
朴念仁ではないのだ! ここも是非、映像で見たかったな…
※文中の引用部分は、全て青空文庫版からのものです。
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あの内容自体は、富野監督自身がインタビューで何回か言及しているので、目新しいものじゃない。
例えばこのインタビューとか。これとか。
でも4000RTされているってことは、それだけの人が「そういうことか」って思ったってことでしょ(勿論そうじゃない人もいるだろうけれど)。
なんか、このブログが・良くても1日2000PVが限界の理由を垣間見た気がして(笑)。
えー……。
この前の休日、午前中に清張原作の『ゼロの焦点』(1961年版)を見まして。監督野村芳太郎、脚本橋本忍・山田洋二なので、安心して見始めたのですが。
「おお、これが後に定番となる『崖の上での謎解き』か」などと思いながら。楽しめました。
で、その後。午後からNHKBSで、『 黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』が再放送されてましてね。
なんだろコレと思って、見てみたのですが。
少年探偵団生まれ・天知版明智育ちのぼくにとっては、乱歩原作の映像化って「真面目にバカバカしいことをやる」が肝要だと思っているので。
その意味で良かったー。
「どうやって潜水艦(原作では小汽船)に乗り込んだんだろう?」とか、「人間椅子に閉じ込められたはずなのに、どうやって?」みたいな疑問にいっさい答えない潔さとかね(皮肉じゃなくて、マジで良かったと思っています)。
近未来の設定で。
「なんか近未来にする意味があるのかな?」と思っていたんですが、その設定によって、「変装」の仕様が変わる。黒蜥蜴のマークにも意味が出てくる。
お、いいじゃん! と。近未来設定が生かされている。
桜山陽子(原作明智いわく「親も身寄りもない孤児なんだよ。しかも少々不良性をおびたモダン・ガール」)のキャラ造形に、SF設定を一捻り加えたのも良い。
正直、自殺を考えていた失業娘を替え玉に仕立てる原作明智より、この設定のおかげで・今回の明智は随分とマトモな人間になった気もする(笑)。
ちょっと残念なのは終盤の、原作ではあるのに・今回のドラマではカットされたシーン。
「NHKでどこまで映像化できるんだろう?」と楽しみにしていた「恐怖美術館」(美しい男女の人間剥製展示)と、その人間剥製に化けて待機していた警察官たち、というバカバカしさをそのままやってくれるかな、という期待が裏切られたこと。
「賊のアジトに潜入した刑事たちが、なぜ人間剥製のフリをして待機しているのか…」と大半の読者は疑問に思うクライマックスシーンであろうが、むろん大乱歩は答えを用意している。
この捕物を充分効果的にするための、明智の指図であった。刑事とて、洒落を解せぬ朴念仁(ぼくねんじん)ばかりではないのである。
朴念仁ではないのだ! ここも是非、映像で見たかったな…
※文中の引用部分は、全て青空文庫版からのものです。
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