映画館で映画を見る楽しみ~劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」 [富野監督関係]
どうも。
劇場で映画を見ることの楽しみって色々あると思うんですけれど。おっきい画面とか、良い音響とか。
もちろんぼくにも、それらは魅力なんですが。
それとは別に、「ほかの知らない人たちと、1つの作品を見て時間・空間を共有する」っていうのがあるんですよね。
その中にはもちろん、ネット上で話題になった「スマホを見ている奴」とか「クレジット途中で退席する人」とかも含めて、映画体験なわけですよね。
特に「知らない人と感情が一致する」は、良い体験だと思うんですよ。
昔、談志師が「『ダイ・ハード』でブルース・ウィリスの妻があのTVレポーターを殴った時に、劇場の観客が一斉に拍手した」みたいな話をしていましたけれど。
ま、それは極端な例でも。
例えば大勢の人がいっせいに同じシーンで笑うとかですよ。
ぼく、富野ファンとしては遅ればせながらですが。
劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」を見てきました。
東京では満員、なんて情報もTLで見たけれど。札幌のぼくの見た回では、ちょっと寂しい20~30人でした。
だから、体感できなかったけれども。
大勢観客が入っている劇場では、天才クリムの初出撃シーンで、軽快な(調子のよい)ジャズ風のBGMが流れたことに、クスクスの忍び笑いは聞こえたんでしょうか。
ピッタリだったなあ。あれでニヤニヤするのは、TV見ている人が条件になっちゃうけれど…
「おなかのラッパがナイアガラ」(マルC林原さん)で・ベルリが下痢リになる時の、クリムの大仰なセリフ
「奴め! 本気か!」
で、劇場には笑い声が聞こえたでしょうか。
ハッパさんが・アルケインが飛んでいるのにビックリした時も、「いや、お前メインメカニックだろ!」と突っ込み笑いが聞こえたでしょうか。
楽しい映画だったな。そして、頼もしかった。楽しく見られる映画になっていて、満足です。
そしてやっと物語の視点がアイーダに向けられた。
シミュレーションゲームで、何十人ものキャラクターがあちこちに・勝手に動く様を見るのも良いけれど、メインキャラ視点で見るRPGの方が見慣れているかな。
推しつつも、色々と不満のあるTV版Gーレコだったけれど。
一番の不満……じゃないな。不満ではなく、諦めていたのは、「俺のための物語じゃないな」ってところ。
アニメって基本的には子どものものだと思うし、おっさんのぼくが距離感を覚えるのは・当然のことだと思っていたんだけれど。
劇場版になった途端に、いきなり側に寄って来た。
富野監督本人は、お父さん・お母さん世代は見なくていいと散々言っているのに…この距離の詰め方はなんだ?
そこが驚きだったのと。
それと。
いやーなんかさー。
劇場版Zの時に、「新訳」と銘打たれているのに、TV版とあれこれ比較する風潮が好きではなかったので。
今回も、TVシリーズはきれいサッパリ忘れて見ようと思っていたんだけれど。
話そのものより、TV放映当時の思い出がどうしても脳裏をよぎるんだよね。
ウィルミットママの「とがめるといけない」を聞いて、咎めるってなんだ? 方言? って調べてみた思い出や。
クンパの「Gセルフは奪われつつあります」のセリフを聞いて。
あーGレコアンチに、「奪われつつあります」ってどういうことだよ、と散々突っ込まれていたな、と思い出したり。
アイーダとステアが寄り添っているシーンを見て、
「これ、オンエア時はこの2人・2回頭を付け合ったりするのは何か特別な関係なんじゃないか? と勘繰った記事を書いたなー。そのシーンがソフトになる時に修正され、あの記事はおじさんの気味悪い妄言になっちゃったなー」と忘れていた記憶が蘇ったり。
「水の玉」も、劇場版で初めて「ああいうもの」と心情的にスッと腑に落ちた(TVの時は、どんなシステムなんだ? と気になって咀嚼しきれなかった)。
だから作品そのものは、TVと映画を別個のものとして見られるんだけれど、どうしてもオンエア時の、ネット上での交流とか・思い出のあれこれはついて回るんだよなあ。
だからなのかな。
劇場版の出来に大満足して、良かったと良かったとED『Gの閃光』を聞いていたら、不意に泣きそうになってさ。
富野監督がまずは「状況」を作るために、「劇場版やる」って何も決まっていないのに言い出したんだろうな、と思っていたし(これは今でも思っている)。
実際に完成するのか半信半疑だったし。
それが完成して、上映して、しかも明らかに良かった。
もう、刺激されたよ涙腺。泣かなかったけれど。いやあ、色んな意味で良かった良かった。
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