富野監督が語ってきた高畑監督(高畑勲展での富野監督「特別講演会」、今日から7月18日までネット配信中) [富野監督関係]
どうも。
本日6月25日から、福岡市美術館さんが
【高畑勲展】富野由悠季氏 特別講演会オンライン配信
をYouTubeで公開中です。7月18日まで。
アップされている動画は、6月20日に福岡市美術館ミュージアムホールで行われた講演会の模様。
来月18日まで開かれている特別展「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの」関連企画として開かれました。
前半だけですが、約27分もあります。誰か文字起こししておいてくれないかな…
さて、富野監督と高畑監督・宮崎監督の接点と言えば、ハイジや赤毛のアンまで遡るでしょう。
その後は、富野監督が高畑監督・宮崎監督のことを話しているのはけっこう目にするけれど、逆は見かけません。まあ、ぼくが追いかけていないだけだろうけれど……
宮崎監督がガンダムに触れたのは、大昔にこのブログで書いたこれ(「17年前のぼくは、宮崎が庵野について語っている文章を読みながら、富野のことを考えていたのだった」)しか知らないな。
だからこそ、押井監督が「宮さん、よく富野さんに電話しておしゃべりしていたからね。宮さんと富野さんって実は仲良しなんだよ。」と話されていた時にはビックリしたし。
富野監督と高畑監督と言えば、真っ先に思い浮かべるのはガンダムの『ロマンアルバム・エクストラ』における対談でしょう。2人の対談って、これだけじゃないのかな。他にある?
この対談の中で印象深いのは、
「TVアニメが映画になる途端、実写畑の監督が拍を付けるために出てくる(ブログ主注・大昔の話。『未来少年コナン』も『海のトリトン』もこのメにあっている)」
「TVにおける人種コードの問題」
の2点かな。富野監督がちょっと恐縮しているのか、個人的には読んでいて・あまりスウィングしていないと感じる対談でした。
今回アップされた講演会でも語られている『ハイジ』や『アン』に参加して学んだこと・糧になったことは、過去にも語られています。
例えば2013年産経新聞文化面の「テレビ還暦」に富野監督が登場した際は、担当者がコーナーに入りきらなかった話として、富野監督の「宮崎さん、高畑さんと出会い、アニメを映画として作っている同世代の作り手がいると知って、命拾いした」という言葉を紹介しています。
また『アニメーション監督 出崎統の世界』でも、

僕は宮崎駿、高畑勲という人 たちとも出会うことができて、その仕事の下働きをやらせてもらいながら、コンテの総直しもされています。
と、今回と重なる内容を語っています。
まあコンテの総直しはね、映像でおっしゃっていますが、自分もするようになっているので…大ベテランのコンテも直して、当のご本人から色々書かれているので……

『∀ガンダム記録全集1』では、今回の映像では出てこない話題でしたが、アニメ業界以外からのスタッフを取り入れることについて、
アニメ業界でこれを今までやってきたのは宮崎駿さん高畑勲さんだけです。それをお二方だけにやらせておくのは、酷ですよ。
と話しています。
しかし、富野監督による高畑監督への言及が増えたのは、2018年に高畑監督が亡くなってからでしょう。
ちょっと探しただけでも、下記の通り。
そして、劇を作るというのはこういうものだということを高畑監督から教えてもらったという重みってすごいことです。リアリズムというのはアニメでもあるんですか? と聞いたことがあります。高畑さんの答えは、「石があると避けるよね。シナリオにそう書いてあるんだから、絵コンテも避けるように描いてください」と。(『公研』2020年8月号)
高畑勲監督は日常会話を使いながら、劇をステップアップさせるテクニックを持った業師(わざし)でした。(アキバ総研アニメ業界ウォッチング第63回)
今回の映像で語られている「動きのないシーンをどう持たせるか」については、特に2019年11月の「KOBECCO」におけるインタビューでも詳しく書かれています。
未読の方は、是非読んでみてはいかがでしょうか。
また高畑監督没後のインタビューの中でも一番多かったのが、「高畑監督は師匠だった」内容ではないでしょうか。
下の記事とか。
富野由悠季が語る『ガンダム』のリアルを生んだ“高畑勲イズム” 「高畑さんは僕にとっても師匠」
ネットを掘れば、まだ結構残っているんじゃないのかな。
ちなみに今回の映像で、個人的に一番嬉しかったのは、富野監督が『赤毛のアン』のOPを絶賛していることですね。
ぼくも大好きなんです。
グリーンゲイブルズにやってきたアンの弾む心情を、見事に映像化したあのOP、ホントに素晴らしいですよね。
本日6月25日から、福岡市美術館さんが
【高畑勲展】富野由悠季氏 特別講演会オンライン配信
をYouTubeで公開中です。7月18日まで。
アップされている動画は、6月20日に福岡市美術館ミュージアムホールで行われた講演会の模様。
来月18日まで開かれている特別展「高畑勲展―日本のアニメーションに遺したもの」関連企画として開かれました。
前半だけですが、約27分もあります。誰か文字起こししておいてくれないかな…
さて、富野監督と高畑監督・宮崎監督の接点と言えば、ハイジや赤毛のアンまで遡るでしょう。
その後は、富野監督が高畑監督・宮崎監督のことを話しているのはけっこう目にするけれど、逆は見かけません。まあ、ぼくが追いかけていないだけだろうけれど……
宮崎監督がガンダムに触れたのは、大昔にこのブログで書いたこれ(「17年前のぼくは、宮崎が庵野について語っている文章を読みながら、富野のことを考えていたのだった」)しか知らないな。
だからこそ、押井監督が「宮さん、よく富野さんに電話しておしゃべりしていたからね。宮さんと富野さんって実は仲良しなんだよ。」と話されていた時にはビックリしたし。
ロマンアルバムでの高畑・富野対談
富野監督と高畑監督と言えば、真っ先に思い浮かべるのはガンダムの『ロマンアルバム・エクストラ』における対談でしょう。2人の対談って、これだけじゃないのかな。他にある?
この対談の中で印象深いのは、
「TVアニメが映画になる途端、実写畑の監督が拍を付けるために出てくる(ブログ主注・大昔の話。『未来少年コナン』も『海のトリトン』もこのメにあっている)」
「TVにおける人種コードの問題」
の2点かな。富野監督がちょっと恐縮しているのか、個人的には読んでいて・あまりスウィングしていないと感じる対談でした。
富野監督が語る、名作劇場参加への意義
今回アップされた講演会でも語られている『ハイジ』や『アン』に参加して学んだこと・糧になったことは、過去にも語られています。
例えば2013年産経新聞文化面の「テレビ還暦」に富野監督が登場した際は、担当者がコーナーに入りきらなかった話として、富野監督の「宮崎さん、高畑さんと出会い、アニメを映画として作っている同世代の作り手がいると知って、命拾いした」という言葉を紹介しています。
また『アニメーション監督 出崎統の世界』でも、

アニメーション監督 出崎統の世界 ---「人間」を描き続けた映像の魔術師
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/03/24
- メディア: 単行本
僕は宮崎駿、高畑勲という人 たちとも出会うことができて、その仕事の下働きをやらせてもらいながら、コンテの総直しもされています。
と、今回と重なる内容を語っています。
まあコンテの総直しはね、映像でおっしゃっていますが、自分もするようになっているので…大ベテランのコンテも直して、当のご本人から色々書かれているので……

アニメの仕事は面白すぎる 絵コンテの鬼・奥田誠治と日本アニメ界のリアル
- 作者: 奥田誠治
- 出版社/メーカー: 出版ワークス
- 発売日: 2019/12/20
- メディア: 単行本
『∀ガンダム記録全集1』では、今回の映像では出てこない話題でしたが、アニメ業界以外からのスタッフを取り入れることについて、
アニメ業界でこれを今までやってきたのは宮崎駿さん高畑勲さんだけです。それをお二方だけにやらせておくのは、酷ですよ。
と話しています。
高畑監督没後
しかし、富野監督による高畑監督への言及が増えたのは、2018年に高畑監督が亡くなってからでしょう。
ちょっと探しただけでも、下記の通り。
そして、劇を作るというのはこういうものだということを高畑監督から教えてもらったという重みってすごいことです。リアリズムというのはアニメでもあるんですか? と聞いたことがあります。高畑さんの答えは、「石があると避けるよね。シナリオにそう書いてあるんだから、絵コンテも避けるように描いてください」と。(『公研』2020年8月号)
高畑勲監督は日常会話を使いながら、劇をステップアップさせるテクニックを持った業師(わざし)でした。(アキバ総研アニメ業界ウォッチング第63回)
今回の映像で語られている「動きのないシーンをどう持たせるか」については、特に2019年11月の「KOBECCO」におけるインタビューでも詳しく書かれています。
未読の方は、是非読んでみてはいかがでしょうか。
また高畑監督没後のインタビューの中でも一番多かったのが、「高畑監督は師匠だった」内容ではないでしょうか。
下の記事とか。
富野由悠季が語る『ガンダム』のリアルを生んだ“高畑勲イズム” 「高畑さんは僕にとっても師匠」
ネットを掘れば、まだ結構残っているんじゃないのかな。
ちなみに今回の映像で、個人的に一番嬉しかったのは、富野監督が『赤毛のアン』のOPを絶賛していることですね。
ぼくも大好きなんです。
グリーンゲイブルズにやってきたアンの弾む心情を、見事に映像化したあのOP、ホントに素晴らしいですよね。
> 前半だけですが、約27分もあります。
> 誰か文字起こししておいてくれないかな…
スタジオジブリが発行している雑誌「熱風」の2021年9月号に、「特集1 富野由悠季 高畑勲を語る」として掲載されています。
「講演の完全収録」とのことです。
(講演後の質疑応答も含む。)
by h_d (2021-09-18 09:45)
h_d様
「熱風」、書店に行きましたがすでに在庫ありませんでした……
by 坂井哲也 (2021-09-23 12:14)
Откуда инфа
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by AmandawRota (2023-03-19 03:23)