「富野由悠季の世界」展、青森会場で見た内容の備忘録(そのまま個人的オススメポイントにもなっている) [富野監督関係]
どうも。
「富野由悠季の世界」展。
福岡会場は急遽フリーになった後でそれどころではなく、静岡はホテル予約までしていたのに新型コロナで飛行機飛ばず。
不貞腐れもしたけれど。やっと、青森会場で見ることができました。2日間で7時間いた。
内容はタイトル通り。箇条書き。順不同。
1、大学時代に脚本・演出・撮影した実写短編『二つの場所』常時上映。
悩む男と、男を励ましつつも最後は力強く歩き始める女。キャラクター造形には、後の富野作品の萌芽が垣間見えるようで面白かった。
んで、女が襲われるカットさ……。『羅生門』ですよね?(笑) さすがに太陽は映してなかったけれど。
2、トリトンのストーリーを変えたことで・虫プロのスタッフから「袋叩きにあった」ことについて、音声ガイドで「フェイクニュース」と断言
これは…ビックリしましたね(笑)。
パンフレットによると(貧乏人には2千円高い…)、音声ガイドも富野監督が手直ししているそうなので、ご本人の言葉と解釈していいんでしょうね。
「袋叩き」が具体的に・どんなことかにもよるけれど。
「虫プロからもう出入り禁止だと言われた」(朝日新聞インタビュー「ガンダムへの出発点(ラララの時代)」)とか、
「虫プロシンパから、徹底的に……それこそ10年以上です、口をきいてもらえませんでしたから」(SF JAPAN VOL.3冬季号)とかおっしゃっていたのは、富野監督ご本人なのですが(笑)。
どういう心情の変化なんだろう。
3、ライディーン企画書に「イデー」の文字。
この頃から。
4、劇場版ザンボット、台本まであった。
台本用意されるくらいまでは進んでいたんだ。
5、劇場版トリトン、富野監督やる気だった? 富野監督による簡単な企画書? あった。
『キャラクターランドVol.2』のインタビューでは、吉田豪さんの(劇場版トリトンについて)「当然、何も知らなかったわけですよね?」という質問に、富野監督は「はい」と即答しているんですよね。
だから、この展示物を見た時も少し驚きました。
6、グフのデザイン原案は富野監督、そして大河原さんが修正
あの、長刀背負っているグフのデザインね。
これは…何が重要かと言うと。ぼくが以前に書いた記事の中で触れた、「ガンダムが背中にサーベルを背負っているのは、佐々木小次郎のイメージから来ている」話。
いやー。あのグフのデザインも富野監督なら、ホントにガンダムも佐々木小次郎をイメージしていたの、あるかもしれないな。
ちなみに富野監督自身は、『時代劇入門』の中で、春日さんの質問に対して「そうです。もちろんです」と即答しています。
7、イデオン発動篇アフレコ台本に書かれている、ある走り書き。
某作曲家さんへの愚痴が。ついでに前作の作曲家さんにまで(笑)。
8、対デレンセン戦闘シーンのコンテあり、欠番内容判明
放送当時さあ…。「あの戦闘シーン分かんねえ」からの、「新規OP、カット部分が使われているな」となって、繋げた有志もいたよね。
なんかもう、懐かしくて。
デレンセンが変形した部分が、カットされていたのか。ベルリの「小手先で変形云々」のセリフで、フォローできるという考えだったんだろうな。
9、宮崎監督を追ったNHKのドキュメント番組への言及
スタッフ向けの資料にあった。宮崎監督も別パートのコンテを参考にしている、ナレーションに誤魔化されてはいけない、など。
さるベテラン演出家さんが著書で、『∀ガンダム』参加時にコンテが直されたことへの不満を書かれていたけれど、それへのアンサー・コンテを直すことの理由が明記されていると思う(『映像の原則』にもあるけれど)。
10、劇場版『G-レコ』演出ミーティングメモに、「1の成績悪ければそれっきり」の赤字
スタッフへの喝なのかもしれないけれど、やっぱりその可能性もあったのかな。
11、永野さん設定画
永野さんの設定画、書き込みが面白くてついつい時間をとられてしまう。
アムの胸があるとも書かれていたんだけれど、え……
12、『ダンバイン』の1話目。ショウが寝ることについて、ショウも視聴者も「異世界を承認するための時間」と肯定的な説明文
これ書いた学芸員さん、おそらく富野監督が「ショウを寝かせたのは失敗だった」と言っていたのを踏まえての説明文でしょうね。
13、トカマクを撃墜したの、コンテではダーナっぽいか?
「【ダンバインファンの皆さんへ】誰がトカマクを殺したか」を書いた人間としては、該当シーンのコンテは興味深かった。
明記されていなかったけれど、演出意図を汲み取ろうとすると・マーベルっぽいな。
14、黒歴史鑑賞体験
4面全てキスシーンに囲まれた時は、おじさんなんか照れた。
15、ZZタイトル案
機動戦士ZZガンダム
機動戦士ガンダムZZ
ガンダムZZ
モビルスーツガンダムZZ
の4案あって、富野監督は機動戦士ZZガンダムに蛍光ペンを引いていた。
16、『闇夜の時代劇』での解説文
あの忍者は、富野監督自身ではというのは、かなり鋭い指摘でした。
17、エルガイムタイトル、『スパイラル・ガラ』から『グレイヨン』へ。そして『グレイヨン』の頃から「ヘビーメタル」だった
18、動線にある巨大なシャガールの絵に圧倒された。
19、ジグ・マックのデザイン案に、「こんなの飛ぶか」と富野監督のセルフツッコミ。
20、歴史を持たない新興都市に歴史を偽装する侵略者が舞い降りて「変な戦争」を戦う
説明文、どれも興味深かったけれど、『F91』のこの説明はおおっとなった。
21、「ディアナ」誕生の設定が読める
土重改良、植林・穀物開発。
22、「かぐや姫」「とりかえばや」とあり、最後は「花咲か爺」だったとは
会議メモ楽しかった。
23、『∀』ラストシーンコンテ。
ディアナ様食事シーンで、「リングあり。why I don't Know」の文字。
ソシエが自転車漕ぐシーンでは、「スカートの方がいいか」と。最初、スカートじゃなかったのか!
あのラストシーンはエンドレスで上映されていて、3回も見ちゃったよ。大きい画面で見る機会ないしね。
あそこ、村田さんの「わーーーっ」って叫び声がいいんだよなあ。ホント良い。
ざっと羅列しただけで、こんなところですね。
ところで、最後に。
あのー。非常に自意識過剰で、我ながら気持ち悪い話なのですが……
書くの躊躇われるのですが…
『∀』ラストシーンの展示で、説明に
「奇跡の6分と称される」「奇跡の6分と呼ばれる」って2回書かれているのですが。
あのー。……えー。
最初に称したのも呼んだのも、私だと思うのですが、そこのところいかがでしょうか……
たぶんあのシーンの分数を測って、シーンごとに説明してブログなりなんなりで公開したのって、そしてその文章の中で「奇跡の6分間とも呼べる」って書いたの、私なんですが……
自惚れていいんでしょうか。それとも偶然の一致で、先達がいらっしゃるのでしょうか……


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サンデーうぇぶり

「富野由悠季の世界」展。
福岡会場は急遽フリーになった後でそれどころではなく、静岡はホテル予約までしていたのに新型コロナで飛行機飛ばず。
不貞腐れもしたけれど。やっと、青森会場で見ることができました。2日間で7時間いた。
内容はタイトル通り。箇条書き。順不同。
1、大学時代に脚本・演出・撮影した実写短編『二つの場所』常時上映。
悩む男と、男を励ましつつも最後は力強く歩き始める女。キャラクター造形には、後の富野作品の萌芽が垣間見えるようで面白かった。
んで、女が襲われるカットさ……。『羅生門』ですよね?(笑) さすがに太陽は映してなかったけれど。
2、トリトンのストーリーを変えたことで・虫プロのスタッフから「袋叩きにあった」ことについて、音声ガイドで「フェイクニュース」と断言
これは…ビックリしましたね(笑)。
パンフレットによると(貧乏人には2千円高い…)、音声ガイドも富野監督が手直ししているそうなので、ご本人の言葉と解釈していいんでしょうね。
「袋叩き」が具体的に・どんなことかにもよるけれど。
「虫プロからもう出入り禁止だと言われた」(朝日新聞インタビュー「ガンダムへの出発点(ラララの時代)」)とか、
「虫プロシンパから、徹底的に……それこそ10年以上です、口をきいてもらえませんでしたから」(SF JAPAN VOL.3冬季号)とかおっしゃっていたのは、富野監督ご本人なのですが(笑)。
どういう心情の変化なんだろう。
3、ライディーン企画書に「イデー」の文字。
この頃から。
4、劇場版ザンボット、台本まであった。
台本用意されるくらいまでは進んでいたんだ。
5、劇場版トリトン、富野監督やる気だった? 富野監督による簡単な企画書? あった。
『キャラクターランドVol.2』のインタビューでは、吉田豪さんの(劇場版トリトンについて)「当然、何も知らなかったわけですよね?」という質問に、富野監督は「はい」と即答しているんですよね。
だから、この展示物を見た時も少し驚きました。
6、グフのデザイン原案は富野監督、そして大河原さんが修正
あの、長刀背負っているグフのデザインね。
これは…何が重要かと言うと。ぼくが以前に書いた記事の中で触れた、「ガンダムが背中にサーベルを背負っているのは、佐々木小次郎のイメージから来ている」話。
いやー。あのグフのデザインも富野監督なら、ホントにガンダムも佐々木小次郎をイメージしていたの、あるかもしれないな。
ちなみに富野監督自身は、『時代劇入門』の中で、春日さんの質問に対して「そうです。もちろんです」と即答しています。
7、イデオン発動篇アフレコ台本に書かれている、ある走り書き。
某作曲家さんへの愚痴が。ついでに前作の作曲家さんにまで(笑)。
8、対デレンセン戦闘シーンのコンテあり、欠番内容判明
放送当時さあ…。「あの戦闘シーン分かんねえ」からの、「新規OP、カット部分が使われているな」となって、繋げた有志もいたよね。
なんかもう、懐かしくて。
デレンセンが変形した部分が、カットされていたのか。ベルリの「小手先で変形云々」のセリフで、フォローできるという考えだったんだろうな。
9、宮崎監督を追ったNHKのドキュメント番組への言及
スタッフ向けの資料にあった。宮崎監督も別パートのコンテを参考にしている、ナレーションに誤魔化されてはいけない、など。
さるベテラン演出家さんが著書で、『∀ガンダム』参加時にコンテが直されたことへの不満を書かれていたけれど、それへのアンサー・コンテを直すことの理由が明記されていると思う(『映像の原則』にもあるけれど)。
10、劇場版『G-レコ』演出ミーティングメモに、「1の成績悪ければそれっきり」の赤字
スタッフへの喝なのかもしれないけれど、やっぱりその可能性もあったのかな。
11、永野さん設定画
永野さんの設定画、書き込みが面白くてついつい時間をとられてしまう。
アムの胸があるとも書かれていたんだけれど、え……
12、『ダンバイン』の1話目。ショウが寝ることについて、ショウも視聴者も「異世界を承認するための時間」と肯定的な説明文
これ書いた学芸員さん、おそらく富野監督が「ショウを寝かせたのは失敗だった」と言っていたのを踏まえての説明文でしょうね。
13、トカマクを撃墜したの、コンテではダーナっぽいか?
「【ダンバインファンの皆さんへ】誰がトカマクを殺したか」を書いた人間としては、該当シーンのコンテは興味深かった。
明記されていなかったけれど、演出意図を汲み取ろうとすると・マーベルっぽいな。
14、黒歴史鑑賞体験
4面全てキスシーンに囲まれた時は、おじさんなんか照れた。
15、ZZタイトル案
機動戦士ZZガンダム
機動戦士ガンダムZZ
ガンダムZZ
モビルスーツガンダムZZ
の4案あって、富野監督は機動戦士ZZガンダムに蛍光ペンを引いていた。
16、『闇夜の時代劇』での解説文
あの忍者は、富野監督自身ではというのは、かなり鋭い指摘でした。
17、エルガイムタイトル、『スパイラル・ガラ』から『グレイヨン』へ。そして『グレイヨン』の頃から「ヘビーメタル」だった
18、動線にある巨大なシャガールの絵に圧倒された。
19、ジグ・マックのデザイン案に、「こんなの飛ぶか」と富野監督のセルフツッコミ。
20、歴史を持たない新興都市に歴史を偽装する侵略者が舞い降りて「変な戦争」を戦う
説明文、どれも興味深かったけれど、『F91』のこの説明はおおっとなった。
21、「ディアナ」誕生の設定が読める
土重改良、植林・穀物開発。
22、「かぐや姫」「とりかえばや」とあり、最後は「花咲か爺」だったとは
会議メモ楽しかった。
23、『∀』ラストシーンコンテ。
ディアナ様食事シーンで、「リングあり。why I don't Know」の文字。
ソシエが自転車漕ぐシーンでは、「スカートの方がいいか」と。最初、スカートじゃなかったのか!
あのラストシーンはエンドレスで上映されていて、3回も見ちゃったよ。大きい画面で見る機会ないしね。
あそこ、村田さんの「わーーーっ」って叫び声がいいんだよなあ。ホント良い。
ざっと羅列しただけで、こんなところですね。
ところで、最後に。
あのー。非常に自意識過剰で、我ながら気持ち悪い話なのですが……
書くの躊躇われるのですが…
『∀』ラストシーンの展示で、説明に
「奇跡の6分と称される」「奇跡の6分と呼ばれる」って2回書かれているのですが。
あのー。……えー。
最初に称したのも呼んだのも、私だと思うのですが、そこのところいかがでしょうか……
たぶんあのシーンの分数を測って、シーンごとに説明してブログなりなんなりで公開したのって、そしてその文章の中で「奇跡の6分間とも呼べる」って書いたの、私なんですが……
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