『イデオン』発動篇での、アーシュラちゃん死亡シーンのコンテ [富野監督関係]
どうも。ひと時お付き合いのほどを。
えー。今回はイデオンの話を…
今日、……日付変わって昨日か、
「伝説巨神イデオン」から40年、キャラクターデザイナーの湖川友謙氏が振り返る“あの時代”
という記事が公開されていました。
内容はけっこう、富野ファンなら知っているものが多かったんじゃないですかね。ダイターンの打ち合わせ時に、富野監督から「マズいところ見られちゃったな」と言われたとか。
逆に、富野監督が第6文明人を「地球人より大きく考えていた」というのは初めて聞いたかな。イデオンの内部が完全に人間サイズだったから、ちょっと無理あるよね…
ハルルのデザインに富野監督がリテイクを出した話。「アゴの張った女は嫌い」はこのリポートに詳しく書かれていますね。サンフェス前夜祭の「イデオンナイト!」。
リンク先のレポートでは、「(ハルルで)キシリアに勝ちたかった」とか、ハルルに関してはより深い話が読めます。
ちなみにアゴの線が嫌いとか言いつつ、例の『まるごと富野』では「ハルルが本当に好きで。僕の理想の女なんですよ」とまで言っているんですよ。
「サンライズフェスティバル2010冬銀河」のトークショーでも、理想のキャラとして「キシリアかハルル」と答えています。
まあ、ハルル魅力的だよね…顔は美人だとは思わないけれど(湖川さんいわく・ぼくは「美人をわかっていない」)。
でもルックスに関係なく、魅力的な人物を作り上げるんだから、やっぱりすごいキャラクター造形よ。
だって性格とか言動を羅列すると、全然いい女じゃないよね?(笑)
でも、ハルルのこと好きな男性は多いと思うんだよね。不完全なキャラだからこそ惹かれる、みたいな。
さて個人的に今回のインタビュー記事の白眉は、アーシュラちゃんの首を飛ばしたシーンへの言及でした。
ファンからの非難に対し、「じゃあ、老人の頭が吹き飛ぶならいいんですか?」と聞き返した湖川さん、ペキンパーを彷彿とさせるな…
ペキンパー、『ワイルドバンチ』の流血が多いことへの批判的質問に対して、「人を撃ったら血は流れます」と答えたんだっけ?
いや、話が逸れた。
湖川さんは今回のインタビューで、アーシュラちゃん死亡シーンについてこう言っているのよ。
(コンテに)「本当は首が飛んでもいいんだよな」と、小さなメモがありました。
と。
湖川さんの記憶違いでなければ、このコンテって「放送されない最終回!」と書いてある、幻のTV版43話のコンテだよね(コンテ1コマ目は「42」になっているんだよなあ…)。
この中で、アーシュラちゃんが撃たれたシーンには、あ。ちなみにコンテのアーシュラちゃんは撃たれて、後方に飛ばされています。
ここのコンテには、
(本当は頭なくなるのだろうけれど——)
と書かれています。今回のインタビューで湖川さんが言ったのはコレ。たぶんだけど。
だからTVシリーズの体裁を取っているけれど、最初から劇場版として作られたコンテってことだろうな。そして、実際にそのコンテを元に芝居を付けて作画されている、と。
ちなみに、その証拠でもあるのですが。
この43話絵コンテ、サブタイトル後にマル秘、公開禁止と書かれています。
さらにその理由に、「興業が失敗したら我々はギャラが貰えない」旨があります。今回のインタビューで山浦栄二さんから制作再開の要請があったとは言え、かなり見切り発車ではあったんですかね…
なおこのマル秘なはずのコンテ、見せてもOKな人がいます。
その条件について、以下のように書かれています。
でもコンテみたからってフィルムを想像できない人にはみせてもいいけどね
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