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劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDのアイリス演出 [富野監督関係]

 どうも…新型コロナウイルスの影響で仕事が激減→ブログを書く時間ができる。
 減収…大減収だ……もともと低収入なのに死んじゃう…

 さて、何日か前に前編が公開されていた富野監督×荒木哲郎監督対談、後編が本日公開されました。



富野由悠季はなぜ『Gのレコンギスタ』に、アニメにこだわるのか。「いまだにスペースコロニーを信じている人に“もっと気をつけてほしい”」<劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」 富野由悠季×荒木哲郎スペシャル対談・後編>


 前編も良かったですが、後編はさらに興味深い内容でした。
 特に、EDについて。

 ドリカムの歌『G』につけた映像ですね。


G

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「ベルリ 撃進」EDで使われたアイリスとは


 この対談の中で、興味深かったのが富野監督の次の発言。



 (ブログ主注・当初届いたのはインストだけ、しかも新作作画は起こせない状況で)でも、スピード感だけは映像上でフォローしなくちゃいけない……それで思いついたのが、アイリス(アイリスワイプ)でやるってこと。これならアイリスを動かすだけでスピード感を出すことができるでしょう?



 富野監督が、あのEDに自信を持っていることは、最近のインタビューから感じ取っていた方も多いかと思います。吉田美和に勝つ! みたいな。
 今回も、ご自分から話題をふっているしね(笑)。

 ちなみにキネ旬から出ている『現代映画用語事典』には、「アイリス」について下記のような説明があります。

現代映画用語事典

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 編集の技術。円形マスクの拡大・縮小によって映像の切り替えをおこなうもの。(主に黒味の)円形マスクが徐々に縮小して映像が消えて(黒く潰れて)いくのは<アイリス・アウト>、拡大して映像が現れるのは<アイリス・イン>と呼ぶ。無声映画時代に一般的な技法だった。トーキー以後では、「スター・ウォーズ」(77)で<ワイプ>と共に懐古的に使われてから、古典性を意識しつつ用いられることが多い。(キネマ旬報社『現代映画用語事典』kindle版「アイリス」の項より)


 さらにYouTubeに、アイリスアウト・アイリスインを実際に分かりやすく作っている映像がありました。下です。



 うん、これなら一発で分かるね。


ちょっと古いイメージのあるアイリス


 さて、上に紹介した『現代映画用語事典』の引用箇所で、特に気になる部分は「懐古的に使われる」「古典性を意識しつつ」というところです。

 じつはぼく、劇場版『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」を見る数か月前に、偶然『現代映画用語事典』をパラパラと読んでいまして。

 この「アイリス」の項を読んだ時に、「たしかにクラシック映画では見た記憶あるけれど、最近のアニメじゃないよな。見るとしたら、コメディとかパロ風味の回のオチで・使われている感じ?」などと思っていました。

 上の引用では、もう40年以上前の『スター・ウォーズ』でさえ「懐古的」に使われている、となっているわけだからね。

 だから最近のアニメでは、ストレートに使うことはないよなあ、と思っていました。使うとしたら、テヘペロ感で使うと言いますか(伝わるか?)

 さてそれで、『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDですが。まあインもアウトもしておらず、リンク先の本文にカッコ付であるように「アイリスワイプ」が使われたわけですが。


「ベルリ 撃進」のEDでは、ぼくには「牧歌的」な感じがした


 『Gのレコンギスタ Ⅱ』「ベルリ 撃進」EDにおけるアイリスワイプは、まあ確かに新しい感じはない…。ちょっと古臭い感じが、なくもなかったのですが。それよりも。

 ぼく個人としては、「牧歌的」な鑑賞感があったんですよ。

 それは。今回の対談の中で、荒木監督は「水の玉だったり、ノベルだったり、ボール状のものがたくさん出てくるから」、アイリスは相応しい、とおっしゃっています。


 で、ぼくは「牧歌的」だと思った理由はハッキリしている。

 ぼくはあのアイリスワイプ見た時、もうG-レコ飛び越えちゃって、『∀』の例のシャボン玉思い出しちゃったんだよね、何故か。

 いや、「何故か」じゃないな。アイリスワイプがふわふわ→富野作品で円いものがふわふわ→∀のシャボン玉、っていう。

 だからまあ、ぼくには「牧歌的」だったけれど、やっぱりあれを「ちょっと古いな」と感じた人もいるかな。

 
 ちなみに最近のインタビュー(今回の対談含む)を読むと。
 富野監督が、ああした理由の1つには、最近の映画は黒いバックに・スタッフロールが延々と流れるだけ、って主流に不満があるかららしいけれど。

 そりゃそうだよなあ。正直退屈だもん、あの時間。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の2だっけ? あれは面白かった。見られた。

 だから、EDにも気を使ってくれるのは、視聴者にとってはありがたい。


今回の対談では小津を悪く言っていますが…


 ちなみに今回の対談で、富野監督は小津作品に・批判的に言及しています。

 自分で全てをコントロールしようとする監督の作品は、硬いと。

 まあ小津監督は、



俳優の動きだけではなく視線までも徹底し、監督の納得のいくまでリテイクを繰り返したという。岩下志麻は小津の遺作である1962年公開の「秋刀魚の味」に出演した際、巻尺を手で回すというシーンだけで100回近く撮り直しさせられたという。



 という伝説があるくらいだから…(この話、何かの番組で岩下さん自ら語っていたような)。


 ただ富野監督は私的映画ベスト10の中で、小津監督の『秋刀魚の味』『東京物語』をランクインさせております。

 特に『東京物語』に関しては、「隙のない名作とはこのことだろう。評論する気などはない。映画を目指す人は、時代をこえて観てほしい」とまで言っています。

 ま、今回の対談でも「必ずしもそうではない」と言っているので、小津作品にも失敗作…うまくいっていない作品があるってことなんだろう。

 どっかのウンコみたいなまとめサイトやツイートに、「富野が小津を批判」とか書かれるのも・ファンとして面白くないので。一応書いておきました。
 

 しかし最後の荒木さん演出の10話、富野監督から「ロボットプロレスをやりなさい」(とだけ)言われていたのか。
 だからバックドロップやったのかな(笑)。




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