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ドリカムファンの皆様へ。『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』で、ドリカムが曲を歌う意味。 [富野監督関係]




 えー。
 いつものみなさん、どうも。ドリカムファンのみなさん、はじめまして。

 さてこのたび、ドリカム(「さん」付けるのもなんかおかしよな?)が、劇場版『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』のテーマソング『G』を発売することになりましたね。



 ドリカムがアニメソングを手掛けること自体、珍しいと思いますが…

 アニメに興味がないドリカムファンのみなさんにとっては、「なんかよく知らないけれど、人気がある(らしい)ガンダムってアニメのテーマ曲を手掛けるんだ」くらいの感想で、それよりは「新曲聞ける!」「1年以上ぶりの新曲!」という喜びだと思います。

 もちろんそれで全然OKなのですが、この記事を読んでもらうことで、「そうかあ、その流れの中にドリカムの曲もあるのか」とドリカムファンのみなさんに知ってもらえたら、まあ富野ファンの1人として、幸せと思う次第です。


誰だ富野って?


 さて「ガンダム」って。
 一言で「ガンダム」といっても、ちょっと複雑なんですよ。

 1つの作品を、多くの人が紡いでいる。ペリー・ローダンシリーズのような……

 あっすみません。今の違う。


 えーと。カレーだと思ってください。カレーライス。

 一言で「カレー」と言っても、作っている人によって味が違うじゃないですか。

 ガンダムもそうなんです。監督やスタッフによって、まったく作品のテイストが違うんですよ。ストーリーもキャラクターも世界観も、全く違う。

 で、今月23日に、中村さんのラジオ『ENEOS presents DREAMS COME TRUE 中村正人のENERGY for ALL』に出演する富野由悠季監督って人は、はじめてガンダムを作った人なんです。

 ガンダムって、『ドラえもん』や『進撃の巨人』や『鬼滅の刃』と違って、原作漫画がありません(後年に発売された漫画はうなるほどある)。

 富野監督って人は、監督だけじゃなく、ストーリーラインも作った人なんです。

 あ。
 ちなみに中村さんの妻であるMAAKIIIさんが・以前所属していた「HIGH and MIGHTY COLOR」もガンダムのオープニング曲を歌っていますが、その『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』は、富野カレーではありません。別カレーです。


 さて。
 それでぼくは、「ガンダムシリーズ」が好きなのではなく、「富野作品」が好きなのです。

 なのでぼくの中では、今回ドリカムが曲を歌ってくれる劇場版『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』も、「ガンダム」って流れではなく、「富野作品の最新作」という立ち位置になります。

 ちなみに『Gのレコンギスタ』も独立したカレー……作品なので、他のガンダムシリーズを一切見たことがなくても、まったく問題ありません。


富野監督の「アニソン」への思い


 この話は、富野監督いわく、ですが。
 はるか昔、1960年代とか70年代とか、アニソンはあまり価値を認められておらず、楽曲は「学芸部」あつかいでした。童謡などを扱う部署ですね。(出典・富野由悠季が語る“アニソン”の価値基準の変化

 この話はひょっとしたら、ドリカムファンのみなさんも小耳に挟んだことがあるかもしれません。
もう10年以上前になりますが、『中村正人の夜は庭イヂリ』で富野監督がゲスト出演したことがあって、その時にちょっと喋っているからです。

 富野監督は毀誉褒貶ある人ですが、アニメソングの社会的認知の向上に一役買ったことは間違いないかと思います。
 富野監督自身の言葉を引きます。



アニメ音楽というジャンルが“子ども向け”という認識を受けている状況を突破しなくてはいけない、とも感じていました。(富野由悠季が語る“アニソン”の価値基準の変化



 もう1つ引用。



僕の場合はもうひとつ重要な闘いがあって、アニメのオープニング、エンディング曲はレコード会社、これはコロムビアさんも含めてなんだけど、この時代は また「学芸部」の仕事だったんですよ。つ まりふつうの楽曲扱いじゃないんです。
―完全に子供のものだった。
現に担当者もそういう人が来るので、勘弁してくれよっていう世界でした。これを突破するにはどうするかっていうのから始まってるから、僕の詞のあり方も、そこから逃げ出すために七転八倒してきたってことです。(キャラクターランドVol.2「『海のトリトン』オリジナルサウンドトラック発売記念企画 富野由悠季SPECIAL INTERVIEW)


 さてはて。そんな想いを持つ富野監督の作品ではこれまで、色々な作曲家や歌手が参加してきました。もっとも富野監督は、「自分はキャスティングしていない」旨の発言を何回かしていますが…


 参加してきた作曲家・歌手の中には、もちろんアニメ界の大御所もたくさんいます。
 そして一方では、80年代に入ってから、例えば馬飼野康二さんだったり芹澤廣明さんだったり、いわゆる歌謡曲を手掛けている方も富野作品に参加しています(お2人は『ベルサイユのばら』『タッチ』など、アニソンのヒット曲もありますが)。

 その後も千住明さん、鷺巣詩郎さんなどなどが富野作品の音楽を手掛けてきました。

 また富野監督の映画で言うと、これまでTM NETWORKやGacktさんなんかが主題歌を歌っています。

 ガンダムファン的には、なんと言っても森口博子さんなのですが……


 今回ドリカムさんがキャスティングされた理由を富野監督は、妻の亜阿子さんに相談して決めた、とコメントしています。

 それは事実でしょう。

 しかしぼくには、ドリカムが持つメジャー性と無縁とは思えないのです。

 もう「アニソンの価値を高める」時代ではないでしょう(と、少なくともアニメ好きのぼくは思っています)。

 しかしドリカムが歌うことによって、G-レコは当然、ガンダムやアニメに興味がない層にも、劇場版『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』の主題歌は届く、と。
 『救命病棟24時』は見たことなくても、『朝がまた来る』『何度でも』は知っている、というようなね。


 いやもちろん、ドリカムの曲をきっかけにして、多くの方が劇場版『Gのレコンギスタ』を見てもらえたら、ファンとしてはもっと嬉しいんですが…

 ただ富野ファンの1人としては、かつて富野監督がアニメソングを「子ども向け」から脱皮させようと四苦八苦していて、現在アニソン周りの状況は変われど・その思いが今も息づいているから、今回の超メジャーであるドリカム起用に繋がったと考えているんですよね。

 で。
 ドリカムファンの皆様にも、『G』を聞く時に、富野監督はかつてそんな思いを持っていたんだ、と頭の片隅にでも置いていていただければ、味わいがいっそう深くなるかと思い。
 余計な一文を書いた次第です。


「(起用は)失敗だったかな」の件


 最後に1つだけ。

 劇場版『GのレコンギスタII「ベルリ 撃進」』の初日舞台挨拶で、中村さんが登壇。
 その際に中村さんは、富野監督から「(起用は)失敗だったかな」と言われたことを冗談まじりで話していたようです

 これに関し、ちょっと説明しておきたいと思います。

 アニソンの話とは一見矛盾するようですが、富野監督は作品を作る際に、「子どもに向けて」ということを強く意識しています。

 特に今回の『Gのレコンギスタ』では、その思いが顕著です。
 この作品をヒントに様々なことを考えてほしい、大人になった時に「あ、G-レコのあれはこういうことだったのか」と気付いてほしい、との思いなのです

 だからG-レコ関連のインタビューで富野監督は、「大人は見なくていいから、子どもに見せてほしい」と散々言っています。 

 ドリカムファンの皆様、考えてみてください。
 吉田さんや中村さんが、「今度の新曲、あなたは聞かなくていいから、子どもに聞かせてください」なんてイカレたこと言いますか?

 しかし「子どもに見せたい、見せたい」という思いだけが先走り、機会があるたびに「大人は見なくていいから、子どもに見せてほしい」と富野監督は言い続けるのです。

 だからリンク先の記事にあるように、「若いファン層を取り込みたい」思いから、この発言につながったのだと思います。


劇場版Gのレコンギスタ テーマソング『G』特別サイト



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