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大塚康生さんのドキュメンタリー 映画『飄々~拝啓、大塚康生様~』を見た [アニメ周辺・時事]




 どうも。ひと時お付き合いのほどを。

 前回のブログ記事「『忘れじのカルチャー倶楽部 クラッキクロニクル 〜タイムマシンに気をつけろ!〜』のテーマ「ガンダム」回で、吉田健一さん登場」で、シネフィルWOWOWと契約したことを書きました。

 そのシネフィルWOWOWで先日、大塚康生さんのドキュメンタリー 『飄々~拝啓、大塚康生様~』
が放映されていました。

 当ブログを読んでいただいているような方には、大塚さんは説明不要ですよね。


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 ぼくは不勉強で、この『飄々~拝啓、大塚康生様~』を知らなかったのですが。

 トムス・エンタテインメントが制作した映画で、2015年にイベントで1回、さらに杉並区の映画館1館で1週間だけ上映されたようです。



 これが、かなり面白くて。72分間のドキュメンタリー。

 おおすみ正秋さん、小田部羊一さん、高畑勲さん、田中敦子さん(少佐ではない)、月岡貞夫さん、富沢信雄さん、友永和秀さんなどなど、そうそうたるメンバーがインタビューに答えているのですが。

 最初は組合の話が多くて(笑)。一緒に見ていたけれど・東映動画の例の騒動を知らないぼくのカミさんが、「組合ってなんの組合?」と聞いてくるほど、そのテの話多いの。

 高畑さんや大塚さんが作っていた、社内啓発用の新聞(ガリ版)なんかも映し出されていた。ちょうどその紙面のレイアウトが「飛び降り」していて、仕事柄ちょっと気になっちゃったんだけれど(笑)。

 その新聞では、高畑さんが「副委員長」として囲み記事で紹介されていた。


 あと、おおすみさんが『太陽の王子 ホルスの大冒険』をこき下ろしているところも良かった。


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 「(大塚さんは仲間意識があるから作品を)悪く言えない」
 「支持しなった大衆の方が悪いとか(中略)はっきり言って全然面白くなかったよ」
 「あれは組合万歳で(中略)この世にヒーローはいりませんと(中略)どこが面白いんだよ」

 と散々なの(笑)。
 
 まあぼくは、そこまでツマらないとは思わなかったけれど。冒頭の戦闘シーンの作画とか、素人のぼくでも「スゲー」と思うしね。


 それと、意外だったのが、高畑さんが日本アニメ特有のリミテッドアニメについて、肯定的に言及しているところ。
 しかも流石の・うなる指摘でもありました。
 


 日本のアニメは全然動かない、口パクとあとはポーズで決めていくっていう段階から入っていって、そこから段々動きに目覚めていくんですね、逆に。(中略)
 大塚さんが主張する動きで、というだけでは日本のアニメは発達しなかったんだということを、ちゃんと言っておくのが公平だと思うね。ぼく自身は動かすものをできるだけやろうとしてきた方なんですよ。(中略)動かさないでも表現できる、ということを開発したところに日本のアニメの新しい特長があったんだよね。



 どうですか。これを、あの『かぐや姫の物語 』の監督が言ったのかと思うと(笑)。

 この話の後に、おおすみさんが『巨人の星』の絵について話すのを持ってくる構成も面白かった。1話で一球しか投げないとか。

 あと大塚さん、全般的に饒舌気味だったのに、『リトル・ニモ』あたりから口数少なくなってきた印象あって。


リトル・ニモの野望

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  • 作者: 大塚 康生
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/01/31
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 最後の「まだ描きたいですか」の質問で。あれ、やんわりとだけれどインタビュー切り上げたよね。

 そこらへん、突如訪れた緊張感も良かったです。あのインタビュアーさん、わざとなのか鈍感なのか。


 さてちょっと関連している話で、もう1つ違う話題も書いておこう。

 『飄々~拝啓、大塚康生様~』では、大塚さんが監修を務めた『ルパン三世 風魔一族の陰謀』については、触れられていなかった。この作品には「監督」がいないので、大塚さんはけっこう重要な役割を果たしていたと思うのだが……

 『風魔一族の陰謀』は、山田康雄さん存命中に、山田さんはじめキャストが一新された唯一の作品。

 しかし批判が多く、この一作だけで元のキャストに戻ったらしい。
 詳しくは小黒さんのWEBアニメスタイルなどを。
 
 さて先日、Abemaの番組『声優と夜あそび』のゲストが、その1作だけのルパンこと古川登志夫さんで、この時の心境・そして現在の心境について語っています。




 このYouTube動画は公式です。

 よくこの話題をぶっこんだな、と思うけれども(笑)。古川さんは「(声優の)仕事を辞めたくなっちゃうくらい」だった、と当時を振り返っております。興味のある方は見てみては。


 ちなみにこの動画には含まれていない本放送では、衝撃の事実? も。

 某アニメの主人公、実はCV古川さんで決まっていたそうです。

 それが古川さんを推していたPが諸事情で抜けたことで、別な方に決まったそう。

 古川さん、その作品名を明らかには言わなかったけれども。

 古川さん「昨年、何周年とかで話題になった……」
 谷山さん「あっ。街を…」「掲示板にメッセージを」

 とか、もう作品名を明言するかしないかだけで、視聴者にもはっきり分かったけれども。
 最終的には古川さん、「でも結果的に良かったと思います。彼は事務所名を『冴羽商事』にするくらい、思い入れているわけだし…」みたいなことまで言っていたので(笑)。

 そうかあ。どうなっていたのかな、古川獠だったら。



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