『監督失格』と『ジェニーの肖像』 [映画感想・実況]
どうも。今回もひと時お付き合いの程を。
先日、Netflixで『監督失格』という映画を見まして。

知識としては少し知っていたんですけれども。
林由美香さんというAV女優さんと、AV監督の平野勝之さんの不倫旅行(平野さんが既婚)であるとか、庵野秀明さんがプロデュースをしているとか、林由美香さんが早世されたこととか。
で、その『監督失格』がネトフリにあったので、興味があるので見てみようと。
前半の舞台は北海道なんですよね。
北海道で、林さんと平野監督がサイクリング旅行をするドキュメンタリー。
札幌に住んでいるぼくとしては、また北海道かと。劇場版『テレクラキャノンボール』も北海道だったぞ、と。

AV発で劇場公開され、話題になった2作品がどちらも北海道。
「ダラケ!」(米田さん出産めでたい)の AV監督回だったと思うんですけれども、「九州は淫乱天国。北海道も」みたいなセリフを思い出す。
で、映画の方は・序盤は本当に普通のドキュメンタリーの範囲内で進みます。
しかし物語の中盤から、もうすごい展開があって。
ぼく、この映画を午前2時から見始めて、眠くなったら途中で見るのやめようと思っていたんですけれども、途中で急展開があって、もう見るのやめることはできませんでしたね。
結局午前4時過ぎまで見てた、最後まで。
あの、公式ホームページとかを見ると、監督さんとしては林さんとそのお母さんとの物語を。
まあメインに据えたいみたいな意思もあるようなんですけれども、やっぱり一視聴者から見るとメインは平野監督と林さんの関係であるし。
ちょっと話が逸れるようですが、ぼく『ジェニーの肖像』っていう映画が好きなんですよ。ジェニファー・ジョーンズと ジョセフ・コットンの。
『ジェニーの肖像』って映画は、普通に見ると・まあ他愛もない幻想恋愛映画なんですけれど、ぼくが思うに作家が――劇中では画家ですが、創作者が1つのテーマを見つけていく物語なんですよね。ぼくにすると。
ぼくが『ジェニーの肖像』を説明する時に、はるか前にもこのブログで書いたはずですが、分かりやすく言うと「水島新司先生が野球を見つける映画」って説明しているんです(笑)。
とにかくクリエイターが、一生のテーマを見つける物語なんですよ。
で、『ジェニーの肖像』が「テーマを見つける物語」だとしたら、『監督失格』は「テーマを失う物語」なんだなと。
本当にこの2つの作品は・鏡合わせのようにある作品だなと思って見てました。後半からはね。
北海道での旅行なんていうのはとうに終わって、中盤から違う展開に進んでいくわけですけれども、一人の映画作家がテーマを喪失していく過程を、こうも密着して描いたかっていうのにすごく衝撃を受けましたね。
何かものを作っている人とか、それか物を作ることに憧れている人とかは、Netflixに契約していて気軽に見られる環境だったら、必見の映画だと思います。
最初の1時間も面白いですけれど、後半はちょっと胸に迫るものがありましたね。
で、このブログ的に言うと。
ほら、皆さんにとっては・お別れの時に叫びながら自転車に乗るって儀式は、馴染みのあるものじゃないですか。『∀』の最終回で。
同じシーンが見られますよ。自転車に乗ってるのは美少女じゃなくて、おじさんですけれども。
その最後のシーンがですね、視聴者が持つのは単純な感情じゃなくて。
平野監督、腰をかなり痛めているんですよ。その姿がですね、ご本人には申し訳ないんですけれど滑稽なんですよね。
その滑稽さの上に、色んな感情が乗っかって。
滑稽さが、(平野監督だけではなく)人間らしいな。
こんな場面でも、ただ悲しいだけじゃなく、滑稽さとか格好悪さがつきまとう。
でもそこが、人間じゃないですか。
あんまり好きな言葉じゃないけれど、談志師が落語を言うところの「業の肯定」じゃないですか。
いや、良い映画でしたよ。
先日、Netflixで『監督失格』という映画を見まして。
知識としては少し知っていたんですけれども。
林由美香さんというAV女優さんと、AV監督の平野勝之さんの不倫旅行(平野さんが既婚)であるとか、庵野秀明さんがプロデュースをしているとか、林由美香さんが早世されたこととか。
で、その『監督失格』がネトフリにあったので、興味があるので見てみようと。
前半の舞台は北海道なんですよね。
北海道で、林さんと平野監督がサイクリング旅行をするドキュメンタリー。
札幌に住んでいるぼくとしては、また北海道かと。劇場版『テレクラキャノンボール』も北海道だったぞ、と。

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AV発で劇場公開され、話題になった2作品がどちらも北海道。
「ダラケ!」(米田さん出産めでたい)の AV監督回だったと思うんですけれども、「九州は淫乱天国。北海道も」みたいなセリフを思い出す。
で、映画の方は・序盤は本当に普通のドキュメンタリーの範囲内で進みます。
しかし物語の中盤から、もうすごい展開があって。
ぼく、この映画を午前2時から見始めて、眠くなったら途中で見るのやめようと思っていたんですけれども、途中で急展開があって、もう見るのやめることはできませんでしたね。
結局午前4時過ぎまで見てた、最後まで。
あの、公式ホームページとかを見ると、監督さんとしては林さんとそのお母さんとの物語を。
まあメインに据えたいみたいな意思もあるようなんですけれども、やっぱり一視聴者から見るとメインは平野監督と林さんの関係であるし。
ちょっと話が逸れるようですが、ぼく『ジェニーの肖像』っていう映画が好きなんですよ。ジェニファー・ジョーンズと ジョセフ・コットンの。
『ジェニーの肖像』って映画は、普通に見ると・まあ他愛もない幻想恋愛映画なんですけれど、ぼくが思うに作家が――劇中では画家ですが、創作者が1つのテーマを見つけていく物語なんですよね。ぼくにすると。
ぼくが『ジェニーの肖像』を説明する時に、はるか前にもこのブログで書いたはずですが、分かりやすく言うと「水島新司先生が野球を見つける映画」って説明しているんです(笑)。
とにかくクリエイターが、一生のテーマを見つける物語なんですよ。
で、『ジェニーの肖像』が「テーマを見つける物語」だとしたら、『監督失格』は「テーマを失う物語」なんだなと。
本当にこの2つの作品は・鏡合わせのようにある作品だなと思って見てました。後半からはね。
北海道での旅行なんていうのはとうに終わって、中盤から違う展開に進んでいくわけですけれども、一人の映画作家がテーマを喪失していく過程を、こうも密着して描いたかっていうのにすごく衝撃を受けましたね。
何かものを作っている人とか、それか物を作ることに憧れている人とかは、Netflixに契約していて気軽に見られる環境だったら、必見の映画だと思います。
最初の1時間も面白いですけれど、後半はちょっと胸に迫るものがありましたね。
で、このブログ的に言うと。
ほら、皆さんにとっては・お別れの時に叫びながら自転車に乗るって儀式は、馴染みのあるものじゃないですか。『∀』の最終回で。
同じシーンが見られますよ。自転車に乗ってるのは美少女じゃなくて、おじさんですけれども。
その最後のシーンがですね、視聴者が持つのは単純な感情じゃなくて。
平野監督、腰をかなり痛めているんですよ。その姿がですね、ご本人には申し訳ないんですけれど滑稽なんですよね。
その滑稽さの上に、色んな感情が乗っかって。
滑稽さが、(平野監督だけではなく)人間らしいな。
こんな場面でも、ただ悲しいだけじゃなく、滑稽さとか格好悪さがつきまとう。
でもそこが、人間じゃないですか。
あんまり好きな言葉じゃないけれど、談志師が落語を言うところの「業の肯定」じゃないですか。
いや、良い映画でしたよ。
2018-07-18 19:42
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