宮崎監督による高畑監督への追悼文が『太陽の王子 ホルス』に多く触れていた理由、そして富野監督が語る高畑作品 [富野監督関係]
えー。どうも。
ひと時お付き合いのほどを。
先週、高畑勲監督の「お別れ会」が開かれ、宮崎駿監督が追悼文を読み上げました。
ニュースサイトの要約によっては、ちょっと「?」となる部分がありましたが(「パクさん」の由来とか、明らかに要約がおかしいせいで意味が変わっていたサイトあったぞ)、のちに全文がネットにあげられ一般のファンも読めるようになりました。
意外というか、もっともと言うべきか、追悼文で語られる思い出の多くは『太陽の王子 ホルス』の時代のものでした。
『ホルス』制作当時の状況を全く知らなくても、あの追悼文全文を読むと・胸に迫るものがあります。
しかし少しでも背景を知っていると、さらに心が揺さぶられます。
そこで、ぼくが説明しよう……というわけではありません。そんな図々しくはない。
なにせぼく自身、AmazonPrimeにあったので『太陽の王子 ホルス』を見たのは去年なのですから…
ちなみにぼくは短く感想を「砂嵐のシーン、雨のシーン。ホントすごいわ。動くところは、見ているだけで楽しい」と書いているな…
ではこの記事では何を書くかというと、ネット上でタダで読めて・そして当時の様子を知ることができる文献を2つ、紹介しようという趣向です。
まず1つ目は、小山昌宏さんによる「宮崎駿・高畑勲を生んだ東映動画60年代問題史!」です。
このコンパクトな文章を読むと、東映動画の黎明期から、会社と労組の対立、そしてスタッフが『ホルス』に全力で取り組んだ理由、などの流れが理解できます。
もう1つは、山口康男さんによる「講演記録テキストシリーズ 歴史編①なぜアニメ産業は今の形になったのか~アニメ産業史における東映動画の位置付け~」。これはPDFです。
このテキストでは、スタッフがどのような思いを持って作ったか、また『ホルス』でも社内が一枚岩ではなかったことなどが記されています。
この2つを読んでから、あの宮崎監督の追悼文全文を読むと、「僕らは精一杯、あの時を生きたんだ」という言葉がいっそう重く迫るのではないでしょうか。
さてこのブログらしく、富野監督にも触れておこう。
フジTVの「ノンストップ!」がコメントをとったり、ネットでも「富野由悠季が語る『ガンダム』のリアルを生んだ“高畑勲イズム” 「高畑さんは僕にとっても師匠」」などの記事が出た。
で、『キネマ旬報』の6月上旬特別号。
見開き2ページだけれど、この富野インタビューも良かった。
この中で特に個人的に嬉しかったのは、『赤毛のアン』を「一つの到達点」と評しているところ。
実はぼくは、勿論ハイジも三千里も素晴らしいけれど、アンはもっと良いと思っているのだ。
グリーン・ゲイブルズへの道を馬車が飛ぶOPからして素晴らしい。
と、かねがね思っていたので、富野が『アン』を到達点・さらには「舌を巻くぐらいの名作」と語ったこと、そしてOPを高評価していることに・わが意を得たりと感じました。
またメイン声優3人のキャスティングも褒めていますが、富野作品に出演しているのは山田栄子さんだけかな……?
そもそも訃報に関するインタビューってこともあって、普通の富野のインタビューでは話題に上がらないような小田部さんや近藤喜文さんの名前も出て、後半は正直ちょっとしみじみしながら読みました。
また『火垂るの墓』からの映画より、それより前のTVシリーズを富野がかっていることも、またその理由も納得できました。
ぼくには富野が、高畑監督には芸術家ではなくて・アニメ監督としていて欲しかったのだろうな、と解釈できました。
※全く関係ない蛇足
エッセイ漫画かと思って、畑さんの『トニカクカワイイ』を買ってしまった。「結婚から始まるイチャ×2ラブコメディー」とか帯にあるからさあ……
エッセイ漫画じゃなかった…面白かったけれど、ヒロインの顔見てても・浅野さんの顔がチラつく(笑)。
しかしもうこれ、アニメ化されて・ヒロインを浅野さんが演じないかな。
知らんけれど翼やコナンくんは作品がきっかけだろうし(アンソニーも?)、川村さんがラキシスの声アテたのは結婚前だしね。
レアケースになるのではあるまいか。
ひと時お付き合いのほどを。
先週、高畑勲監督の「お別れ会」が開かれ、宮崎駿監督が追悼文を読み上げました。
ニュースサイトの要約によっては、ちょっと「?」となる部分がありましたが(「パクさん」の由来とか、明らかに要約がおかしいせいで意味が変わっていたサイトあったぞ)、のちに全文がネットにあげられ一般のファンも読めるようになりました。
意外というか、もっともと言うべきか、追悼文で語られる思い出の多くは『太陽の王子 ホルス』の時代のものでした。
背景を知っていたら、あの追悼文はもっと胸にしみる
『ホルス』制作当時の状況を全く知らなくても、あの追悼文全文を読むと・胸に迫るものがあります。
しかし少しでも背景を知っていると、さらに心が揺さぶられます。
そこで、ぼくが説明しよう……というわけではありません。そんな図々しくはない。
なにせぼく自身、AmazonPrimeにあったので『太陽の王子 ホルス』を見たのは去年なのですから…
ちなみにぼくは短く感想を「砂嵐のシーン、雨のシーン。ホントすごいわ。動くところは、見ているだけで楽しい」と書いているな…
ではこの記事では何を書くかというと、ネット上でタダで読めて・そして当時の様子を知ることができる文献を2つ、紹介しようという趣向です。
『ホルス』に全力で取り組んだ訳
まず1つ目は、小山昌宏さんによる「宮崎駿・高畑勲を生んだ東映動画60年代問題史!」です。
このコンパクトな文章を読むと、東映動画の黎明期から、会社と労組の対立、そしてスタッフが『ホルス』に全力で取り組んだ理由、などの流れが理解できます。
もう1つは、山口康男さんによる「講演記録テキストシリーズ 歴史編①なぜアニメ産業は今の形になったのか~アニメ産業史における東映動画の位置付け~」。これはPDFです。
このテキストでは、スタッフがどのような思いを持って作ったか、また『ホルス』でも社内が一枚岩ではなかったことなどが記されています。
この2つを読んでから、あの宮崎監督の追悼文全文を読むと、「僕らは精一杯、あの時を生きたんだ」という言葉がいっそう重く迫るのではないでしょうか。
富野監督が語る高畑勲
さてこのブログらしく、富野監督にも触れておこう。
フジTVの「ノンストップ!」がコメントをとったり、ネットでも「富野由悠季が語る『ガンダム』のリアルを生んだ“高畑勲イズム” 「高畑さんは僕にとっても師匠」」などの記事が出た。
で、『キネマ旬報』の6月上旬特別号。
キネマ旬報 2018年6月上旬特別号(追悼・高畑勲) No.1780
- 作者:
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2018/05/19
- メディア: 雑誌
見開き2ページだけれど、この富野インタビューも良かった。
この中で特に個人的に嬉しかったのは、『赤毛のアン』を「一つの到達点」と評しているところ。
実はぼくは、勿論ハイジも三千里も素晴らしいけれど、アンはもっと良いと思っているのだ。
グリーン・ゲイブルズへの道を馬車が飛ぶOPからして素晴らしい。
と、かねがね思っていたので、富野が『アン』を到達点・さらには「舌を巻くぐらいの名作」と語ったこと、そしてOPを高評価していることに・わが意を得たりと感じました。
またメイン声優3人のキャスティングも褒めていますが、富野作品に出演しているのは山田栄子さんだけかな……?
そもそも訃報に関するインタビューってこともあって、普通の富野のインタビューでは話題に上がらないような小田部さんや近藤喜文さんの名前も出て、後半は正直ちょっとしみじみしながら読みました。
また『火垂るの墓』からの映画より、それより前のTVシリーズを富野がかっていることも、またその理由も納得できました。
ぼくには富野が、高畑監督には芸術家ではなくて・アニメ監督としていて欲しかったのだろうな、と解釈できました。
※全く関係ない蛇足
エッセイ漫画かと思って、畑さんの『トニカクカワイイ』を買ってしまった。「結婚から始まるイチャ×2ラブコメディー」とか帯にあるからさあ……
エッセイ漫画じゃなかった…面白かったけれど、ヒロインの顔見てても・浅野さんの顔がチラつく(笑)。
しかしもうこれ、アニメ化されて・ヒロインを浅野さんが演じないかな。
知らんけれど翼やコナンくんは作品がきっかけだろうし(アンソニーも?)、川村さんがラキシスの声アテたのは結婚前だしね。
レアケースになるのではあるまいか。
太陽の王子ホルスの大冒険 (スタジオジブリ絵コンテ全集第二期)
- 作者: 高畑 勲
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/07/23
- メディア: 単行本
キネマ旬報セレクション 高畑勲 「太陽の王子 ホルスの大冒険」から「かぐや姫の物語」まで (キネマ旬報ムック キネマ旬報セレクション)
- 作者:
- 出版社/メーカー: キネマ旬報社
- 発売日: 2013/11/18
- メディア: ムック
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