『デビルマン』は連載が続いていたら、牧村美樹はああなっていなかったかもしれない。それと永井先生による『DEVILMAN crybaby』感想 [アニメ周辺・時事]
どうも。今回もお付き合いのほどを。
文字起こし回ですが。
ラジオ番組『伊集院光とらじおと』2月21日放送回のゲストが永井豪さんでした。
ぼくは過去のTVアニメもそうだし、今話題の『DEVILMAN crybaby』も見ていないのですが。
漫画はもちろん読んでいる。教養として…
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伊集院さんとの話の中で、ちょっと面白いところがあったので文字起こしして残しておこうと思う。
伊集院さんと永井さんが近所同士とは。
当ブログで「さらうアニメ史 日本でのアニメの誕生~2010年」を書いた時に調べて、デビルマンがアニメと漫画の同時進行(アニメありき)でスタートしたことは知っていたんだが、終りもまたアニメが終了したため漫画も終りとは知らなかった。
ファンには常識なのでしょうが。しかし今では信じられんシステムですね。
では、ちょっと長いけれどテキトー文字起こしです。永井さんの発言部分のみ。
あ、一応ネタバレあるけど。有名だよね? まあどうしても嫌な方はスルーを。この記事のタイトルでもう駄目だろうけれど。すまんな。でも話したのは永井先生ですから。
最初に東映動画、当時東映動画と言ったんですけど企画部長からお話しいただいて、当時連載が途中で終わった魔王ダンテって作品があったんですね。
それがあの、雑誌がなくなって終わったんですけども、悪魔ものってテレビでありませんから企画立てませんかって言われて。
当時のアニメって本当に幼い子向けの可愛らしいものが多いので、そんな悪魔ものの番組なんか作れるのかなと半信半疑で、でもせっかく来ていただいたから作ろうと思って。イメージに沿ってキャラクター作ったんですね。
そしたらもうこれ主人公としては怖すぎますのでアメリカンコミックのヒーローみたいなもの作れませんかって言われて、魔王ダンテから二転三転してデビルマンのスタイルを作ったんですね。
(伊集院さんが、〔先方の〕ニーズも入れながら、譲れない個性も入れるじゃないですか、と)
パンツはかしてくれって言われて仕方なくパンツはかせたんですけれど。獣の姿だったんですけれど、仕方がないかということで妥協したんですけども、いざ漫画で描く時になったら少年マガジンという舞台になったので、スーパーマンみたいなパンツはいてるヒーローじゃ無理だなと思って元の狼男みたいな。 下半身毛だらけのキャラクターにして、尻尾まで付けて(笑)。
全然違う大人向けの作品にしますからということでOKをとったんですよね。
(アニメではややソフトにしたのを、漫画になったらハードに行こうという形。マガジンは大人も読んでいたから、もう1度内容をハードにしたと伊集院さん。「原作のストーリーどうかしてますよね?」)
そうですね(笑)。あれはね、本当はもっと長く自分で膨らましてやるつもりで、ストーリーをどんどんどんどんスケールを大きくしていったんですね。
そしたらテレビが予定より早く3クールで終わることになってしまって、そしたらマガジンの方もテレビがやるからってことでやった条件だったので、終らせてほしいっていうふうに言ってきたんですよね。
そしたら今度膨らませたストーリーをまとめることができないなと思って。
どうしようかと思った時に、端折るための、ストーリーを端折るための手法がいるなってことに気がつきまして。突然登場人物の飛鳥了が読者に語りかけるような形で。
(衝撃的だった、と該当のコマを説明する伊集院さん。ところでツイッターで指摘を読んで気付いたのですが、「やあ諸君 とうとうここまで わたくしの話を きいてしまい ましたねえ 」って読者に語り掛けてきているの、了じゃなくて明だよね…)
これから起こることは、一気にすごいことが起こりますよと宣言しようと思って。
どんどんたたみ込むための前振りとして、ただの物語でなくあなた達にもふりかかりますよってことを表明してる回なんです。
(伊集院さんは、素人は制限があるから・もっと自由だったらって思うんですけど、制限がある中で出していることがあとあと凄いことになった、と理解)。
そうですね、どこかでそういった枠をぶち破らなければというのは常に思っていましたから、ダメって言われたことをじゃあやってみようって(笑)、反骨精神というのがありまして。
ことに、最終回直前ぐらいでヒロインが殺されてしまうんですけども、その先に連載続く予定であればできないことだったと思うんですよね。
あそこで終わって、読者の抗議が来た頃はもう終わってるから(笑)
以上です。
つまり、漫画がまだ続いていたら、美樹ちゃんは違う結末を迎えた可能性もあったのかな。
それともちょっと先延びしただけで、結果は同じだったのか。未完になっている可能性もあるけれども。
ついでに、原作者ご自身の『DEVILMAN crybaby』の感想も文字起こししておきます。
伊集院さん
「『DEVILMAN crybaby』との関わり方は?」
永井さん
「過去に描き終えてますので、45年経っていますから好きにやってほしいということでね。現代の空気を知っている人が、今風に作り直してくれれば構わないのでということで。
だからどんな風に書いても納得しますから、ということで全くタッチしないことにしたんです。
でも作ろうと言ってくれる方が、それぞれ自分のオリジナリティを出したい思うんで、それを引き出させてあげた方があれこれ注文つけるよりは情熱をもって作ってくれるだろうということがありまして。
ですからもう本当にあなたの好きでいいんですよってことで湯浅監督にお任せしました。
面白かったですね。表面的に変わっていることがたくさんあるんですけれども、芯の部分というか、伝えたいことはちゃんと伝わっているし、押さえたいところは押さえてくれているので大変納得しました」
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