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『Gのレコンギスタ』(Gレコ)5話感想・レビュー。後半編。嶋村侑さんの演技に痺れるの巻。 [富野監督関係]

 さて、5話の後半です。

 ベルのパイロットスーツ・首の部分に付いているウサギのマークに目がいきますね。

 あれを付けたのがノレドだったら、ますます株が上がってしまう。アイーダ派のぼくはいったい…

 偶然会い、見詰め合うアイーダとベル。アイーダの冷たい表情。
 無言でも心情は雄弁です。


 メガファウナの羽のような構造、面白いなー、ユニークだなーと思ったけれど、『リーンの翼』でもあったっけ? 忘れちゃった(愛情ねーな)。

 天才ニッくんに艦の防衛・要するに邪魔だから出てくるなと言われるアイーダ様。
 当然拗ねます。

 メカニックには対艦ライフルの使用を止められるアイーダ様。
 当然言うことを聞きません。

 その視線の先には、コアファイターとG-セルフのセンサー合わせを終えたベルリを捉えます。

 「人助けなどあてにしません!」

 怒った表情が、やっと可愛らしいと言えば可愛らしいシーンか。 「人助けなどあてにしません」って言葉、ちょっとヘンな気もするけれど…戦場だからね!

 上空から迫ってくる3機に、アイーダは「当たれ!」。

 しかし、視聴者には当たる気がしないはずです。

 敵は上空から来ているのに、射撃するアイーダの顔は正面を向いていて、白い効果線も縦ではなく横に流れているから。
 これ、わざとだよなー。

 
 マスク部隊、襲撃。1機と思っていたら、その後ろに複数。古(いにしえ)の戦法、ジェットストリームアタック。

 エルフ・ブルックが変形して、背景色が変わります。
 この演出、アブノーマルカラーって言うんだね

 前にも書いたけれど、個人的にはこの演出、1話につき1回でいいな…くどい。

 で、エルフ・ブルックの変形シーンで、ぼくは『Z』のアッシマー変形を思い出した。

 あの時クワトロさんは変形に驚いたけれど、天才ニッくんは「変形して武器なしでくるとはなぁ!」

 ニッくん余裕だ! 赤い彗星よりスゴイぞ!

 でもミサイルは打ち落とされ、ビームも中和されちゃったぞ?

 なんかこの戦い。
 ニッくんはまた苦戦に陥るし、マスクは決め台詞と共に放った拡散ビームが全くあらぬ方向に飛んでいるし、どうもどちらもイマイチ感が…

 一方、直撃できずにヒスるアイーダ様。『アリア』のギンジだったら、ヒスれば強くなるのにね。

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 艦長の命令も拒否するアイーダ。使いづれークルーだな。


 ベルが水の球を落とし、浸水しちゃうエルフ・ブルック。

 エルフ・ブルックの強度・機密性に問題があると見るべきか、それほどの威力で水が放出されたと考えるべきか。
 ※追加。コメント欄でご指摘あった通りですね。

 Gレコは、「兵器以外の武器を使う」ってのがテーマの1つなのかね?

 前回でもビームライフルを投げ捨てるシーンがあったし。というか初回からそうだったな…

 でも結局、別な力を使って・例えば謎の超パワーだったり水の珠だったりで敵を撃退するわけで、しかもやっぱり死人は出るわけだし、武器を使わずに戦おうとした瞬間から、矛盾が生まれるわけですよね。

 もちろん制作者側は、それを承知で描いているはずです。
 

 ベルはコアファイターをG-セルフにドッキングさせます。
 パイルダーオン、シュートイン、なんでもいい、子ども向けロボットアニメはやっぱり操縦席がロボットにドッキングだ。挿入するんだ! 男の子は挿入大好き。

 で、はさまっているハッパさん。

 このアイディア、富野は興奮気味に話したそうですが、「機体の外にしがみついている」と誤解した人もネット上では散見するような…

 キャノピーの外、広く言えばコックピットの中ですよね、ハッパさんがいる場所は。
 構造については、安田さん曰く、以下の通りです。


 監督の原案を見たとき、コックピットの中でコア・ファイターのキャノピーが開いているんですよ。これはクレイジーかと思っちゃったんですよ、残念ながら。でも後で考えると、G-セルフに収納されているときはキャノピーを開いてスペースを広くして、脱出するときに閉じればいいんだって意味がわかった。
 
  
 「一撃離脱! 45秒間なら飛べる!」

 このハッパさんの言葉を聞いた時、ファーストの。ガンダムがジャンプでマゼラトップを斬っていく戦法を思い出したのはぼくだけか?

 しかし今回は、同じ描写ではなかった。

 と、その前にベル、(モンテーロの頭を取られて、何が天才パイロットだ)と胸中で愚痴ります。
 でもコレ、アブノーマルカラーで処理する必要あったのかな…背景作画の省略なのかな。

 で、ジャンプした(アイーダ様いわく「飛んだ!」)G-セルフは、敵のビーム攻撃を防ぎ・さらにビームサーベルの刃を伸ばして、一撃でエルフ・ブルックを退けます。

 ここのビームサーベルの描写は、まあ別の回でもすでにあったけれど、「富野の理想とすべきビームサーベルの描写がやっとできたなー」という感じですね。
 斬る時だけ、ビームの刃が見える。

 ちなみにルイン…じゃない、マスクは「あのビーム、伸びたか? あんな性能、調査部のクンパ・ルシータ大佐からも聞いていない」と呟きます。

 ぼく、メカには全く興味がないのであやふやな知識だけれど、確かビームライフルよりサーベルの方が技術力必要なんだよね? ビームを一定の形状で固定しなければならないので。

 「出力を調整してビームサーベルの刃部分を短くしたり長くしたりする」ってのは過去作品で描写があるわけで、つまりこの世界は宇宙世紀より遥かに未来なのに、MSに関する技術は後退しているわけですね。

 さて。

 伝説の英雄、アムロ・レイは何度もガンダムをジャンプさせることで「飛び」、複数の上空の敵を殲滅しました。

 新生の天才、ベルリ・ゼナムは飛行ユニットがないのに大ジャンプで「飛び」、ワンチャンスで上空の新型機を退けました。

 形は違えど、2人とも主人公だ。

 そして陰の主役のナッパさん。コメディリリーフとして活躍しました。

 まあハッパさん危ないなーって気もするけれど、戦場だからホラ、戦艦にいても死ぬ時は死ぬから…特に今回の状況だと危険度はあまり変わらない気もするし。

 飛行ユニットがないのに飛んだベルに刺激されたのか、アイーダ様のアルケインもやっと滑空して、G-セルフをキャッチします。

 今回の裏ストーリーは、明らかに「うまくいかないアイーダ」を描くことにあるので、まあここが唯一プラスのシーンかなあ。アイーダ様にとっては。

 そして今回、一番シビれたのが、アイーダ様がベルにお礼を言うシーン。

 安彦さんが昔、「富野さんのキャラは腹芸をする、セリフと本音が違う」みたいなことを言っていたけれど、このシーンもその代表例みたいなものです。

 そしてこのシーンはやっぱりねー、嶋村さんですよ。シロウトのぼくが言うのもナンですが、素晴らしいのは。

 礼をしているのに、それが「仕事」として言っていることが、ちゃんと伝わってくる!
 誰だ、「声優にスキルっているの?」とか抜かした人間と、抜かした某金持ちにそんなバカな話を吹き込んだ元オタクは。

 アイーダ様は仕事として言っているんだ・女王として自分の気持ちを押し殺しているんだ、ってのが言葉から伝わってくるのは、ホントに「いやープロの声優だな、耳福(眼福みたいな感じ)だな」と思いましたよ。

 ここは、笑顔が張り付いたようなアイーダ様の表情作画も、素晴らしいのですが。

 最後のアイーダ様が泣くシーン、「余計、なくてもアイーダの気持ちが伝わる」または「やっぱりアイーダはこんな気持ちだったんだ」と思った人は、大勢いらっしゃると思います。

 その功績は「仮面(本当のマスクのことじゃないよ)をかぶっていることが視聴者に伝わる作画」と、「無理して言っていることが分かる嶋村さんの演技」、そしてこの直後のアイーダ様の表情にあると思います。

 まだ続く、嶋村さんの絶妙演技と卓越の絵。 
 ぼくオッサンだから、神演技とか神作画なんて言葉は使わないよ。今ここで使ったら、スゴイ楽だけれど…

 ベルリ「ぼくらだって死にたくありませんから。おあいこでしょ?」

 アイーダ 「おあいこ? そうですね…」
 そしてこの表情!
おあいこ?.JPG
 
 「そうですね」の部分が小声になり、ちょっと早口になるんですよね。

 早口にしないと、自分の気持ちがこぼれそうになるから。


 これはねー。ホントいい。
 
 アニメ好きで良かったなー、と実感できるシーン。こういう演技を聞けたり、言葉より雄弁な表情を絵で見たりできるから、アニメって見る価値あるよな。

 もちろんカーヒルを失ったアイーダにしてみれば、全然「おあいこ」じゃないんですよ。

 1・2話のアイーダ様なら、ここで感情を爆発させていたかもね。
 でも成長しているんです。

 ヒロイン、三日会わざれば刮目して見よ!
 
 このシーンが素晴らしいから、後の泣きながらの「自分の気持ちの説明」がいらないんじゃね? と思えちゃうんだよね。
 まあここら辺は、親切なんですよ、Gレコは。ニヤニヤ。

 ちなみに「泣きながら好きな男の名前を呟いて、それでも女王たらんとする」アイーダを見ていると、面白い髪型をした異世界の女王様を思い出しちゃうくらいには富野作品好き。

 この後、ベル、ノレド、ラライヤの3人がハンバーガーと野菜スティックなどを食べていますが、これ多分アレです、富野作品史上最もおいしそうな食事です。

 ハンバーガーを食べたベルは、指を舐めています。
 指を舐めるほどおいしそうな食事が、富野作品に出てくるなんてね! ハンバーガーだけれど… 

 







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コメント 2

NO NAME

水が浸水してきたのはたぶん
ジャベリンが刺さったからだと思います
by NO NAME (2014-11-02 13:19) 

坂井哲也

あ、そうですね。ニックの功績を忘れていました(笑)。

ご指摘ありがとうございます。
by 坂井哲也 (2014-11-02 14:18) 

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