NHKラジオ 渋谷アニメランド「今、ガンダムから送るメッセージ」 富野発言部分全文字起こし(倉田さん・吉崎さん編・1) [富野監督関係]
1人目のゲスト大平さん、終了。
音楽の時間。ガンダム好きな番組Dが選ぶガンダムソング。
まずVガンの前期OP。Vガンは吉崎さんが小学生、宇野さん・司会は中学生時代にリアルタイム視聴。話をふられる富野。
富野
これねぇ…(ゴメンねぇ?)(会場笑)
そういうことで言えば、この作品に関しては本当に嫌な思い出しかなくて(会場笑)、あの、まさに、えーとフリーのアニメ制作者というか、原作者、の立場にたっていても、スポンサーにそう言われたらそのように作るしかなかったっていう典型的な作品ですから。
と言いながら、いや、それが味なんですよねって言うバカも現れるわけで、困ったなあっていう風に本当に、あのいまだに、あの自分の中でいまだにおさまらない。
2曲目はGガンED。
Gガンで作品を手放したのは? と司会が質問。
富野
いやいやいや、だってぼく基本的に、機動戦士ガンダムっていう著…タイトル権とか著作権とか原作権はあの、一括買取の時代でしたから、あのー、そういう権利を持っている人が、次はべ…あの誰それで作るぞみたいな話があっても、それは断る権利がぼくにはないから。
で、そうなのそうなのって話だけです。だからこれがあのー、初めて、ぼく以外の人がガンダムをやったんだけれども、ただ、えー今川監督については、だったら次にやるのは、ぼくの次にやるのは今川しかいないよっていうのはぼくが指名しました。
次は『水の星へ愛をこめて』。
司会が、歌手のキャスティング権は監督にあるのか質問。
富野
ほとんどないです。ほとんどなくって、やっぱりその時その時に、それこそあの、使える人、手伝っていただける・人がこな、来ない限りできないから、ぎゃ…こちらから指名するということができるだけのつまり力がない。そういうことですね。
だから森口さんにとっては良かったかもしれないと、想(そう)…いや、ご本人も必ずしもあの本人同士の話をしている時に要するにいい話しかしてくれないから、なんだけど、どこまで、良かったかどうかっていうのはかなり怪しいと思います。
「由悠季の部屋」2組目のゲスト。
現代美術家の倉田光吾郎さん、ヒューマノイド用インターフェースソフト開発者の吉崎航さん。
2人は内部で人が操縦する巨大人型ロボット「クラタス」を製作した。
2人による「クラタス」の説明。最初に倉田さん、次にOS・操縦システム担当の吉崎さん。
富野
OSってなんですか?
パソコンにおけるwindowsみたいなものなんですが…と吉崎さん。30センチから4メートル、様々なサイズのロボットに共通して使える旨を説明。
吉崎
これを今、OSと呼んでいます。
富野
OSと呼んでいる。とういうことはあの、V-Sido。
吉崎
V-Sido。
富野
っていうのが
吉崎
はい。
富野
それに相当する。
吉崎
それに当たります。
富野
だけどそうなってくるともう、すでに根本的に分からないことが出てくるんだけれども、30センチとうーん4メートル
吉崎
はい。
富野
だとすると、それぞれのパーツ、の移動距離っていうのは本質的に違うじゃないですか。
吉崎
違います。
富野
その距離の違いみたいなことも、そのなんて言うの、瞬間的に、えー識別できるようなプログラミングができるっていうこと?
吉崎
その通りです。しかもその瞬間的にっていうところが仰るとおり非常に重要で。
富野
はい
吉崎
全くその今のコンピューターだとスピードが遅いので、もうスーパーコンピューターみたいなのを使わないと計算できないだろうって話になっちゃうんですが
富野
(笑いながら)うん。
吉崎
それをそのノートパソコンでできるようにもう1から組み直して。
富野
あ、なるほどね。って迂闊に言っちゃいけないんだ。
ここで司会から吉崎さん・倉田さんの歩みの説明。
倉田さんのトーク。
4脚でロボットを作る理由。倉田さんと吉崎さんの出会い、共同制作に至るまで。
富野
いや、とてもよく分かりました。あの倉田さんの話をしますと、実を言うととてもキライ、キライなんです、ぼくは。(会場から小さな笑い声)どうしてキライかっていうとだって1、(ブログ主注・おそらく1分の1と言おうとした)ガンダムじゃなくてボトムズなんだもん。
(会場大笑、拍手)
富野
それで実際に、素っ頓狂なもの(聞き取り不可)えっ鉄で作ったって言った時に、あ、そりゃあボトムズになるよねっていうのが分かる訳。
あの今回お会いするにあたって、改めて、倉田さんのことを調べてみて、好きになりましたって言い方があるのは、
倉田
(小さい声で)ありがとうございます。
富野
どういうことかと言うと、一番考え落ちしていたことがあるわけ。それは今のお話と全然違う話です。
(ステージ上でちょっと笑い声)
富野
ああアートねって、鍛冶屋さんねって。だったら分かるっていうのがあって。要するにえーと、うーん、理科系工業科系機械科系じゃないんですよ。
倉田
そうですね。
富野
だからボトムズなのかったら、それはしょうがねえよねってホントに思いましたもん。
倉田
あ、でもね、今回これをやったことによって
富野
うん。
倉田
この4トンの4メーターサイズ、彼は2本足でいけるって言い切りましたからね。
司会
吉崎さんが。
富野
へーえ。
吉崎
私クラタス以外は全部2脚でやっているんですよ。
富野
うん。うん。
吉崎
で、人間の等身より少しでかいくらいまではすでにやっていて、で、クラタス見てこれは8メーターまでは絶対いけると思っています。
富野
へーえー。
?(たぶん倉田さん)
レイバーじゃないすかね。
吉崎
レイバーですね。
場内・ステージ上とも微妙な笑い声。
?(発言者不明)
汎用一般レイバーですよ。
?(発言者不明)
不思議な雰囲気になってきたぞ、おい。
富野
ぼくの嫌いなタイトルは出さないで下さい。
(会場爆笑)
吉崎さん、V-Sidoの説明。Gガンのトレースシステムも例にあげながら。
司会
ガンダムだって学習型の、あのコンピューターが載っていて、その後もそういったOSみたいなものが載っているイメージは監督の中にはあったんですか?
富野
あるわけないじゃないですか。(場内笑)
だってそういうこともまっったく知らないんだから。そういう意味ではその、理科系の落ちこぼれって、ねえ、どのくらいあの無残かって自分の中で、無残かっていうのを、承知の上でやってますから、全部知らないんです。
だから、ってことはそういうことができるっていうのは、そういう無神経な神経を持っている人間でないとできないの。
だからちょっとでも小利口な奴が、この仕事ができると思ったら大間違いなの。
だからぼくはこうやってもっともらしい顔をして、(聞き取り不可)歳になりましたけれども、かなりいい加減だからあれができてるんで、そうでなかったらこんなアニメの仕事なんかやってられる、やってられるわけないだろ馬鹿馬鹿しい。
専門家ではないからこそできる発想がある、と大平さん。その発想を、プロが実現化に向けて動く流れは面白い、と指摘。
富野
だからリアルに考えると大体あの、いわゆる俗に言う、その発明するという人達っていうのは大体傍系、の人で主流の人、ではないというのはあらゆるジャンルに言えることですから、あのーそれは正しいし、だからそのー、こういう形でのあのエンタメの部分に触発された、次の世代が、また次の世代がです。
あのー、なんて言うかその、エンタメが示唆しているものをリアリズムに転化していく作業っていうのは当然あるべきですし、まだガンダム、のようなものを作り続けてもいいだろうなとは思っている。
だからそこで問題なのは、そうは言っても問題な、問題があって、じゃあその40・50年(しごじゅうねん)前の気分で作ってていいのか、というのが、実を言うとちょっとだけ、違ってくる問題があって、そろそろもう少し違うバージョンに、今から入りつつあるんじゃないのかなっていう話は、ホントはちょっとしたいんだよね、っていうのはある…んだけどもね…。
クラタスのテーマ曲流れて、第1部終り。
今日はここまで。眠い。
第2部も序盤は倉田さん・吉崎さんのコーナーが続くので、そこが終るまでは責任もって文字起こしします。
最後のゲストの宇野さん編は、どうしよ。なんかゼロ年代とかどうでもいいんだよな。
興味ない。
アクセス数と相談して、需要あるようだったら、やります。
しかし今回の文字起こし部分でビックリしたのは、OSを知らなかったことではなく、「え、じゃあ富野は映画パトレイバーの1を見てないの?」ってことでした。
逆シャアと公開年あまり変わらないし、こっそり(?)見ていると思い込んでいたんだけれど。
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音楽の時間。ガンダム好きな番組Dが選ぶガンダムソング。
まずVガンの前期OP。Vガンは吉崎さんが小学生、宇野さん・司会は中学生時代にリアルタイム視聴。話をふられる富野。
富野
これねぇ…(ゴメンねぇ?)(会場笑)
そういうことで言えば、この作品に関しては本当に嫌な思い出しかなくて(会場笑)、あの、まさに、えーとフリーのアニメ制作者というか、原作者、の立場にたっていても、スポンサーにそう言われたらそのように作るしかなかったっていう典型的な作品ですから。
と言いながら、いや、それが味なんですよねって言うバカも現れるわけで、困ったなあっていう風に本当に、あのいまだに、あの自分の中でいまだにおさまらない。
2曲目はGガンED。
Gガンで作品を手放したのは? と司会が質問。
富野
いやいやいや、だってぼく基本的に、機動戦士ガンダムっていう著…タイトル権とか著作権とか原作権はあの、一括買取の時代でしたから、あのー、そういう権利を持っている人が、次はべ…あの誰それで作るぞみたいな話があっても、それは断る権利がぼくにはないから。
で、そうなのそうなのって話だけです。だからこれがあのー、初めて、ぼく以外の人がガンダムをやったんだけれども、ただ、えー今川監督については、だったら次にやるのは、ぼくの次にやるのは今川しかいないよっていうのはぼくが指名しました。
次は『水の星へ愛をこめて』。
司会が、歌手のキャスティング権は監督にあるのか質問。
富野
ほとんどないです。ほとんどなくって、やっぱりその時その時に、それこそあの、使える人、手伝っていただける・人がこな、来ない限りできないから、ぎゃ…こちらから指名するということができるだけのつまり力がない。そういうことですね。
だから森口さんにとっては良かったかもしれないと、想(そう)…いや、ご本人も必ずしもあの本人同士の話をしている時に要するにいい話しかしてくれないから、なんだけど、どこまで、良かったかどうかっていうのはかなり怪しいと思います。
「由悠季の部屋」2組目のゲスト。
現代美術家の倉田光吾郎さん、ヒューマノイド用インターフェースソフト開発者の吉崎航さん。
2人は内部で人が操縦する巨大人型ロボット「クラタス」を製作した。
2人による「クラタス」の説明。最初に倉田さん、次にOS・操縦システム担当の吉崎さん。
富野
OSってなんですか?
パソコンにおけるwindowsみたいなものなんですが…と吉崎さん。30センチから4メートル、様々なサイズのロボットに共通して使える旨を説明。
吉崎
これを今、OSと呼んでいます。
富野
OSと呼んでいる。とういうことはあの、V-Sido。
吉崎
V-Sido。
富野
っていうのが
吉崎
はい。
富野
それに相当する。
吉崎
それに当たります。
富野
だけどそうなってくるともう、すでに根本的に分からないことが出てくるんだけれども、30センチとうーん4メートル
吉崎
はい。
富野
だとすると、それぞれのパーツ、の移動距離っていうのは本質的に違うじゃないですか。
吉崎
違います。
富野
その距離の違いみたいなことも、そのなんて言うの、瞬間的に、えー識別できるようなプログラミングができるっていうこと?
吉崎
その通りです。しかもその瞬間的にっていうところが仰るとおり非常に重要で。
富野
はい
吉崎
全くその今のコンピューターだとスピードが遅いので、もうスーパーコンピューターみたいなのを使わないと計算できないだろうって話になっちゃうんですが
富野
(笑いながら)うん。
吉崎
それをそのノートパソコンでできるようにもう1から組み直して。
富野
あ、なるほどね。って迂闊に言っちゃいけないんだ。
ここで司会から吉崎さん・倉田さんの歩みの説明。
倉田さんのトーク。
4脚でロボットを作る理由。倉田さんと吉崎さんの出会い、共同制作に至るまで。
富野
いや、とてもよく分かりました。あの倉田さんの話をしますと、実を言うととてもキライ、キライなんです、ぼくは。(会場から小さな笑い声)どうしてキライかっていうとだって1、(ブログ主注・おそらく1分の1と言おうとした)ガンダムじゃなくてボトムズなんだもん。
(会場大笑、拍手)
富野
それで実際に、素っ頓狂なもの(聞き取り不可)えっ鉄で作ったって言った時に、あ、そりゃあボトムズになるよねっていうのが分かる訳。
あの今回お会いするにあたって、改めて、倉田さんのことを調べてみて、好きになりましたって言い方があるのは、
倉田
(小さい声で)ありがとうございます。
富野
どういうことかと言うと、一番考え落ちしていたことがあるわけ。それは今のお話と全然違う話です。
(ステージ上でちょっと笑い声)
富野
ああアートねって、鍛冶屋さんねって。だったら分かるっていうのがあって。要するにえーと、うーん、理科系工業科系機械科系じゃないんですよ。
倉田
そうですね。
富野
だからボトムズなのかったら、それはしょうがねえよねってホントに思いましたもん。
倉田
あ、でもね、今回これをやったことによって
富野
うん。
倉田
この4トンの4メーターサイズ、彼は2本足でいけるって言い切りましたからね。
司会
吉崎さんが。
富野
へーえ。
吉崎
私クラタス以外は全部2脚でやっているんですよ。
富野
うん。うん。
吉崎
で、人間の等身より少しでかいくらいまではすでにやっていて、で、クラタス見てこれは8メーターまでは絶対いけると思っています。
富野
へーえー。
?(たぶん倉田さん)
レイバーじゃないすかね。
吉崎
レイバーですね。
場内・ステージ上とも微妙な笑い声。
?(発言者不明)
汎用一般レイバーですよ。
?(発言者不明)
不思議な雰囲気になってきたぞ、おい。
富野
ぼくの嫌いなタイトルは出さないで下さい。
(会場爆笑)
吉崎さん、V-Sidoの説明。Gガンのトレースシステムも例にあげながら。
司会
ガンダムだって学習型の、あのコンピューターが載っていて、その後もそういったOSみたいなものが載っているイメージは監督の中にはあったんですか?
富野
あるわけないじゃないですか。(場内笑)
だってそういうこともまっったく知らないんだから。そういう意味ではその、理科系の落ちこぼれって、ねえ、どのくらいあの無残かって自分の中で、無残かっていうのを、承知の上でやってますから、全部知らないんです。
だから、ってことはそういうことができるっていうのは、そういう無神経な神経を持っている人間でないとできないの。
だからちょっとでも小利口な奴が、この仕事ができると思ったら大間違いなの。
だからぼくはこうやってもっともらしい顔をして、(聞き取り不可)歳になりましたけれども、かなりいい加減だからあれができてるんで、そうでなかったらこんなアニメの仕事なんかやってられる、やってられるわけないだろ馬鹿馬鹿しい。
専門家ではないからこそできる発想がある、と大平さん。その発想を、プロが実現化に向けて動く流れは面白い、と指摘。
富野
だからリアルに考えると大体あの、いわゆる俗に言う、その発明するという人達っていうのは大体傍系、の人で主流の人、ではないというのはあらゆるジャンルに言えることですから、あのーそれは正しいし、だからそのー、こういう形でのあのエンタメの部分に触発された、次の世代が、また次の世代がです。
あのー、なんて言うかその、エンタメが示唆しているものをリアリズムに転化していく作業っていうのは当然あるべきですし、まだガンダム、のようなものを作り続けてもいいだろうなとは思っている。
だからそこで問題なのは、そうは言っても問題な、問題があって、じゃあその40・50年(しごじゅうねん)前の気分で作ってていいのか、というのが、実を言うとちょっとだけ、違ってくる問題があって、そろそろもう少し違うバージョンに、今から入りつつあるんじゃないのかなっていう話は、ホントはちょっとしたいんだよね、っていうのはある…んだけどもね…。
クラタスのテーマ曲流れて、第1部終り。
今日はここまで。眠い。
第2部も序盤は倉田さん・吉崎さんのコーナーが続くので、そこが終るまでは責任もって文字起こしします。
最後のゲストの宇野さん編は、どうしよ。なんかゼロ年代とかどうでもいいんだよな。
興味ない。
アクセス数と相談して、需要あるようだったら、やります。
しかし今回の文字起こし部分でビックリしたのは、OSを知らなかったことではなく、「え、じゃあ富野は映画パトレイバーの1を見てないの?」ってことでした。
逆シャアと公開年あまり変わらないし、こっそり(?)見ていると思い込んでいたんだけれど。
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おつかれさまです。富野さんのOSの発言は司会に徹しただけかもしれませんよ
by taiu (2013-08-25 04:51)
taiuさん、コメントありがとうございます。
そうですね、その後に自分でブシドーの話に繋げているので、ひょっとしたらフリかもしれません。
by 坂井哲也 (2013-08-25 12:53)