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「想像力の貧困」は何を指していたのか? や、朝日新聞の「ラララの時代」での富野インタビュー、など [富野監督関係]

 どうも。

 えー。本当は久し振りに、ガツンとした富野論的なモノを書く予定だったんだけれど、これは明日に。
 もう9割方書き終えているので、日付が変わって深夜2時頃には更新できると思います。

 今日はチョイチョイと別な話題を。


 えーと。なんだ。

 マクラに最近のアニメの話でもする? 1作品ずつ短く。


 えー、バカバカしいお話ですがお付き合いを。



 『はがない』は前シリーズもそうだけれど、萌えアニメなのに、ヒロインに全く魅力がないってのは斬新ですな。


 『俺修羅』は、内容はどうでもいいですが・久し振りに、声優さんで楽しめるアニメでした。


 『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』は、テーマ性がない分、純粋な娯楽作品として上質だったと思うけれど、ネット(アニメファン)界隈の盛り上がりには何故か欠けたようですね。不思議。

 
 『ガールズ&パンツァー』は、ファンに怒られるかもしれないけれど、『バンブーブレード』や『咲』と同じ構造ですよね。両作品のプロデューサー・田口さん曰く


キャラクターを男くさく書くと、いわゆる“スポ根もの”になります。30代から40代の世代が昔から見てきたスポ根ものを今風の設定、つまり美少女キャラに置き換えただけの物語だから(当たる)と言っても過言ではないと思います。



 これですよね。
 上記の田口さんの発言は、自ら手がけた『バンブーブレード』『咲』への分析ですが、ガルパンもこの系譜だと思います。

 この「屋台骨」に、あとは戦車の描写とか、戦闘の面白さとか、裏ドラがいくつバンバンするか、ってことで。
 ガルパンは裏ドラが多く乗った。


 『ビビッドレッド・オペレーション』も同じ系譜。

 1話で言うと、おじいちゃんが残したメカ(マジンガー)からの合体不可(ロペット「脳波が一致しません」)、そしてゴルディオンハンマー。その後のエア排出ブシュー。完全に昔のロボットアニメ。
 それを美少女に置き換えた。ビビットレッドはセラムンやプリキュアではなく、ロボットアニメの系譜ですよ。少なくとも1~2話は。

 後は裏ドラが乗るか。ぼくの視聴は途中でストップ、まだ見終わっていない。


 『たまこまーけっと』は普通に面白かった。
 ただ仕事を通じて、商店街の衰退や頑張りを知っているので、どうしても入り込めないところがあった。

 現実逃避のアニメなんだから、あれでいいんだけれどね。

 サイコパスやキューティクル探偵、ラブライブはHDの肥やし状態。現在のところは。

 あ、あと乳。あのアニメは乳。


 さて、マクラが長くなりすぎた。


 富野が先日出席した「宇宙社会学シンポジウム」での発言内容が、ひびのたわごとさんで紹介されています。

 で、シンポ直後に、参加なさっていた研究者の1人が。
 ある先生が「未来の宇宙コロニーで描かれる社会はニュータウンや社宅にそっくり。この想像力の貧困!」と発言した、とツイートしていたんですよね。

 ぼくはこのツイートを読んで、てっきりコロニー内の建物のことを言っていると思ったんですよ。アムロの家とかね。

 でも上記のブログを読んだら、スペースコロニー自体を「職住一体型だし、社宅の延長」と指摘したようですね。それだと全く意味合いが違ってくる。

 まあテキサスコロニーは「観光・牧畜用」のコロニーだし、職住一体型ばかりではないのだけれど。ただ学術系のシンポジウムで、富野がそんな弁解をするわけないし。

 何より富野は以前から、スペースコロニーの問題点を自ら指摘しているから。シンポジウムではすんなりと反対意見を受け止めての話題展開、となったのでしょう。



 次の話題。

 最近、やたらと富野が登場している朝日新聞。また出ました。

 虫プロを振り返る「ガンダムへの出発点(ラララの時代)」。

 以前、別の富野記事を読むため、無料会員になったのは無駄ではなかった。

 今回、短いですが、貴重な発言があります。以下のこの文章。


手塚原作への復帰が72年の「海のトリトン」だった。原作を大胆に脚色し、少年トリトンとポセイドン一族の息詰まる戦いにした。「虫プロからもう出入り禁止だと言われた」


 
 やっぱりね。そのくらいの風当たりの強さは、当然あったわけだ。

 今回のインタビューでは、「虫プロからもう出入り禁止だと言われた」理由が「原作を大胆に脚色したから」と読み取れるけれど、そうじゃないでしょ。

 手塚を騙す形で(少なくとも手塚は騙されたと思った方法で)手塚作品の版権全てを手に入れた、西崎義展プロデューサーの元で『トリトン』のチーフディレクターをやることを承諾したから、「虫プロからもう出入り禁止だと言われた」んでしょう。間違いなく。

 富野の口から、『トリトン』との絡みで虫プロの話が出るのは珍しく、例え一言でも「おっ」と思ったのでした。


 

富野を知るにはこれを買え


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kaito2198

虫プロに関しては、昔からわりとそれを匂わせるような話をしてなかったっけ。まあいいや。事実として、トリトン以降、富野はもう二度と虫プロの仕事をしたことなかったんで、たぶん本当のことでしょう。

ただ、経緯は仰ったようなこととちょっとだけ違うかもしれません。
①西崎が虫プロを代表して富野に監督をオファー。手塚も了承。
②富野・虫プロ+西崎で企画が進んだ。その過程でオフィスアカデミーに外注することを決定。
③西崎による虫プロの版権事件発生。西崎と虫プロが決裂。
④それでもなお西崎のもとでトリトンを作る富野。
というものだと思います。

つまり承諾はもっと先のことで、虫プロとの仲違いはもうちょっと後のことだったと思います。どのみち、西崎側を選んだ時点で、もう虫プロと絶縁だったんでしょう。まあ72年以降の虫プロはほとんど仕事なかったしな…(西崎事件影響のせいだろうけど)。
by kaito2198 (2013-04-03 21:50) 

坂井哲也

kaito2198さん、コメントありがとうございます。

そうか、kaito2198さんのおっしゃった時系列で考えた方が、ぼくが前から考えていた矛盾がなくなります。どうしてあんなことをした西崎が、虫プロ周辺の富野をキャスティングしたのか、不思議だったんですよね。

kaito2198さんの教えて下さった時系列なら、真佐美さんが書かれていた富野と手塚が打ち合わせをする機会もあった訳ですね(富野は『だから僕は…』で、手塚との打ち合わせを否定していますが)。

虫プロのスタッフが西崎の下で働くのを拒否したのは、3と4の間ですね。で、富野も虫プロに義理立てするとしたら、この期間が機会だったわけだ。

2と3の間は、ちょっと微妙ですね。
『だから僕は…』には、「以前に虫プロで作ろうとした十分ほどのフィルムはあったのだが、虫プロ内部にいろいろな問題があって、製作をスタッフルームが請け負うことになったのだという」と書かれているんですよ。
この「問題」は明らかに西崎のことですよね。

ダメだ、この話題はコメント欄にはおさまりません(笑)。


>虫プロに関しては、昔からわりとそれを匂わせるような話をしてなかったっけ

ぼくは「そのときの虫プロの事情は知らない」とか「そういう社内事情は知りません」とかばっかりで、ハッキリと西崎・虫プロとの関係を言った文章を読んだ記憶はないんですよね。

でも、ぼくよりkaito2198さんの方が多くの資料読んでいるでしょうから、その差かもしれません。
by 坂井哲也 (2013-04-04 02:33) 

kaito2198

この話はとても書く甲斐がありますので、もう一度新しい記事にするのをオススメします。

確かに真佐美氏の話によりますと、手塚先生は富野さんに絶大な信頼を持ち、作品に関して彼に一任したそうです。だから打ち合わせというか、あくまでも企画初期の対面なのではないかと。もともと先例があったから別に不可能ではないと思います。

ただ、その間の二人の間にも西崎や別の虫プロスタッフ(真佐美氏とか)が入ってましたので、あえて富野に一任させるようにしたのも西崎の計算だと捉えるのは考えすぎかな。

「いろいろな問題」という言い方はずるいですよね。もともと虫プロは確かに虫プロで青いトリトンを創りたくて、パイロットフィルムまで創りました(1971年10月)。上の時系列でいうと、①より以前の段階の話ですね。

しかし企画が進んでるうちに、西崎がアニメーション・スタッフ・ルーム(アカデミーは間違いでした。すまん)を設立し、そっちで制作するようにいろいろ手を加わった。時系列でいうと、1.5の時期でした。これに関しては、当時の虫プロに別の企画もあり、それほど体力がなかったことから、虫プロ内部も多少疑問あったものの了承したようです(でも、真佐美氏によると初期の何本かは虫プロ制作と証言)。

そして、72年4月に西崎事件が発生。実はトリトンの放送開始とほぼ同じ時期だったんです。

はっきりいって、西崎事件に関しては、富野の話を無視するのは一番だと思います。いろんな意味で局外者だったんですし、そもそも西崎に関しても未だにいわないことがたくさんありますから。

資料に関しては、私も特にこれといった話を読んだことありません。監督はご存知の通りいつもの曖昧な言い方ですから。
by kaito2198 (2013-04-04 19:00) 

坂井哲也

kaito2198さん、コメントありがとうございます。

ですよね、このネタ丁寧に書くと、富野ファンには結構興味深いものになりそうですよね。

資料が少ない+誰の証言を信じればいいのか分からない(昔のことなので、ご当人達の話でもどこまで記憶を信じていいのだろうか? と正直思っています)ので、書くのがちょっと難しい・時間かかりますけれど。

もし書く時は、今回のkaito2198さんとのやりとりをまず記事冒頭にそのまま掲載するので(笑)、その時はご了承下さい。
by 坂井哲也 (2013-04-05 19:27) 

kaito2198

もちろんいいですよ。

ちなみに上に書いた出来事は全て事実に基づく記載なので、別に信憑性の問題は無いと思います。あるとすれば、「信頼」「計算」「裏切り」といった主観が入ってるところでしょうね。

どのみち坂井さんの力にかかってる議題ですので、ぜひとも記事にしてください(笑)。
by kaito2198 (2013-04-06 00:28) 

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